■ 建築雑誌『新建築』12月号の表紙は妹島和世さん設計の集合住宅だ(写真)。この集合住宅の平面計画をどのように表現したらいいのか分からない。 この表紙から外壁が平面で構成されていないことは分かると思う。アルファベットのSを複数用意してそれぞれふたつのパーツに分けた後、適当に並べたような平面形、とでも表現したらいいのか・・・。
それぞれの住宅の壁は大半が曲面で平面は一部だ。内装は床がモルタル仕上げ、壁は石膏ボードペンキ仕上げ、天井はコンクリートペンキ仕上げ。
こういうところで生活するのにはそれなりの「覚悟」が必要ではないかと思う。床に直座り出来ない仕上げ。疲れて帰ってきてもゆっくり寛ぐことはおそらく出来ないだろう。四角い家具を壁に沿ってきちんとレイアウトすることも出来ないだろう。
よく分からないが曲面で構成された空間に居て疲れないだろうか。うまく空間を知覚できるのだろうか・・・。脳は微妙に傾いた壁などは垂直に知覚しようとするらしい。そう、錯覚をしてまで「正しく」知覚しようとするのではないか。それが曲面となると脳もお手上げかもしれない・・・。
「新しい形と新しい関係 ――外部と混じり合った環境単位」と題して、妹島さんはこのプロジェクトについて寄稿している。
都市と関係の持てる屋外生活と説明されても・・・。私にはこの手の空間で暮らす自信は無い。