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「スコーレNo.4」宮下奈都

2014年04月11日 21時22分18秒 | 読書(小説/日本)


「スコーレNo.4」宮下奈都

妹・七葉と比べられることの多い、姉の麻子。
(妹はすごく可愛いて、自己主張が強い)
それに引き替え、姉は性格も外見も平凡、と感じている。
そんな麻子の成長が、中学、高校、大学、職場と描かれる。

P158
私は家を出ることにした。七葉から離れたかった。七葉にあって私にないものを「それだけのこと」だと認めてしまえば、他に方法がなかった。人生は勝ち負けじゃない。だけど、私は負けているのだ。七葉のそばにいたら、きっとずっと負け続ける気がした。

全部で4章あるが、どんどん面白くなってくる。
様々な側面を持つ作品で、それぞれの章で趣向も異なる。
私は働きだしてからの章が、特に良い、と感じた。

先日読んだ「よろこびの歌」「終わらない歌」が良かったので、本作品を読んだ。
「よろこびの歌」宮下奈都
「終わらない歌」宮下奈都


【おまけ】
子どもから成人までを描いた作品と言えば、
「永遠の出口」「グラデーション」を思い出す。

特に「永遠の出口」は騙されたと思って読んで欲しい。
とても面白いから。

↑山本幸久作品・・・こちらは、16歳から21歳までの成長を描いている。

↑佐藤多佳子さんなら「黄色い目の魚」

↑豊島ミホさんなら、この2冊。私は「夜の朝顔」が、豊島作品の中で、一番好き。
角川文庫<br> サウスバウンド〈上〉 角川文庫<br> サウスバウンド〈下〉 
奥田英朗さんが少年を描くとこうなる(評判の高いお薦め作品)

【ネット上の紹介】
自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へと変わっていく。そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分のいちばん大切なものとは…。ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。