480
辰野町にて 2023.09.05
■ 学生の頃から民家が好きで全国各地の民家を訪ね歩いていた。今はすっかり火の見櫓に心奪われているけれど、民家への興味が失せてしまったわけではない。
辰野町にあるこの民家の小屋組みが前から気になっていた。小屋梁を外壁から外側に4,5尺(位だと思う)跳ね出し、先端に束を立てて母屋を架け渡している。こうすることでの軒の出を大きくし、軒下の空間を広く確保している。このようなゆったりとした造りを見ると、いいなぁと思う。
梁の高さ(レベル)を少し高くして、跳ね出し梁の先端に母屋を直接載せる、ということも出来たと思う。そんなことは大工さんは百も承知、その上で敢えてこのように組んだのであろう。では、その意図は? ダイナミックな架構を見せたかったから? 同じような架構はこの民家の近くに他にもあったと思う。再びここを訪れたら確認したい。他の民家も束を立てているだろうか・・・。