●映画 「パリ、ジュテーム」と「バベル」
● GWだ、映画を観よう。「スパイダーマン3」もいいけれど、やはりこの映画、「バベル」。
舞台は三つの砂漠。北アフリカはモロッコの砂漠、アメリカ国境に近いメキシコの砂漠、そして東京砂漠。そうこの映画では東京がなんだか不気味で乾いた街として描かれている。
モロッコの山中で少年が試し撃ちしたライフルの銃弾が観光バスの乗客に命中してしまう。この偶発的な事件が三つの砂漠で孤立している人それぞれに繋がっていく・・・。
事件によってモロッコの街で孤立してしまうのはアメリカ人夫婦。ふたりの間には深い溝が横たわっている。モロッコ旅行は関係修復のためだったのだろうか。アメリカとメキシコの国境沿いの砂漠で孤立してしまうのはこの夫婦にふたりの幼い子供を託されていたメキシコ人の乳母。そして東京では女子高生チエコが聾唖故の孤立。
遠く離れた三つの国のストーリーが巧みに組み合わされて繋がっている。映画ではそれを1枚の写真や事件を報じるTVのニュースによってうまく表現していた。ショットの繋ぎも絶妙だった。
この不幸な事件によってアメリカ人夫婦は再び繋がり、女子高生は関係がギクシャクしていた父親と繋がり、メキシコ人の乳母は事件によってメキシコに強制送還されてそこで暮らす息子と繋がる。孤立からの開放、「繋がる」という喜び・・・。
何人もの俳優がそれぞれ重要な役柄を演じているが、チエコを演じた菊池凛子の存在感が際立っていた。人と繋がらない、人に理解してもらえないというもどかしさ、悲しさを演じきっていた。
エンドロールが流れ出した時、文字がぼやけてしまった。なんだか切なくてそしてラストはほっとして・・・。
いい映画にはいい音楽が流れるものだが、この映画のもの悲しい独特の音楽も効果的だった。
次、観るとすれば「パリ、ジュテーム」あたりかな。同行者はこの映画だといっていた。 http://movies.foxjapan.com/diehard4/