■ 寅さんシリーズ全50作(*1)のうち、第4作、第9作、第24作、第49作をまだ観ていなかった。先日(14日)第4作の「新・男はつらいよ」を観た。第49作は第25作「寅次郎ハイビスカスの花」の特別篇で、両作品に大きな違いがあるわけではないだろうから、観なくてもよい。で、残りは第9作と第24作のみになった。
さて、「新・男はつらいよ」。
競馬で大穴を当てて名古屋からタクシーで柴又に帰ってきた寅さんが、おいちゃんとおばちゃん孝行を考えてハワイ旅行を計画する。納めた旅行代を旅行会社の社長に持ち逃げされてしまうが、近所の手前、羽田まで行き、深夜にとらやに帰る。ひっそり隠れていると、泥棒(財津一郎)が・・・。その騒動でハワイには行かなかったことが近所にバレてしまう。
おいちゃんたちともめて、寅さんはとらやを飛びだしていく。ひと月後、とらやに帰ってくると、幼稚園の先生・春子(栗原小巻)が2階に下宿していて、寅さん一目惚れ。だが、マドンナには恋人がいて・・・。
マドンナは前半の騒動に全く関わっていないし、後半で寅さんともそれ程関わっていない。寅さんの旅先の様子も描かれていない。残念ながら印象に残るような作品ではなかった。
第1作「男はつらいよ」のマドンナは御前様の娘・冬子だったが、冬子には婚約者がいて、寅さんあえなく失恋。第2作「続・男はつらいよ」では恩師の娘・夏子に惚れるものの、夏子は寅さんが入院した病院の医師と恋仲になっていて・・・。どうも初期の作品はこんな設定で、寅さんがかわいそう。寅さんがその気になれば実る可能性のある恋でないと面白くない。第10作「寅次郎夢枕」では、幼なじみの千代(八千草薫)が寅さんに恋するという設定だった。第28作「寅次郎紙風船」のテキヤ仲間の女房(音無美紀子)、第29作「寅次郎あじさいの恋」のかがり(いしだあゆみ)、第32作「口笛を吹く寅次郎」の朋子(竹下景子)も同様で寅さんがその気になれば恋は実った。だが、寅さんはいつも逃げてしまう・・・。このパターンが好きだなぁ。
*1 第49作、第50作をカウントしないで全48作とする寅さんファンも少なくないようだ。
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