tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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アル・ゴア前米副大統領とIPCCに、ノーベル平和賞!

2007年10月13日 | 環境問題
今朝(10/13)の朝日新聞一面トップ記事は、「ゴア氏とIPCC 平和賞」だ。《授賞理由で、両者が「人為的に起こる地球温暖化の認知を高めた」と高く評価した》(同紙)。

これは嬉しいニュースだ。ゴア氏はよくご存じだろうが、IPCCとは国連の「気候変動に関する政府間パネル」のことだ(環境問題を担当する人でも、いまだに誤って「ICPP」などと言ったりする)。

IPCCは5年ごとに評価報告書を発表しているが、特に4回目の今年は、2月に第1作業部会(温暖化は人間活動が原因)、4月に第2作業部会(気温上昇による深刻な影響)、5月には第3作業部会(温暖化を緩和する方法)が相次いで中身の濃い報告書を公表した。

この報告書のおかげで《二酸化炭素の増加による地球温暖化を科学的に照明することは非常にむずかしかった。今年、ようやく90%以上、確実だと科学的、中立的に示すことができた》(同紙 花輪公雄・東北大教授の話)。なお、この研究過程で、日本のスーパーコンピュータ(NECが中心になって開発)が大活躍したことも付け加えておきたい。

温暖化については、長らく(石油業界の言いなりで温暖化対策に反対しているといわれていた)ブッシュ米大統領が一貫して消極的な態度を取っていたが、最近はようやく態度を軟化させている。今回の受賞を機に、全世界が一丸となって「ストップ温暖化」に取り組む土台が確立された。

それにしても、世界がこのような方向に前進しているのに、日本では武田邦彦著『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』というトンデモ本が25万部も売れ、最近は続編(『環境問題は…2』)も書店に平積みされている。

版元の情報によれば、そこには《京都議定書の削減目標を真に受けているのは日本だけに等しい! ツバルの海面水位上昇は温暖化による影響ではない!? 日本人は地球温暖化についても正確な情報を得ていない! 地球温暖化でもウソがまかり通っている》などが書かれいるそうだ。

以前私は「『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』のウソ」という記事をネット新聞に書いて、前著の誤りを指摘したが、まだ懲りていないようである。
http://www.news.janjan.jp/culture/0707/0707018158/1.php

それどころか武田氏は雑誌に《元米国副大統領のアル・ゴア氏が書いた『不都合な真実』も大ペストセラーとなり、いまや地球温暖化が報道されない日はない。しかし、そのほとんどが嘘っぱちだ》(「SAPIO」7/25号)とまで書いている。
http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/bookstand-magazine024.html

いずれ私は「『環境問題はなぜウソがまかり通るのか2』のウソ」を書く予定だが、こんな本が日本で売れていることが海外で報道されないかと、ビクビクしている毎日である。

※写真は吉城園(よしきえん・奈良市登大路町)の「苔の庭」。今夏の猛暑のせいで、苔がこんなに広い範囲にわたって枯れてしまった。07年9月撮影
コメント (4)
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