tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奈良町宿 紀寺の家 に期待する

2011年05月09日 | 奈良にこだわる
「奈良町宿(ならまちやど)紀寺(きでら)の家」(奈良市紀寺町)は、今年(2011年)の秋にオープン予定の宿泊施設である。「町家1棟貸し宿」として、町家の1棟(1戸)を、1組のお客に限定して貸すスタイルの宿泊施設だ。今朝(5/9)の毎日新聞奈良版に詳しく紹介されている。見出しは「町家のよさ知って 宿泊施設に再生 今秋オープン 奈良町に 建築関係者ら」。
※トップ写真は、「奈良町宿 紀寺の家」のHPから拝借

《古都の風情ある街並みが残り、観光客に人気の奈良市・奈良町。だが、その魅力を形成する町家が老朽化やマンション建築で取り壊されている。町家の改修に携わってきた建築関係者らが、宿泊施設に再生して保存する取り組みに乗り出した。同市紀寺町で築約100年の借家が今秋、1棟貸しの宿としてオープンする》。

《プロジェクトを進めているのは「スペースドットラボ」(奈良市)。長年、奈良町の町家の調査・改修に取り組んできた同市の藤岡建築研究室(藤岡龍介さん主宰)の関連会社で、プロジェクトは藤岡さんの長男俊平さん(28)を中心に俊平さんの妻希さん(27)、長女奈保子さん(26)、次女志乃さん(23)が担当する》。

《「空き屋となっていた借家の大家さんから『壊して学生マンションを建てる』と聞き、もったいないと活用法を考えた」と俊平さん。「奈良らしい町家をモデルルーム的に1棟貸しにして1日住んでもらう。町家のよさを知ってもらい、町家を1つでも多く残せれば」。建物の魅力を活かし、一部を現代の暮らしに合わせて改修し、1棟丸ごと1組限定の宿泊施設にするアイデアが浮かんだ》。

「奈良町宿 紀寺の家」のHPの「町家で暮らす」によると《現在、奈良町には築100年を超える町家が残っています。家の前を掃除、打ち水をするところから一日は始まります。夏は部屋の建具を開け放し風を通す、冬は家族が一つの部屋に集まって火鉢を囲み、お餅や芋を焼いて食べていました。床の間に四季にあわせた掛け軸や生け花をしつらえ 十五夜には縁側にすすきと団子を供え 町家では、日本が創り出してきた伝統・しきたり・知恵の暮らしがあります。旬の野菜や果物を食べたり、各家庭で行事に合わせた料理を作ったりと、素朴ではありながら今では魅力的な豊かな暮らしがそこにはありました》。

《味わうよろこび・香るよろこび・触れるよろこび・聞こえるよろこび・映るよろこび 時間を過ごす過程に感じられる「よろこび」が、豊かな暮らしを形作っていくと考えています。そんな私達が考える、今の町家暮らしを感じて頂ければ幸いです》。

この3/27(日)には、「奈良ひとまち大学」の授業にも取り上げられた。「奈良町宿 紀寺の家」のスタッフブログによると《私たち奈良町宿スタッフは「奈良ひとまち大学」の講師として 授業を担当させて頂きました。「100年の時を刻む、町家の魅力 ~若い世代が挑む再生プロジェクト~」というカッコイイ授業の名前もつけて頂き、20名の老若男女の方が参加。建物の説明、今回の改修の説明、その後、グループに分かれて「町家で楽しむ暮らし」について考え発表しあいました》。

《・縁側でひなたぼっこ・縁側で晩酌・雪見風呂・魚を七輪で焼いて秋を感じる・夏に、ガラス戸をすべて開けて蚊帳の中で寝る・縁側で線香花火・秋には、あえて時間のかかる料理をして「旬」を味わう・縁側でお月見・夏には風鈴の音を聞きながら浴衣で夕涼み・・・・とかなり多くの「町家で楽しむ暮らし」が。「四季を感じる」「食を楽しむ」「日本の行事を楽しむ」このようなアイディアが多くでました。まさに、これらを「楽しむ暮らし」が町家の魅力なのではないでしょうか》。

毎日新聞によると藤岡俊平さんは、1棟貸しをほかの場所でも進め「都会からも町家に住みたいという人を呼び込みたい」と語っている。ならまちでは、古い町家が知らないうちに取り壊される事例が続出している。このプロジェクトが評判を呼び、1軒でも多くの町家が後世に引き継がれることを期待している。
コメント (2)
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