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眠気は我慢しない方針のもと、気ままな帰省旅となった、ほぼいつものことだけれど。
昼間は夏を引きずった陽気でも、朝晩は冷えるので厚手の毛布を持参した。
S.A.やP.A.や道の駅などで時々仮眠したり爆睡したりを繰り返す。
そうして姨捨S.A.にて朝焼けに遇うこととなったのは、ただの偶然。
東の空に朝焼けを観て、眼下に広がる長野盆地は善光寺平を見下ろした。
芭蕉の『俤や 姨ひとりなく 月の友』という句は、古今和歌集の和歌や古代伝承を全て踏まえた上での作品なので深く難解であるらしい。
「なく」は泣くであり無くであり亡くとも掛けてあるそうで、やはり私も亡き母の切なそうな表情を想い浮かべた。
それで今回は500km弱を20時間かけて生家に辿り着いたので、平均時速は25km/hということになる。