● 映画「2001年宇宙の旅」 私は映画館でも観たしテレビでも何回か観た。原作は未読でもこの映画を観たことのある人は多いと思う。
サルの群の中に突如出現した黒い石柱モノリス(余談だが確かモノリスのプロポーションは1×4×9(1、2、3の2乗)だったと思う)。このモノリスが出現してサルは急激に進化を遂げた。サルが空高く放り投げた動物の骨が一瞬にして宇宙船に変わる。人類の数百万年にわたる進化がこの一瞬で表現されている。有名なシーンだ。人類は月でもこのモノリスと遭遇する。そして次なる進化へ・・・。
人類の進化に関わる「神」の存在の暗示。宇宙船ディスカバリー号の生存者ボーマンが見たもの、それは宇宙のはるか遠い「未来」とさらにその先の宇宙の「過去」。時間の流れは円環構造を成しているという暗示、輪廻思想との共通性。 アーサー・C・クラークのSFを私はこのように読んだ。
さて『百億の昼と千億の夜』。 これは難解、何回も読まないと理解できそうにない。宗教や哲学に関する素養が必要だ。ただなんとなく『2001年宇宙の旅』とモチーフが似ているような気がしないでもない。
こんな記述がある。
**この世界の一環した時空連続体のいったいどこに、このような存在の入りこんでくる個所があったのだろう。かれらは過去において、何度か地球上に姿をあらわしているが、同様に他の惑星の上にも、そして他の渦状星雲のどこかの星の上にも、やってきたことだろう。いったいどこから? そしてなんのために?**
**「転輪王、というと」「波羅門にも説かれていよう。王の王たる者。すなわち化して因縁を転ずる自在な王のことだ。この世の外にあって生成を看ることすでに一兆年の余という」**
このSFも「神」を追求した物語ではないのか・・・。壮大さは「2001年宇宙の旅」に勝るとも劣らない。とてつもなく長大な時空を駈けるトラベルミステリーと読んでもいいだろう。
いつか再読してみよう。
● GWも今日で終りだ。GはGREENのGとばかりに緑に身を置いた。本を読んだ。映画も観た。充実の1週間だった(としておこう)。

● 友人の樹木医(この人もSさん)によると桜の種類はもともと6種類くらいだったようだが、現在その数は300くらいらしい(しばらく前、酒席で聞いたので記憶が曖昧だが)。
昨日は近くの山に登った。まだ桜が咲いていた。山に咲いていて色が濃いからオオヤマザクラ? 樹形が違うような気がする。Sさんならすぐに分かるだろうが私にはこの桜の名前が分からない。
春に降りる最後の霜を「別れ霜」という。この桜は、それに倣って「別れ桜」とでも勝手に名づけよう。ちょっと淋しい名前かな。
今日は立夏、暦の上ではもう夏。