「男はつらいよ 寅次郎物語」
今回は、母を訪ねて三千里(そんなにないか)。寅さんは渡世人仲間の遺した男の子を連れて母親を捜す旅へ。和歌山、吉野、そして志摩。
こういうの弱いんです。涙、涙、涙・・・。寅さん、かっこ良かった。
さて本題、今回はエコロジー。
『自分のためのエコロジー』 甲斐徹郎/ちくまプリマー新書
人に健康な状態があるように健康なすまい(すまいに限らず建築全てにあてはまる考え方ですが)がある、という指摘は以前からありました。例えば、採光のための窓がきちんと設けてないので、昼間から照明を点けなければならない、これは不健康なすまい(建築)の一例といえるでしょう。尤も最近、ガラスを多用した、採光、最高って建築もよくありますが。で、夏暑くてクーラーガンガン、これは不健康な建築。
健康にすまう、ということも考えなくてはいけないかもしれません。ハードだけでなくソフトも考えよう、というわけです。この本を読んでその思いを強くしました。夏季、窓を閉めきって通風をしないで、クーラーをかけっぱなしというのは不健康なすまい方の一例。
大都会の夏、クーラーを使わないすまい方なんて考えられない・・・。でもこの本にはヘチマやひょうたんなどの「緑のカーテン」を南側の窓の近傍につくるなどの工夫をすることで、それ程クーラーを使わない健康なすまい方ができることが紹介されています。
著者の甲斐徹郎さんは「経堂の杜」などの環境共生型コーポラティブ住宅をコーディネイトしている方だそうで、上記のような工夫(緑のカーテンだけでなく他にもいくつか実践しているのですが)をしてクーラーなしの生活をしているそうです。外気温が36℃のとき室温が27℃という、納得の実測データが示されています。
「健康なすまい」に「健康にすまう」こと、「エコ」って、要するにそういうことなんですね。もっとエコな生活をしないといけませんね。
■ 「しおる」の名詞が「しおり」ということらしい。栞ではなくて枝折りと漢字を充てたほうが意味が分かりやすい。枝を折って道しるべとしたものから転じて案内、手引きという意味だそうだ。
『ことばのしおり』堀井正子/信濃毎日新聞社 のあとがきで著者は一月(ひとつき)を一つの言葉でしおる(後略)と書いている。「しおる」を調べてみて前述のことが分かった。
この本の著者の堀井さんは現在SBC(信越放送)のラジオ番組「武田徹のつれづれ散歩道」にレギュラー出演している。日本の近代文学について詳しい方で漱石、鴎外、藤村、啄木らの作品や人となりについて番組で縦横に語っておられる。柔らかくて優しい声がとても素敵で、どんな方だろうといつも思いながら聴いている。
その堀井さんの著書ということで先日読んでみた。月一回のペースの新聞連載をまとめたもので、あとがきに倣えば一月を一つの言葉でしおったエッセイということになるだろうか。
例えば11月には、「かかしあげ」「甘藷」「落ち葉焚き」「一葉忌」「小春日和」「夜なべ」という6年分の言葉がとり上げられている。平易な言葉で綴られている短い文章が実に味わい深い。
「文は人なり」優しそうな人柄が文章からも伝わってくる。教養講座などの講師をしておられるそうだが講義を直接拝聴する機会があればうれしい。