昨日、今日は坂本龍一さん死去の話題一色でした。昔、梅田にあったローランド ショールームを遊び場にしていたころ、電線を繋いで音を作るタイプのアナログシンセサイザーが展示してあって、よくわからぬままカッコいいなあと思っていたときに、YMOはステージで実際に電線を繋ぎながら演奏していたのでした。冨田勲のスタジオ音楽としての電子音楽をYMOはライブに変えて、テクノポップというジャンルを作り出しました。
そうした影響力のある音楽家であることに加えて、近年、坂本さんは、脱原発、環境保護アクティビストとして活躍されてきました。数日前には、歴史ある樹木を切り倒す神宮外苑再開発に反対した書簡を知事と政府に送ったことでもニュースにもなりました。音楽や芸術はもっとも人間らしい営みであって、その目的とすることは最終的には人類と地上に生きるものの幸福でしょう。そうした音楽の「大義」に沿えば、一部の人間の金儲けのために、人間や地上の生き物の幸福が犠牲になることを阻止し、環境と地球を守ることは音楽家の究極の使命であると坂本さんは考えていたのかも知れません。
一方で、百年以上も生きて人々に安らぎの場を作ってきた貴重な樹木を目先の票とカネのために破壊するのが「今だけ、カネだけ、自分だけ」の小池都政と自民党政権。樹齢百年の樹木を育てるには100年かかるのです。次の選挙で票をくれる企業や団体の短期利益のために、それらの100年の天然資産を破壊するカネと力に目がくらんだ愚か者の集まりです。何千年と続いた豊かな海を放射能まみれにして福島沖の魚を食べれなくしてしまったのも一瞬の原発事故。目先の利益のために専門家の意見を抑圧して、結果として史上最大の原発事故を起こしたのがアベと東電。しかもこれは木と違って、元に戻す方法がありません。現在も放射性物質はガンガンとメルトダウンした原発から漏れだし、いまだにただの1グラムの燃料も取り出せていない状況。
この未曾有の終息不能な事故に際しても、政府は変わりません。原発事故であろうが、世界が滅亡しようが、いつものやってるフリでやりすごす、日本の未来は仮定の話だから思考停止、そんな愚か者の集団が政権政党の平和すぎる国、ニッポン。
「今だけ、カネだけ、自分だけ」の自民党政権ですが、なぜキシダがこうも民意を踏み躙り、人々の神経を逆撫でするのか。必勝しゃもじにG7まんじゅう、何を書くにも小さすぎる手帳を振りかざし、愚かとしかいいようがない振る舞いを重ねるのはなぜか。内田樹の研究室、「岸田政権は何をしようとしているのか」に解説がありました。
ある媒体からインタビューのオファーがあった。岸田政権の新年度予算成立を受けて、「なぜ政権はこれほど性急に防衛予算の拡大に進むのか」について訊かれたので、次のように答えた。
今回の防衛費増額の背景にあるのは岸田政権の支持基盤の弱さだと思う。
彼にとって喫緊の課題は二つだけである。一つは国内の自民党の鉄板の支持層の期待を裏切らないこと。一つは米国に徹底的に追随すること。日本の将来についての自前のビジョンは彼にはない。
今回の防衛予算や防衛費をGDP比2%に積み上げるのも、米国が北大西洋条約機構(NATO)に求める水準に足並みをそろえるためであって、日本の発意ではない。、、、
岸田首相の党内の政権基盤は決して堅牢なものではない。だから、長期政権をめざすなら、米国からの「承認」がその政治権力の生命線となる。、、、
岸田政権にはとりわけ実現したい政策があるわけではない。最優先するのは「政権の延命」だけである。、、、
今回の防衛予算の積み上げも、まず米国からの要求があり、それに合うように予算が組まれ、さらにその予算枠に合うように、「中国や北朝鮮の脅威」なる「現実」が想定されている。
ふつうの国なら、まず現実認識があり、それに基づいて国防戦略が立てられ、それに基づいて必要経費が計上されるのだが、今の日本はみごとにそれが逆立しているのである。
、、、米国には軍産複合体という巨大な圧力団体があって、国防戦略に強い影響を及ぼしている。兵器産業にいま大量の在庫が残されている以上、それを処理しなければならない。だから、それを日本に売りつけるのである。、、、
不良在庫を言い値で買ってくれるのだから、米国にしてみたら日本の自公連立政権ほど「使い勝手のよい」政権はない。、、、
日本国民は属国身分にすっかり慣れ切っているので、自国の政権の正統性の根拠を第一に「米国から承認されていること」だと思い込んでいる。「国民のための政治を行っていること」ではないのである。、、、
だから、岸田政権が防衛増税を進めても、インボイス制度やマイナンバーカードなどで、国民の負担を増大させても、国民はデモもストライキもしない。、、、
「政府はアメリカと、国内の鉄板支持層の方を向いて、彼らの利益を計るために政治をしている」ということを国民は知っている。でも、「政治というのは、そういうものだ」と諦めている。そうやって政府に対する国民の期待を下げれば下げるほど、棄権率は高まり、結果的に20%の鉄板支持層を持つ自民党が選挙には勝ち続けることができる。、、、
問題は「政治はこれからもまったく変わらない」という諦念が広がると、国民の中から、このシステムを主権国家としてのあるべき姿に生き返らせることよりも、この不出来なシステムをどう利用するかをまず考える人たちが出てくることである。、、、
彼らはシステムを「ハック(hack)」する。死にかけた獣に食らいつくハイエナのように。彼らはこの獣がまた甦って立ち上がることを全く望んでいない。できるだけ長く死にかけたままでいることが彼らの利益を最大化するからである。今の日本では、そういう人たちが政権周りに集まり、メディアで世論を導いている。
、、、そして、ここには、「システムの内側に踏みとどまって、システムをよりよきものに補正する」という選択肢だけが欠落している。
彼にとって喫緊の課題は二つだけである。一つは国内の自民党の鉄板の支持層の期待を裏切らないこと。一つは米国に徹底的に追随すること。日本の将来についての自前のビジョンは彼にはない。
今回の防衛予算や防衛費をGDP比2%に積み上げるのも、米国が北大西洋条約機構(NATO)に求める水準に足並みをそろえるためであって、日本の発意ではない。、、、
岸田首相の党内の政権基盤は決して堅牢なものではない。だから、長期政権をめざすなら、米国からの「承認」がその政治権力の生命線となる。、、、
岸田政権にはとりわけ実現したい政策があるわけではない。最優先するのは「政権の延命」だけである。、、、
今回の防衛予算の積み上げも、まず米国からの要求があり、それに合うように予算が組まれ、さらにその予算枠に合うように、「中国や北朝鮮の脅威」なる「現実」が想定されている。
ふつうの国なら、まず現実認識があり、それに基づいて国防戦略が立てられ、それに基づいて必要経費が計上されるのだが、今の日本はみごとにそれが逆立しているのである。
、、、米国には軍産複合体という巨大な圧力団体があって、国防戦略に強い影響を及ぼしている。兵器産業にいま大量の在庫が残されている以上、それを処理しなければならない。だから、それを日本に売りつけるのである。、、、
不良在庫を言い値で買ってくれるのだから、米国にしてみたら日本の自公連立政権ほど「使い勝手のよい」政権はない。、、、
日本国民は属国身分にすっかり慣れ切っているので、自国の政権の正統性の根拠を第一に「米国から承認されていること」だと思い込んでいる。「国民のための政治を行っていること」ではないのである。、、、
だから、岸田政権が防衛増税を進めても、インボイス制度やマイナンバーカードなどで、国民の負担を増大させても、国民はデモもストライキもしない。、、、
「政府はアメリカと、国内の鉄板支持層の方を向いて、彼らの利益を計るために政治をしている」ということを国民は知っている。でも、「政治というのは、そういうものだ」と諦めている。そうやって政府に対する国民の期待を下げれば下げるほど、棄権率は高まり、結果的に20%の鉄板支持層を持つ自民党が選挙には勝ち続けることができる。、、、
問題は「政治はこれからもまったく変わらない」という諦念が広がると、国民の中から、このシステムを主権国家としてのあるべき姿に生き返らせることよりも、この不出来なシステムをどう利用するかをまず考える人たちが出てくることである。、、、
彼らはシステムを「ハック(hack)」する。死にかけた獣に食らいつくハイエナのように。彼らはこの獣がまた甦って立ち上がることを全く望んでいない。できるだけ長く死にかけたままでいることが彼らの利益を最大化するからである。今の日本では、そういう人たちが政権周りに集まり、メディアで世論を導いている。
、、、そして、ここには、「システムの内側に踏みとどまって、システムをよりよきものに補正する」という選択肢だけが欠落している。
今回の高市事件においても、政権側に立って、権力を持たない野党の方をひたすらディスるツイッターアカウントを見ます。どうみても無理筋のツイートをみると、これはDappiのように、自民党にカネで雇われてわざとやっているとしか思えません。とすると、自公政権に与して、自分の首を自分で絞めるようなことをしてでも目先のわずかなカネが欲しいぐらいに彼らは困窮しているのでしょう。そう思うとバカだなあと思う前に気の毒になってきます。