tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

自治都市・今井町

2007年10月11日 | 奈良にこだわる
雑誌『家庭画報』07年11月号の特集は「錦秋の奈良を行く」である。
http://yaplog.jp/nara_nara/archive/229

《奈良には、古い建造物や宝物、催事が厳然と、しかも日常のものとして残されています。その場に佇めば、束の間、古に返ったかのような錯覚を覚える瞬間がある、不思議の国。歴史のワンダーランド》として、今井町(橿原市)、奈良町、五條、大宇陀、大和郡山の5つの「むかし町」が紹介されている。

「日本で一番人気の古い街並みを歩く」という記事の冒頭で、6ページにわたって紹介されているのが今井町だ。この町は、中世末に寺内町として形成された。奈良検定の公式テキストによれば《近世を通じて、大幅な自治権が認められた大和の商業の中心地として発展し、大名貸しを行うような商人も誕生している》。

「海の堺、陸の今井」「大和の金は今井に七分」(=第1回の奈良検定に出題された)というフレーズでも知られるように、大いに栄えた町である。「重伝建」(文化財保護法の「重要伝統的建造物群保存地区」)に指定されていて、今も近世の伝統的な住宅が高密度に見られる。

この町は、テレビ東京系「出没!アド街ック天国」という番組の「ニッポン懐かしい風景が残る街best77」で、堂々の全国トップに輝いた。まさに一番人気の町である。なお2位以下は、白川郷、妻籠宿、金沢、飛騨高山で、県下の町では奈良町(48位)、大宇陀(松山地区 50位)、五條(新町地区 66位)の3つが77位以内にランクインしている。
http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/070707/01.html

テレビ東京や家庭画報の取材にも立ち会われた「今井町町並み保存会」常任理事の若林稔さんにお話を伺った。若林さんは、上場企業で16年も広報を担当されたベテランである。

今井町で取材するには、まず同保存会に申し込む。応諾いただくと、その情報は今井町並保存整備事務所(橿原市教育委員会)や自治会、対象施設(町屋など)に伝えられる。さらに保存会は、回覧板で町内全域にその情報を伝え、住民に取材への協力を要請されるそうだ(オンエアや誌面掲載の予定日も住民に伝えられる)。

自治都市・今井の面目躍如といった連携プレーだが、このプロセスを経ることによって今井町のイメージが保たれ、また取材元と住民のコミュニケーションも図れるのである。

写真は町内でのビデオ撮影の模様だが、この日(10/10)も若林さんが立ち会っておられた。ご覧の通り電線は地中化され、道路もカラー舗装されている。車が少ないので、道路で子供たちが遊んでいる。昔懐かしい風景だ。

今井町は単なる史跡や史料ではなく、今も人が住み、町が生きている。現代の奇跡のようなこの町に、ぜひ足をお運びいただきたい。
コメント (2)
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