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■ 前稿に続き「蔵」を取り上げます。
1は長野県小谷村の蔵です。しばらく前に取り上げましたが、再掲します。美麻の蔵と同様、補強柱をたてています。
2は昔の写真。「たてぐるみ」と呼ばれる形式で蔵を取り込んでいます。岡谷、諏訪、茅野地方に分布しています。撮影地、撮影年月は不明。
3も昔の写真。分かりにくいですが、2と同様、蔵をくるんでいます(左側)。なかなか面白い意匠です。現代の住宅設計にも使えそうです。1と2をミックスしたような意匠ですね。
■ 民家 昔の記録。今回は戸狩の蔵(19800815)。
積雪荷重に耐えるように補強するか、屋根から雪を落下させるか、雪に対処する方法は2通りあります。
前稿で取り上げた大町市美麻の蔵は前者、積雪荷重に耐えるように屋根の先に柱をたてて補強していました。
この蔵の場合は後者、落雪させるために屋根の勾配をかなり急にしています。立ち上がりの大きな棟木は「雪割」の役目を果たしているでしょう。
独特のプロポーション、この地方に特有の形です。このような建築が次第に姿を消し、地方色が薄れていくのは残念です。