【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「性風俗のいびつな現場」坂爪真吾

2016年06月07日 21時01分34秒 | 読書(風俗/社会/貧困)


「性風俗のいびつな現場」坂爪真吾

著者は、上野千鶴子さんの弟子にあたる。
風俗を貧困や社会問題として考え、セーフティネットの機能も論じた作品。

鶯谷デッドボールについて
P111
他の風俗店では不採用になるような地雷女性=「デブ・ブス・ババア」を集めたレベルの低さ日本一の「地雷専門店」として、業界では有名な存在だ。(これで儲かるのだろうか?HPの求人コーナーを読むと「資格習得支援制度」まであり、次のように書かれている→「風俗卒業後もちゃんと考えたい!」「お仕事しながら資格・検定をGET♪」

P124
売れている女性は自分に投資できる。そしてどんどん売れるようになる。売れていない女性は自分に投資できない。そしてどんどん病んでいく。

P155
 取材に伺った「おかあさん」池袋店の在籍女性は92名で、平均年齢は52歳。現在の客層は、新規1割、指名3割、不特定多数の女性を指名するリピーターが6割だそうだ。
 利用料金は60分1万円から。そのうち女性のバック(取り分)は5500円だ。(HPを見ると、確かに50代から60代の女性が多数登録されている…需要がある、って事なんでしょうね。さらに、求人コーナーを読むと、「生活相談会・風テラス」も実施されている(至れり尽くせりだ)→「風テラス」では、当グループで働く女性が、現在抱えている悩み(借金、離婚、障害、病気、介護、育児、DVなど)を、風俗で働いているという事実を隠さずに弁護士と社会福祉士に相談をすることができます。もし自分ではどうしようもできない悩みがありましたら、スタッフを始め「風テラス」でも全力でご相談に応じます)

P164
熟女好きの男性には、きれいな女性より大柄な女性が好きな人がいる。子どもの時は母が大きく見える。胸やお尻の大きい大柄な女性に抱かれることで、縮尺的に子どもに戻れるのだという。

【とりとめのない独白】
風俗料金は、ピンキリであるが、およそ14000円。
本が10冊買えることになる。

石川啄木は、買春が止められなかった、妻がいるにもかかわらず。(あの「ローマ字日記」に書かれている)
シューベルトは、梅毒で亡くなっている。(誰から感染したのか学会では研究が進んでいる)
人格とナニの相関関係はどの程度あるのか? 
ポテンシャルの問題?

【参考リンク】
鶯谷デッドボール訪問

【ネット上の紹介】
わずか数千円で遊べる激安店、妊婦や母乳を売りにする店、四〇から五〇代の熟女をそろえた店など、店舗型風俗が衰退して以降、風俗はより生々しく、過激な世界へとシフトしている。さらに参入するハードルが下がり、多くの女性が働けるようになった反面、大半の現場では、必ずしも高収入にはならない仕事になっているのが実態だ。それでは、これから風俗はどこへ向かっていくのだろうか。様々な現場での取材・分析を通して、表面的なルポルタージュを超えて、風俗に画期的な意味を見出した一冊。

[目次]
第1章 地方都市における、ある障害者のデリヘル起業体験記
第2章 妊婦・母乳専門店は「魔法の職場」
第3章 「風俗の墓場」激安店が成り立つカラクリ
第4章 「地雷専門店」という仮面
第5章 熟女の・熟女による・熟女のためのお店とは?
第6章 ドキュメント 待機部屋での生活相談
終章 つながる風俗


比叡山

2016年06月05日 10時13分32秒 | 登山&アウトドア(関西)

比叡山に登ってきた。
滋賀県側から登って、雲母坂を使って京都に降りた。
(このコースは良い…延暦寺に参拝して、蕎麦も食べられる)
11:00JR比叡山坂本
12:00延暦寺(比叡山蕎麦730円)
12:45山頂
02:30修学院駅

JR比叡山坂本で降りて、ここまで15分くらい

琵琶湖大橋が見える

お地蔵さんのある休憩所

賀茂川の鳥

ふたばに寄ってお土産を買おうと思ったが、混雑に心が萎えた


「新「ニッポン社会」入門」コリン・ジョイス

2016年06月04日 18時27分34秒 | 読書(現代事情)


「新「ニッポン社会」入門 英国人、日本で再び発見する」コリン・ジョイス

先日読んだ、「ニッポン社会」入門の続編。→「ニッポン社会」入門/ コリン・ジョイス

P14
「くまのプーさん」「ひつじのショーン」と呼ぶのに、どうして「ねずみのミッキー」とは言わないのですか?

P41
 ぼくは日本で、自分の仕事を好きだという人に出会ったことがほとんどないが、人々は長時間働くことに対してある種の屈折した誇りをいだいているようだ。不満を口にするその裏側に、ぼくは人々が我慢比べのテストを受けているような感覚を持っているのを、あるいは「自分は必要とされている人間だ」という思いをいだいているのを感じてしまう。イギリスであれば、仕事を好きだという人ははるかに多いが、たいていの人は労働時間は短いほうがいいと思っている。

著者がオックスフォード大学で学んだ時、歴史の先生の言葉
P46
「もっと働こうと呼びかける人たちを頼るような経済モデルは、必ずどこかに誤りがある」

【ネット上の紹介】
日本論なら、この人におまかせ! 10年ぶり、あの快作がパワーアップして帰ってきた。初の著書『「ニッポン社会」入門』で、日本社会の本質を鮮やかに描き出したコリン・ジョイスが、再びその真相に鋭く迫る抱腹必至のエッセイ集。今回も、思いもよらないような発見と磨き上げられたユーモアが満載。東京オリンピックを4年後に控え、ますます増え続ける訪日外国人。異国の生活に戸惑う彼らの心情を知り、自らを省みるためにも最適の1冊。

[目次]

永遠に解けないニッポンの謎
テレホンカードの密やかな愉しみ
はったり利かせて、目指せ「日本通」
ナマハゲに捧げる、ささやかな忠告
外国人をからかうなら、今だ!
「半熟ニホンゴ」の話し方
やっぱり、日本語はおもしろい
ぼくのニッポン赤面体験
ゆるキャラ、侮るなかれ
川べりの優雅な少年たち
二つの国のサッカー、その理想と現実
「モンキー」は、ぼくのヒーロー
お願いだから、ぼくにその話を振らないで
「あまり知られていない」ニッポン
「日本人、変わってる?」
日本は今日も安倍だった
あのとき思ったこと、いま思っていること
知らなかったことだけで、一冊の本になる


秋川リサさんインタビュー記事

2016年06月02日 20時54分15秒 | 読書(エッセイ&コラム)


秋川リサさんインタビュー記事2016.6.1朝日新聞
介護をしていて、母の手記を見つける。
「目に飛び込んできたのは、私や夫への不平不満、罵詈雑言でした。『娘なんて産まなきゃよかった』(後略)」

「私の人生なんだったんだろうと本当に打ちのめされたのは、何日か過ぎてからです。夫婦は嫌なら別れられる。血のつながった親子は別れることはできないのです」

「周りからは『親子なんだから施設に入れずに家で面倒をみなさい』って言われる。でも親子だからこそうまくいかないということがある」

「親子なら何でも許されるわけではないということを私は母から教わった気がします。親子だからこそ気をつかわねばいけないことがある。そう思って努力しています」

「親の仕事は子育てをして社会人にしたら終わりではなく、どう死に別れるかまで、ちゃんと見せなきゃいけないんじゃないか、と。(後略)」
母の日記 


「三十三間堂外伝」平田弘史士

2016年06月01日 19時58分02秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「三十三間堂外伝 平田弘史士道劇画傑作選」1

急に、平田弘史士作品を読みたくなって取り寄せた。
民主主義が煮詰まった現在、封建主義を振り返りたくなる。
時代小説を読むと、悪い時代じゃなかったような気もする。
でも、実際どうだったんだろう?

三十三間堂で弓を射る…これは強弓+テクニックの大変な技量が必要






現在のサラリーマン社会を見ていると、封建時代と変わらないような気もする。
企業トップも、戦国時代好きで封建的なオヤジが多いし。

【おまけ】
「風にもまけず、粗茶一服」の文章を紹介する。

三十三間堂は、平清盛が後白河法皇のために建てた。内陣に並ぶ柱と柱の間が三十三あることからそう呼ばれている。柱の間隔は二間ほどだから、つまりずいぶんと細長いお堂であり、なぜかくも長いのかと言えば、そこに千体もの観音像を並べるからだ。
(中略)
ところで、千体千手観音に比べれば知名度はかなり下がるかもしれないが、三十三間堂と聞いて次に人々の脳裏に浮かぶのは、おそらく<通し矢>伝説だろう。
二間おきに柱が立っているということは、本堂の全長は約百二十メートルということになる。この軒下で、江戸時代、弓の名手達が端から端まで一昼夜に何本射通せるか矢数を競った。
今、一般的に弓道の試合は二十八メートル先に的を置いて競うから、百二十メートルといえばその約四倍にあたる。それほど遠くへ矢を飛ばすには、弓を上に向けて矢の滞空時間を延ばすにしくはない。ところが、軒下ではこれができない。水平に遠くまで飛ばすには強弓を使うよりない。弱い弓でまっすぐ射ても矢はすぐに落ちてしまうからだ。百二十メートルに及ぶ軒の下で矢数を競うということは、言うまでもなく破天荒な腕力勝負であった。次々に剛の者が登場し、百単位の勝負から、またたく間にエスカレートして千本単になった。三十三間堂で今も見ることのできる額には、星野勘左衞門という紀州藩士が八千本を射通したことが記されており、さらにその後すぐに紀州の和佐大八郎が八千百三十三本を記録した。
八千本というのは通すのに成功した数であって、彼らが放った矢はもっと多い。星野にしても和佐にしても一万本以上の矢を射ており、通らなかった矢の多くは軒や庇に突き刺さった。三十三間堂の軒は、だから今も疵だらけなのだ。爾来この場所は弓道家にとって特別な空間となっている。



↑ これは私が現地に行って撮った写真。
この距離を1本だけでも射るのは至難でしょう。
一昼夜に八千本射るって事は、とんでもない速射である。

【リンク】
三十三間堂(蓮華王院本堂)

【ネット上の紹介】
親を殺され、財産を失い、そして己の命までも…。藩の名誉のため、己の意地のために全てを賭ける侍たちの凄絶な生き様。読む者の心を揺さぶらずにはおかない傑作時代劇を4話収録。収録作品:首代引受人<実>/三十三間堂外伝/歪/弑逆の武人