透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「いつまでも!建築とまち」

2008-12-18 | A あれこれ

■ 雑誌「建築士」(発行:日本建築士連合会)の今月号(200812)の特集は「いつまでも!建築とまち」だ。

建築史家 鈴木博之さんの「建築とまち 詩人の目を通して」と題する巻頭言が掲載されている。

鈴木さんは**建築とまちの関係は、日常的で当り前であることが重要だ。ただし、その関係は安定していて永続的であるという安心感に裏打ちされていることが必要だ。(中略)まちに建つ建物の存在感が大きな意味をもつ。まちをわれわれの生活につなぎ止めるアンカーのように、長く建ちつづける建物があることが、まちを落ち着かせ、安心させる。**と指摘し、

**印象に残る建物のあるまちは、愛着の深まるまちだ。(中略)この店で祖母がよく買い物をしたとか、あの小学校にわれわれ兄弟は通ったとか、暮らしと歴史は建物によって、もっとも分かりやすく結びつく。そうした建物を、われわれのまちは何棟もっているのだろうか。そうした建物を、われわれのまちは大切にしているだろうか。**と結んでいる。



松本市は解体寸前だった旧制松本高校の校舎を残した。確か4、5億かけて改修し、現在は「あがたの森文化会館」として、公民館、図書館、市民の文化活動の拠点として活用している。先に挙げた「建築士」には地元松本市職員のこの建物に関する優れた論考が掲載されている。