


生家の庭に少し斜面があり、そこにオニゼンマイとゼンマイが出ていた。猛々しく、茎が毛むくじゃらに見えるのがオニゼンマイ。ゼンマイは毛むくじゃらというより、毛をまとっている感じで、きゃしゃ。
ゼンマイは毛を取って茹でてから、むしろの上に広げて干す。ときどき、くるくる揉んで水分を出し、カラカラに乾かす。根気のいる地味な作業を繰り返して保存食とする。生家の古くからの付き合いである御宅から毎春、かならず土産に頂く。
ゼンマイの周りに杉の葉が敷き詰められている。一本大きい杉の木があるのだけれど、杉の葉がこんなにも緑のまま落ちるということを認識したことがない。枝や梢が折れてぶら下がった状態だと、その部分が枯れて茶色になる。枯れてない杉が常緑なのは、緑の内に葉を落として新陳代謝するからか!?
普通の立ち姿の杉が部分的にでも茶色に枯れた葉をつけているのは見たことがない。枯れた杉の葉は良く燃えるので、拾い集めたことはあるけれど、なぜたくさん葉が落ちているか考えたこともなかった。おそらく杉は緑のままの葉を少しずつ落とすから常緑なのだろうと、ゼンマイがテーマなのに横道にそれた。