


3ヶ月振りの散歩コースを、夕方だったからできるだけ早足で、でもきょろきょろしながら、ときどきは不審と思われるかも知れない立ち止まり方もしつつ歩いた。
アスファルトと縁石の隙間に生えていたのは、タンポポそっくりだけれど葉の違うやつで、寒いのに群れることもなくけなげだ。
スマホで撮って調べて、瞬時にノゲシ(野芥子)と分かったが、次にどこかで出会ってもノゲシの名が浮かぶかどうか。
次に立ち止まったのがヒマワリのように背の高いコウテイダリアで、名は覚えていたのにスマホはキダチダリアだと示す。
コウテイは皇帝だと認識をしていたけれど、キダチのキは黄色かと一瞬思ったが違うな、木のようだから木立だな、と気づく。
道路に沿った細長い公園の刈り込まれた地面で、スズメの一団がしきりに何かをついばんでいた。
撮ろうとスマホを取り出しカメラアプリにして構えようとしたら、忽然と一羽もいなくなっていた。
見上げたら全員が電線に止まっていて、スズメは羽音をさせないのか、と思ったけれど、私の耳が遠くなっただけかも知れない。
仕方なしに電線の一団を撮って、数歩歩いてから振り返ったら、もう全員が地面に降りてついばんでいる。
妙に統制がとれていて嫌味だ。