透明タペストリー

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「〇〇前駅」の分類

2022-08-28 | D 新聞を読んで

 日本経済新聞を読むことはあまりなかったが、今年4月21日付同紙の文化面に「火の見櫓 孤高の姿撮る」という私の記事が掲載されたのを機に文化面(最終面)を読むようになった。8月22日の同紙文化面に掲載された「「〇〇前駅」は本当に近い」という落語家・古今亭 駒治さんの記事を読んだ。

三越前駅(東京メトロ銀座線・半蔵門線)、成城学園前駅(小田急小田原線)などの「〇〇前駅」、略して「前駅」は本当にその施設や名所に近いのか・・・。「前駅」でも施設に近いとは限らないことが分かった古今亭 駒治さんは、ロードメジャーで距離を測り、ストップウォッチで所要時間を測って確かめているそうだ。全国にはおよそ330の「前駅」があるとのことだが、7年ほどかけて230の駅を調べたという。

ぼくが興味を持ったのは、記事の後半に書かれている調べた駅の分類のこと。このところ火の見櫓の分類のことをあれこれ考えていたので。

駒治さんは前駅を「駅名の種類」と「駅と施設の関係」というふたつの観点から分類している。前者を~系、後者を~型として、このふたつを組み合わせて「前駅」を分類していて、記事には「表記違い系南海型」「愛称系南海型」などの分類名が例示されている。

施設の旧名がそのまま残る「前駅」は「小林旭系」と名付けられている(理由は分かりますよね)。「小林旭系」か・・・、名付け親が落語家だからなぁ、おもしろいなぁ、とその名前に感心した。記事には~系の名前も~型の名前もそれぞれ「フルネーム系」「ダブルス系」、「ホーム直結型」「通路直結型」などが例示されているだけで、全てが示されてはいない。記事のスペースがきっちり決まっているので仕方ない。

全部知りたいと思い、ネットで検索してみると、駒治さんのブログがヒット!。

ブログに全て示されていた。~系は全部で11、~型は17ある。系と型の組合せによる分類名は長野県内の5つの「前駅」のうちの2つを例示するに留める。

アルピコ交通上高地線「北新・松本大学前」――「地名先行系対面型」 
上田交通別所線「大学前」――「一石二鳥系中距離型」 駅の近くに上田女子短期大学と長野大学がある。単に大学と表記しているので一石二鳥というわけ。上田市真田町まで電飾火の見を見に行った時、この駅のすぐ近くを通った。



火の見櫓の分類名は固いなぁ・・・。トラス脚は網タイツでよくないか? いや、スケベなおっさんが名付けたなんて思われるのはいやだから、トラス脚のままにしておこう。


 


上田市真田町横尾の火の見櫓

2022-08-28 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)上田市真田町横尾 4脚4〇型たばね脚 撮影日2022.08.25

 東信、北信の火の見櫓は上半分のブレースにリングが無いものが多いが、この火の見櫓は上から下まで全てリング付き。


見張り台に赤色灯が設置されている。シルバーの櫓に赤はよく目立つ。




櫓の中間にデザインの異なるふたつのカンガルーポケット。下は梯子の踊り場で上は消火ホースを掛けるための設え。正面の交叉ブレースのリングに横尾分団と一文字ずつ付けている。


中信地域に多い(3割近く)ショートアーチと比べるとたばね脚はかなり丈夫だと思う(私には定性的な判断しかできないが・・・)。


 


見張り台の床の構成 

2022-08-28 | A 火の見櫓っておもしろい


(再 過去ログ)上田市真田町本原 竹室公民館前 4柱44型たばね脚 撮影日2022.08.25

 櫓の一つの面を真正面から撮影するとフォルムが分かりやすい。全体的に整った姿・形で美しい。


円形の見張り台の床面の構成を観る。4本の柱材から2本の山形鋼(アングル材 以下同じ)をT形に重ねて持ち出し梁として設置し、山形鋼の方杖で梁の先を支えている。4本の持ち出し梁の先端を円形に加工した山形鋼の梁で繋ぎ、二次部材の根太材(山形鋼)を放射状にそれぞれ3本設置して、平鋼をすのこ状に並べて床面をつくっている。根太を放射状に架けたところがポイントで、端正だという好印象を与える。方杖材をはらませて(下側に曲げて)使っているが、構造的には疑問。反らせて(上側に曲げて)使う方が、見た目にも好ましい(前稿、後稿の火の見櫓のように)。


 


上田市真田町本原の火の見櫓

2022-08-28 | A 火の見櫓っておもしろい

(再 過去ログ)上田市真田町本原 4柱4〇型たばね脚 撮影日2022.08.25


 4角形の屋根、円形の見張り台は東信地域のプロトタイプ。形が整っていて、美しい。櫓の部材接合部のガセットプレートがやや大きめ。


簡易な踊り場、カンガルーポケット。半円形が多く、角型は少ない。


たばね脚。ネーミングは大事。名前を付けることで意識的に観るようになる。名前の無いものは脳がきちんと認識できないということを実感する。横架材の高さは2.5mくらいか。脚の間隔と1段目(脚の付け根)の横架材の高さは脚の形に関わるので出来るだけ確認しておきたい。


 

 


上田市中央西の火の見櫓

2022-08-28 | A 火の見櫓っておもしろい


1380 上田市中央西  4柱〇〇型BC前たばね(?)脚 撮影日2022.08.25

 東信では極めて珍しい円形(円錐形)の屋根の火の見櫓。


半鐘と木槌の他は何も無い見張り台。実に好ましい。


後ろと左右の3方に丸鋼のリング付き交叉ブレース、たばね(?)脚で前を開放している。珍しいことに補強部材を柱材と横架材の後ろに設置してあるので、たばね脚かどうか写真では確認できないので?付き。