「性風俗のいびつな現場」坂爪真吾
著者は、上野千鶴子さんの弟子にあたる。
風俗を貧困や社会問題として考え、セーフティネットの機能も論じた作品。
鶯谷デッドボールについて
P111
他の風俗店では不採用になるような地雷女性=「デブ・ブス・ババア」を集めたレベルの低さ日本一の「地雷専門店」として、業界では有名な存在だ。(これで儲かるのだろうか?HPの求人コーナーを読むと「資格習得支援制度」まであり、次のように書かれている→「風俗卒業後もちゃんと考えたい!」「お仕事しながら資格・検定をGET♪」 )
P124
売れている女性は自分に投資できる。そしてどんどん売れるようになる。売れていない女性は自分に投資できない。そしてどんどん病んでいく。
P155
取材に伺った「おかあさん」池袋店の在籍女性は92名で、平均年齢は52歳。現在の客層は、新規1割、指名3割、不特定多数の女性を指名するリピーターが6割だそうだ。
利用料金は60分1万円から。そのうち女性のバック(取り分)は5500円だ。(HPを見ると、確かに50代から60代の女性が多数登録されている…需要がある、って事なんでしょうね。さらに、求人コーナーを読むと、「生活相談会・風テラス」も実施されている(至れり尽くせりだ)→「風テラス」では、当グループで働く女性が、現在抱えている悩み(借金、離婚、障害、病気、介護、育児、DVなど)を、風俗で働いているという事実を隠さずに弁護士と社会福祉士に相談をすることができます。もし自分ではどうしようもできない悩みがありましたら、スタッフを始め「風テラス」でも全力でご相談に応じます)
P164
熟女好きの男性には、きれいな女性より大柄な女性が好きな人がいる。子どもの時は母が大きく見える。胸やお尻の大きい大柄な女性に抱かれることで、縮尺的に子どもに戻れるのだという。
【とりとめのない独白】
風俗料金は、ピンキリであるが、およそ14000円。
本が10冊買えることになる。
石川啄木は、買春が止められなかった、妻がいるにもかかわらず。(あの「ローマ字日記」に書かれている)
シューベルトは、梅毒で亡くなっている。(誰から感染したのか学会では研究が進んでいる)
人格とナニの相関関係はどの程度あるのか?
ポテンシャルの問題?
【参考リンク】
鶯谷デッドボール訪問
【ネット上の紹介】
わずか数千円で遊べる激安店、妊婦や母乳を売りにする店、四〇から五〇代の熟女をそろえた店など、店舗型風俗が衰退して以降、風俗はより生々しく、過激な世界へとシフトしている。さらに参入するハードルが下がり、多くの女性が働けるようになった反面、大半の現場では、必ずしも高収入にはならない仕事になっているのが実態だ。それでは、これから風俗はどこへ向かっていくのだろうか。様々な現場での取材・分析を通して、表面的なルポルタージュを超えて、風俗に画期的な意味を見出した一冊。
[目次]
第1章 地方都市における、ある障害者のデリヘル起業体験記
第2章 妊婦・母乳専門店は「魔法の職場」
第3章 「風俗の墓場」激安店が成り立つカラクリ
第4章 「地雷専門店」という仮面
第5章 熟女の・熟女による・熟女のためのお店とは?
第6章 ドキュメント 待機部屋での生活相談
終章 つながる風俗