「11/22/63」(上・下)スティーヴン・キング
スティーヴン・キングの『タイム・トラベル』もの。
タイトルの11/22/63とは、1963年11月22日のこと。
ケネディが暗殺された日を意味する。
文春ミステリー海外部門ベスト1位。
もう読むしかないでしょう。
・・・・と言う訳で、さっそく読んだ。
上巻529ページ。
下巻515ページ。
しかも、二段組。
読みごたえがあったし、おもしろかった。
ケネディ暗殺を止められるか?
これが大きなテーマだけど、これに主人公の恋愛が絡んでくる。
公と私の両面から物語が展開する。
ハラハラどきどきの展開。
このあたり、さすがベテラン、熟練の文章力を感じる。
上巻で、感極まるシーンが2箇所あった。
P297
エレンが主人公に問い詰めるシーン。
「あなたはあの男ね?」
P340
マーニーが主人公を抱きしめるシーン。
「夫をなにから救ってくれたんです?」
記憶に残るセリフ
P394
人の意見はケツの穴とおなじ、だれにでもひとつはある。
バタフライ効果について(下巻)
P279
過去は変えられることを望まないからだ。過去は反撃してくるんだよ。
中略
「バタフライ効果とうものがあって――」
「知ってるわ」セイディーはいった。「その話が出てくるレイ・ブラッドベリの短編があるし」
「ほんとに?」
「題名は『いかずちの音』。とても美しくて、とても心を騒がせる作品。(後略)
いろいろエンディングを想像しながら読んだ。
私はセイディーを連れて帰る、って思ったし、途中から、著者も作中で触れていた。
(だから、セイディーは浦島太郎状態になる、と思った)
見事に裏切られた。
でも、このラストはすばらしい。
(男性作家らしいロマンティックな終わり方)
【参考リンク】
「リテイク・シックスティーン」豊島ミホ
【ネット上の紹介】
小さな町の食堂、その倉庫の奥の「穴」。その先にあるのは50年以上も過去の世界、1958年9月19日。このタイムトンネルをつかえば、1963年11月22日に起きた「あの悲劇」を止められるかもしれない…ケネディ暗殺を阻止するためぼくは過去への旅に出る。世界最高のストーリーテラーが新たに放った最高傑作。