透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「老人力」 赤瀬川原平

2006-11-01 | A 読書日記


路上観察学会。
赤瀬川さんはこの学会の会員だ。「老人力」という言葉はこの学会の合宿中に生まれたという。赤瀬川さんは会員の中では年長でそれまでボケ老人とか長老とかいわれていたらしいのだが、もっといい言葉はないだろうかという話になって藤森照信さんと南伸坊さんの発案で決まったとのことだ。

老人と海じゃなかった、老人と力という対照的な言葉を結びつけることでマイナスイメージをプラスに転換した発想がスゴイと思う。赤瀬川さんは作家としては、芥川賞を受賞しているし、写真はプロ級というかプロだし、かつては前衛芸術家としても活躍した。多才な人だ。

赤瀬川さんはようやく還暦を迎えたばかりでまだ若いから、シャレで老人力自慢ができる。

深刻に考えても仕方がない、気楽にやろう!という精神は大いに学びたいと思う。