一ヶ月前に、今まで居なかったはずのネズミが田舎の生家に現れた。
近所の空き家が取り壊されたので、そこから四散したネズミの一部ではないかと言われた。
先月捕まったのは三匹。
一匹は異様に鼻が尖っていたので、後日検索したら、名はトガリネズミなのにネズミではなくモグラの仲間だそうだ。
ミミズなどを食い、時にはネズミを襲って食うという肉食の大食いなので、餌を与えないでおくとすぐに餓死するとか。
同じ大きさでそっくりなのに、二匹は普通に雑食のネズミで一匹はネズミを捕食しようとしていたトガリネズミだったということになる。
そうして二十日後に来てみたら、なんと今度は七匹捕まっていた。
七匹の内、二匹がトガリネズミだった。
あろうことか、一匹のトガリネズミは、隣に捕まったネズミを食い散らかしていた。
両方とも身動きできない状態で絶命していた。
先月とで合計十匹。
その内トガリネズミが三匹。
三割がトガリネズミならば、襲う側の数はあまりに過剰だ。
七匹を見つけてから、またまたその部分だけ切って残りのネバネバシートを置いているが、その後は捕まっていない。
バランスが崩れて共倒れになったと思いたい。
外は雪、ネズミの気配はない。