カーラジオを聴いていたら、懐かしいカーペンターズの"Close to you" が流れてきました。このリズムとメロディーがBurt Bacharachらしいなあと思って聴いていると、続くナレーションで、彼が1週間前に逝去したことが伝えられました。1928年生まれの94 歳だったそうです。そして、その後にVenessa Williamsのカバーで"Alfie"がかかりました。
アメリカの偉大なポップス作曲家といえば、ミュージカル全盛時代のCole PorterやRichard Rogersとかが浮かびますけど、60年代以降に活躍した最も偉大なる作曲家といえば、多分Bacharachの名前がトップに上がるのではないでしょうか。今の若い日本人でも、彼のメロディーを耳にしたことをない人はいないのではないかと思います。
私が大学生ぐらいの頃、試験勉強のお供によく聴いていたのが60-70年代のソウル音楽で、Gladys Knights & Pipsが歌った「Seconds」という地味な曲が気に入ったのが私がBacarachの曲をよく聞くようになったきっかけでした。ちょっと聞けば、Bacarachの曲とわかるリズムとメロディー、偉大なるワンパターンとでも言えばいいのか、それが魅力でもありました。
Bacarachと言えば、Dionne Warwick, Warwickと言えばBacarach、この歌手と作曲家の組み合わせは強力で、試験勉強中のWarwickのベスト盤は私のCDの中で最も再生回数の多かったものだっただろうと思います。
Bacharachの名曲は数多く、ファンによる様々なベストソング ランキングが作られていますが、Warwickの"Walk on by"をベストに推す人が多いようです。私があえて選ぶとしたら、ミュージカル、"Promises Promises"で歌われた"A house is not a home"のLuther Vandrossのカバーでしょうか。Dionne Warwickももちろん歌っていますけど、Lutherのバージョンはあまりにも有名なので。
BacharachとWarwickのライブ演奏で、What the World Needs Now Is Love と メドレーで、Walk on By/ Do You Know the Way to San Jose/ I Say a Little Prayer/ I'll Never Fall in Love Again/ Don't Make Me Over/ Alfie
それから年月を経て、もう一度二人で演奏。
80年代の大ヒット、ディオンヌ ワーウィック、スティービー ワンダー、エルトン ジョン、グラディス ナイトの豪華メンバーによる、”That's What Friends are for"
意外な人にも曲を提供。映画音楽のテーマ曲として大ヒットしたChristopher Cross, "Arthur's Theme"
映画音楽といえば、ロバートレッドフォードとポール ニューマンの「明日に向かって撃て」のテーマ、"Rain Drops Keep Falling on My Head".
もう一つ、ジェームス ボンド映画のテーマ曲、"The look of love"
カーペンターズのBachrach メドレー:
Austin Powers映画にゲスト出演
そしてLuther Vandross版、"A house is not a home". Warwickの前で歌っています。
振り返れば、バカラックがヒットを飛ばしていた60年代から80年代は、日本経済も成長から成熟期に入りつつある時期で、TVでも歌謡番組も複数あって、アイドル歌手のバックにビッグバンドやストリングス オーケストラのゴージャスな伴奏がつくような時代でした。Bacharachの曲というはその頃のキラキラした時代の雰囲気を纏っていて、今、聞き返すととても懐かしい気持ちになります。
ま、キリがないのでこの辺で。