白鵬が、嘉風に敗れた勝負にケチを付けて、落ちた土俵下からなかなか上がらず上がっても一礼をしなかった。
『後出しだ、やり直しだ』とジャンケンにケチを付けて駄駄をこねる聞かん坊にしか見えなかった珍しいシーン。
この先ずっと語り草になり、『それじゃまるで白鵬みたいじゃないか』という比喩に使われるだろう。
八角理事長が「白鵬の勘違いだ・・自分で判断してはダメだ・・潔ぎよくない」と述べたとのこと。
八角理事長こそ勘違いをしている。
白鵬に潔さを求めるなんて・・・あり得ない勘違いだ。
横綱なんだから、これくらいのことは・・と、品位の壁をどんどん崩してきたのが朝青龍と白鵬と日馬富士のように見える。
昨日の勝負は白鵬が自分の思うような万全な立会いで先制攻撃の張り差しを常に目指していて、今やそうでないと勝てないという不安を持っていることがわかる。
昔の横綱のように受けて立ってから攻撃に転じるというような潔さは、全く意識にないのだろう。
それに対して、意表をついたアイデアで、逆に横綱相撲を取ったのが嘉風。
張り差しを予想した上で先に攻撃をさせ、ふわっと立ちをしてまんまと双差しを成功させた。
白鵬に対しては、昔の小兵力士が大きい上位力士に時々やっていた蹴たぐりなんかの奇襲技が効果的だと思うのに、やらないのはなぜだろうといつも思ってきた。
横綱に対しては何でもありだった筈なのに、白鵬をみる限り、横綱が何でもありをやっている。