百醜千拙草

何とかやっています

因果応報

2025-01-07 | Weblog
2025年となって一週間経ちました。
休みが長かったので普段と違う生活が続いた後、実感したことは、年をとってすっかり体の柔軟性がなくなったということです。ちょっと動かない日々が続いただけで、階段を数階昇ると息切れがするようになったし、運動しないと食事も少ししか食べれなくなりました。食べ過ぎたり、飲み過ぎたりすると、翌日一杯持ち越すようになってきました。おかげで、自分の体をよく観察する習慣がつきましたが。

今年は、昔の友人数人から、メールで年末年始のメッセージを貰いました。かつて一緒に働いていた部下の人、大学院生時代に知り合った友人、昔の同僚、と様々です。「朋あり遠方から来たる、また楽しからずや」が実感できる年になりました。知り合って長い年月が経って、共通しているのは、皆が同じように歳をとり、病気になったり、引退を考えたり、新たな道に踏み出したり、とそれぞれの人生をそれぞれに生きていることです。それで、いまだに私のことを思い出しては連絡してくれる人々がいることはとても嬉しいことです。

一方で、ガザでの大虐殺が二つの正月を越えることになるとは思いませんでした。考えれば考えるほど、思えば思うほど、イスラエルの長年の暴虐への憤りとそれを援助し続けてきたアメリカと日本も含むその属国の身勝手さに怒りを禁じ得ません。ネタニヤフとその政権を支持するシオニスト、自らの保身のために大虐殺に加担するアメリカ議会議員、彼らはどうしてこうも残虐で意地汚く愚かなのでしょう。

イスラエルはガザのほとんどの病院を攻撃し破壊しました。戦場で働くジャーナリストを最も多く殺しました。1日平均40人以上という数の子供を最も多く殺した国がイスラエルです。最も多くの医療従事者を殺したのがイスラエルです。
そもそも、病院や子供やジャーナリストを意図的に狙って殺すような「戦争」がどこの世界にあるのでしょう。どれほど捻じ曲がったロジックでも「戦争」において、子供や医療関係者やジャーナリストを殺すことをを正当化はできません。これこそが、イスラエルが、「ハマス」だの、「自己防衛」だのという口実で行ってきた汚らしい行いが、戦争ではなくジェノサイドである証拠に他なりません。どこの世界に自己防衛のために武装もしていない子供や患者ケアに従事する医療者を狙って殺すような軍隊があるのでしょうか。

10日前は、ガザ北部に唯一残っていたKamal-Adwann病院の院長であった小児科医のHussam Abu Safiya氏が、重症患者を置いて病院から立ち退くようにとのイスラエル軍の要求に抵抗したため、イスラエルに拉致されるというニュースが流れました。彼の安否はいまだに不明です。瓦礫の中で一人戦車に立ち向かう姿が世界中の医療者を動かし、世界中で医療関係者がデモを行うという事態に発展しました。


良識と理性と人間性を備えた世界の人々が、イスラエルのネタニヤフ政権をどう見ているかは自明です。これほど世界中から嫌われる国が生きていくには、力で押さえつけるしかないでしょう。イスラエルにはそんな力はありません。これまで、アメリカ議員を金と脅しでコントロールし、アメリカ議会を操り、アメリカの国家予算を使ってイスラエルを支援させてきたからこそ、イスラエルはこのような暴虐を行うことができました。しかし、そうしたロビー活動や買収が必要であったという事実そのものが、イスラエルを支援することは、(議員の保身には必要であったにせよ)、必ずしもアメリカの国益に適ったものとは言えない、ということを示唆しています。これから下り坂に入っていくアメリカがどこかの時点で自らを顧みて反省し、イスラエルと縁を切ることを決断すれば、イスラエルの邪悪な力は失われます。

インターネットで、愚かな人の12の特徴を解説したサイトがありました。それによると、愚かな人は、1. 自己中心的、2. 人の悪口陰口を言う、3. マウントをとりたがる、4. 謝罪と感謝ができない、5. 感情で物事を決める、6. 自慢話が多い、7. プライドが高い、8. すぐに諦める、9. 自分の意見を絶対に正しいと思い込む、10. 失敗を人のせいにする、11. 他人の成功を妬む、12. 自分を過大評価する、らしいです。こういう行動や思考を続けると、周囲の人間に嫌われて孤立し、いずれ社会に居場所を失うことになるという点で「愚か」と考えられるわけですが、8を除くほとんどが、イスラエルに当てはまっています。

先日、昔ながらの友人と飲みながら、昔話をしました。何十年の付き合いなのでで、自然と、共通に知っている人々が、どういう人生を送ってきたのかというような話になり、結局、「因果応報」は確実に存在する、という結論に纏まりました。

旧約聖書の中で、神がイスラエルの人々に何を命令し何を約束しようとも、そしてたとえイスラエルがその聖書の神の言葉に従ってパレスティナ人の虐殺を行っただけであったとしても、「因果応報」の法則は関係なくイスラエルに適用されるでしょう。愚かな行いは愚かな仕打ちを受けることになるでしょう。そして、この後に及んで、イスラエルに$8 billionの武器支援という最後っ屁を放った自称アイルランド系シオニストのバイデンにも因果は巡ってくることでしょう。
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Nessun Dorma

2024-12-31 | Weblog
ジミー カーターが日曜日に100歳で死去しました。
ジョージアの田舎の教育委員会の出身で、真に民主的思想と動機の持ち主であったのではないかと私は想像しています。思うに、ウォーターゲート事件でニクソンが任期半ばで辞め、棚ぼたで大統領になったフォードとの戦いであったということが、カーターにとって選挙戦で有利に働いたと思います。こうしてユダヤ資本と大きな関わりのなかったカーターは大統領になり、そして、再選の選挙で大敗し、一期で政権を去ることになりましたが、経済政策の失敗に加えて、もう一つ要因となったと考えられているのが、中東政策と考えられています。有名なキャンプ デイビッド合意でイスラエルとエジプトの和平を取りもち、シナイ半島のエジプト返還を実現しました。しかるに、それはシナイ半島を超えてエジプトの領域の一部を含む大イスラエル構想を望むシオニストにとっては、喜ばしい取引ではなかったのではないでしょうか。加えて、マサチューセッツでの討論会で、アメリカ大統領として初めてパレスティナ人国家の建設を容認する発言をし、これらのことがシオニストユダヤの反感を買って、落選につながったと考えられています。カーターはその後も「人権外交」を継続し、2002年にはノーベル平和賞を受賞。2006に出版した本で、イスラエルのパレスティナ対するアパルタイト政策を批判し、「中東の問題の根源の多くはイスラエルである」と批判しました。おそらく史上、唯一、公にイスラエルを批判した大統領であったと思います。彼が人生最後の一年余り、どういう気持ちで現在行われているイスラエルのジェノサイドを眺めていたのでしょう。われわれが感じるよりは遥かに大きな悔しさや憤りや虚しさという思いを抱いて旅立って行ったであろうことは想像に難くありません。
「、、、アメリカ人もイスラエル人の多くも知りたくないことは、パレスティナで起きていることだ。それは、ひどい人権侵害で、外部の人間の想像の域を遥かに超えている。アメリカには強力な政治勢力があって、この聖地における問題の客観的評価を妨げている。ただ一人のアメリカ議会議員も、イスラエルが法的国境へ撤退するよう言うもの、あるいはパレスティナ人の苦境に声を上げるものはいないだろうと思う。、、、、これはタブーなのだ。もし議員の誰かがこのことを口にすると、その人は次の選挙で議会に戻ってくることはないだろう。、、、アメリカには内在的にイスラエルの安全保障を追求する勢力があり、アメリカにおいてイスラエル政府の政策を支援するAIPACと呼ばれるグループの非常に効果的な活動が輪をかけている。AIPACは平和を目指してはいるのではない。アメリカにおけるホワイトハウス、議会、メディアの(イスラエル政府に対する)最大限の支援を引き出すことを目標にしているのだ、、、、」

気の狂ったシオニズムというカルト集団が、謀略と力に任せて、悪魔的なやり方で、己が欲を満たすためだけに、無抵抗の子供や一般市民を一方的に殺しまくるという現状が76年間、特にこの一年以上も野放しにされており、それどころか、米英独といった軍事力と経済力に長けた国々が積極的にこの邪悪な行いを支援きているという地獄は信じがたいものがあります。この西側諸国の共謀、特にアメリカ外交政策の責任は極めて重いです。認知症のバイデンはともかく、ネタニヤフの演説に議会で拍手を送ったアメリカ議員は、己の保身と欲の前に持っていたはずの「人の心」を奥深く封印してし、苦しむ人々の声に耳を塞いでいるのでしょう。そうでなければ、ガザの大虐殺に加担している彼らが、夜ぐっすり眠れるはずがない。

イスラエルを支援し続ける西側の良心の欠如を批判する声はネタニヤフへの批判と同じく強いです。ネタニヤフはmadmanですから彼の前立腺と違って治しようがない。むしろネタニヤフの共謀者であるアメリカやヨーロッパのイスラエルへの支援を止めることが最も有効な手段です。

イタリアの国際法法律家で、国連のパレスティナ被占領地区の特別報道官を務めるFrancesca Albaneseは、ガザで行われているイスラエルのジェノサイドに対し、国際法および人道の立場から、説得力ある議論と非難を行ってきましたが、先週、マルチメディア、PassBlueが選ぶ、国連「今年の人」に、国連の永年パレスティナ観察官、Riyad Mansourとともに選ばれています。この受賞を受けて、彼女は下のようにツイートしています。

「最近私が受けた他の賞賛と同様、この賞は、過去14カ月間の私の行動(つまり、ジェノサイド(大量虐殺)に対する人間の正常な反応)についてというよりは、むしろ、イスラエルの犯罪に反対し行動すべきであったにもかかわらず、そうしなかった(特に西側諸国の)多くの人々の沈黙について語るものだ。彼らはどうやって夜眠れるのだろう」

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アイルランドの言葉

2024-12-24 | Weblog
イスラエルのネタニヤフ政権とその支持者の邪悪な悪行三昧は留まることを知らず、 パレスティナ人に対する迫害、殺害、爆撃、違法入植は現在もガザとウエストバンクで進行中です。そして、シオニスト資金とユダヤロビーに言いなりになってきたアメリカが課した厳しい経済制裁による経済的困窮のために軍を維持できなくなったアサド政権はトルコが支援するアルカイダの前に崩壊してしまいました。シリアを空爆しようとしたオバマ政権を耐えぬいたシリアのアサド政権ではありましたが、トランプによる経済制裁によってトドメを刺されたと言えましょう。そして、アサド政権崩壊の直後から、イスラエルはシリアの軍事施設に激しい空爆を開始し、シリア南部地域の侵略を開始し、実効支配地を増やしています。

イランが支援してきたレバノンのヒズボラやイエメンのフーチというパレスティナの大義を掲げる「抵抗の枢軸」を地政的に繋いでいたのがシリアであり、その崩壊はヒズボラとイランの弱体化を意味します。すなわち、イスラエルにとってはその邪悪な野望、大イスラエル計画達成への大きな前進であったということですが、パレスティナ人にとっては大きな痛手でした。

22年前の911の直後に計画されたアメリカによる7つの国の政権転覆計画がWes Clarkの有名なインタビューで明らかにされましたが、そのうち、今回のシリアで6つの国までが実行されました。アメリカの外交政策は、数十年にわたって、シオニスト ユダヤがAIPACなどのユダヤロビー団体、アデルソンのようなユダヤ資本によってコントロールされてきて、Trillionsのドル(数百兆円)が、イラク戦争に始まるイスラエルの戦争アジェンダのために注ぎ込まれました。

この上院議員のBernie Sandersの言葉にあるように、アメリカの政治家はイスラエルに反対するような意思を表明すると、AIPACや億万長者のシオニスト勢力がその財力を動員して、政治生命を奪いに来ます。それが怖くて、アメリカの政治家は意思に反してイスラエルを支持せざるを得ないのです。一般アメリカ人の大多数が反対するガザのジェノサイドでも、バイデン政権が国民の声を聞くことはありません。それどころか、アメリカ議会でのネタニヤフの気狂いじみた演説に満場のStanding ovationを贈るのがアメリカ議員です。民主主義と声高らかに叫ぶアメリカという国で、民意はカネと脅しの前には無力ということです。ま、これは日本の与党政治家も同じことでしょう。国民の大多数が反対する法案でも、スポンサーの要望があれば、いくら国会で理詰めで詰められても、いくら違法であっても何、強行採決で決定され、民意が重視されることはありません。消費税増税や解散を決めた時の野田の顔、変わるたびにレベルが下がっていく自民党総裁が苦し紛れの答弁をする時の顔、それらがこのことを雄弁にものがたっています。山本太郎はかつて国会で与党議員を「保守ではなく保身」と呼びましたが、それは、当の自公議員や多くの野党議員が最もよく自覚していることでしょう。

さて、二十数年前、大イスラエル構想を目指すシオニストの野望実現のために、アメリカが倒すべき国と設定された周辺7カ国、イラク、リビア、レバノン、スダーン、ソマリア、シリア、イランの国々のうち、現在、アメリカが戦争を仕掛けていないのはイランのみとなりました。イスラエルはアメリカをイランとの戦争に引き込もうと強く運動を進めてきています。

しかし、イランはシリアのようにはいきません。中東ではトルコに次ぐ軍事大国であり、ヒズボラ、フーチ、ハマスという「抵抗の枢軸」の人的資源を合わせると、アメリカとNATOが全力投入しないと倒せる相手ではありません。しかもイランはすでにBRICSメンバーの産油国、イランに手を出せば、ロシアも動かざるを得なくなります。

いずれにせよ、イスラエルがイランを倒そうと思えば、アメリカが対イラン戦争に深く介入することが条件で、普通の知能で考えたら、アメリカがイランを攻撃することはあり得ない。しかし、サイコパスのネタニヤフとシオニスト政権の支持者はカルト宗教の狂信ですから、常識は通じません。そして、彼らにコントロールされているアメリカ政治家は金と脅しで簡単に転ぶでしょう。では、シオニストユダヤの資金援助を受けて、イスラエルには優しいが、一方で、反ネオコンで、唯一戦争を始めなかったことを自慢するトランプはどうするでしょう。戦争以外でトランプが取れる手は更なる経済制裁でしょうが、その効果は限定的と思わざるを得ません。

トランプは二度、暗殺されかけました。想像するに、NY Milltary Academy在学時のテストでIQ 73だったとも言われるレベルのトランプの思考と行動は、最新AIでも予測不能であり、かつ、トランプは政治家として今期限り、守るものもない状態です。「扱いづらすぎる」と連中に思われたのではないでしょうか。われわれ、中東平和ひいては世界平和を望むものは、その予測不能さに一縷の望みを託さざるを得ないというのが何とも心許ないわけですが。

イランへの戦争はNATOのウクライナ取り込み計画同様、やがて、ロシアを相手にすることになるでしょう。今度はウクライナのようには終わりません。ロシアとアラブ連合軍がイスラエルに攻め入って中東発の世界大戦となると解釈される聖書の予言を思い出します。トランプがイランへ介入せず、中東和平に向けて動いてくれて、その間にネタニヤフが失脚してくれることを願っています。

現在、世界中で最も嫌われている国がイスラエルだと言って間違いないでしょう。好戦的で毎年のように周辺の国に攻撃を仕掛け、力(しかもアメリカの)に任せて、パレスティナの土地と財産と命を奪い、弱いものイジメを続け、国際法を破り続けるダントツの無法国家で、国際社会から度重なる非難を受け続けても全く無視、ひたすら利己的に振る舞う下品で淺ましい国、そのように思われても仕方がない。彼らシオニストは、ユダヤ人以外をGoy/Goyimと呼び、劣った人種だと考えているようですが、どう見ても「人間として」劣っているのは彼らの方です。ネタニヤフは間違いなく、後世の教科書にヒトラーと並んで、史上最大の人類に対する犯罪者、かつサイコパスとして紹介されることになるでしょう。

さて、世界のイスラエルへのBDS運動は多少の効果をあげているようですが、西側で最も強大な力を持つアメリカやイギリスがイスラエルの国際犯罪を幇助しつづけている中、各国の反ネタニヤフ キャンペーンも広がりつつあります。

先週は、ノルウェーがサッカー ワールドカップでイスラエルとの試合をボイコットすると声明を出しました。とりわけ、アパルタイト政策を身をもって知っている国々が早期からイスラエルのパレスティナへのアパルタイトに反対して声をあげてきました。ヨーロッパではイギリスからの差別に苦しんだアイルランドは、早くから南アフリカがイニシアティブをとったICJへのイスラエルの提訴に賛意を表明してきていました。そのアイルランドで、先日、イスラエルがアイルランドにある大使館を閉鎖しました。対話を拒み、力ずくで自分の意を通そうとするイスラエルは国際社会のメンバーの資格はありません。同様にその共犯であるアメリカやイギリスもボイコットされるべきでしょう。

イスラエル大使館閉鎖をめぐり、イスラエルはアイルランドを、バカの一つ覚えのように「反ユダヤ」であると非難しました。それに関連して、アイルランド大統領のMichael Higginsは会見で次のように述べました

自分の考えと違うからと言って、ネタニヤフ政権が、他の人々に勝手なラベルを張って非難するのは、深刻な問題だと思う。特に、ネタニヤフは数え切れないほど国際法を破ってきて、近隣の独立国の独立性を犯してきた。レバノン、シリア、そして、植民地を作りたいと望んでいるエジプトの3国だ。そんなネタニヤフを非難することが「反ユダヤ」だというのは、全く馬鹿げた捻じ曲げである。

同じくアイルランドの首相であるSimon Harrisも次のように言っています

(イスラエルが大使館を閉鎖したことは)「破壊」の外交だ。彼らの決断は大変、残念なことだと思う。、、、われわれは外交の努力を継続するつもりだが、誰もアイルランドを黙らせることはできない。言論の自由は保障されており、人々は思いを表現することはできるが、事実と異なることを言う権利はない。
中東、ガザで起こっていることは非常に深刻だ。アイルランドの立ち位置は第一日目から明確だ。人質は解放されなければならない。、、、しかし、同時に、無実の子供達が殺され、不具にされ、苦しんでいる。その現実を世界は十分に理解することさえできないのではないかと思う。われわれがガザに入って直接見るまでは、、、

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シリアの消滅

2024-12-17 | Weblog
西側メディアが、シリアのアサド政権崩壊をポジティブな出来事として報道する一方で、現地の今後に明るい未来は見えません。アラブ諸国は、基本的にすべて独裁国家であります。独裁と民主主義には、どちらにも長所と短所があり、いずれが良いかは、その背景や文化や価値観に依存するでしょう。「アラビアのロレンス」で描かれたように、アラブ社会で、個人の単位ではなく、「一族」の単位、「国家」の単位での存続が優先される場合には、民主主義ではやっていけないでしょう。民主主義的な軍隊というものが存在できないのと同じ理由で、軍や隊、一族として生き延びるには、統制のとれた行動とトップダウンの命令系統が厳密に維持される必要があり、個人(民衆)の自由は制限されます。

話がそれますが、日本の地域医療の崩壊の理由も大学医局の独裁権力が崩壊し、医師、医局員の民主化が進んだからと解釈できると思います。 大学医学部は都会にあり、都会を離れたくない医師を医局が強制的に地方医療に従事させることができなくなった結果、医師の偏在が起こり、地方の医療崩壊を招くことになったと思います。

故に、独裁主義が悪で民主主義が善であるというのは、あくまでコンテクストに依存していると思います。「民主化」を理由に、アメリカが他所の独立国に介入するのは、介入のための口実にすぎません。前回紹介したアサドの言葉にあるように、そもそも、われわれが与えられている「民主主義」というのは、時々の選挙で、用意された候補者に投票するぐらいの程度のものでしかありません。しかも選挙戦を戦うには多額の資金が必要です。そういうお金の支援のある「選ばれた」候補者しか、国民には選択肢がない。自前で資金を都合している共産党か、市民の支援で成り立っているれいわ以外は、物的、人的資本をもつスポンサー、資本家団体や宗教団体がバックにおり、結局、その候補者は投票した民衆の意思ではなく、バックの団体の意思を尊重します。 つまり、誰に投票しても一般国民の意思は二の次です。その証左が貧富の差の増大であり、消費税であり、被災地の切り捨てであり、過疎地の棄民政策です。現在、日本を含む西側の民主主義というのは、すでに羊頭狗肉で、実質的には資本家と権力者による独裁主義に過ぎないと言えましょう。

話を戻して、実際、イラク、リビア、ソマリア、スダーン、、、と、アメリカが「民主主義」を建前に、武力と策略によって政権の転覆を実行してきた国々がその後にどういう混乱に見舞われたかを見れば、シリアの未来も想像がつくというものです。一方で、TVや新聞では、アサド政権下のダンジョンで拷問を受けた人が解放されて苦難を語ったとか、民主化運動が実を結んだとか、というanecdotesが報道され、シリアの独裁政権の終わりを讃える論調で報道されています。もちろん、独裁で抑圧された人々や民主化を求める人が喜ぶのはわかりますが、結局は、その本質は、シリアという国が消滅し、アサドが、他所から来た別の搾取者(イスラエルとアメリカ、トルコ)のプロキシ(アル カイーダ)によってとって変わられるというだけのことで、国民の苦難はむしろ悪くなるであろうと思われます。下にあるように、アサド後のシリア政府の中心となると予測されるHTSは、国連認定テロ組織アルカイーダであり、彼らは、現在激化しているイスラエルによるシリア爆撃をさせるがままにしており、シリアの資源を保護しようとする気配はありません。また、イスラム過激派である彼らは少数派であるキリスト教者の弾圧も始めているようで、民衆が望む「平和で安全な民主主義国家」の実現どころか、シリアという国そのものの消滅、つまり東側はイスラエルの領土となり、北から西はトルコとアメリカによる石油利権の餌食となることを目指しているかのようです。

さて、今後のシリアについては、数日前のイギリスの中東専門家で政治家であるGeorge Gallowayのチャンネルでシリア のジャーナリスト、Richard Medhurstが状況を説明していますので、紹介します。

George: まずは、Richard、君と君の家族に、 君の国が滅んだことに弔意を示したい。
Richard: その通りだ。、、、事態は刻々と悪化している。、、、祖国は死んだ。それにしても西側メディアが行う「White-washing」は興味深く見ている。、、、HTS (政権を奪取した反アサド勢力)はアルカイーダだが、他に37の団体が動いている。彼らがどのような規則に則って動いているか知らないが、公けに暴力を振い、処刑を行っているのは現実だ。、、、、例えば、キリスト教徒の迫害が起こっている。これはアサドの問題ではない。、、、(イスラム過激派がアサド政権を倒したということで)シリアの多様性が滅んだという問題だ。間違いなく悲しむべき事態だ。
Geroge: また、領土の問題もある。シリアの一部は深く分断され、新オスマン帝国皇帝のエルドアンとアメリカが支援するクルディスタン労働者党の支配下にある。そして、トルコとイスラエルの侵攻によって、シリアは地理的にも滅んでしまった。
Richard:  その通りだ。、、、これは2回目、いや3回目だ。、、、トルコはシリアの北側を2019年から支配してきて、そこはHTS(アル カイーダ)の根城となっていた。そして、アメリカとNATO国であるトルコはユーフラテス川より東の石油を搾取してきた。シリアの高地、ゴラン高原はイスラエルに占拠されてしまった。今回、ダマスカスを占拠した反アサド勢力は、シリアの利益を守ると宣言したにもかかわらず、イスラエルとは戦おうともせず、イスラエルがシリアの軍事施設を破壊し、土地を略奪するがままに任せている。、、、、そして、イスラエルがシリアの軍事資源を破壊つくした後では、次に誰が政府を運営するかに関係なく、シリアは独立国家としては存在できない。、、、、イスラエルが現在行なっているシリアの軍事施設への爆撃は史上最大のものだ。そして新政府となる人々はそれを止めようともしない。
Geroge:、、、、結局のところ、シリアはどうなってしまうのだろうか?
Richard:、、、(アサド政権下で)シリアにトドメを刺したのは経済制裁で、それはトランプが課したものだ。シリアの1/4の収入は石油だが、ここ何年にもわたって、利益はアメリカに盗まれてきた。(こうした状況のために、シリアは経済的に極めて苦しい状態に陥った。)、、、今後、何が起こるかは予言できないが、起こるとすると、何らかのクーデターだろう。、、、、、そして、アメリカやイスラエルに加えて、アルカイーダを支援してきたトルコの役割を忘れるわけにはいかない。
George:、、、トルコはアメリカやイスラエルと協調しているのか、独立して動いているのだろうか?、、、
Richard:彼らはNATO加盟国であり、共通の利害もあるが、トルコはクルドを弱体化させたいという固有の欲求があり、独立した目的もあるだろう。、、、シリアは地理的、政治的にイラン、レバノン、パレスティナ、イラクを結んでいる。トルコは(パレスティナのジェノサイドに反対するような)そのポーズと裏腹に、イスラエルに石油を供給してその軍事行動を支援してきた。トルコにとってはこれらのアラブ諸国(抵抗の枢軸)を結んでいるシリアをイスラエルが潰すことは国益に叶うことなのだ。、、、、数年前ではなく、なぜ今、アサドが倒されたのか、それはイスラエルがガザ、レバノンと順番に潰して行く計画だったからだ。そして、イスラエルが次に狙っているのはイランだ。
George: あるいは、イランの前にイラクかも知れない。映画で見たようにISISがトヨタの車で砂漠を超えて、マイノリティーの多いイラクの第二の都市Mosulを占拠するのかも知れない。、、、、
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ネタニヤフのリスト

2024-12-10 | Weblog
シリアの内戦が激化し、ついにアサド政権は崩壊し、アサドはモスクワへ亡命することになりました。アサド政権崩壊の直前、トランプは「シリアはアメリカの友人ではない、アメリカが関与すべきことではない」とコメントしています。どういう意図があったのかわかりませんが、ひょっとしたら、トランプは中々の役者なのかもしれません。あるいは、ただの天然ですかね。

シリアの内戦は、2010年ごろから起きた「アラブの春」と総称される中東、アラブ世界での反政府運動の一部としておきました。反政府民兵と政府軍との内戦ですが、いつものことながら、アメリカを中心とした西側諸国が煽ったものです。そして、西側でも日本でも「アラブの春」は「アラブ社会の民主化運動」であり、独裁者に虐げられた民衆の抵抗であると喧伝され、「運動を抑制するために、独裁者アサドが自国民に対して化学兵器を使った」という言説が流布され、日本でも影響力のある人々がそれを信じて拡散したという経緯があります。オバマは当時、「アサド政権は退陣しないといけない」と公にシリアの内政に干渉し、政権転覆を図りました。アメリカが、アサド政権を一気に崩壊させるために、シリアへの空爆を一旦は決定したのは2013年の8月のことです。世界は一斉に反対し、結局、オバマはその決定を実行できませんでした。シリアの戦争は「アメリカと関係ない」どころか、「大あり」です。この経緯を踏まえると、トランプのこの言葉は、トランプが全てを承知していたとするなら、民主党とバイデン政権への批判でしょう。この調子で、「イスラエルのことはアメリカとは関係ない」とでも言ってくれて、イスラエルへの軍事支援を中止するのなら、トランプを今世紀で最も有能なアメリカ大統領と呼ぶのに私は躊躇いはないです。ま、そうはならんでしょうが。

いずれにしても、「民主化を望む国民の意思を支持し、圧政を敷く独裁者を倒す」という名目で他国の政権転覆を煽動するアメリカの手口はあまりに使い古されすぎました。TwitterやBlueskyのコメントを見ても、「アサド=独裁者=悪」というような単純な解釈を支持するような人は皆無です。実際、アサド政府軍を倒した民兵の中心組織はシャーム解放機構と呼ばれるアル カイーダ由来の過激派集団で、国連がテロ組織と認定した組織であり、彼らが政権を担ってマトモに政治ができるのかという疑問が残ります。そして、シャーム解放機構をアシストしたのがシリア自由軍であり、これはオバマ政権時の2015年ごろに米軍が訓練して組織した武装軍が起源です。つまり、シリアの民主化運動の本体は、アメリカによるアサド政権転覆工作であって、その動機はおそらくイスラエルということです。イラクのフセイン、リビアのガダフィ、そしてシリアのアサド、いつものパターンですね。これらの国で、フセインが縛首になり、ガダフィが暗殺された後、現在どのような状況にあるかを思えば、今後のシリアがどうなるかもなんとなく想像がつきます。そして、早速、イスラエルはゴラン高原からシリアに軍事行動を始め、シリアの爆撃を始めたようです。

数日前、コロンビア大のJeffrey Sachs氏へのインタビューで、彼は次のように述べています。
、、、
特別にシリアの内戦をよく知っている専門家の間では、「(アサド政権が使ったとされる)化学兵器は『偽旗』作戦(偽の白旗を揚げて相手を欺く行為;この場合は、反政府軍が民間人を化学兵器で殺害した上で、罪をアサド政府軍に擦りつけたとされる)の可能性が高い」という議論が真剣になされている。アメリカの外交政策を知っているものなら、偽旗作戦はCIAの真髄であることは周知のことだ。確実な証拠があるわけではないが、これが偽旗作戦である状況的証拠は十分にある。だからこそ、オバマはシリアに深く介入することを止めたのだと思う。、、、、、CIAは、1947年の創設以来、おそらく世界中の90 -100%の政権転覆に隠密裏に関与している。、、、、メディアは、ロシアがアサド支援に介入してきたから(アメリカが介入しないといけない)というが、ロシアがシリアに来たのは2015年で、アメリカがアサド政権を転覆させようとシリアに介入したのは2011 年だ。、、、、これは(シリアやレバノン、などなどの)これらの国々と戦争をしたいネタニヤフの挑発なのだ(注:シリア、レバノンの領地を含む大イスラエル構想実現のため)。、、、どうして、我々(アメリカ)は失敗するとわかっているネタニヤフの馬鹿げた計画のために働かないといけないのだ?、、、アメリカがシリアに介入したのは、シリアが「ネタニヤフのリスト」に入っていたからだ。、、、、前NATOのチーフコマンダーのWesley Clarkが911のあと、アメリカ国防省に来て「今後5年間で7つの(中東とアフリカの)国を消滅させなければならない」と言ったが、これらの国が「ネタニヤフのリスト」なのだ。、、、

Sachsが上で述べた、Wes Clarkのインタビュー映像の一部が下のツイートにあります。彼が、911の後、アメリカ国防省を訪れた時、アメリカがイラクに侵攻することになったことを知らされたが、その理由が不明であったこと、そして、5年で7つの国を転覆させるというアメリカの計画を知らせるメモについて話しています。

911での不可解なビルの崩落やペンタゴンでの物的証拠の不整合性をめぐり、ユダヤ人が関与したとする陰謀論はいまだに燻り続けておりますが、911の後、ブッシュが突然、イラクに侵攻すると宣言し、その根拠にイスラム テロリストとの戦いだと説明したこと、先のClarkの証言(下のビデオ)、これまでのイスラエルとアメリカの行動を繋ぎ合わせると、陰謀論というよりは、検証に値する正式な仮説というべきだと思います。シオニスト仮説、端的にはネタニヤフ仮説と呼ぶのが良いかもしれません。

下はしばらく前のアサドのインタビューで、資本主義国における民主主義の欺瞞について話をしています。日本もそのまま当てはまります。眼科医として長年ロンドンで診療にあたっていたアサドは西側社会を直接知っており、その批判は的確だと私は思いました。われわれ教えられている議会制民主主義の欺瞞が端的に述べられています。

「西側諸国の政府は、資本家に制御されている。すべては、会社の利益のための政治がなされ、人々のためになされることはない。西側諸国では中流層がなくなり、貧富の差が拡大している。国民ができるのは投票ぐらいで、それが民主主義だと教えられている。そして、西側の民主主義では、どれほど多くの人が街に出てデモを行っても、何も変わらないのだ。

独裁主義とか民主主義とかという点に関して言えば、第二次世界大戦後、何千万人もの人々を殺した国々が民主主義、人権、国際法について語るなど、考えられないことだ、、、、朝鮮戦争から今日に至るまで、罪ない人々を殺害し続け、アフガニスタン、リビア、シリアを占領した。そんな彼らが、民主主義とか、人権とか、国際法とか倫理観とかを語るのだ。聞いていると、彼らの言葉と詐欺泥棒の言葉の違いがわからない。彼らの言葉には何の価値もない」
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Hareetzの見解、洗脳と陰謀論

2024-12-03 | Weblog
下は、イスラエル メディア、Hareetzが先週に表明したネタニヤフのメディア迫害に対する編集長の声明です。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、限界のない独裁権力を追い求め、我々を黙らせるためにHareetzを迫害しようとしている。ネタニヤフ首相は、すべての権力監視機構を解体し、民主主義の門番を破壊しようとしているのだ。

ネタニヤフ首相は、独立した司法が存在しないイスラエルに作り替えて支配し、警察や治安機関を民兵化しようとしている。そして、彼を阻止する自由で批判的な報道などは存在しなくなる。

イスラエル政府がHareetzに制裁を科す決定を下したことは、この「破壊」の旅における新たな一歩にすぎない。我々は、ネタニヤフ首相と彼のプロパガンダ・マシンによる脅しには屈しない。私たちは屈服することなく、公共の利益のみを念頭に置いて、読者に奉仕し、報道の自由を守り続けていく。

アルフ・ベン
ハーレツ編集長

「ジャーナリズム」とは何かという問いには、表層的な意味を超えた「主義、原則」の問題が含まれていなければなりません。上の声明にあるようにジャーナリズムは単に「報道」するという行為ではなく、公共の利益を念頭に置いて、権力に屈せずに、読者に奉仕し、「報道の自由」を守るという使命に即して行われる行為であります。ちょうど、それは「医療とは何か」という問いに、「ヒポクラテスの誓い」から発展した「ジュネーブ宣言」の精神を抜きに答えることができないのと同じです。

しかるに、その精神を忘れ、権力の手先となったような(どこかの国の国営放送のような)メディアの活動は、上にあるようにプロパガンダ マシンと呼ぶべきであってジャーナリズムとは程遠いものです。

人間は、自分で事実を探り、自分の頭で吟味しないことに関しては、非常に簡単に洗脳されてしまうもののようです。離れてみてみると、イスラエルがパレスティナに対してこの76年に渡って行ってきたことの非道さは明らかなのに、シオニズム教育で洗脳された当のイスラエル人の少なからずは、ずっと自分たちは、アラブのテロリストの被害者だと思っております。彼らはパレスティナという土地がどこにあるかさえ教えられていないし、1948年以来、イスラエルが連綿と犯し続けてきた数々の犯罪の事実も知らないのです。自ら、史実を学ばず、深く考えない人々は、簡単に洗脳され扇動されます。
その典型例がヒトラーへの熱狂的な支持でしょう。

日本でも同様の扇動に乗る大衆行動をしばしば目にします。古くは関東大震災朝鮮人虐殺事件がそうですし、しばらく前なら、SNSや切り取り動画に乗せられた人々が東京都知事選で石丸氏に多数投票したことや、しかし、結局、トップ当選したのは二期連続実績ゼロの小池氏であったことなどは典型例でしょう。それから最近では兵庫県知事選挙で、「知事は議会にはめられた」という一種の陰謀論を信じた人々によって知事が再選されたこと。切り抜き動画やSNSのデマではなく、実際の事実やデータをもとに自分の頭で判断して人々が投票したのなら結果は違っていたのではないでしょうか。

心理学では、人間の脳には、難しく考えることを嫌う特性があり、短くて刺激的なわかりやすいフレーズを好むことがわかっているのだそうです。マスコミなどが大衆誘導をする場合などに頻繁に用いられる手法で、「○○をぶっ壊す」「既得権益」「岩盤規制」「国の借金問題」という短いフレーズだけで意図的に印象を操作できてしまい、短くてわかりやすいフレーズを繰り返し聞かされることで馴染んでしまえば、脳は簡単にはそれを否定できなくなるのだそうです。こうして思考停止に陥り、盲目的にあるテーゼを「信仰」してしまうということが容易に起こるようです。

こうきくと、自民党ではなく日本をぶっ壊した元首相とか、「東京大改革2.0」のキャッチフレーズおばさんとか、「身を切る改革」集団とか、口々に叫んでいた人々を思い出させます。SNSなどでのそうした単純な印象操作だけで、人々は簡単に洗脳され、信じ込むようです。そして、難しく考えることを嫌う人間の脳の特性ゆえに、人は簡単に陰謀論に飛びつくようです。人々が陰謀論に飛びつくのは、客観的に事実を洗い出して、吟味し、自分の頭で判断するという面倒臭いことをやらずに済むからでしょう。すべての謎は、正体不明の黒幕が何らかの悪意を持って仕掛けた陰謀によって説明できてしまうのですから。
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ウクライナ戦争の思惑

2024-11-26 | Weblog
遅すぎるICCのネタニヤフに対する逮捕状の発行、ウクライナのロシア領内へのミサイル攻撃とその報復、と色々あった先週でした。バイデンがアメリカ製長距離ミサイルの使用許可を出したことは、アメリカがトランプ政権までの間にこの紛争をできるだけ大きくしておこうと考えたのだろうと想像します。さすがに、ミサイルをロシア領内に数発打ち込んだぐらいで勝てると思っているほど、ゼレンスキーはバカではないでしょうし。

ゼレンスキーは「ウクライナは独立国である」と主張してロシアの干渉を非難しましたが、その独立国であるウクライナは、自力では内戦を収束されることもできず、外交交渉能力もなく、軍事に至っては、その計画と遂行にアメリカの支援や許可が必要なわけです。独立国という建前ながら、その政権はアメリカが支援したクーデターでできた傀儡であって、ゼレンスキーはその臨時大統領という不安定な立場、アメリカの対露政策と戦争ビジネスに使われて、ウクライナの国土を多国籍企業に売り払い、ウクライナの社会を荒廃させ、50万人とも言われるウクライナ人の命を失わせ、ウクライナ消滅の危機を招くことになりました。

トランプ政権の発足が見えてきて、バイデンもゼレンスキーも、ここで多少無茶をしてもプーチンは我慢するだろう、と踏んだのでしょう。彼らの権力も後2ヶ月、最後の花火ですかね。プーチンも彼らの思惑は見抜いているでしょうから、核戦争に踏み切ることはないと私も思ってはいます。実際、ロシアが報復としてウクライナに射ったミサイルは、中距離ミサイルで、新兵器の実験を兼ねたものに過ぎませんでした。その後、プーチンはこの超音速ミサイルの迎撃は不可能であることを会見で述べました。つまり、本気でキエフのウクライナ政府を消滅させる気になれば、ロシアはいつでもできるのだ、と改めてゼレンスキーに思い出させるために報復の機会を利用したに過ぎないようです。にもかかわらず、ゼレンスキーはまた長距離ミサイルで攻撃を仕掛けたようです。「ヤケクソ」になっているとしか思えません。

ウクライナ戦争が始まって1,000日、人々は、そもそも、なぜこの戦争が起こったのかでさえ忘れつつあるのではないかとツイッターやBlueskyを見ていると感じます。ガザの戦争が、昨年の10/7に突然のハマスのテロによって始まったとでも思っているイスラエル人が多いように、ウクライナの侵攻は2022年の始めに突然、ロシアの軍事侵攻で始まったと思い込んでいるような人々がネットにはまだ大勢いるようです。

プーチン自身やアメリカの外交専門家が言うように、ロシアにとってはこれはロシアの安全保障、すなわちNATO東進の問題であって、三十年来の問題です。そして、アメリカにとっては、基本的にビジネスです。この視点から眺めれば、黒幕はアメリカ、ゼレンスキーはそれに踊らされた手先、迷惑をうけたのはロシア、命と土地を奪われ最も被害を被った最大の被害者は、ウクライナ国民のように見えます。

歴史的事実を見てみると、ロシアの言動はほぼ一致しています。プーチンが言うことは、大抵「そのまま」のことを意味していると感じます。対して、アメリカがやってきたことに誠意を感じ取るのは困難です。

今回の戦争開始直前のクレムリンでの会議録をあらためて見直してみる機会がありましたので、その一部を紹介します。議事録ですので、全文はかなりの長文で、ウクライナ侵攻の根拠となった理由がかなり詳細に議論されています。そこに西側が非難するようなロシアの野心(ロシア領土の拡大)は見つけられません。事実、プーチンはこの会議で述べたような意見を以前から公言しています。この会議録に示されている主要な議題は、プーチンが主張してきた二つの点、すなわち、ウクライナ東部州およびクリミアのロシア系住民に対してウクライナが2015年のミンスク合意を履行せず迫害を継続していることの問題とNATO東進に関してのロシアの懸念です。会議の最初のプーチンの言葉とラブロフの言葉の一部にそれが要約されているので、ごく一部を示します。

____________________________
プーチン: 私たちは今日、ドンバスの現在の状況について話し合うために会合を開いています。この事態がどのように始まり、どのように進展してきたか、皆さんはよくご存じでしょうが、簡単に思い出していただきたいと思います。適切な判断を下すためには、一般的な背景が必要です。

2014年にウクライナでクーデターが起きた後、ウクライナ国民の一部はその結果を受け入れませんでした。この武力クーデターによる政権転覆は、憲法に反しており、多くの罪のない人々を殺害したことを思い出してください。誰もそのことには異論はないでしょう。

そのクーデターの結果を受け入れなかった国民もいます。クリミアの住民や、現在ドンバスに住んでいる人々です。その人たちは、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国という2つの独立共和国を樹立すると宣言しました。これが、キエフの当局者とその領土に住む人々との対立の始まりでした。

その中で、ロシアは当初、これらの不和が平和的手段(対話と交渉)によって解決されるよう、手を尽くしたことを指摘したいと思います。しかし、キエフの当局者は、これらの領土で2回の懲罰的な軍事行動を実施し、現在、3回目のエスカレーションを起こしました。

この数年間 -- 私はこのことを強調したいと思いますが --、これらの領土に住む人々は、絶え間ない砲撃と封鎖によって文字通り拷問を受けてきました。いわば「前線」に近いその地域の住民は、砲撃を避けるため、子供達と一緒に地下室での生活を強いられてきたのです。

交渉の過程で、「ミンスク措置パッケージ」と呼ばれる和平計画が立案されました。 しかし、その後の動きを見ると、ウクライナのキエフ当局はそれを実行しようとしませんでした。国家トップレベルでも、外相や安全保障理事会事務局長レベルでも、彼らが繰り返し公言している通り、 ウクライナがミンスク合意を履行するつもりがなかったことは、すでに周知のところです。しかし、こういう状況下ではあるものの、ロシアは複雑な局面や悲劇的な展開を平和的手段、対話で解決しようと努力してきました。

本日の会合の目的は、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の主権承認に関する指導者の訴えと、関連するロシア連邦の国家議会の決議を話し合い、将来のステップを考えることです。後者に関しては、ロシアはドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立と主権を承認するようウクライナ大統領に求めています。

同時に、これらの様々なことは密接にヨーロッパの安全保障の問題と関連していることを指摘しておきたいと思います。とりわけ、(NATO、アメリカが)ウクライナをロシアと対峙するための道具として利用することは、我々にとって重大かつ深刻な脅威となるからです。

このため、我々は過去数ヶ月間、そして2021年後半にかけて、ワシントンとNATOの主要パートナーとの協議を強化し、これらの安全保障措置について最終的な合意に達し、ウクライナが平和的な条件のもとで平穏かつ成功裏に発展することを目指してきました。対立するのではなく、安全を維持し、発展のための条件を確保する必要があります。

しかし、私たちは、もちろん「現実」を理解しなければなりません。そして、これまで何度も申し上げてきたように、もしウクライナが北大西洋同盟(NATO)に加盟するという状態になれば、わが国の安全に対する脅威はますます高まります。

しかし、ウクライナは、クリミアとセヴァストポリの人々が表明した意思を認めず、これらの地域をウクライナの領土だと主張し続けて、軍事力を使って支配しようとしています。そのことは文書によっても示されており、これにはNATO全体が関与することになってきます。

ご存知のように、NATO加盟国の中にはウクライナが加盟することに反対している国もあります。しかし、彼らの反対にもかかわらず、2008年には、ブカレストで覚書が交わされ、NATOはウクライナとグルジアの加盟への門戸を開いたのです。なぜそのようなことをしたのか、という私たちの質問にNATOは答えていません。(筆者注:この時ウクライナのNATOへの加盟に強く反対したのはドイツのメルケルでした。それがなければウクライナ戦争はもっと早く起こっていたと考えられています)しかし、米国からの圧力でその一歩を踏み出したのであれば、さらなる圧力で次の一歩を踏み出さないという保証がどこにあるでしょう?

米国が、どんな協定や文書も簡単に破棄してきた国であることは周知の通りです。しかし、それでも、少なくとも何かを紙に書き留めて、国際的な法的行為として定めなければなりません。現時点では、私たちはこの一点でさえ、合意することができていないのです。

それでは、まず、安全保障に関するワシントン、ブリュッセル、NATOとの合意に直接関与しているラブロフ氏に発言してもらいたいと思います。 次に、コザック氏に、ミンスク合意の履行に関する協議の結果について報告してもらいます。 その後、各自から発言していただきたいと思います。 

セルゲイ・ラブロフ外相: ロシアが昨年12月に米国とNATOに提出した安全保障に関する提案を行い、我々は1月下旬に米国とNATOから回答を受け取りました。この回答では、西側諸国の同僚たちは、われわれの主要な提案、主にNATOの東方不拡大に関する提案を取り上げる気がないことを示しています。この要求は、NATOのいわゆる門戸開放政策と、安全保障を確保する方法を各国が独自に選択する自由について言及するばかりで、我々の提案は拒否されました。加えて、米国もNATOも、この重要な条項に対する代替案は何も提案しませんでした。、、、、(以下省略)。
__________________________

この会議のサワリ部分は、ロシアはNATOのウクライナ取り込み計画についての歴史的経緯とロシアの懸念を述べたロシア議会でのやり取りです。つまり、1990年の冷戦終結時の米露の約束、「NATOは東進しない」をアメリカが一方的に破ってきて、2014年には、ウクライナ内戦に乗じて、親露であったヤヌコービッチ政権を転覆させたオバマ政権下のアメリカの対露計画に対するロシアの危機感と、2022年のウクライナ包囲から侵攻に至るまでの米露の交渉の様子を述べたもので、ロシアのウクライナへの軍事作戦が、NATO東進、すなわち、アメリカのロシアへの強硬政策に対するものであったことが明言されています。つまり、ロシアの見解は、ウクライナへの軍事作戦は、そもそもウクライナに対する戦争ではなく、アメリカ軍事戦略に対するロシアの防衛行動であったと言うことです。

アメリカの思惑はどうでしょう。チェイニーなどのタカ派ネオコンが、ロシアを徹底的にNATOによって包囲する防衛政策を進めてきたのは、アメリカの世界でのヘゲモニーを保つという観点からの戦略でありましたが、もちろん、世の中はカネで動いているわけですから、カネがらみの思惑が大きかったと思われます。

カネの話については、米大統領選候補であったRobert Kennedy Jr.のウクライナ戦争の解釈を述べた映像を紹介します。


「この戦争はそもそも始まるはずではなかったものだ。ロシアは何度もアメリカとウクライナにとって都合の良い条件で問題を収めようとした。ロシアの主たる条件はNATOがウクライナを取り込まないことだった。アメリカ軍需産業は常にNATO加盟国を増やそうとしてきた。なぜなら、それらの国が顧客となるからだ。、、、
2022年3月、アメリカは113 billion$をウクライナ支援に計上した。、、、Mitch McConellがそんな大金をウクライナに使って大丈夫なのかと訊かれた時、彼は『心配するな、それは本当はウクライナには行かない。それはアメリカ軍需産業に行くのだ』と答えた。つまり、これはマネー ロンダリングなのだ。

これらの軍需産業を誰が所有しているか、知っているか?そうだ、BlackRockだ。、、、ウクライナへの支援は、実は借金であって、借金のカタにウクライナは、肥沃な農作地を含むあらゆる政府資産を多国籍企業に売り払うことになる。すでにウクライナは30%の国有地を売り払った。その多国籍企業は誰が所有者か?BlackRockだ。2022の12月、バイデンはウクライナ再興計画支援を表明した。それを請け負うのは誰か?BlackRockだ。
このような悪巧みが我々の目前で起こっており、彼らはそれを隠そうともしない。なぜなら、連中は逃げおおせると思っており、そのために彼らは昔ながらの戦略を使うからだ。つまり、我々をお互いに戦い合わせることである。共和党 対 民主党、白人 対 黒人、、、、、」
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アメリカの民主主義

2024-11-19 | Weblog
プーチンは、9月、「もしアメリカ製のミサイルがロシア領内で爆発するようなことがあれば、それはロシアとNATOの直接戦争となる」と警告しました。プーチンのこの発言に見られるようにウクライナ戦争の本質は、30年にわたるアメリカによるNATO東進に対してのロシアの反応であり、ウクライナを使った米露のプロキシ戦争といえます。アメリカの意図はチェイニーなどのタカ派、ネオコンの対露強硬策に加えて、アメリカ軍産の戦争ビジネスでしょう。それはブリンケンがイスラエルのジェノサイドをアメリカがアメリカの公金で支援する正当性を問われた時に答えた理由と同様です。
Lame duckのバイデンは、残る1ヶ月あまりで、できる限り、ウクライナ戦争をエスカレートさせ、トランプが戦争をやめられない状況に持ち込もうとしているかのように、このタイミングでウクライナに長距離ミサイルの使用を許可しました。長距離ミサイルや核ミサイルの使用に関しては米露間でいくつかの協定がこれまで結ばれましたが、アメリカがロシアの協定不履行を口実に一方的に破棄してきたという歴史があります。勝ち目のない戦争で追い詰められたゼレンスキーは、ヤケクソで長距離ミサイルを使ってロシア領内の攻撃をする可能性があり、そうなった場合にはプーチンの我慢がどこまで持つかわかりません。ウクライナを消滅させるだけですめばいいですけど、プーチンはNATO(すなわちアメリカ)との直接戦争になる、と何度も警告していますから、それはロシアのアメリカへの核攻撃、すなわち第三次世界大戦と繋がりかねず、そうなったら歯止めはありませんから、人類の破滅です。

「Deep Stateを解体する」とトランプは言い、次期政権に起用されるイーロン マスクは「政府の財務情報を公開する」と公言しました。トランプはネオコンを政権から一掃し、ウクライナ戦争を1日で終わらせる、と言っていますから、この痴呆老人のとびっきり臭い最後っ屁は、ネオコン、軍産の指図なのでしょう。

Deep Stateという概念そのものは陰謀論とは言えません。確固とした特定の存在とは言えないというだけです。日本では、かつて、ドジョウ野田は「シロアリを退治する」と言い、民主党政権は「霞ヶ関を解体する」と言っていましたけど、政権を得た後、すっかりミイラ取りがミイラになり、見事にコケました。それでは、東大財務官僚が日本におけるDeep Stateかと言われたら、そういうものではないと思います。構成因子の利害に従って自然と形成されたシステムの集合的意思、メタ意識とでもいうべきものがDeep Stateの本体なのではないかと思います。何らかのシステムが長期にわたって存在し、その運用に個人の利害関係が絡めば、腐敗は生まれてきます。

さて、トランプはどうでしょうか?アメリカが掲げる錦旗である「民主主義」に則って、民主的手続きで選ばれた大統領ですから、民主主義に則った形で、民意に従って権力を行使することが「正しい」ことで、よって、国民の意志とは無関係に政治に介入する「Deep State」というものがあって、それを解体するというなら、正しいことには違いありません。

しかるに、危ういのは、トランプがDeep Stateをどう定義し、具体的に誰を標的にするかということで、それは恣意的になりかねず、トランプの個人的な好き嫌いや思い込みで行動し、暴走しうかねないということでしょう。また、トランプのようなタイプは、頭の良い官僚にとっては、むしろ扱い部分もあるかもしれません。ならば、そもそもトランプに改革などできるのかという疑問は残ります。結局、トランプ一期目同様、国民を失望させて終わりではないかというシニカルな思いは拭えません。

今回のトランプ人気も、第一期のトランプ政権の時と同じく、トランプが「ヒラリーやバイデンやハリスではない」という理由で人々は期待を持っているだけだとことだろうと想像しています。ネオコンや彼らと繋がる利権団体をトランプがターゲットにしているのは明らかですが、彼らがトランプのような男に素直にやられてしまうとは思えません。それに、「取引」の損得で思考する俗物のトランプですから、取引次第では容易に転ぶかもしれません。

もしトランプが従来のエスタブリッシュメントの外から来て、Status quoを打破する救世主であるならば、下でプーチンが語っているような「アメリカの民主主義」を打ち砕いてもらいたいものです。ま、トランプに「民主主義を守る」とか「人道主義に立つ」とか「人類と地球の平和的存続に邁進する」とか、そんな広い視野に立った高邁な考えはないでしょう。

先日の発言を聞いても、国際社会がほぼ異口同音に非難するイスラエルのジェノサイドに関しても、イスラエル支援を継続し、イスラエル抗議運動を抑圧する方針のようです。それは、思うに、トランプを支援してきたAdelsonのようなシオニスト ユダヤの意向を受けたものと思われ、結局は、こうした一部の大金持ちがトランプを支援してきた以上、イスラエル支援がトランプにとって「良い取引」だと思っているからでしょう。

敢えて言うならば、トランプは広く長期的な視野からアメリカはどう振る舞うべきかというような深い思想や洞察はなく、単に目先の損得にしか興味のない単純近視眼男ではないかと思っています。つまり、人々が危惧するトランプの予測不能さ、危うさというものは、一国のリーダーとしての志、資質の欠如、端的に言えば知性の欠如、むしろ知性をバカにする反知性主義ゆえでしょう。しかるに、腐敗したアメリカ政治によって忘れ去られた人々は、トランプのような人間に希望を見出すしかなかったのだろうと思います。ならば、アメリカの病は深刻です。

一期目、トランプはRust Bestと言われる斜陽になった重工業産業地帯の「忘れ去られた」人々の不満に手を突っ込み、彼らの不満を掬い上げることで票を集めました。しかし、そうして彼に投票した人は、結局、期待を裏切られて失望し、バイデンを選ぶことになりました。そして、バイデン政権によって彼らは更なる失望を味わい、それならトランプの方がマシであったと思い直した、それが今回であったと思います。

トランプが彼らを救うことができるかどうかはわかりませんが、悲観的です。保護主義的政策で彼らの産業の再復興を目指すとは口で言っていますが、どうでしょう。イーロン マスクはトランプを支持した理由として、移民政策を挙げています。政権を決めるのはSwing Statesでの票で、民主党政権は、彼らの支持基盤であるヒスパニック、黒人、外国移民の票をそうした州で集めるために、移民を促進し、不法移民の合法化を進めようとしているというのがマスクの主張です。それが、「オハイオでは移民がペットの肉を食べている」とトンデモ発言をしたトランプをマスクが支持する根拠の一つでしょう。

しかし、それでも私は振ればカラカラ音がするようなハリスよりはマシだろうとは思っています。ま、立民が自民党よりマシという程度の差に過ぎませんが。来年の春には、トランプが何をしようとするのか、明らかになっていくでしょう。バイデンがプーチンを本気で起こらせてしまわない限り、トランプは、少なくともウクライナでの戦争を終わらせるであろうと期待しています。その点でトランプが「戦争を始めない」と公言した点は、とりあえず評価しています。

さて、Putinがアメリカの「官僚政治」について、語っている映像がありましたので紹介します。


私は、これまで3人のアメリカの大統領たちと話をした。彼らは政権に来て、そして去っていったが、政治は誰であっても同じだ。なぜだかわかるかね?それは、強力な官僚システムがあるからだ。誰かが選出されると、彼らは考えを思いつく。そうして、ブリーフケースを持って、ネクタイの色は違うがちょうど私のようにダーススーツに身を包み、良い身なりをした人々がやってくるんだ。彼らは、何をどのようにするか説明を始める。そして、全てが変わってしまうのだ。これが、全ての政権において、起こってきたことだ。物事を変えることは簡単ではない、と私は皮肉でなく言える。それは、決して彼らがそうしたくないからではない、それは難しいのだ。オバマを例にとってみよう。先進的でリベラルな民主党党員だ。彼は選挙の前は、グアンタナモを閉鎖すると言ったのではなかったか?そして閉鎖したか?いや、しなかったのだ。なぜだと聞きたい。閉鎖したくなかったのではない、できなかったんだ。本気でやろうとしたが、成功しなかった、なぜなら、それはとても厄介なことだと分かったからだ。これは中心的な事件ではないが、重要なことだ。ちゃんとした裁判も調査もなく、何年も人々が鎖に繋がれてそこに収容されているというのは理解し難いことだ。フランスやロシアでそんな事態を想像できるか?それは大惨劇になるだろう。しかし、アメリカ合衆国では、起こり得ることで、現在まで続いている。
このことは「民主主義」の問題に繋がる。ところで、私はこの例を、ものごとは我々が考えるほどシンプルではないということを示すために紹介したのだが、とは言っても、私は控えめではあるが楽観視している。私たちは重要な問題については、合意を形成するに至るはずだと私は信じているんだ。

アメリカのDeep Stateに関係してのプーチンの言葉:
「世界の95%のテロ攻撃はCIAによって起こされている。CIAはアメリカ国民の利益のためにあるのではない。CIAはDeep Stateのはぐれもの因子であって、新たな世界秩序を目論む世界の支配者たちの意思の現れだ」
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今後のウエストバンク

2024-11-12 | Weblog
アメリカ大統領選は、大方の予想通り、トランプの大勝に終わりました。その後、トランプの「Deep Stateを解体する10ステップ」のビデオがネットで話題になりました。「Deep State」という陰謀論的概念をアメリカ大統領が公言するようになったことは感慨深いものがあります。今時、民主主義国家の政治とは民意の負託を受けた政治家が民意を反映して国家の政策を決めていくものだ、と素直に思っている人は少ないでしょう。日本やアメリカで一般国民がどんどん貧しくなっていく一方で一部の者だけが富と力を蓄積していっている現状と、これらの国の政府がやってきたことを見てみれば、誰でも、民意とは別の何らかの強い影響力を持つものが政治を操っていることを感じると思います。日本では昔から「官僚政治」という言葉がありました。東大出の官僚が、世襲ボンボンの政治家を振り付けして日本の政治を操ってきた現実を指す言葉です。民主党の政権交代前「シロアリ(天下り官僚)を退治する」と公約を掲げて当選した野田が総理になったあと、すっかりシロアリに喰われてしまったのを覚えている人もいるでしょう。「官僚政治」は日本版Deep Stateの一面と言えなくはないです。「官僚政治」という概念を陰謀論だと一蹴できないと同じく、「Deep State」は、「陰謀論」と無視するのではなく、正当な「仮説」として調査、研究の対象とすべきものだと私は思います。


トランプによれば、「ディープ・ステート」とは、「選挙で選ばれた政権に関係なく、政府の政策に不当な影響力を行使する、強力な官僚や役人からなる裏の集団」ということのようです。あるインタビューの中では、トランプは、それは、はっきりした形態を持たない様々な者の集合的な集まりだと「概念的存在」であることを認めた上で、しかし、ほぼ一方的に特定の組織を「敵」認定するいつものやり方で非難しています。 こういうやり方がトランプの危ういところです。

トランプ自身はどうなのか、という話になります。トランプ自身の利害、すなわち、彼の権力を支援することによって何らかの政治的見返りを期待するもの、は存在します。それも広い意味でamorphousなディープ ステートに属するものと言えるでしょう(定義次第ですが)。下に述べる通り、私は、民意とは別にトランプの外交政策を操るものの存在がパレスティナ問題の帰趨に大きく影響を与えると思っています。

さて、選挙後、トランプは「戦争を始めない、戦争を終わらせる」と公言しました。ウクライナで戦争の犠牲者60万人、ガザやレバノンでの犠牲者、推定20万人、その多くの責任はアメリカにあります。ウクライナでの犠牲者の多くは軍人と考えられていますから、責任の残りの半分はゼレンスキーとプーチンともいえますが、ガザは話が別です。アイルランド系ながら自称シオニストのジェノサイド ジョーとハリス政権が、パレスティナを違法に占領し子供を殺し続けるイスラエルへの軍事支援を盲目的に続けて、わかっているだけで2万人以上の子供、行方不明となっておそらく瓦礫の下で死体となった子供を合わせると10万人とも推定される子供の殺害に手を貸してきたのです。加えて、その殺害や迫害の方法は極めて非人道的でした。居住区の8割を完全に破壊し、全ての病院や教育機関を爆撃し、兵糧攻めにして子供を餓死させ、避難所に集まる人々の頭上に爆弾を落とす。書いていても怒りが突沸しそうな外道ぶりです。その今世紀最大のイスラエルの戦争犯罪の最大の共犯者がアメリカです。

ウクライナに関しては、トランプが言葉通りに、ウクライナへの軍事支援をひきあげるとすると、ウクライナは戦争継続は不可能となるでしょう。であるなら、プーチンが言ったように、ロシアが「本気を出す」前に戦争が終わりそうでよかったです。多分、ウクライナ東部州の自治をウクライナ政府が認め、ウクライナがこれまで通り中立を維持するという以前の形に戻って終わるのでしょう。結局、ウクライナのほぼ一人負け。ロシアも戦争でそれなりの損失、そして、ノルドストリームの破壊工作のあおりを受けたヨーロッパも損失、アメリカ国民も税金を戦争に回され損失、アメリカの金魚の糞の日本も盲目的にウクライナに無駄金使わされて多少の損失。儲けたのはアメリカ軍産だけ。こののまま民主党政権が続いて、プーチンを刺激し続けたら、核戦争まで発展する可能性もあったと思います。この点では、共和党の強硬派チェイニーが応援するほどの戦争屋政権であったバイデン政権の傀儡、ハリスが選ばれなくて良かったです。

ウクライナに関しては終わりが見えそうですが、それでは、イスラエルに関してはどうでしょう。トランプの最大の支援者がカジノ王、シオニストユダヤのAdelson家でしたから、トランプは彼らの意向は尊重したいと思っているでしょう。Adelsonは、ウエストバンクを完全にイスラエルのものとすることを望んでいたと言われています。とすると、ウエストバンクでの違法入植とパレスティナ差別の更なる激化を通じてのEthnic Cleansingに関しては、トランプは見て見ぬふりをするのではないかと想像します。

選挙後、次の政権人事の段取りをしていると伝えられるトランプですが、時期政権では、イスラエル支援、反イラン、反共であったMike Pompeoと共和党のPrimaryで争った同じくジェノサイド支援派のNikki Haleyを人事から外すという話。いわゆるネオコン(新保護主義者)と呼ばれてきた反共、強硬派は政権から一掃されるようです。これらの人事、つまり、イスラエル支援派のポンペオやヘイリーを外し、ネオコンを外したことはひょっとしたらトランプのイスラエル支持方針の転換を意味しているのではないかと希望を持ったりするわけですが、どうでしょうか?あるいは、例によって、彼の個人的な好き嫌いに過ぎないのかも知れません。

遠からずイランはイスラエルに報復しますし、ハマスもヒズボラもイエメンのフーチも抵抗を続けるでしょう。イスラエルによるウエストバンクでの違法入植とパレスティナ人による暴力は連綿と続き、この3ヶ月ほどでも50人以上のパレスティナ人がウエストバンクでイスラエルによって殺されていると言われています。ウエストバンクでは、ファタハよりもハマスを支持するパレスティナ人が増えているという話もあり、違法入植がこのまま進行すれば、ウエストバンクでも武力蜂起が起こるかも知れません。そうなったら、トランプは、一体、「戦争」をどう終わらせるつもりなのでしょう?今後を見るしかありません。もし、万が一、イスラエルへの軍事支援を人質に戦争を終わらせて、パレスティナとユダヤの平等な共存の道を開き、長期的な和平の道筋をつけれるのであれば、いくらトランプが犯罪者で傲慢な人種主義者でセクハラ親父の「黒い猫」であっても、イスラエルやアメリカ帝国主義の人類に対する犯罪という「ネズミ」を退治する「良い猫」ならば、私は彼の政治的業績を大きく讃えるのにやぶさかではありません。私がオスローのノーベル賞審査委員であれば、ノーベル平和賞三年分をあげても良いと思います。
ま、マーフィーの法則によれば「期待は裏切られる」ものですが。

さて、大統領選を振り返ると、私が興味を持っていた第三極は当然ながらelectoral voteは一票も取れませんでしたが、popular voteではGreen PartyのJill Steinが0.4%、LibertarianのChase Oliverが0.4%、途中からトランプ支持に回ってキャンペーンを中止したのに候補者に名前が残ったRobert Kennedy Jr.が0.4%、その他が0.2%という得票でした。前回はGreen Partyは0.31%、Libertarian Partyは1.07%という結果でしたので、Green Partyはわずかに表を伸ばし、Libatarianは票を失ったものの、第三極全体としては著明な変化はなしでした。ま、こんなものでしょう。人々の意識はそう簡単には変わりません。
アメリカの教育システムの中で、アメリカは民主主義を体現した強国であって、世界のリーダーである、というようなお伽話を子供の頃から聞かされて、教室には国旗を掲げて、毎朝、国家忠誠を誓う儀式をやらされて育ってきたのがアメリカ人です。政治に関しては、二大政党制は議会制民主主義であるべき制度で、民主党か共和党かのいずれかに政権を託するのが民主主義だと思っているのでしょう。その実、両政党とも裏にいる連中はダブっていて、ラベルが違うだけだったりします。ここから先はディープ ステート陰謀論になってしまうので省略。

人間はその育った環境に大きく思考を左右されます。その一種の洗脳を離れて物事を客観的に見ることはしばしば極めて難しいもので、なぜなら「病識」を持つことは簡単ではないからであります。そのことを、かつてシオニストであったユダヤ系精神科医のGabor Maté は、シオニストユダヤ人との会話の中で、"live in a bubble"という表現を使って、覚醒を促そうとしました。アメリカが、ヨーロッパ人移住者のアメリカ原住民への虐殺や略奪を隠すように、イスラエルはイスラエル人に正しい歴史を教えません。イスラエルはカルト国家であり、国民の洗脳を行なっていると彼は非難します。実際、先日のアムステルダムでのサッカー試合でのイスラエル人の暴動と差別的行動を見ると、彼らが自省して目覚めることは簡単ではないだろう思わざるを得ません。子供の時から、国策として特権意識とアラブ系の人々への差別意識を植え付けられて育っているわけですから。


(訂正と追記)最初の投稿時にJackson Hinkleがホワイトハウス報道官に選ばれたという話を書きましたが、どうもガセネタだったようです。その部分は削除いたしました。

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内部崩壊するイスラエル

2024-11-05 | Weblog
今日は米大統領選挙投票日、4年に一度のお祭りの日ですが、これほどシラけた気分で迎える大統領選は、久しぶりです。ビル クリントンがモニカ ルウィンスキーとのセックス スキャンダルで人気を落とし、アル ゴアが子ブッシュに負けたのが2000年。今回、ビル クリントンがミシガンでの応援演説に出てきて、中東政策を語っているのを聞いて、民主党が勝つことはないだろうと思いました。ミシガンはペンシルバニアと並んで選挙の勝敗を握るSwing Stateであり、かつ最もイスラム教徒の多い州でもあります。イスラエルの戦争犯罪に最も怒っているであろう人々です。そのミシガンで、わざわざイスラエルの戦争犯罪を擁護するような発言をした上で、これまでジェノサイド ジョーと一緒にイスラエルの戦争犯罪を全力で支援してきたハリスの方がトランプよりも中東平和実現に尽力できる、と主張するのはどういうロジックに依っているのでしょう?そういえば、ルウィンスキー スキャンダルの時の盗聴テープを使って、ホワイトハウスを脅し、イスラエル スパイを釈放させたのが、当時も首相だったネタニヤフだったという話を思い出しました(Netanyahu said to have offered Lewinsky tapes for Pollard)。アメリカの政治家はイスラエルに色々と弱みを握られているのでしょうな。

クリントンの後は、イラク戦争を始めたブッシュ政権となりました。それを煽ったのもネタニヤフでした。そして、オバマ政権に変わったもののノーベル平和賞を貰ったのはいいが、結局、色々な戦争事業は引き継ぎ、リビアの侵攻をはじめとして色々とやらかしました。ウクライナに関しては2008年、ブッシュ政権の終わりにNATOサミットで明らかにしたウクライナをNATOに取り込む計画は続行、国務長官はヒラリー、2014年、オバマ政権はマイダン革命に乗じて、親露であったウクライナ政権を違法に転覆させ、今日のウクライナ戦争への道筋をつけました。2016年の大統領選で、戦争事業をヒラリーが引き継ぐという目論見は外れ、第一次トランプ政権が成立。この選挙で、トランプはミシガンを獲得し勝利を決めたのです。また同じくトランプが敗れた2020年の選挙ではバイデンが僅差でミシガンを取っています。今回もミシガンを獲った方が選ばれると思うのですけど、私の予想は、大差でトランプだと思います。ま、選挙は水物、フタを開けてみるまで分かりませんが。

2016年の選挙はよく覚えています。トランプが選ばれたとわかった時は本当にがっかりしました。しかし、振り返ってみれば、トランプは俗物で嘘つきのエゴイストであったものの、トランプ政権は、ニクソン以来、オバマから引き継いだ戦争以外に、新たな戦争を始めなかった唯一の政権であったと思います。結果、トランプ政権の間、コロナまでは世界は比較的平和でアメリカ経済も安定していたのでした。もし、ヒラリーが大統領になっていたら、ウクライナもガザももっと前倒しで戦争になっていたと思われます。

「黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ」という実利的思考でアメリカ国民が判断するとすれば、俗物で嘘つきのエゴイストの人種差別者でセクハラ親父であるが、平和と安定した経済を保っていた前大統領と、「民主」という名前でマイノリティーの味方のような顔をしていても、ウクライナ戦争とイスラエルの戦争犯罪にアメリカの多大なリソースをつぎ込んで、世界の反アメリカ感情を煽り、BRICSを急発展させてドルの価値を落としインフレを抑えきれずにミドルクラスの生活を破壊したような政権の副大統領と、どちらを選ぶかは明らかなのではないかと思います。

しかし、私に取っては、どっちに転んでも、ジェノサイダー。どっちが勝っても同じです。ただ、何事も「取引」でものを考えるトランプの行動は予測不能です。トランプは、アメリカのイスラエル支援が「良い取引ではない」と判断すれば、ジェノサイドを止めるかもしれません。良い取引かどうかは、その場の時勢いやさまざまな因子で影響を受けるので、判断はコロコロと変わる可能性があります。つまり、その動機が「主義」や「原則」ではなく「取引上の損得」であるところが危ういわけですが、カマラ ハリスではそれも望めませんし。

アメリカ大統領選挙に関しては、近い未来に政治を動かせるようになるかという点においては今は絶望的ですが、私は、第三極のGreen Partyがどれほど人気票を集められるのかには多少、興味があります。遠くない将来、唯物主義、拝金主義、利己主義のアメリカは、BRICSの台頭、ドルの基軸通貨としての地位の低下などにより、急速に世界での力を失っていくと予想します。そうなった時に、アメリカはかつてのヨーロッパのように帝国主義を捨てて、「普通の国」になろうとするのではないか、そして、その兆候はGreen Partyの票に表れるのではないかと想像しているのです。

さて、ようやく本題。いまだに、「人質開放」を口実にパレスティナやレバノンの子供を殺しまくっているICJが「違法国家」と断ずるところのイスラエルですが、結局、一年にわたって、歴史ある街を破壊しまくり、子供を殺しまくっただけで、今だに何の目標も達成していません。ハマスもヒズボラも根絶していないし、人質も帰ってきてません。レバノンへの地上戦は、例によって住宅地を攻撃して市民を殺しただけ。一方で、イスラエルの経済はボロボロ、イランは報復攻撃の機会を測っており、アメリカとアメリカの取り巻きの諸国以外の世界中からはソッポを向かれ、国際機関からは非難を受け続け、国際社会から孤立しつつある状態で、もはやネタニヤフ政権のイスラエルに未来はない、と断じざるを得ないと思います。ネタニヤフの極右シオニズム思想は筋金入りの精神病と言っていいですから、この男が正気を取り戻す可能性はゼロです。目的のためには手段を選ばず、人質になるようなイスラエル人は殺害する(Hannibal Directive)のが軍の正式方針となっているような国です。

関連して、しばらく前のHaaretzの記事を目にしたので、紹介します。

ネタニヤフ首相の人質取引への執拗な妨害を示す新たな証拠
 「イスラエルのチャンネル12ニュースのは、ネタニヤフ首相があらゆる人質取引を妨害しようとしたことを示す新たな文書や新たな会話を発表した。、、、
 過去11ヶ月の詳細なタイムラインとして紹介されたこの調査には、未公開の文書や未聴の会話が含まれ、ネタニヤフ首相が「取引の妨害」を執拗に試みたことが浮き彫りにされた。、、、
レポートは、2023年11月25日から6日間の取引で解放された81人のイスラエル人と24人の外国人パスポート保持者の映像から始まった。、、、
それから9ヵ月間、イスラエルの交渉チームは、より多くの人質を取り戻すための新たな取り決めを確保するに駆り出されたが、無駄であったとアブラハムは報告した。その過程で、ネタニヤフ首相は彼らの交渉が成功しないようにあらゆる手を尽くした。ネタニヤフ首相は、彼らが停戦交渉に行くのを何度も阻止したり、交渉権限を大幅に制限したりした。、、、
さらに、ネタニヤフは、戦争を終結させるという合意を含む約束を反故にし、以前は言及されることのなかった新たな理屈を捻り出した。彼は考えを変え、否定し、可能な限り誰にでも責任を転嫁した。そして、スモトリッチやベン・グヴィールのような閣僚に、もし(人質解放や停戦の)合意が前進したら政権を去ると脅しをかけた。、、、」

わかってはいたけれど、ネタニヤフがイスラエルのメディアからもその卑怯で不誠実な嘘つき体質を非難されているのを見ると、ますます、この男の悪魔ぶりに怒りが湧いてきますね。

最近、イスラエルの元首相であったEhud Olmertは、CNNのテレビインタビューで、次のように述べました。ネタニヤフの年貢の納め時は近づいているように思います。

「、、、思うに、本当の敵はイランでも、ヒズボラでも、ハマスでもない。本当の敵は内部にいる。本当の敵は、パレスティナ人を追い出して領土を略奪することができると信じているイスラエルのユダヤ狂信者の過激派だ。私は彼らと断じて戦う。それは現ネタニヤフ政権だ。ネタニヤフは政治的に(過激派の)彼らに依存しており、彼らの決して許されないような行為を黙認しているのだ、、、」




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イスラエルの終わり

2024-10-29 | Weblog
選挙結果は、まずまず予想通りでした。しかし、自民がダメだから立民というのでは、アメリカ大統領選で民主党がダメだから共和党というぐらいに思考停止なのではないかと思わざるを得ません。10年前に、菅、野田政権が何をしたか忘れてしまったのですかね。一方で、比例を中心に第三極も議席を伸ばしており、これは、多少これまでの経緯を知って、考えて、投票する人も増えてきたことを示しているのではないかな、と思います。しかし、小選挙区の投票行動を見てみれば、まだまだです。その地区で代々、政治屋をやってきた「誰々さん一家」の地盤、すなわちコネと名前と利害関係の歴史というものは根強く、結果、凡庸、小粒で世間知らずな世襲議員が選出され、大臣になって、国の社会インフラをメチャクチャにしては国民に迷惑をかけるようなことになるワケです。世襲議員の弊害というのは国力低下の大きな原因であると思います。外国のように世襲議員に地盤を引き継がせない制度を作ること、そして何より国民の現在の国政で起こっていることへの知識と政治参加への理解を高めることが必要と思います。ま、しかし、与野党含めて既に多数の世襲議員が自らに都合の良いようにルールを決めてきて、彼らは、国民は軽くてパーがいいと思っているのだから、そう簡単に選挙制度も自民党の腐敗も改善されることはないでしょうが。

アメリカについても同じことが言えます。アメリカ国民の過半数が、イスラエルへの武力支援に反対してきているのに、民主党政権はその声を聞かず、ガザで何万人という子供を殺してきたイスラエルの共犯者となってきました。この盲目的なイスラエル支援は民主党も共和党も同じで、次の大統領がカマラ ハリスであろうが、トランプであろうが、パレスティナの子供殺しは継続することになるでしょう。ハリスはただの傀儡、トランプはひょっとしたらあの気まぐれで一転する可能性はないとも言えませんが、現在のところはバイデン政権以上のpro-イスラエル。反対している大統領候補は第三極、リバタリアンのChase Oliver、それから「緑の党」のJill Steinです。スタインはユダヤ人医師で、副大統領候補にイスラム教徒で大学教授であるButch Wareを立てており、つまり、第三極からは、イスラエルのジェノサイドに反対するユダヤ人大統領候補とモスリム副大統領候補、という組み合わせが出ているわけですが、二大政党制のプロレス興業に慣らされたアメリカ人は「民主党がダメなら共和党、共和党がダメなら民主党」というどっちに転んでも一緒なのに、四年に一度の茶番に熱狂するワケです。日本でも同じことです。自民党がダメだから立民、立民がダメだから維新、しかし、彼らは広い意味で、党は違えど五十歩百歩、同じ興行主に雇われた劇団員のようなもので、一般国民の立場を優先する勢力は第三極にしかないと思うのです。逆に言えば、建前どうり愚直に民主主義政治を志すものはメジャーからははじかれるということですが。

ついでに、選挙と言えば、先日はジョージアで大統領選挙がありました。新ロシア大統領が選ばれたことに対して、米英は例によって不正選挙だと、騒いでいます。デジャブ?と思ったら、この間のベネズエラで反米のマデュロが選出された時のアメリカの反応と同じでした。ヨソの国の選挙結果に大っぴらに口出し、CIAを使って政府転覆工作まで行い、様々な国に軍事侵攻してきた欧米はその傲慢な態度を反省する気は全くないようです。アメリカとNATOは、ロシアのウクライナへの侵攻に文句をいう前に、コソボ、朝鮮、ベトナム、イランにイラク、リビアにアフガニスタン、散々、いい加減な理由をつけては軍事侵攻して他国を破壊し、人々を殺してきた己自身を批判してからにしてもらいたいものです。

いうまでもなく、黒海に面しロシアの南と接するジョージアはウクライナと並んで、ロシアにとって安全保障上の重要地域です。米英の思惑はウクライナと同じで、ジョージアをNATOに組み込んでロシアを包囲することでしょう。例によって、ウクライナやその他の数々の国の時のように親欧米傀儡政権にすげ替えたかったのでしょうが、もしそうなったら、ジョージアはウクライナの二の舞になる、とジョージア国民は思ったのでしょうな。

さて、中東は相変わらず、NHKの報道も相変わらずです。誰がどこから見ても明かなイスラエルの市民の虐殺と戦争犯罪。カタールが停戦を仲介してきましたが、イスラエルは、ハナから停戦など考えてはいません。ガザを完全破壊し、ガザ住民を殲滅するまで止める気がないのは明らかです。大体、停戦の交渉の相手であるハマスの幹部を次々に殺しておいて、どうやって停戦の交渉ができるのでしょう。ヒズボラに対しても同じことです。

かつてはこう言うのを躊躇っていましたが、イスラエルを普通の国だと認識するのは間違いである、と思っています。多分、北朝鮮の5倍は危険な国です。北朝鮮は時々、花火を上げる程度で、ジェノサイドとも違法軍事侵攻とも無縁で、スラエルと違って結びつきの強い中露は、イスラエルを支援している戦争キチガイのアメリカと違って、帝国主義でもなければ、世界のヘゲモニーを手にしたいという野望もなさそうですし。

シオニズムはイスラエルの国家プロジェクトであり、国全体をカルト化し国民全体をシオニズム教育で洗脳し、周辺諸国は全てイスラエルに害を為そうとする野蛮で悪意を持った連中だと思い込ませることによって、軍国主義を促進し、国民を恐怖と差別意識によってコントロールしようとするものです。つまりナチスドイツや戦前の日本のような全体主義国家です。歴史は繰り返すものであることを思い起こせば、イスラエルの今後がどうなるかもなんとなく見えてくるように思います。

その狂気のイスラエル、今日はガザ、明日はウエストバンク、その次はレバノン、そしてついにイラン、周辺の国々に侵攻しては市民を無差別に爆撃し続ける破壊魔であり、「自己防衛」の名の下に、子供や妊婦、一般人を狙って殺害する異常者。一国、全体がサイコパスとサイコパス予備軍の集まりとなっている精神病棟がイスラエルであって、そこには医者はおらず患者は病識を欠き、施設長自らサイコパスという狂った国がイスラエルである、と私は思い始めています。

長らく、他の国のことをこのように解釈するのはどうかと思ってきましたが、手足を吹き飛ばされた子供、頭半分吹き飛ばされた子供の死体、瓦礫に埋もれて血を流している子供、栄養失調で骨と皮膚だけになってしまった子供、瀕死の妹のを背負って歩く子供、ガザから日々、発信される毎日何十枚ものこうした写真や、各国際機関から発表される犠牲と破壊の数字、数々のイスラエル人のインタビュー動画を目にすると、もう他に解釈の余地はないと思わずにおれません。もちろん、そうした洗脳から解け、イスラエルの病を客観的に見ることができるようになったイスラエル人もおりますが、彼らは少数派のようです。

イスラエルは、アメリカの支援のおかげで一年にわたる戦争を継続できていますが、すでに、イスラエルの経済は傾きつつあります。イスラエルと取引しないと宣言した国は複数あり、イエメンのフーチは今も、紅海経由でイスラエルに向かう船舶はブロックすると宣言しています。ヒズボラとの戦闘で北イスラエルの経済は大きく毀損しました。大勢のイスラエル人は国外脱出、 BDSの効果かイスラエル支援企業の売り上げは大きく減っている中、いくらイスラエルの忠犬のトランプもハリスであっても、いつまでも国際世論に反してイスラエル支持を続けるのは困難になるだろうと思います。

イスラエルも内部から崩壊しつつあるようです。そもそもイスラエル兵は武器を持たない市民を虐殺することには長けているようですが、戦闘員との戦闘は苦手なようで、レバノン侵攻は苦戦しているようです。そして、流石に人の心を多少なりとも取り戻したイスラエル兵士は強いPTSDを発症する者が増えてきているという話を聞きました。

さて、そんなサイコパス国家のイスラエルですが、週末、イランを攻撃しました。狂っていますね。ひょっとしたら、イランの軍事力をネタニヤフは大幅に過小評価しているのではないでしょうか。イランはすでにイスラエルに対してイランを攻撃した場合は、確実に報復すると警告しており、それは100%実行されるでしょう。イランの兵器は多くは地下施設に備蓄されており、少なくとも1000発以上の長距離ミサイルやドローンを一気にイスラエルに向けて発射できるだけの軍事力はあると考えられています。イスラエルのIron domeの迎撃率はイスラエルが言うほど高くはなく、もしもイランが真剣に攻撃をすれば、イスラエルは深刻なダメージを負うでしょう。

イスラエルは兵力をアメリカに依存していますが、そもそも、イランとイスラエルの戦争になって困るのはアメリカです。イランは直ちに西側への石油供給を止めることになり、石油価格は高沸し、日本も含めて西側諸国は大打撃を受けることになるでしょう。(念のため、トイレットペーパーは買いだめしておきました)そして、万が一、アメリカが今やBRICSの正式メンバーであるイランとの戦争に介入してくるようなことがあれば、ロシアも成り行きをただ眺めてはいないと思われます。

バイデンは先週、アメリカ政府のアメリカ 原住民に対する政策の不当性について突然、謝罪をしました。認知症進行が著しいバイデンですから、単にとち狂ったのか、選挙前でマイノリティーの支援を得ようとしたパフォーマンスか知りませんが、この男が、今、真っ先に謝罪し、態度で明らかにしないといけないことは、イスラエルのガザにおけるジェノサイドを支援してきたことでしょう。400年前、イギリスの清教徒が新天地を求めてアメリカにやってきました。アメリカ原住民は彼らを助け、作物の栽培法を教えましたが、その後、続々とやってきたヨーロッパからの移民は、原住民の好意に暴力と略奪で応えました。つまりアメリカの土地を原住民から奪いヨーロッパ人の入植を進めて成り立ったのが、近代アメリカです。第二次大戦前後、ヨーロッパから移ってきたユダヤ人がパレスティナ原住民の好意を踏み躙り、彼らを殺し、土地を奪ってできたのがイスラエルという泥棒国家でした。アメリカとイスラエルは共にその成り立ちを同じくしています。アメリカ(合衆国)はその成り立ちの疾しさから、イスラエルを面と向かって非難できないのでしょう。バイデンが、アメリカ原住民に謝罪できるのなら、同時にやらねばならないことはイスラエルを支援して大勢のパレスティナ人を殺したことを謝罪し、イスラエルの支援をやめることでしょう。
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精神病者の社会

2024-10-22 | Weblog
週末、腹立たしい気持ちで、期日前投票を済ませました。こんな選挙がある事自体に怒っています。与党が政権を維持するためだけにやる任期途中の解散は認めるべきではないと私は思います。そもそも、この解散選挙が目的で、岸田は辞めたのです。そしてわざと長々と総裁選をやって、NHKや民放を使って総裁選ニュースという自民党の宣伝を散々やらせた挙句、新総裁となった石破は、総理就任前から解散を宣言。この解散はキシダが総理になった時からの予定事項ですから、石破は粛々と自民党権力保持のコマとして動いただけのことですが、ま、ひどいものです。この男が軍事オタクと呼ばれる危険思想の持ち主であることは知っていましたが、アベ、スガ、キシダ、そして今回の他の候補、高市、小泉、河野といった連中に比べたら、会話ができるだけ、ひょっとしたら少しはマシなのではないかと思ったのです。しかし、その淡い期待は半日とは持ちませんでした。しかも、党首会談ではキシダ以上の中身のなさをさらけ出しました。ま、結局は同じ穴のムジナ、だれであっても、自民党は頭の先からつま先まで自民党、ちゅーことです。

首相となって何の仕事もしないうちに解散することに、政治上の大義は何一つありません。目的は、少しでも選挙に勝てそうなうちに任期をリセットし、そして首尾良く与党の地位が維持できれば、「国民の信任を得た」とか何とか言って、裏金、脱税、官房機密費問題、統一教会、みんなまとめて、闇に葬った上で、権力を握り続ける、その一点です。自党の自分勝手な権力維持と犯罪隠しが目的の解散であって、そのための宣伝活動としての総裁選でした。つまり、「いつもの手口」です。こうして、例えばアベ政権時代も、森友事件、加計学園問題、文書改竄問題、桜を見る会も、あれほど犯罪事実が明らかになっているのに、当事者は何の反省も罰もなくウヤムヤにされてしまいました。自民党が政権を維持するためだけに、総理自ら、何の大義もなく衆院を解散し、このような腹立たしい選挙が頻繁に行われ、その都度、大金が使われ、国政は止まり、喫緊の問題は置き去りにされ、従来からの問題は棚上げにされ、そして、自民党の組織犯罪は闇に葬られ、日本はどんどん堕ちていく、という事が続いております。

当然ですが、解散は内閣不信任案が可決された時のみに限定すべきだと私は思います。(石破も数年前はそう言っていたはずです)少なくとも、イギリスのように、首相主導の解散には議会大多数の承認を必要条件とすべきでしょう。しかるに、現実は、憲法施行後の解散の8割以上が内閣(即ち通常は政権与党)の利己的目的で解散した大義なき解散です。
 しかし、それでも国民が十分に理性的な判断ができ、自由に意思表示できるのならば、自民党は外国のようにとっくの昔に政権から転がり落ちているはずです。結局、テレビでちょっと宣伝して組織票を動員すれば、中身はお粗末きわまりない犯罪政党でも、票が集まるような国が日本なのです。何の実績もビジョンも思考力もないのに、昔のアイドルやスポーツ選手が国政選挙で上位当選するような国が日本です。まさに政治家のレベルは国民のレベル、一賢の唯々は衆愚の諤々に如かず、日本の凋落はまだまだ続きそうです。

さて本題、前回、シオニスト教育システムで洗脳されたイスラエル人社会の異常さをイスラエル人が告発する動画を紹介しました。また、第三者からも、イスラエル社会の異常さは指摘されています。今回は、ジャーナリスト、Richard Sandersのレポートを紹介します。

「これはBBCやCNNなどの西側メディアでは見ることのない映像です。この一年、われわれは21世紀最大の犯罪を目にしました。異常極まりないことに、これらの犯罪の証拠は、その犯罪行為者自身によって綿密に記録され、提示されているのです。、、、それらは本当にショッキングなものです。人口13,000ほどの小さな町、キルべ クザーを見てみましょう。イスラエル軍はクリスマスの後にこの町に入り、人々を退去させた後、町を完全に破壊しました。意図的に市民の資産を破壊することはどういう理由であれ、国際犯罪法違反です。彼らはその過程を記録し、フェイスブックで公開しているのです。彼らはパレスティナ人の家に入り込み、そこにある家財を破壊し、その様子を撮影しました。彼らはまた、女性のタンスを物色しては下着を漁るのですが、どうも、これはイスラエル兵士に共通の性癖のようです。、、、、
(イスラエル ラジオ出演者の映像:『もし、ここにボタンがあって、押せば、直ちにガザで生きているものが消滅するとしたら、僕なら、すぐに押すね。俺にボタンをくれ!』)
 私たちは、怪しげなサブ カルチャーみたいなものをイスラエル社会に探しているのではないのです。このような人々こそがイスラエル社会の主流派なのです。、、、
 イスラエル軍はAIを使って、最も効率的な殺人の仕方を計算し、家に人々がいるときに殺すのが最も効率がよいと結論しました。そこで、二つ目のソフト「パパはどこ?」を投入します。このソフトは標的である男親を追跡し、父親が家にいるときを見計らって攻撃するのです。そうすると標的のみならず、その家族を一緒に殺すことができるというわけです。イスラエル兵士が撮影して公開したこれらの内容は驚くべきものです。しかし、一方で、彼らの映像に出てこないものは何かという疑問が湧きます。不思議なことに(戦闘員である)彼らが戦闘に従事している映像はほとんど見ません。一方でイスラエル兵士が女性の下着を身につけてふざけている映像は多く目にします。一体、彼らは本当にハマスと戦ってハマスを壊滅させたのでしょうか?私は、当たり前のことを指摘したいと思います。イスラエル兵士は何千というビデオをネットにあげていますが、(戦闘の証拠となる)兵士の死体を示す映像はほとんどないのです。、、、
 この戦争の異常な面の一つは、病院を繰り返し攻撃していることです。かれらは36のガザの病院すべてを攻撃したのです。、、、、
 イスラエル兵士によるこれらのビデオに際立っているのは、異常なまでの特権意識です。、、、、彼らは非武装の市民を狙撃して殺害した映像を(殺害者の)自分の名前で公開しています。、、、彼らが狙うのは大人だけではありません。子供も狙撃されます。「PRESS」ジャケットを着ているジャーナリストも狙撃され、殺されました。結果、10%以上にあたるガザのジャーナリストが死にました。歩兵の死亡率は普通5%未満ですから、このジャーナリストの死亡率の高さは完全にショッキングなレベルです。、、、
 イスラエルに拉致されているパレスティナ人捕虜への虐待も問題です。6月末までで、イスラエルの収容所で53人が殺されています。しかも、イスラエルのテレビ局はこの虐待の様子を誇らしげに放送したのです。目的はイスラエル国民にパレスティナ人捕虜が如何に虐待されているかを知らしめることです。、、、彼らはそれを隠そうとも知らないふりをしようともしないのです。、、、、
 イスラエルはハマスが民間人を盾にしていることを、一般市民殺害の理由として正当化しているが、事実は全くの逆です。
(イギリスのパレスティナ大使の映像) 『イスラエルが、犠牲者(パレスティナ)人を殺した上で、その罪を犠牲者に被せる、というのはどういう理屈なのだ?』、、、
 西側の政治家のダブル スタンダードには呆れるばかりです。イランの報復についてのDavid LamyとKier Stammerの反応をみてみればよいでしょう。イランはその報復攻撃で誰一人殺していないのです。(一方、イスラエルはイランのテヘランとシリアのイラン大使館を攻撃して外交官を含む複数人殺害した)
Stammer: 『私は、無実のイスラエル人を殺そうとするイラン政府の試みを完全に非難する!』
その一方で、彼らは、4万人以上の市民を殺したイスラエルを非難することはないのです。彼らは一様に「イスラエルには自己防衛の権利がある」と言うわけですが、もう一方の自己防衛の権利については口を噤む、このダブルスタンダードには言葉がありません。、、、、、」

イスラエル社会の異常さは下のAbby Martinのビデオでも示されています。

The disgusting glorification of Israeli Forces Execution of Palestinians is exposed by .@AbbyMartin pic.twitter.com/mq0b97CALf

私はアブドル アルシュリフがイスラエル兵に殺害された現場に来ています。犠牲者の家族がその様子を映像に撮っていたのです。(その映像が広まって)以来、家族は、イスラエル兵士や入植者の殺害脅迫を日常的に受けています。

このビデオに示されているようにアブドル は殺されました。アブドルは負傷して地面に三分ほど伏していたのですが、イスラエル兵士、エロール アザリアは戻ってきて、何気ない様子でアブドルの頭を撃ったのです。このビデオが拡散して、イスラエル政府は狙撃者であるエロール アザリアを自宅監禁にせざるを得なくなりましたが、今日、彼はイスラエルの英雄と見なされており、彼を支持するデモがイスラエル国内で開かれています。(群衆 『ユダヤは魂、アラブをやっつけろ、アラブ人はクソだ!』)ヘブロンの占領区に立ち寄った時、私は、ただちに入植者の子供に止められました。その子供はこの殺人現場のすぐそばでイスラエル兵士とたむろしていたのでした。
子供『この土地は、僕たちのものだ。あなたが何を言おうと。もう決まったんだ』
レポーター『君たちは、エロール アザリアのことをどう思っているんだ?』
子供『彼はすばらしい男だ』
レポーター『彼が、アラブ人の頭を撃って殺したことは良いことなのか?』
子供『うん』
レポーター『君はアラブ人の頭を撃ちたいのか?』
子供『うん』

エロール アザリアが(無抵抗の市民アブドルを)射殺したことが明るみになったのは、その映像があったからにすぎないのです。ここでは(イスラエル兵士による)パレスティナ市民への銃撃は日常茶飯事なのです。
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イスラエル人の話

2024-10-15 | Weblog
先週末、日本の反核運動グループ、被団協がノーベル平和賞を受賞しました。1956年からの地道な運動が国際的に評価されたものと思います。こうした人々の行動と善意が少しずつ世界を変えてきたと私は思います。代表者の箕牧智之理事長は、「パレスチナ自治区ガザで子どもが血をいっぱい出しているのは、80年前の日本と重なる」と発言。80年前のヒロシマ-ナガサキと今日のガザ、共通しているのは、アメリカの殺人兵器による市民の無差別大量殺人であるということです。

多分、キューバ危機以来、今日ほど核戦争のリスクが高まった時代はなかったでしょう。核戦争となれば、人類は破滅です。現在、アメリカが愚かにもロシアを挑発し続けています。アメリカが日本に核爆弾を投下して市民を虐殺した時と、今は時代が違います。もし次に核が使われるときが来るとすると、一発では終わりません。それは核保有国同士が核兵器で攻撃し合う破滅的な世界戦争になるでしょう。

核戦争の危機はアメリカの愚かさとイスラエルの狂気がもたらしています。ロシアが核を使う時、アメリカの1/3が消滅するであろうということをアメリカは理解しているのでしょうか。イランは間も無く核保有国となるでしょう。イスラエルがイランと全面戦争になれば、中東ごと吹き飛ぶことをネタニヤフはわかっているのでしょうか。現実味を帯びてきた核戦争をオスローの委員会は恐れたのではないでしょうか。歴史上、唯一の核兵器投下国であるアメリカに対する警告の意をこめてのノーベル平和賞だったのではないかと思います。

さて、パレスティナ自治区のみならず、シリア、レバノンといった周辺アラブ諸国に戦争をしかけて、中東平和のみならず、イスラエルの安全と経済を破壊してきた狂人ネタニヤフですが、彼が長年イスラエル政府の中枢で活動できたのは、彼を支持する国民が一定数いたからであります。

先日紹介したユダヤ系アメリカ人のNorman Finkelsteinは「イスラエルは狂気の国家であり、ネタニヤフはそんなイスラエル社会を反映しているのだ」と述べました。つまり、彼一人が狂っているのではなく、かなりの数の国民が彼のビジョン(ユダヤ人は神に選ばれ、他民族よりも優れた人種で、ナイル川からユーフラテス川に至る一帯を領地とするユダヤ国家が中東を支配すべきである)を共有しているということです。地図を見れば、その構想は、太平洋戦争前に日本がアメリカに戦争をしかけて勝利するというぐらいに、バカげた妄想であるのは明らかですが、それをおかしいと思わないというのは、イスラエルのシオニズム教義を子供のころから教え込まれることによって、イスラエル国民が「洗脳」されているのでしょう。

これまで、第三者またはパレスティナ側の当事者からの話を拾ってきましたが、今回、過去にパレスティナ解放のために行動したイスラエル人の話を見つけましたので紹介します。


2022年5月15日(ナクバの日)、#Bristol7と呼ばれるグループは、イスラエルがガザとヨルダン川西岸で使用する武器や監視装置を製造するエルビット・システムズUKのブリストル本社を占拠しました。 その運動に参加したイスラエルのシオニスト体制で育ったユダヤ人二人がインタビューに答えています。

Stavit: 「私はアパルタイト政策下のイスラエルで、ホロコーストを生き延びた一家の子供として育ちました。そして、私は「シオニスト教育システム」の産物だったのです。私はパレスティナのことを知りませんでした。私はそれがどこにあるかも知らず、どこか遠い場所にあるものだと思っていました。イスラエルがパレスティナの上に築かれたものであるとは全く思っていませんでした。、、、子供時代、私はユダヤ人以外の人と接触することはほとんどなかったのです。、、、」
Ronnie: 「子供たちは周囲の国を恐れるように教えられました。、、、シオニズムの排他性はその特徴です。、、、、私はシオニズムを「カルト」に例えてきました。時には、シオニズムを「精神病」に例えることもあります。(シオニストは)まさに精神病の症状を示しているからです。彼らは、文字通り、パレスティナ人を同じ人間として見ることができないからです。このことは知っておくべきことです」
Stavit: 「私はシオニスト教育システムの中で、優秀な軍人になることを期待されていました。、、、」
Ronnie: 「徴兵された後、私は、自ら学んで、この教育システムから一年半かけて、抜け出しました。、、、」
Stavit: 「私は、幸運にも徴兵を避けることができて、大学に進学し、植民地主義とアパルタイトについて話す知識人と出会い、パレスティナの原住民の人々を迫害し、彼らの自由と生活を奪う植民地主義と帝国主義の歴史的な力に気付かされました」
Ronne: 「私同様に軍隊を嫌がる人々が軍を抜けれるように手助けする一方で、私は外部で活動する必要を感じ、そして活動家となったのです。、、、」
Stavit: 「エルビットのことは知っていました。2011年のテルアビブではエルビットが作るドローン兵器が二人の子供を爆撃し殺したからです。、、、」
Ronnie: 「エルビットはガザで使われている殺人ドローンの85%を作っています。」
Stavit: 「ホロコーストを生き延びた家系からきた私としては、『人類に対する犯罪』が行われている時に、犯罪者の側に立ってはならないことは自明でした。、、、私が大学教育のために国外に出て、BDS (Boycott-Divestment-Sanctions)運動になどの活動に参加し、政治家や行政担当者に働きかけましたが、いずれも行き止まりに行き着ました。この時点で、(残される手段として)イスラエルに送る兵器製造を止めるための直接的行動に出ることが必須となりました」
Ronne: 「かつては、イギリスにも公平な法体制があり、イスラエルの戦争犯罪を追及することが可能でした。しかし、イギリスは法律の方を変えて、イスラエルの戦争犯罪者が入国できるようにしたのです。2011年、Tzipi Livniがイギリスに来た時、逮捕状が出されたわけですが、検察庁長官であったKeir Starmer (労働党党首、現イギリス首相)が、それを覆したのでした。、、、」
Stavit: 「そして、私たちは、明文化された法律によって、エルビットのようなジェノサイドに使用されるような非合法な兵器を作ることを阻止する権利を行使したのです(エルビットUKの占拠)」
Ronnie: 「ところがイギリスでは、こうした(エルビットのような)犯罪組織に反対するものを犯罪者とラベルを貼るのです。、、、」
Stavit: 「行動を起こさないことは、(行動を起こして)刑務所に行くよりもはるかに悪い結果となったでしょう。なぜなら、それは私たちが私たち自身の監獄に繋がれることを意味するからです。、、、、自由は向こうから出てこない、私たちがその助産婦とならない限り。そして、産みの痛みは避けられないのです。私たちは(エルビットの破壊を試みたことを)誇りに思っています。これはなされなければならなかったと思っています。そして、我々の運動に続く人々が現れてこの戦争マシンを止めて欲しいと願っています」

ついでに、ガザでの診療にあたったアメリカ人医師の証言を追加しておきます。イスラエルが異常精神状態にあって「人の心」を失ってしまっている証拠でしょう。

「、、、、何が起こっているのかについて、いくつかの事が際立っていました。一つは栄養不足と飢餓です。これは完全に明らかなように意図的なものです。、、、二つ目は、子供が意図的に銃撃されているという事です。これは予想していなかった事です。多くの子供が殺されているのは知っていましたが、多くは爆撃によるものだと思っていました。しかし、それでは、子供たちが頭を撃ち抜かれており、しかも毎日それが起こっているということを説明できません。文字通り、毎日、頭を撃ち抜かれた子供を私は見ています。これは事故ではありません。意図的に子供を標的とした殺人です。、、、、」
「私が多く見た外傷は、イスラエル軍の爆撃によるクラッシュ症候群ですが、そのうち6-7割は子供でした。一方、明かに意図的に銃撃されたと思われる例もみました。お腹や胸を撃ち抜かれた子供、手足を撃たれた赤ちゃん、墓地に設置された地雷に吹き飛ばされた子供、、、、医師の立場から見て、これらの損傷のパターンはとても恐ろしいものでした、、、」


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Lowkey on a high note

2024-10-08 | Weblog
10/7でハマスの蜂起から一年となりました。イスラエルとアメリカの信じ難いほどの邪悪さと残忍さと愚かさに、人間は簡単には成長しないと痛感すると同時に、世界がこの邪悪を一年たっても止めることができなかったことに絶望を感じざるを得ません。その間、イスラエルの攻撃によってガザの土地の8割が破壊尽くされ、確認された4万人あまりの犠牲者に瓦礫の下で亡くなったまま放置されている犠牲者を加えると約20万人のパレスティナ人が犠牲になったと考えられています。このイスラエルの邪悪の最大の支援者はアメリカとアメリカの属国であります。これらの国は、国民の大多数が反対しているにも関わらず、国民の声を聞かない政府が統治する国、すなわち「民主主義国家」という名の独裁国であります。傲慢、強欲で、他民族を見下し、世界中から嫌われた挙句に、ひたすらに破滅に向かって権力を濫用する愚か者の独裁者、そんなものがイスラエルの首相であり、アメリカの大統領なのです。そんなものどもを国家の代表に選ぶ国民も結局は罪を負わねばならぬでしょう。因果応報で自らの行いは返ってきます。

それから、10/7はノーベル生理学賞の発表の日でした。驚いたことにmicroRNAが受賞しました。受賞者であるVictor Ambros とGary Ruvkunの1993年の二本のCellの論文は、発表当時、大きな関心を呼ぶことはありませんでしたが、それから8年たって、Ambrosのグループを含む三つのグループが2001年に同時にScienceに論文を発表し、microRNAという言葉が生まれてから、爆発的なmicroRNA研究が展開しました。Ambrosとあとの二つのグループ、MITのBartelと当時ドイツのTuschlのグループ、それから、それに続いた多くの研究グループがmicroRNA研究の主動力であったと言えます。

RuvkunとAmbrosはMITの線虫の遺伝学の研究者であったRobert Horwitzの弟子で、この二人は基本的に線虫の遺伝学者であり、microRNA研究の主動力は、遺伝学者ではなく、むしろ生化学、分子細胞生物学のグループでした。Ruvkunに関しては1993年の論文以来、microRNAの研究はほとんどやっていなかったはずで、彼のこの分野での貢献は限定的です。

microRNAがノーベル賞になったことに私が驚いたには複数の理由があります。まず、1998年のAndrew FireとCraig Melloの発見であったmicroRNAと近縁の現象であるRNAiがすでに2006年にノーベル賞になっていること、RNAiと違ってmicroRNAの発見は実用的な技術に(未だ)つながっていないこと、そしてmicroRNA研究分野はすでに衰退期にあること、などです。
私のノーベル予想は、インクレチンでしたが、どうも今年ではなかったようです。

さて、本題。イランは今年4月、シリアのイラン大使館をイスラエルに攻撃された際に限定的な報復を行いました。そして、ハマスのリーダーをテヘランでイスラエルに殺された際、報復を明言していました。そんな中で、イスラエルはベイルートへの攻撃を激化させて、ヒズボラのリーダー、ナスララを殺害したのをうけて、10/1 、ついにイランはイスラエルに報復を行い、軍事組織をターゲットにミサイル攻撃しました。かなりのダメージを与えたようですが、イスラエル市民の犠牲は避けられたようです。

イランはその軍事能力の一端を示し、イスラエルを牽制したわけですが、狂人ネタニヤフはイランの意図も今後の展開をも考える理性を失っているようで、報復を宣言し、石油施設や核開発施設を攻撃する意図を示しました。一方で、プーチンはイランに最新の対空防衛システムを供与して支援。また、イスラエルのアパルタイト政権を批判してきたテヘラン大のSeyed Marandi教授によると、イランはアメリカのイラク、アフガニスタン侵攻時から、対米戦争に備え、軍事力増強を図ってきており、西側諸国が把握しているよりもはるかに強大な攻撃能力を地下に保有しており、イスラエルがイランの攻撃をした場合、イランは数ヶ月にわたってイスラエルを攻撃しつづけるぐらいのミサイルを備えているという話です。

イスラエルの攻撃力はアメリカに依存しており、またイスラエル軍は武器を持たない市民を射撃したり殺したりはできるが、ヒズボラのような実際の戦闘員を相手にできるような訓練は受けていないということで、レバノン侵攻で地上戦になったら、イスラエル軍は大きな痛手を負うことになるだろうという予測。

これが本当だとすると、西側メディアやイスラエルの「イスラエルは鉄壁の守りがあり、強大な軍事力で周囲のアラブ諸国を圧倒している」という主張とはかなりの隔たりがあります。実のところ、ウクライナと同じでイスラエルもアメリカが手を引けば、一気に崩落する程度に脆弱な状態にあるのかも知れません。

そして週末、イスラエルは1982年のレバノン侵攻を繰り返すかのように、ベイルートの居住区に大規模な空爆を行いました。ヒズボラは対抗してHaifaの軍事施設を爆撃した模様です。多分、イスラエルは対イラン戦争にまでエスカレートさせ、アメリカを直接戦争に引き込むしか、長期的に勝利をおさめる手段がないというところに追い込まれつつあると感じます。

さて、イギリスの活動家でもあるラッパーのLowkey、ガザのジェノサイドが始まった後、「Palestine will never die」や「Genocide Joe」というメッセージ ソングを発表していますが、先週のPiers Morganのショーに出演しました。モーガンが都合の悪い話の腰を折ろうと口をはさんでくるのを跳ね返すLowkeyの主張はなかなか圧巻でしたので、紹介します。15年にわたってパレスティナの人権侵害にコミットしてきた人間と、西側プロパガンディストとしての立場から議論する人間とでは言葉の重みが違います。

「、、、、イスラエルは忘れてしまっているようだが、憶えておかないといけないことは、戦争に勝つということは、『相手集団の中で最も弱い者を工業的規模で殺しまくる』ことではない。これは、イスラエルが得意とするところで、シオニズムの根本的態度(弱いものいじめ)である。戦争に勝つということは『最大数の人々をこちら側の視点に納得させる』ということだ。もしも、この基準でこの戦争を見るならば、イスラエルはガザで敗北したのである。そして、レバノンでも敗北するだろう。なぜなら、現在、イスラエルは世界中にこれまでになかった数の敵を作り、これまでになかった数のシオニズムに批判的な人々生んだのであり、そして、今やより多くの人が『(シオニズムは)、反生命イデオロギーであって、多くの人々がそれによって殺され苦しめられている』ということを理解するようになったからだ。、、、、

(Piersに向かって)あなたに質問がある。New Core International (NCI)のルパード マードックは、あなたの雇用者だ、、、そして、NCIにはチャリティー部門があって、エルサレムに不法居住地を建設している『エルサレム財団』に寄付をしている。
(Piers: 「それが私と何の関係があるんだ!」) 
さて、あなたはルパード マードックを批判するか?、、、
これは、 (文書をとりだして) イギリスのメディアでは、これまで発表されたことのないものだ。これはネタニヤフの政治団体が発行した文書で、下にはネタニヤフのサインがある。この文書はネタニヤフの政治キャンペーンの支持者のリストだ。ここに、この名前がある。ルパード マードック、あなたの雇用者だ。、、、
(Piers: 「彼は私の番組に口を挟んだことはない、、、」) 
Sam Kileyは、マードックのイスラエルへの投資と偏向のためにTimes紙を辞職したんですよ、、、、」

西側メディアは、アメリカとイギリスのプロパガンダを拡散し、イスラエルのジェノサイドを幇助する共謀者である、とその実行兵の目の前に、突きつけたわけです。アメリカやイギリスにとっては、ロシアは悪の帝国でイランはテロリストの巣窟で、イスラエルは中東で唯一の民主主義国家でなければならぬのでしょう。アメリカとイスラエルがやってきたことを客観的にながめれば、事実は全くの真逆なわけであるわけですが。

Palestine will never die
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Mearsheimer教授インタビュー

2024-10-01 | Weblog
通信機器を使ったテロ攻撃に続き、イスラエルがレバノン都市部への無差別絨毯爆撃で一日に500人以上という数の殺戮を行い、さらにヒズボラのリーダー、ナスララを殺害した先週でした。ニューヨークの国連前では、イスラエルに抗議しての巨大なデモ。国連総会でのネタニヤフの演説では半数の出席者が立ち去り、ネタニヤフに対する抗議の意を示しました。

このイスラエルの暴虐はアメリカがイスラエルを支援するのをやめれば終わります。中東平和の最大の障害になっているのは、イスラエル ロビーに操られるバイデン-ハリスのジェノサイド コンビと言えます。イランは、イスラエルの抑圧に抵抗する勢力を支援してきており、7月にハマスのリーダーを殺された時にイスラエルの報復を宣言しました。今度はヒズボラのリーダーです。イランも立場上ももはや何もしないという選択は無くなったと思います。

認知症バイデンと張子のハリス、そして対抗馬がトランプという絶望的なアメリカのリーダーシップですが、イランが行動を起こし、ヒズボラとフーチーが反撃を始める前に、アメリカはイスラエルのキチガイ沙汰をやめさせねばなりません。

ネタニヤフの意図は、状況を悪化させてアメリカを中東戦争に引き込むことでしょう。本気で状況を収めようとしているのなら、交渉によって協定を結ばねばならない対立組織のリーダーを殺すわけがない。ネタニヤフは交渉するつもりも人質を奪還するつもりもないということです。現在、この狂人をすぐに止めれるのはその共謀者であるアメリカだけと言ってよいと思うのですが、シオニストを自称するバイデンがその大統領ですから、現政権に「良識」は求むべくもありません。

アメリカにもかつては多少の良識があった頃もありました。ヒズボラが結成されるきっかけとなった1982年のイスラエルのレバノン侵攻時、イスラエルは例のごとく、レバノン市民の虐殺を行いました。それを止めたのが当時のアメリカ大統領だったレーガンで、その時の様子を描いた記事があります。

、、、、イスラエルを信頼できる同盟国だと考えていたレーガンは、レバノンで起きていることに憤慨した。 イスラエル軍は10日間にわたってベイルートを包囲し、8月12日には、11時間連続でベイルート西部を空爆した。
  ディーバーの提案で、レーガンはイスラエルの メナへム ベギン首相に電話をかけた。 「メナヘム、イスラエルのやっていることはホロコーストだ」とレーガンは言った。
 べギンは、「大統領、ホロコーストとは何か、私は知っているつもりです」と冷笑的に答えた。
 レーガンは譲らず、更にベギンに爆撃を止めるように言った。 すると、20分後にベギンから電話があり、イスラエル軍に攻撃中止を命じたと、伝えられた。 レーガンは礼を言って電話を切り、ディーバーに言った。「私にこんな力があったとは知らなかったよ」、、、、

唯一、イスラエルを止める力を持っている立場にいる人間が、耄碌したシオニストのバイデンと、中身が空のハリス、どう考えても、彼らがネタニヤフを止められるようには思えないです。まして、彼らはイスラエル ロビーに逆らえば、政治生命どころか物理的生命も危ないと思っているでしょうし。

イスラエルは、ほぼ一年にわたってガザを攻撃し、推定20万人のパレスティナ人を殺害し、ハマスのリーダーも殺害したのに、ハマスを根絶することはできなかったのです。まして、ハマスよりもより強大なヒズボラを根絶することはできないのは自明だし、仮に彼らを抑えつけても、イスラエルによるアラブの不法占拠が続く限り、イエメンの抵抗勢力やイランといった国々はヒズボラやハマスを支援し続けるでしょう。なぜなら、抑圧者のイスラエルにではなく、イスラエルの不法占領によって権利を侵害されてきたパレスティナ人にこそ、自己防衛の権利があるからです。

現在、なぜイスラエルは、長期的には自滅にしか繋がらない攻撃を周囲の国々にし続けるのでしょうか。ウクライナも同じですが、攻撃をやめて、話し合い、お互いが妥協できる点を見つけるという大人の対応ができないのは、想像するに、これらの国のリーダーが、みみっちい動機、すなわ「保身」によって動いているからではないかと思わざるを得ません。

すでに汚職で告発され、世界中から凶悪戦争犯罪人として非難されているネタニヤフ、ロシアとの交渉を拒否し続け、50万人というウクライナ兵士を無駄死させ、ウクライナという国を消滅の危機にまで追い込んだ臨時大統領のゼレンスキー、戦争が終われば、二人とも裁かれ、失脚する運命です。逆に言えば、戦争を継続することでしか、彼らは自らの政治生命、社会生命、あるいは生命そのものを保つことができないと、彼らは思っているでしょう。

先日、ゼレンスキーはトランプタワーでトランプと会談、その後の会見で、トランプが「私とプーチンとは良い関係にあるから、大統領になったら、私がウクライナ戦争を終わらせる」とシレッと言った時、「私たちとの方がもっと良い関係だよね?」と慌てて割って入ったゼレンスキーには笑えました。ゼレンスキーの運命は時期アメリカ大統領選の結果にかかっているわけですが、ネタニヤフに引導を渡すには世界全体の市民の圧力が頼りです。

さて、本題。先週のPiers Morganのショーでのシカゴ大の政治学者John Mearsheimerのインタビューの一部を紹介します。これはイスラエルがヒズボラへの攻撃を激化する直前のものです。

Mearsheimer氏はコロンビア大のJeffrey Sacks氏と並んで、外国政策の専門家で、中東、ウクライナ情勢に関しては、この二人はほぼ同様の意見を共有しております。ロシアに対しては二人ともロシアは(アメリカが挑発しない限り)脅威ではないと考えている一方で、中国に対してはMearsheimerは中国が北半球でのヘゲモニーをアメリカと争う可能性を危惧しているようですが、Sacks氏は中国も脅威ではないとする点で差があります。

私はSacks氏と同じく、アメリカが煽らない限り、ロシアも中国も基本的に帝国主義的な振る舞いはしないと思います。ロシアはすでに広大な土地と天然資源を持ち、プーチン自身が言う通り、自国の安全が保障される限り、わざわざ外国に戦争を仕掛ける動機がないですし(ウクライナへの侵攻はこの理由)、中華思想が浸透している中国もわざわざ(日本も含む)辺境の未開の土地を侵略してわがものにしようとする動機が薄いでしょう。世界との貿易で成り立っている中国にとって、外国と喧嘩して得られるものは損失のみと中国人は計算しています。そもそも、ロシアは領土を広げる必要がないし、14億の人口を持つ中国の政府は自分の国をなんとか統治するだけで精一杯というのが本音ではないでしょうか。

戦争をすれば、自身も大きなダメージを受けます。ウクライナがよい例です。先日、トランプが語ったように、ウクライナはほとんど崩壊しました。私はトランプという男のほとんど全てが嫌いですが、次期米国大統領としてカマラ ハリスか彼のどちらかを選択せざるを得ないとしたら、鼻をつまんで、彼を選ばざるを得ないと感じます。どちらがやってもカタストロフィックな未来になるかも知れません。トランプの幼稚な性格と予測不能さは子供が火遊びするように危険です。しかし、このまま放っておけば、人類全体が焼け死ぬことになるような火遊び(ウクライナ戦争からの核戦争)を継続するとの予測が確実なカマラ ハリスよりは、ウクライナ戦争を終わらせると言っているトランプの方がマシと言わざるを得ないような気がします。私としては、諸悪の根源である軍産やイスラエルと縁を切ることができる共和党でも民主党でもない団体、(日本で言えば、アメリカ、経団連、統一教会に操られていない政党)にやってもらいたいと思っておりますが今のところムリそうです。

この番組は、インタビューアのピアスが、西側プロパガンダに沿って(ショーの演出のためと思いたいですが)バカな質問をするのを、専門家が冷静に料理するという仕立てになっています。


以下、各論点におけるMearsheimer氏の反応のまとめ:

1)イスラエルとヒズボラの戦闘について
「イスラエルは大きなトラブルにある。彼らがガザのジェノサイドを継続する限り、ヒズボラはイスラエルを攻撃しつづけると主張している。イスラエルはガザでの攻撃を止めるつもりはないから、ヒズボラの攻撃は続く。、、、いくら激しくヒズボラを攻撃してもヒズボラがイスラエル攻撃を止め得るという確証はないし、イスラエルは(レバノンに地上侵攻して)ヒズボラを力でねじ伏せるだけの力はないだろう。イスラエルに有効な戦術はない、、、」

2)イスラエルが電子機器に爆弾を仕掛けてヒズボラを攻撃したのは戦争犯罪にあたるか?
「無差別に市民の犠牲を生むような形の攻撃は『戦争犯罪』にあたる。こうした攻撃はテロである」

3)ハマスやヒズボラのテロ攻撃はイスラエルの国家存続の脅威ではないか
「10/7の攻撃は突然に起きたのではない。イスラエルはアパルタイト国家で、ガザは天井のない監獄であって、ガザのパレスティナ人はイスラエルにずっと抑圧されていた。彼らが監獄から出ようとテロという手段を使ったのだ、、、、、イスラエルが軍事力を使ってパレスティナを抑圧してきたのである。圧倒的な軍事力の差がある中で、ハマスやヒズボラ、あるいはイランがイスラエル国家存続の脅威だというのはバカげた議論だ」

4)ハマスやヒズボラがなくなったら中東は平和になるのでは?
「ハマスやヒズボラは人種差別国家であるイスラエルのパレスティナ人抑圧の結果として起きたものだ。イスラエルが態度を改めない限り、彼らは何度でも立ち上がる」

5)アメリカ大統領選が中東およびウクライナ情勢に与える影響について
「トランプであれ カマラ ハリスであれ、中東政策は同じだ。彼らは継続的にイスラエルを無条件に支援するだろう。しかし、ウクライナについては話は違う。さっき言ったように中東に関しては、彼ら(民主党と共和党)はTweedledeeとTweedledum (「不思議の国のアリス」に出てくる双子のキャラクター)だ。中国に対しても同じスタンスだろう。ウクライナについては、ハリスはこれまでのバイデンの方針を踏襲するだろうが、トランプは、ロシアと合意をして戦争を終わらせようとするだろう。トランプはどっちが勝とうが気にしない。だから、もしも、(これは大きな仮定だが)トランプが勝ってその政策を実行できるとしたら、トランプはハリスとは全く異なったように振る舞うだろう」

5)あなたは、ウクライナが敗戦を受け入れて戦争を終わらせることが望ましいと主張しているようだが?
「倫理的観点からは、これ以上、ウクライナに兵器を供与して戦争を長引かせるべきではないと思う、、、現実は、ウクライナは戦闘において、ひどい敗北を被りつつある。この状況をひっくり返すことは無理だ。そして、ウクライナの被害は戦争が長引けば長引くほど、悪くなるだけだ。戦争は確実にロシアの勝利に終わる。西側諸国とアメリカがウクライナにより多くの兵器を供与して彼らの戦闘を継続させればさせるほど、ウクライナはより多くの領土を失い、より多くのウクライナ人が死ぬことになる。倫理的に正しいことは、一刻も早く戦争を終わらせることだ」

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