透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

安曇野市明科の青面金剛像

2014-08-07 | B 石神・石仏


安曇野市明科の青面金剛像 撮影日140806

 建立年の刻字はないが像の損耗の程度から比較的新しいものだと思われる。この像のすぐ近くに明治中期に建てられたことを記した石柱が立っていた。

青面金剛は庚申講の本尊。だから、庚申の年に祀られることが多い。干支、即ち十干十二支は10と12の最小公倍数で60年サイクルとなり、庚申(かのえさる)の年は昭和55年(1980年)の前は大正9年(1920年)、その前は1860年(安政、万延)で、明治時代にはない。

尤も庚申碑は庚申の年でなくても建てられることもあるから、仮に明治時代に庚申の年があったとしてもその年の建立とは限らない。だから建立年が刻んでないと特定はできない。

ウィキペディアによると青面金剛は法輪・弓・矢・剣・錫杖・ショケラを持つ忿怒相、というのが一般的だという。このにわか知識をもってこの写真を見ると、8角形の法輪、弓、剣、錫杖(しゃくじょう)を持っていることがなんとなく分かる。

下の写真を見ると、何やら彫り込まれていることは分かるが、それが何かは分からない。顔らしきものもあるが、知識がないからはっきりとは見えないし、分からないのだ。星座を知らなければ満天の星を見てもランダムに散らばっている、としか見えないように・・・。

何とか知識を得て青面金剛の持ちものが見えるようになりたいものだ。




 


青春18きっぷの旅

2014-08-06 | D 新聞を読んで



 「青春18きっぷ」という名前から若者限定きっぷと誤解されかねないが、このきっぷの使用に年齢制限はない。誰でも使うことができる。このきっぷで旅をしたいと前々から思っているが、未だその機会はない。

私は「乗り鉄」ではないが、ローカル線をのんびり楽しみたいな、といつも思っている。車窓に火の見櫓を探すのも楽しいし、今ではほとんど残っていない茅葺きの民家を見つけることができればうれしいだろう。流れていく知らない土地の風景を缶ビール片手に眺めているだけでも楽しいと思う。

今日(6日)の信濃毎日新聞朝刊に「行くなら今でしょ 青春18きっぷで金沢へ」という記事が載った。来春、長野新幹線が金沢まで延伸されると在来線が第三セクターに経営が移り、青春18きっぷが使えなくなるかもしれないという。だから「行くなら今でしょ」、というわけだ。

私は松本から塩尻、辰野を経て、飯田線で豊橋まで行き、東海道本線で富士へ、そこから身延線で甲府、そして中央東線で松本に帰るという1泊2日の旅を考えている。

飯田線は一部しか乗ったことがないし、身延線には全く乗ったことがない(と思う)。 JR線全線乗車などという企てをしているわけではない。上に書いたように知らない土地の景色を車窓から眺めたい、ただそれだけのことだ。

どこで1泊しようか、あれこれ考えるのも楽しい。静岡県にも火の見櫓が数多く立っているから、途中下車して、観察するのもいいだろう。

青春18きっぷは年中発売しているわけではなく、期間限定で、今月末まで発売している夏のきっぷは有効期限が9月10日までとなっている。それまでに休日の2日間、用事のないことがあるかどうか・・・。


 


― 塩田平の火の見櫓

2014-08-06 | A 火の見櫓っておもしろい



別所線の電車とツーショットで撮った火の見櫓を改めて載せる。(再) 撮影日140713

スレンダーな櫓、ブレースは上半分が平鋼、下半分がリング式ターンバックル付き丸鋼。



なかなか整った形、端正なつくりの屋根と見張り台。屋根面のカーブ、避雷針の飾り、くるりんちょな蕨手がいい。踊り場に比して屋根が小さいのは東信の特徴。



カンガルーポケット。この形の踊り場は東信の標準タイプ。手すりは見張り台と同じデザイン。


 


自分に無理を強いることなく自然体で暮らす

2014-08-05 | A あれこれ

 長野県は男女とも平均寿命が全国1位になったそうだ。男性が80.88歳、女性が87.18歳。2010年の国勢調査をもとに厚生労働省がまとめた結果、分かったのだとか。

でも、これはあくまでも平均値であって、私がこの年齢まで生きることができるなどということでは決してない。だが、なんとなくそのように思ってしまう・・・。

なぜ長野県民は長生きなのか。このことについてはいろんな理由が挙がっている。

① 野菜の摂取量が多い。家の周りに畑があって(この畑のことを私の鄙里では「せんぜば」と言う。せんぜ畑を省略した呼び方かもしれない。「せんぜ」という地域もあるようだ。ただ、この表記が発音そのままかどうか・・・。)、いろんな野菜をつくっていて食事の度に採って、新鮮野菜を食べている家庭が多い。

② 高齢者の就労率が高い。働くから元気なのか、元気だから働くのか・・・。

③ 公民館活動が盛ん。公民館の数は長野県が全国一。 ②と③は共に生きがいのある暮らしに通じる。

④ 健康に関心がある。かつては塩分摂取量が多かった長野県だが、全県的な減塩運動の取り組みが功を奏し、平均寿命が延びた。このような運動に熱心に取り組む真面目な県民性。

⑤ 豊かな自然環境。理由は分からないがこれも長生きに繋がるのだとか・・・。

さて、私の場合。

① 野菜の摂取量が多いかどうか、毎食野菜を摂るように心掛けてはいる。市販の野菜ジュースも飲む。

② できるだけ仕事は続けたい。

③ 公民館活動に積極的になろうとは思わない。 ただ、「きょうよう」と「きょういく」は心掛けたい。「頭の体操」の多湖 輝氏が唱えたこのことば、きょうようは「教養」ではなく、「今日、用」があること。きょういくは「教育」ではなく、「今日、行く」ところがあること。要するに日々やることがあって、忙しく暮らすこと。知人、友人とのつながりを保持し続けること。

④ 健康に無関心ではない。平日できるだけ飲酒しないようにしているし(飲酒は睡眠の質を落とす)、早寝早起きを実践している。平日は10時に寝て、5時起き。私の塩分摂取量がどの位かは不明。

⑤ 鄙里は緑がいっぱい。これは本人の努力とは全く無関係だが・・・。恵まれた環境に暮らしている。

長生きするためにストイックな生活を自分に強いる必要もないだろう。それで寿命を5年伸ばしたとしても、人生の質(人生の質とは何か、その考え方、捉え方は人それぞれだろうが)を落としては意味がない。ただし健康な状態を保つこと(このことは人生の質に大いにい関係する)を心掛けることは必要。だとすれば、やはり少し自分に無理を強いることも必要かな。と、まあ、思いはまとまらないわけで・・・。

自分に無理を強いることなく自然体で暮らすということかな・・・。


 


498 塩尻市広丘高出の火の見櫓

2014-08-04 | A 火の見櫓っておもしろい


498

 塩尻市は広丘高出、渋沢公会所の前に立っている火の見櫓。 3角形の櫓に6角形の屋根と見張り台。中信地方にオーソドックスなタイプ。

集落内の主要道路のT字路に立っている。消防団が駆け付けやすい立地。

屋根のてっぺんに細い矢羽。蕨手はフック形で、くるりんと巻いてはいない。屋根下に半鐘は無く、モーターサイレンが設置してある。見張り台の手すりに控えめなハート形の飾りがある。

櫓の6段のブレースのうち、4段はリング式ターンバックル付きの丸鋼のブレースで残り2段は等辺山形鋼(アングル)のブレース。2種類混在は珍しい。

送電鉄塔を思わせる脚部のデザイン。消防信号板と銘板が付いている。








銘板によって竣工が昭和32年5月だと分かる。 もう60年近く、地域の人たちの日々の暮らしを見守ってきたことになる。


□ 前稿の片丘の火の見櫓(527)と本稿の火の見櫓(528)は南信在住のヤグラー・某タヌキさんのブログで情報を得ました。


497 塩尻市片丘の火の見櫓

2014-08-03 | A 火の見櫓っておもしろい


497 火の見櫓のある風景 撮影日 140803 塩尻市片丘、宮北集会所の敷地に立つ火の見櫓

松本平を一望するなだらかな斜面に立っている。この立地故、背が低い。




背の低い櫓ではあるが、柱材はなだらかなカーブを描き、末広がりになっている。構成部材の接合にはリベットもボルトも使っておらず、全て溶接している。きちんと観察しなかったが、ブレース材とリングも溶接されているようだ。以前、朝日村でもこれと同様に、全て溶接の火の見櫓を見た。


 


496 安曇野市豊科の火の見櫓

2014-08-02 | A 火の見櫓っておもしろい


496 安曇野市豊科高家(たきべ) 中曽根地区公民館の敷地







■ 長野道で松本から長野に向かう途中、県立こども病院の手前に見える火の見櫓。近くで見るのは初めて。

3角形の櫓に円い屋根と見張り台。脚部のアーチ部材が途中までしかない。安曇野ではよく見かけるタイプ。「火の用心」の看板を付けた火の見櫓も見かける。

屋根が変形しているが、補強下地が十分でないのかもしれない。全形写真を見ると櫓の上部が少し変形しているのが分かる。

銘板がないのではっきりしないが、昭和30年代前半の建設か。


 


ブックレビュー 1407

2014-08-02 | A ブックレビュー

7月、読んだ本はこの4冊。小説は読まなかった。



『パンの耳の丸かじり』東海林さだお/文春文庫

微妙な食感や、食べ物を前にした時のこころの動き、食べる時のしぐさ・・・、何とも表現し難い内容を実に上手く表現しているから、「そう、そう」と頷きながら読むことになる。読んで楽しい本。




『日本型モノづくりの敗北』湯之上隆/文春新書

「日本の技術力は世界一」、この技術力とは高品質の製品をつくることでしかなかった。産業界は高品質の製品ではなく、低コストの製品を求めていた・・・。

今までより1センチ薄くしたテレビなどという技術者の自己満足的な製品を消費者は求めてはいない。




『人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学』 釘原直樹/中公新書

綱引きで「全力」を出さないのはなぜ? 多様な実験から明らかにされるいろんな社会的手抜きの心理。




『モンシロチョウ キャベツ畑の動物行動学』小原嘉明/中公新書

モンシロチョウの婚活の実態が次々明らかにされていく。この過程が実に興味深い。

ヒトとモンシロチョウとでは可視領域が違っていて、モンシロチョウはヒトには見ることができない紫外線域も見ることができるということ(本書では紫外色とよんでいる)。そしてモンシロチョウの雌と雄で翅の紫外線の反射率が違っていて、全く違う色に見えているから簡単に見分けがつくということ。その違いは鱗粉の微細な構造の違いによること。

婚活には個体差があるということ。熱心に雌を長時間探しまわる雄、ちゃらんぽらんな雄。

昆虫の世界ってすごい。


 


好きなカフェ

2014-08-02 | A あれこれ



夏のフォトアルバム カフェ バロ  撮影日140801

ときどき出かけるカフェがいくつかある。ここもそのうちのひとつ。マトカは手編みのセーターの着心地の良さに通じる居心地の良さが魅力のカフェだが、バロはそれとは対照的。

以前、外観の印象を木造ミースと書いたことがあるが(過去ログ)、緻密に練り上げられた設計で出来ている端正な空間が魅力のカフェだ。

入り口のドアをあけると目に入るこのシーン。

大きな開口部の先に丁字桜の緑のスクリーン。夏はテラス席でのんびり読書もいい。広がる緑で時々目を休めながら・・・。カウンター席で多趣味な常連さんと語らうもの楽しい。