透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

魁夷のことば

2009-10-20 | A あれこれ


■ 東山魁夷 心の旅路館にて 091020

木曽の旧山口村(現在は岐阜県中津川市)の賤母(しずも)に「東山魁夷 心の旅路館」があります。画伯からリトグラフや木版画などを寄贈された村が建設した小さな美術館です。

そこに置かれているパンフレットには「木曽へのメッセージ」と題した東山魁夷の文章が載っています。

**美術学校へ入って最初の夏休みに友人と共に、木曽川沿いに八日間のテント旅行をしながら、御岳に登ったのが、私を山国へ結びつける第一歩でした。この旅の途中、山口村の賤母の山林で大夕立に遭い、麻生の村はずれの農家に駆け込んで、一夜の宿を求めました。そこで私は思いがけないほどの温かいもてなしを受けたのです。この旅で、それ迄に知らなかった木曽の人たちの素朴な生活と、山岳をめぐる雄大な自然に心を打たれ、やがて風景画への道を歩む決意をしました。(中略)その後は何かに取り憑かれたように信州各地の山野や湖、そして高原へと旅を重ねて、四季折々の風景を描き続けてきました。(後略)** 

美術館の前庭に「歩み入る者にやすらぎを 去り行く人にしあわせを」という魁夷のことばの碑があります。どこに歩み入るのでしょう、どこから去り行くのでしょう。山口村? それともこの碑の立っている美術館でしょうか・・・。

ふと、このことばのようなブログが書けたらいいなと思いました・・・。