透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

防風の工夫 石積みの集落 

2006-11-03 | A あれこれ

民家 昔の記録 198003

■ 愛媛県の西端、外泊。

ここに、防風のために家の周りを石積みで囲っている集落があります。斜面に沿って広がる集落の独特の景観に魅せられた多くの人たち、その一人に安藤忠雄さんもいます。『建築を語る』東京大学出版会にそのことが出てきます(写真右下)。安藤さんが外泊を訪れたのは62年のことだそうで、当時は民家がきちんと残っていたそうですが、私が訪れた80年には空き地も見られました。

この集落は交通の便が悪く、一日に何本もないバスでようやく到着した時のことを今でも覚えています。集落の中の民宿に泊まったのですが浴室の壁も石積みだったこと、宿のオバちゃんが民謡を歌ってくれたことなども記憶しています。

日本の各地に防風のための工夫を見ることが出来ます。その大半は屋敷林で、富山県の砺波平野や安曇野、出雲地方(出雲平野っていうんだっけ?)など屋敷林に囲まれた民家が散在する景観は田舎の原風景ともいわれていますね。むかしの人たちの生活の知恵、工夫、努力には敬服するばかりです。

先日、安曇野の屋敷林の見学会が開催されたそうですが、景観を構成する貴重な屋敷林が減りつつあるというのはなんとも残念なことです。

外泊を訪ねてから既に26年、今もあの集落は当時の姿を留めているのだろうか・・・、気になるところです。

続 プロ意識

2006-11-03 | A あれこれ

「プロフェッショナル 仕事の流儀」をみた。

昨晩のプロフェッショナルは「海猿」だった。
海上保安庁特殊救難隊 隊長 寺門嘉之さん。海難事故の極限状況で人名救助にあたる特殊救難隊。日々過酷な訓練を繰り返す。
公開された寺門さんのノートにはなにやら物理の公式などがびっしり書き込まれていた。座礁した船を曳航するのに必要な情報、とのことだった。彼らに必要なのは明晰な頭脳と強靭な肉体。「アタマ」だけでも「カラダ」だけでもいけないのだ。極限状況で的確な判断が求められる、しかもきわめて短時間に。現場は常に「死」と隣り合わせ。判断を誤ると命が救えない、彼らが命を失う。

凄い人は世の中にいくらでもいる、この番組をみるたびにそう思う。昨晩書いたがもう一度。アマチュアではいけないのだ、常にプロでなくては。何も特別な仕事に就く人たちだけではない。掃除のプロ、運転のプロ、介護のプロ・・

寺門さんの次の発言の「プロ」を自分の仕事に置き換えると、自分がどうあらねばならないかよく分かる。

「自分がプロであるという自覚を持ち、そしてその自覚だけではなくて、プロであり続けるための努力をし、結果を求められる仕事に対してきちんと責任を背負っていける、それがプロだというふうに思います」 寺門嘉之
〇 番組公式サイトより引用