透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

今年の3冊 2008

2008-12-21 | A ブックレビュー

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「散るぞ悲しき」


「中村屋のボース」

 今日(12/21)の朝日新聞の読書欄に、書評委員お薦めの「今年の3点」が載っている。20人の委員、1人3冊、計60冊の本が紹介されている。新書が6冊紹介されていた。

今年もあと10日、今年読んだ本で心に残った3冊を挙げておく。

『箱男』安部公房/新潮文庫が今年最後の本になりそう。10年ぶりの再読だがなかなかおもしろい。

安部公房は93年に急逝したが、もし元気で作家活動を続けていれば、ノーベル文学賞を受賞したかもしれない・・・。


蔵の意匠 

2008-12-21 | A あれこれ







 前稿に続き「蔵」を取り上げます。

は長野県小谷村の蔵です。しばらく前に取り上げましたが、再掲します。美麻の蔵と同様、補強柱をたてています。

は昔の写真。「たてぐるみ」と呼ばれる形式で蔵を取り込んでいます。岡谷、諏訪、茅野地方に分布しています。撮影地、撮影年月は不明。

も昔の写真。分かりにくいですが、2と同様、蔵をくるんでいます(左側)。なかなか面白い意匠です。現代の住宅設計にも使えそうです。をミックスしたような意匠ですね。


戸狩の蔵  

2008-12-21 | A あれこれ


■ 民家 昔の記録。今回は戸狩の蔵(19800815)。

積雪荷重に耐えるように補強するか、屋根から雪を落下させるか、雪に対処する方法は2通りあります。

前稿で取り上げた大町市美麻の蔵は前者、積雪荷重に耐えるように屋根の先に柱をたてて補強していました。

この蔵の場合は後者、落雪させるために屋根の勾配をかなり急にしています。立ち上がりの大きな棟木は「雪割」の役目を果たしているでしょう。

独特のプロポーション、この地方に特有の形です。このような建築が次第に姿を消し、地方色が薄れていくのは残念です。