1377 岡谷市加茂町 小井川区民会館のすぐ近く 4柱44型 観察日2022.08.18
■ しばらく前に長野県内の火の見櫓を地域ごとにタイプ分けしてみたが、かなり偏在していることが分かった。南信地域では7割近くが4柱44型だ。この火の見櫓も同タイプ。なお、今まで4脚44型としていたが、脚の有無をタイプ分けの観点とはしないこととし、4柱44型に改めた。火の見柱は1柱型、火の見梯子は2柱型というように、柱の本数によってすっきりタイプ分けできる。
かなり背の高い火の見櫓で踊り場が2か所ある。梯子桟の数と桟のピッチ(間隔)の寸法により、見張り台の高さはおよそ18mだと分かった。総高は20mを超える。上の踊り場から上方に櫓が開いている(逓増している)ように見えるのは錯覚だろうか。踊り場より見張り台の方が大きく、さらに屋根の方が大きいこともそのように見える理由なのかもしれない。
なだらかな勾配の方形(ほうぎょう、平面は4角形)の屋根には蕨手も避雷針の飾りもついていない。スピーカーに隠されてはっきり見えないが半鐘を吊り下げてある。見張り台は隅切りをした4角形(これを幾何学的に8角形と捉える人もいる)で、櫓部分と同様に手すり子の間にリング付きの交叉丸鋼を入れている。見張り台は櫓からそれ程はね出してはいないが、方杖を設置している。見張り台直下の垂直構面は山形鋼を交叉させて設置し、がっちり固めている。赤色回転灯は火災発生時に作動させるのだろうか。
この写真でも見張り台から上で柱が開いているように見える。錯覚ではなく、実際に開いているのかもしれない。
下の踊り場の様子。手すりのデザインは上の踊り場、見張り台と同じ。
踊り場床面の先を支える方杖 半鐘が櫓の外側ではなく、内側に設置されているのは珍しいかもしれない。半鐘の後ろに梯子が写っている。桟は丸鋼2本、支柱の平鋼に穴をあけて留めるという丁寧な仕事がしてある。
理想的なトラス脚。脚間寸法はおよそ4m、脚の主材・等辺山形鋼の寸法は9(10?)×100×100。
岡谷はなぜか車で走りにくい。未見のエリアにはまだ火の見櫓がありそうだ。