(山賑わう頃を想う@川根両国車両区)
井川線のマスコット的な存在のDB1型。この日は、車庫の外に留置されていたので、両国吊橋の上からその姿を拝むことが出来ました。現有車両の主力であるDD20型が導入される以前は、この加藤製作所で製造された2軸のDBが奥大井の杣道を闊歩していたそうです。昭和初期に、本来はダム工事用の資材を運搬する目的で導入された機関車ですが、井川線では旅客運用もこなしました。今は保存車的な扱いとなって、古き良き時代の語り部としてその姿を留めています。
満開の桜の下に佇むDB。奥大井の大老は、花咲く春の朝に眠るように。思い出したように県道を車が通過して行く以外は、極めて静かな両国の朝。春にしてはまだまだ冷たい風に、襟元をすくめながら撮影していました。
花冷えの空気は、前日の夜半から降り続いた雨のせいだったかもしれない。霞立ち上る千頭の山々をバックに、満開の桜の下を井川行きの始発列車が静々と入線して来ました。この満開の桜を愛でるに、客車が4両はちょいと寂しい・・・確かに千頭を9時台という時間帯では、東京を始発の新幹線に乗車しても間に合わないんですよね。間に合うのは10時台の2番列車、ということになります。まあそれにしても枝も折れよとばかりに咲き誇る両国の桜は見事というほかなく、その様をゆったりと車内から見る事が出来るのも、前泊した人の特権という事でしょうか。
始発列車のヘッドマークは、ちょっとポップな花散らし。この時期の井川線の車両は、全車が「さくら」のヘッドマークを付けて運行するのですが、それぞれにデザインが違っていて興味深いですね。
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