これは快挙だ! 安倍文殊院(桜井市阿部)のご本尊、木造文殊菩薩騎獅像が国宝に指定されるというのだ。お寺の公式HPには、すでに《2013年02月27日 この度、御本尊文殊菩薩像及び、お脇侍4像(渡海文殊群像)が、国宝に指定されました》と出ている。 産経新聞奈良版(2/28付)の《文化審答申、木造騎獅文殊菩薩像など仏像群 国宝指定 安倍文殊院「歴代住職の悲願」》によると、
※仏像の写真は、お寺の公式ホームページより拝借
文化審議会が27日、国宝指定を答申した安倍文殊院(桜井市)の「木造騎獅文殊菩薩(きしもんじゅぼさつ)像」などの仏像群。鎌倉時代の仏師、快慶(かいけい)の代表作で、最近の研究では、東大寺(奈良市)の再興に尽力した重源(ちょうげん)上人との関連も指摘される。国宝指定で改めて重要性が見直され、植田俊應(しゅんのう)貫主は「1360年余りの寺史の中でも、国宝指定は歴代住職の悲願。喜ばしい報告に、仏様の顔もいくぶん和らいで見える」と話した。
木造騎獅文殊菩薩像は、安倍文殊院の本尊。快慶によって建仁3(1203)年から承久2(1220)年にかけて制作された。獅子に乗った姿で、高さは約7メートル。現存する国内の文殊菩薩像の中では最大規模とされる。群像となっているのが特徴で、木造騎獅文殊菩薩の左側では優填王(ゆうてんのう)が獅子の手綱をとり、右側では仏陀波利三蔵(ぶつだはりさんぞう)と最勝老人(さいしょうろうじん)が侍して、善財童子(ぜんざいどうじ)が先導している。
仏教を広める旅の途中を表現し、中国の五台山(ごだいさん)を舞台にした「文殊説話」に基づく図像という。植田貫主は「これからも寺の宝として大切にすることはもちろん、より多くの人に見てもらい、文殊様の知恵を得てもらえれば」と話している。
今回の答申では国宝指定のほか、県内では法隆寺(斑鳩町)の絹本著色聖徳太子勝鬘経講讃図(しょうとくたいししょうまんぎょうこうさんず)などの美術工芸品6件も重要文化財への指定が答申された。これで県内の美術工芸品は、国宝が149件、重文が1032件になる。
安倍文殊院について『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)によると、
安倍寺ともいう。諸書には崇敬寺の名で見え、安倍倉梯麻呂が創建したという。現文殊院の南西に遺跡が残る安倍寺跡が創建時の崇敬寺であり、鎌倉時代の初めに現在地へ移されたものと推測されている。永禄六年(一五六三)の兵火によって堂塔が焼失したが、建仁三年(一二〇三)に快慶が彫った本尊の文殊騎獅像は救われた。その後、元亀二年(一五七一)に文殊堂が建てられ、寛文五年(一六六五)には現本堂と礼堂(能楽舞台)が再建されて今に至る。
境内に祀られた一間社流造柿葺の白山堂、本尊の木造文殊菩薩騎獅像が宋様式の傑作(獅子は桃山時代の後補)で、重要文化財に指定。文殊菩薩像の周囲に配された善財童子立像・優填王立像・維摩居士(最勝老人の説もある)立像・須菩提(仏陀波利三蔵の説もある)立像の四尊は渡海文殊の場面をなす。そのうち慶長十二年(一六〇七)の補作である維摩居士立像を除いた三尊は重要文化財。
俗に「知恵の文殊さん」あるいは「安倍の文殊さん」として親しまれ、天の橋立切戸の文殊(京都府)・奥州亀岡の文殊(山形県)とともに、日本三文殊のひとつに数えられる。
こちらは私が撮影した(大和七福八宝めぐり)
安倍倉梯麻呂などの安倍氏(阿倍氏)は、すごい。「天の原ふりさけ見れば春日なる…」の歌で知られる遣唐使・安倍(阿倍)仲麻呂が、安倍氏。野村萬斎主演の映画「陰陽師(おんみょうじ)」で知られる平安時代の陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)も安倍氏で、ここで生まれたともいわれる。
境内には、安倍晋三首相の献灯碑がある。《平成22年(2010年)には、安倍氏と関わりがあるとされる安倍晋三が「第90代内閣総理大臣 安倍晋三」名義で石塔を寄進している》(Wikipedia)とあり、首相も国宝指定を喜んでくれているかも知れない。アベノミクスではないが、今回の国宝指定も、国内需要を喚起する。そういえば文殊院では、拝観料もご祈祷料も、電子マネーで決済できる。
快慶作の木造文殊菩薩騎獅像を拝む人は、その迫力に圧倒される。これまで「快慶の代表作やのに、なんで国宝に指定されへんのやろ」「載ってる獅子が火事で焼けて、今のは桃山時代やて」「なんか漫画チックやな」などという会話も耳にした。今回、それを押して国宝に指定されることになったのは、誠にめでたいことである。
私たちNPO法人奈良まほろばソムリエの会では、JTB西日本とタイアップして、「奈良まほろばソムリエ号」というバスを走らせる(13年4月~9月までのうち15日間・すべて日曜日)。長谷寺→室生寺→聖林寺→安倍文殊院というまる1日のコースで、文殊院ではご住職の法話もお聞きする。JTBを通じて宿泊を予約した人が対象で、ツアーの参加費は、わずか2,000円である(拝観料別途)。だから今回の国宝指定はグッドタイミングであり、文殊院を推奨した私も、鼻が高い。これは春から縁起がいい。
「知恵の文殊さん」として、受験生などに大人気のこのお寺、奈良県内ではよく知られているが、県外の人は案外ご存じないようだ。「アベノモンジュ」の国宝指定を機に、ぜひお参りいただきたい。JTBの「奈良まほろばソムリエ号」も、どうぞよろしく!
※仏像の写真は、お寺の公式ホームページより拝借
文化審議会が27日、国宝指定を答申した安倍文殊院(桜井市)の「木造騎獅文殊菩薩(きしもんじゅぼさつ)像」などの仏像群。鎌倉時代の仏師、快慶(かいけい)の代表作で、最近の研究では、東大寺(奈良市)の再興に尽力した重源(ちょうげん)上人との関連も指摘される。国宝指定で改めて重要性が見直され、植田俊應(しゅんのう)貫主は「1360年余りの寺史の中でも、国宝指定は歴代住職の悲願。喜ばしい報告に、仏様の顔もいくぶん和らいで見える」と話した。
木造騎獅文殊菩薩像は、安倍文殊院の本尊。快慶によって建仁3(1203)年から承久2(1220)年にかけて制作された。獅子に乗った姿で、高さは約7メートル。現存する国内の文殊菩薩像の中では最大規模とされる。群像となっているのが特徴で、木造騎獅文殊菩薩の左側では優填王(ゆうてんのう)が獅子の手綱をとり、右側では仏陀波利三蔵(ぶつだはりさんぞう)と最勝老人(さいしょうろうじん)が侍して、善財童子(ぜんざいどうじ)が先導している。
仏教を広める旅の途中を表現し、中国の五台山(ごだいさん)を舞台にした「文殊説話」に基づく図像という。植田貫主は「これからも寺の宝として大切にすることはもちろん、より多くの人に見てもらい、文殊様の知恵を得てもらえれば」と話している。
今回の答申では国宝指定のほか、県内では法隆寺(斑鳩町)の絹本著色聖徳太子勝鬘経講讃図(しょうとくたいししょうまんぎょうこうさんず)などの美術工芸品6件も重要文化財への指定が答申された。これで県内の美術工芸品は、国宝が149件、重文が1032件になる。
安倍文殊院について『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)によると、
安倍寺ともいう。諸書には崇敬寺の名で見え、安倍倉梯麻呂が創建したという。現文殊院の南西に遺跡が残る安倍寺跡が創建時の崇敬寺であり、鎌倉時代の初めに現在地へ移されたものと推測されている。永禄六年(一五六三)の兵火によって堂塔が焼失したが、建仁三年(一二〇三)に快慶が彫った本尊の文殊騎獅像は救われた。その後、元亀二年(一五七一)に文殊堂が建てられ、寛文五年(一六六五)には現本堂と礼堂(能楽舞台)が再建されて今に至る。
境内に祀られた一間社流造柿葺の白山堂、本尊の木造文殊菩薩騎獅像が宋様式の傑作(獅子は桃山時代の後補)で、重要文化財に指定。文殊菩薩像の周囲に配された善財童子立像・優填王立像・維摩居士(最勝老人の説もある)立像・須菩提(仏陀波利三蔵の説もある)立像の四尊は渡海文殊の場面をなす。そのうち慶長十二年(一六〇七)の補作である維摩居士立像を除いた三尊は重要文化財。
俗に「知恵の文殊さん」あるいは「安倍の文殊さん」として親しまれ、天の橋立切戸の文殊(京都府)・奥州亀岡の文殊(山形県)とともに、日本三文殊のひとつに数えられる。
こちらは私が撮影した(大和七福八宝めぐり)
安倍倉梯麻呂などの安倍氏(阿倍氏)は、すごい。「天の原ふりさけ見れば春日なる…」の歌で知られる遣唐使・安倍(阿倍)仲麻呂が、安倍氏。野村萬斎主演の映画「陰陽師(おんみょうじ)」で知られる平安時代の陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)も安倍氏で、ここで生まれたともいわれる。
境内には、安倍晋三首相の献灯碑がある。《平成22年(2010年)には、安倍氏と関わりがあるとされる安倍晋三が「第90代内閣総理大臣 安倍晋三」名義で石塔を寄進している》(Wikipedia)とあり、首相も国宝指定を喜んでくれているかも知れない。アベノミクスではないが、今回の国宝指定も、国内需要を喚起する。そういえば文殊院では、拝観料もご祈祷料も、電子マネーで決済できる。
快慶作の木造文殊菩薩騎獅像を拝む人は、その迫力に圧倒される。これまで「快慶の代表作やのに、なんで国宝に指定されへんのやろ」「載ってる獅子が火事で焼けて、今のは桃山時代やて」「なんか漫画チックやな」などという会話も耳にした。今回、それを押して国宝に指定されることになったのは、誠にめでたいことである。
私たちNPO法人奈良まほろばソムリエの会では、JTB西日本とタイアップして、「奈良まほろばソムリエ号」というバスを走らせる(13年4月~9月までのうち15日間・すべて日曜日)。長谷寺→室生寺→聖林寺→安倍文殊院というまる1日のコースで、文殊院ではご住職の法話もお聞きする。JTBを通じて宿泊を予約した人が対象で、ツアーの参加費は、わずか2,000円である(拝観料別途)。だから今回の国宝指定はグッドタイミングであり、文殊院を推奨した私も、鼻が高い。これは春から縁起がいい。
「知恵の文殊さん」として、受験生などに大人気のこのお寺、奈良県内ではよく知られているが、県外の人は案外ご存じないようだ。「アベノモンジュ」の国宝指定を機に、ぜひお参りいただきたい。JTBの「奈良まほろばソムリエ号」も、どうぞよろしく!
国宝の「木造文殊菩薩騎獅像」の画像をHPから「拝借」
して掲載されているが、許可を得て掲載されているなら
その旨、書かれた方がよいと思いますが…
それともHPにはコピー禁止が書いてないので無断で
掲載しても合法なのでしょうか?
> 「木造文殊菩薩騎獅像」の画像をHPから「拝借」して掲載されているが、
> 許可を得て掲載されているならその旨、書かれた方がよいと思いますが…
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右手は「降魔の利剣(ごうまのりけん)」とい
う
剣を持 ち、左手には慈悲・慈愛を象徴する
蓮華(ハスの花)を持たれています。
花を、数の言葉ヒフミヨ(1234)に投影すると、
【 自然数の本性 】に出会えるとか・・・
久方の光のどけきながしかく静心なく四角生るらむ
もろともにあわれと思へヒフミヨは根より他に知る人もなし