透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

原初的な形

2006-11-16 | A あれこれ



○ 上:旧生方家住宅(群馬県沼田市) 
  『日本の民家 第五巻 町屋Ⅰ』学習研究社より



昨晩、懸魚は棟木の小口を塞ぐ目板にデザイン的な要素が加わって出来たものだと指摘した。ならば、目板そのもの、懸魚の原初的な形が見つからないかと、手元の資料を当たってみたところ、上の写真を見つけることができた。

資料によるとこの町屋は関東、東北地方に現存するものではきわめて古いものだという。17世紀末頃の建設だと推定されるらしい。

下は以前載せたものだが、比較的新しい懸魚(屋根の上の棟飾りは烏おどし)の写真。

「デザイン」とは何か・・・
両者を比較するとそんな思いに駆られる。

目板:調べてみると狭義には板と板の隙間を塞ぐ細長い板状のものを指すらしい。確かに目板葺き、目板張り、敷目板張りなどはこの意味で用いられている。ここではカバープレートという意味で用いている。