透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「伊勢神宮」を読む

2013-08-12 | A 読書日記

 前稿に書いたが先週末東京駅前の丸善で『伊勢神宮 日本人は何を祈ってきたのか』三橋 健/朝日新書を買い求めた。オアゾの丸善は何年か前までは比較的空いていてじっくり本探しができた。が、この頃はだいぶ混雑するようになった(なってしまった)。

当然のことながらこの本は式年遷宮のことにも紙幅を割いていて、式年遷宮の年表も載っている。690年に最初の式年遷宮が行われ、その後はほぼ20年ごとに行われてきたことが分かる。戦国時代に120年以上も行われなかった遷宮は江戸時代にはきっちり20年毎に行われていて、明治42(1909)年、昭和4(1929)年と続く。次の昭和24(1949)年は戦後の混乱で延期され、4年後の昭和28(1953)年に行われた。ここにも縁を感じる。4年延期されたことで昭和28年になったのだから。

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伊勢神宮の神域という聖なる空間に身を置いてみて、ここが日本人の心のふるさとなのかもしれないな、ここが日本人のふるさとなんだと言われたら受け入れてもいい、と思った。

さて、これからは来年の秋に予定されている高野山詣でに備えて空海に関する本を読んでみようと思う。これは知らないことを知りたいという欲求に因るのもで、その対象は何でもいい。別に信心深いわけでもなんでもない。




 


トラヤで「猫」を読む

2013-08-11 | A 読書日記


KITTE内に復元されている旧東京中央郵便局長室から東京駅を望む
撮影日 130810

東京の夏はやはり暑い。少し涼もうと東京駅の2Fにあるトラヤトウキョウへ。トラヤは上の写真に写っているドーム状の屋根の手前の所にある。

カウンター席に案内される。人工大理石の白いカウンターに竹の集成材のトレーがセッティングされている。コーヒーを飲みながら『吾輩は猫である』を読む。



隙間時間読書で何日もかかったがようやく読了。今回はこの長編小説を苦沙弥先生と友人たちが交わす教養談義録と括っておこう。(過去ログ

その後、東京に出かけると必ず立ち寄るオアゾの丸善へ。『伊勢神宮』三橋 健/朝日新書を買い求めて新宿へ向かう。


 昨日(10日)は松本発6時51分のスーパーあずさで出かけたが、大月を過ぎてまもなく(鳥沢、梁川間)踏切事故が起きて列車が急停止。私の乗っていた車両の進行方向左側に事故を起こした青い軽トラックが止まっている・・・。現場検証で45分くらい遅れて運転再開。新宿駅に1時間20分くらい遅れて到着した。この事故の影響で中央線のダイヤが終日乱れた。



 


KIITTE

2013-08-10 | B 繰り返しの美学



 一瞬 あれ?って思われたかもしれませんね。電車が浮かんでいる・・・、ではなくてこれはモノレール。

千葉駅から成田線で都賀(つが)駅へ。所用を済ませての帰路、千葉駅までこのモノレールを利用しました。千葉駅からは総武線の快速電車で東京駅へ。



せっかく東京駅まで来たのだからと、巨大なアトリウムのある商業施設KITTEへ。アトリウムを回遊する人の動きが賑わいを演出しています。空間のボリュームが程良くて、なかなか魅力的です。



旧東京中央郵便局のリノベーション。白い柱と梁。これも繰り返しの美学・・・。


 


「マンボウ思い出の昆虫記」

2013-08-09 | A 読書日記



 このところ多忙を極めており、書店に出かける時間もない日が続いている。今朝、出勤時にようやく24時間営業の書店に立ち寄って北杜夫の『マンボウ思い出の昆虫記 虫と山と信州と』信濃毎日新聞社を買い求めた。

上の写真に写っているが、この本の帯には**永遠の昆虫少年 北杜夫の原点へ**とある。続けて**少年時代の昆虫採集、松本高校での生活 北アルプスへの登高、軽井沢での交流、昆虫愛好家との晩年のつきあい・・・・・旧制松本高校時代に書いた幻の記録『思出之昆虫記』を特別収録**と記されている。

北杜夫ファンとして、これは自分の書棚に並べておきたい本だ。

明日、所用で千葉まで出かける。往復の列車内でこの本を読むか、まだ読み終えていない漱石の『吾輩は猫である』を読むか、迷うところ。


 


線引きは難しい

2013-08-07 | D 新聞を読んで

 今日、7日付朝刊に「運転中の携帯 県内再び増加」という記事が載っていた。


信濃毎日新聞 0807付朝刊第一社会面より

記事には2005年以降の上半期の違反摘発件数のグラフが載っているが、そのグラフによると10年まで増加傾向が続き、11年は減少したものの、12年と今年の上半期は再び増加している。

長野県警ではスマートフォンの普及が増加傾向の要因のひとつとみているようだ。スマホの道路案内アプリをカーナビとして使っていて、普段はダッシュボードに置いて道路案内の画面を見ているが、見にくくてついスマホを手に取って見てしまうという女性のコメントも載っている。

道路交通法では運転中の通話の他、携帯電話を持ちながら画面を見たり、ボタンを操作することを禁止しているそうだ。

スマートホンをダッシュボードに置いて道路案内アプリを見ながら運転しても道交法には違反しないが(そうかな?違反かもしれない。いや、カーナビと同じことだから違反ではないだろう)、手に持って見ると違反ということになる。要は手に持たなければOK、手に持てば違反ということなのだが、どちらにしても画面を見ている間は前方不注意となることには変わりない。そうなるとこの線引きが妥当かどうか・・・。

本来、運転中に画面をみることなどNGなはず。私の車にはカーナビは付いていないし、スマートホンも使っていないから、この件に関してはセーフだ。

後は片手運転と両手運転という違いがどうかだが、片手運転って道交法で禁止されていたっけ?


 


ブックレビュー 1307

2013-08-04 | A ブックレビュー

■ この頃あまり読書に時間を割いていない。7月の読了本は2冊のみ。



『植物のあっぱれな生き方 生を全うする驚異のしくみ』 田中 修/幻冬舎新書 

花粉がメシベの先端についたら、どのようにして精細胞を卵細胞に到達させるのか?

花粉がメシベの先端につくと卵細胞のごくかたわらまで花粉管と呼ばれるごく細い管を伸ばし、管の中を精細胞を移動させて卵細胞に到達させて合体させる。しかもメシベに自分の花粉がついたときには花粉管を伸ばさない「自家不和合性」と呼ばれる仕組みを備えている植物もある。

この本には「へ~、知らなかった。植物ってすごい!」という情報が満載。

全編を通じて植物に対する著者の深い愛情が感じられる。


 



『どんぐりハウス 3.11生活復興支援プロジェクト』 杉本洋文/東海大学出版会

木造建築を専門とする著者が開発した仮設建築システムの紹介。たった3種類の部材から成る構法。必要な材料は木柄が小さく、間伐材を利用できるから地元で調達も可能。もちろん素人で建設可能。自立型の太陽光発電システムとバイオトイレを備える。

被災地の実態が考慮されたシンプルで合理的なシステム。すばらしい!拍手!


 

 


妻垂れ

2013-08-03 | A あれこれ

   
伊勢の張り出し南張り 撮影130729

 伊勢神宮の式年遷宮の御白石持行事に参加したことは既に書いた。おはらい町で奉曳の開始を待つ間、路上観察した。通りに妻面を向けた民家が連なる。

伊勢の民家の外壁はささらこ下見板張りという構法。張り出し南張りと呼ばれる垂れ壁を見ていて「妻垂れ」を思い出した。妻垂れは鹿児島から高知、和歌山、三重の南部、飛騨、諏訪など、広く分布している。


民家 昔の記録 高知にて 撮影198003 

昔 四国の民家巡りをしたとき、高知で妻垂れを見たことを思い出した。30年以上も昔の写真をこのように公開することになろうとは・・・。

塩尻にて 撮影100412


飛騨高山にて 撮影090724

妻壁に雨がかからないようにするとなると、このような方法に限定されるのだろう。


 


丹下健三生誕100年

2013-08-02 | A あれこれ



 今年は日本を代表する世界的建築家・丹下健三の生誕100年にあたる年。『芸術新潮』の8月号で丹下健三特集が組まれた。表紙は国立代々木競技場を背に立つ丹下健三。

特集記事に掲載されている写真は初めて見るものが大半。成城の家(丹下自邸)のカラー写真は珍しい。正面から撮ったモノクロの写真は見たことがあるけれど。磯崎新さんの結婚式が成城の家で行われたそうで、例のピロティを背にした磯崎さん夫婦の写真も初めて見た。

丹下さんがいつも携帯していたというポケットサイズの手帳に描かれた「代々木」の初期のイメージスケッチ、弟子の磯崎さんや黒川さんとのツーショット写真なども掲載されていて興味は尽きない。

磯崎さんがインタビューに応えて語る丹下さんのエピソードや作品論もじっくり読みたい(「磯崎新が読み解く知られざる丹下健三」)。