■ 今日(11/20)の朝刊(特記無き場合は長野県の地方紙、信濃毎日新聞を指します)の文化欄に「路上観察」盛況の日本館 ベネチア建築展に参加して という藤森さんのレポートが載っていました(写真左)。
「新建築」11月号にも藤森さんの「ヴェネチア・ビエンナーレ観察記」と題するレポートが掲載されています(写真右)。(ベとヴェと表記が違っています)どちらにも藤森さんが撮影した会場内の様子の写真が載っています。
このヴェネチア・ビエンナーレは2年に1度開催される「現代アートのオリンピック」と呼ばれる祭典のことで、テレビでも話題になる映画祭もその1セクションなんですね。建築展は映画祭ほど一般の人たちにはなじみがないかもしれません、だからこの新聞記事には少し驚きましたが、建築界では毎回話題になります。
今回は藤森さんがこのイベントにコミッショナー兼建築家として参加したということなんです。新聞記事の下の写真は会場への入り口で「IN」と表示されています。この入り口はねずみ木戸というそうで、歌舞伎小屋の入り口のことだそうです。初めて知りました。茶室の入り口、躙口(にじり口)と同様に非日常の世界への入り口として効果的な演出だと思います。藤森さんが顔を出しています。因みに「新建築」にはこの入り口から顔を出す藤森さんと伊東さんの写真が載っています。
この建築展全体のテーマは「都市、建築と社会」だそうで、新建築には都市の急成長による諸矛盾をどうするかという含意があったと藤森さんは書いているのですが、どちらの記事からもそのテーマに対する藤森さんなりの回答がうかがえないのが残念です。
用意した高価なカタログが初日に売り切れた、と藤森さんはいささか浮かれているようで、冷静に分析してみせるいつもの鋭さが感じられないのです。
来年4月14日からはこの「藤森建築と路上観察:誰も知らない日本の建築と都市」展が東京オペラシティアートギャラリーで開催されるとのことです。
写真に写っている「びく」(藤森さんは「繭」に喩えていますが)のような路上観察劇場を観に行きたいと思います。