小谷村の牛方宿の屋根(0910)
常陸幸田(当時)の民家の屋根(7910)
■ 民家の魅力は素材、技術(技術というか知恵とした方がいいかも知れないが)、労力 すべてその地域のものによって造られたところにある。
まず地域による素材の違い。それは屋根に顕著だ。屋根に使われる材料には板、樹皮、茅、石、竹などがある。
上は長野県小谷村の民家。山間地だから「木」の入手が容易。それで棟納めに木と樹皮(たぶん杉皮)が使われている。下は茨城県内の民家。棟納めに使われているのは平野部で容易に入手できる竹と茅。
このように実証すれば、民家の構法が地域によって異なることが理解できると思う。
屋根棟の部材はそれぞれ雨仕舞や腐朽防止上意味を持っている。上のふたつの屋根の部材には不要なものが無い。嘘が無いと言い換えてもいい。このことにこそ民家の美がある。