透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ドアクローザー

2008-12-14 | A あれこれ
 ドアクローザー。あれは「無作法養成装置」だ、と思っています。

ドアを開けたら静かに閉めるという一連の行為をきちんとすることは当り前だと思うのですが、静かに閉めるという行為を人に代わってするのがドアクローザーですね。開けたドアを閉めることなくその場を離れてもあとはドアクローザーが静かに閉めてくれる・・・。

本来、人がきちんとするべき行為を建築側に「押し付ける」ことが少なからずあると思うのですが、このドアクローザーなどはその代表例でしょう。

もう随分昔のことですから、ここに書いて支障ないと思います。子どもたち(という表現にしておきます)がこのカウンターの上に載っても壊れないようにして欲しい、という要望をいただいたことがありました。

「それは建築の問題ではなくて教育の問題だと思います!」そのとき少し冷静さを欠いてそう答えたことを覚えています。案外このようなことってあるんですね。

防滑性に優れた床材でも表面に雪がついていたりしたら滑ります。そんな時は注意して歩くようにしてもらわないと・・・。

ドアクローザーに話を戻します。

まあ、不特定多数が利用するような施設の場合には設置しないわけにはいかないでしょうが、住宅は冒頭の理由で不要。保育園や小中学校など子供たちが利用する施設にも出来れば付けたくないですね。

襖を開けて和室に出入りするという行為というか動作、これは難しい。かつては皆、作法として覚えたのでしょう。が、和室があまりない今の住宅では子どもに教える機会もありません。襖にはフスマクローザーなどという便利なものもありません。

いやいやその内、そのような代物が取り付けられるようになるかもしれません。

その前に襖が姿を消してしまうかも。