エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

晩秋の庭に充実した日々を誓う

2006-11-30 | 日々の生活
 今日、庭はみぞれ混じりの冷たい雨に煙っていた。ときが静かに流れていた。
クマシデの幹の間からひときは明るく見えるモミジを、書斎からぼんやり眺めていた。                       

 他の庭木が色づいた葉をすっかり落とした庭に、紅と黄色のイロハモミジが燃えるよう輝いていた。色づきも庭で一番遅かったこのモミジは、キリの木の下でいつも庭に最後の錦を誇っているのだ。
 
 カメラを持ち静寂の晩秋の庭に出た。幾重にも落ち葉が降り積もり、冷たい雨に鮮やかだ。折れたキリの枯れ枝にオレンジ色のシュタケが生えていた。傘のうしろの管孔がよく観察できた。アキノキリンソウの白い冠毛が輝き、何とも言えない晩秋の佇まいを感じた。

【書斎から晩秋の庭】


 冬を迎える庭のそれぞれに美しい樹木をながめながら、限られた年月を意識しながらの1年がまた過ぎ去ろうとしていると思った。
 11月も今日で終わり、明日から師走だ。1年を締めくくる時期、忘れられない日々の思いに、意識を新たにしなければならない。
 生かされて4度目の暮れを迎え、退院後まとめた闘病記を読んだ。とかく忘れがちな、新しい出発を誓ったこころを取り戻したい思いだった。
 闘病中の生活が断片的に浮かんできた。辛かった日々の1コマ1コマを思い、健康に感謝してこれからの楽しい充実した時を誓った。

【シュタケ】
【シュタケの管孔】




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【 「○○闘病記」序文より 】
長い入院、療養の日々、毎日の心の動きをメモせざるを得なかった。
病の回復を神に祈り、平凡でも幸せな明日を願うために綴った、○○、○○
それぞれのノートのメモをここにまとめる。
家族がそれぞれに「一つの病」を見つめた数ヶ月、その思いの一端をいつも
忘れたくないと思う。
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