透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

1155 北杜市高根町長沢の火の見櫓

2019-04-16 | A 火の見櫓っておもしろい


1155 北杜市高根町長沢 長沢公民館 4脚44型倉庫またぎ 撮影日190413

■ 北杜市の火の見櫓巡りは今回が初めてではない。運転しながら目に入る前方のどんな情報で例えば交差点を直進、右折、左折の判断しているのか自分でもよく分からないが、前回と同じ道路を走行することがあり、18基の内、既に観ている火の見櫓が6基あった。

13日の北杜市の火の見櫓巡りで12基目は、まず選ばないだろうという道路を敢えて進んで出合った。右に曲がろうと思った交差点を左に曲がるなどして長沢地区まで行った。



火の見櫓の立っている敷地より高いところに生活道路があり、そこから俯瞰的に見ることができた。消防倉庫の屋根・外壁ぎりぎりにH形鋼のフレームを組んで、その上に火の見櫓を建てている様子が分かる。前稿の箕輪新町の火の見櫓もこのような方法が採られているのだろう。このような火の見櫓を見るたびに「なぜ?」と思う。なぜわざわざこんなことをしたのだろう、火の見櫓を建てる敷地はそれ程広くなくてよいから、近くに見つかるだろうに・・・。



見張り台とほぼ同じ高さから観察することができた。以前同じ北杜市内でやはり俯瞰的に観ることができた火の見櫓があった(*1)。



上フランジと火の見櫓の柱脚を接合している。接合部をもっとアップで撮れば接合部の詳細が分かったのに・・・。まだまだうっかりミスを時々する。チェックポイントを意識して、時間をかけて細部までじっくり観察しなくては(反省)。

H形鋼のフレームと倉庫のスラブ・外壁とはクリアランスが確保されていて、接していない。スラブの端を貫通させている火の見櫓もあるが、どのような判断に基づく違いだろう。



*1 北杜市内で以前観た火の見櫓 このような俯瞰場があるのはまれだ。


 

 


1154 北杜市高根町箕輪の火の見櫓

2019-04-15 | A 火の見櫓っておもしろい


1154 北杜市高根町箕輪新町 4脚4〇倉庫またぎ 撮影日190413

 やはり人は美しいものと珍しいものに惹かれるようだ。久しぶりに倉庫またぎ櫓と出合って、「あ!」と思わず声が出た。







見張り台の手すりの飾りはよく見かけるデザイン。屋根が一部欠損しているのが気になる。踊り場までは梯子の勾配が緩やかで手すりが設置してあるから昇り降りしやすそうだ。倉庫のコンクリートスラブの先をH形鋼の柱が貫通している。もう少し様子が分からないかな、と別の場所に移動した。



裏側に廻ってみて、梯子を掛けてあることが分かった。もう少し上方から見ないと火の見櫓の柱下端と陸屋根上の梁(H形鋼)の接合部の様子が見えない。



裏側から見た火の見櫓全形。まわりがごちゃごちゃしていなければ好いのだけれど、通りから見えない裏側だからな・・・。右後方に甲斐駒ヶ岳が見えている。

見る方向によって立地の印象が全く違う。一箇所だけでなく、複数の場所に立って観察しないといけないなぁ。


 


1153 北杜市高根町村山北割の火の見櫓

2019-04-15 | A 火の見櫓っておもしろい


1153 北杜市高根町村山北割 光村寺の近く 4脚44型 撮影日190413

 

■ ここまで北杜市の火の見櫓を何基も見たが、総じて形が整っている。また維持管理もきちんとなされているようで、錆びているものはほとんど見かけなかった。手入れが行き届いているかどうか、各自治体の対応の違いがここに見て取れる。



この火の見櫓の屋根の4隅も蕨手ではなく、別の意匠が施されている。見張り台は大きく面取りされていて、その角に方杖を突いている。細部をきちんと観察すれば見張り台の持ち出し部分の取り付け方が分かるだろう。次回はじっくり観察したい。



簡易な踊り場があり、そこまでは外付け梯子で昇り降りするようになっている。半鐘が吊り下げてあるから、見張り台まで昇り降りすることを思うと、打鐘は容易。団員にはありがたい配慮だ。





 


― 北杜市高根町村山北割の火の見櫓

2019-04-15 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)北杜市高根町村山北割 高根総合支所 4脚8〇〇型 撮影日190413

 背の高い火の見櫓。飴細工のようにぐ~っと上方へ引っ張って伸ばしたのではないか、そんな印象のプロポーションだ。踊り場の手すりに消火ホースを掛ける金物を取り付けてある。このことから、手すりまでの高さが地上から10m以上あることが分かる(20mの消火ホースの真ん中を金物に掛けるので)。総高は20m近くあるだろう。



屋根もまた、少し上方へ引っ張って伸ばしたかのような形だ。



4角形の櫓と8角形の屋根をどのように納めているか、よく分かる。4角形と8角形は角が重なるからきちんと無理なく納まる。



踊り場の手すりには見張り台のような飾りをつけていない。意匠の統一性という観点からは、両者同じ方が好い。




この辺りは桜が見ごろだった。


 過去ログ


― 北杜市高根町五町田の火の見櫓

2019-04-14 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)北杜市高根町五町田 長坂ICの近く 4脚44型 撮影日190413

■ 火の見櫓の全形を写した2枚の写真、上は電線が邪魔だ。下は電線が入っておらず、スッキリしている。他に何が違うか。上の写真には脚が写っているが、下は写っていない。全形の説明的な写真であれば、下より上が良い。このようなことを踏まえた上で1枚を選ぶとすると・・・、下かな。



横着をして遠くから撮ることもある。この写真の場合、余計なものが写りすぎている。時に余計なものがおもしろい構造をつくったりもするが、本当に必要なものだけを写す方が好きだな。



 


1150 北杜市大泉町西井出の火の見櫓

2019-04-14 | A 火の見櫓っておもしろい




1150 北杜市大泉町西井出 八嶽神社の近く 4脚4〇〇型 撮影190413

全形を同じ方向から撮影する場合でも立ち位置を少し変えるだけで随分周りの印象が違うことがこの2枚の写真で分かる。





屋根や見張り台もやはり同じ見上げるアングルでも見え方が違う。撮影意図、目的を的確に写すように心掛けたい。屋根や見張り台の構造を説明的に写すのなら、下の方がそれにふさわしい。

*****



踊り場の床にもハッチがついている。まあ、ここにも半鐘が下げてあるから、第二の見張り台ともいえるが。



脚部の右側だけが他とは違うつくりになっている。右側を正面と捉えていたのなら、周辺の状況からしてよく分からない判断だ。この写真の手前側が正面でよいと思うが・・・。



 


― 北杜市大泉町西井出の火の見櫓

2019-04-14 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)北杜市大泉町西井出 4脚8〇型 富士山と火の見櫓による末広がり共演 撮影日190413




 別の方向からだと背景に甲斐駒ヶ岳が入る。富士山を背景に入れた写真を撮っただけで満足していたら、この写真は撮らなかった。やはりじっくり時間をかけて観ないといけない(自戒を込めて)。



美形な火の見櫓、立ち位置を変えると甲斐駒ヶ岳や富士山をバックに納めることができるが、これは平凡なアングル。



屋根の軒先の勾配はゼロに近い。軒先に蕨手が無いがもしあれば、雪止め効果が出て落雪しにくくなるかもしれない。



屋根を下から見る。4角形の櫓で8角形の屋根を受ける、なるほどな納め方。



今まで観てきた北杜市の火の見櫓は維持管理が良好で、ピカピカだったから、この火の見櫓のように少し錆びているだけで気になる。



 


― 北杜市大泉町谷戸の火の見櫓

2019-04-14 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)北杜市大泉町谷戸 4脚6〇型 1962年(昭和37年)竣工

■ この火の見櫓は以前観ていて(過去ログ)、今回が2回目の観察。



4角形の櫓、4本の柱と6角形の屋根を納めている。4角形と6角形の組み合わせでは角どうしが重ならないから納めるのが大変だが、これは上手く処理している。



倉庫を跨がせているために、櫓が太い。そのために踊り場が大きい。



櫓側面の脚部と梯子。上掲の踊り場にはこのような梯子を登っていく。




 


1149 北杜市長坂町白井沢の火の見櫓

2019-04-14 | A 火の見櫓っておもしろい


1149 北杜市長坂町白井沢 4脚44型 撮影日190413

■ 桜が咲いていると思って出かけたが、この辺りは標高が高く、気温が低いために未だ開花していなかった。となると手前の桜が邪魔となるのだから勝手なものだ。



屋根も見張り台もピカピカ!  見張り台に面取りはなく、カチッとしたデザイン。



別の方向から見張り台を見る。



床面が少ない踊り場、こういう構成って危なくないのかな、と気になる。



脚は同町上の原の火の見櫓とよく似ている。脚部のトラスって色々あるけれど、構造的にはどのように構成するのが良いのだろうか、構成によって、有利・不利があると思うのだが、どうだろう・・・。




 


1148 北杜市長坂町上の原の火の見櫓

2019-04-14 | A 火の見櫓っておもしろい

■ 昨日(13日)山梨県北杜市まで出かけて同市に立っている火の見櫓を何基か観てきた。天気が良くて、絶好の火の見櫓巡り日和(なんてあるのかな)だった。火の見櫓巡りは楽しい。   

走行距離:182km

これから、順次18基の火の見櫓を載せていく。


1148 山梨県北杜市長坂町上の原 4脚44型 撮影日190413 

背景の八ヶ岳、火の見櫓の屋根の左のたおやかなピークは編笠山か? 左後方の尖ったピークの山は権現岳? 




維持管理が行き届き、ピカピカの火の見櫓。観ていて気持ちが良い。フォルムは整っている。外付け梯子を掛けた櫓の中間から下部はなだらかなカーブを描いて末広がりになっている。櫓の上部は逓減せず、屋根下までまっすぐ伸びている。



軒先の蕨手ではない飾りの名称が未だに分からない・・・。建築用語にあるはずだけどなぁ。



4隅を大きく面取りした見張り台を見上げる。ハートを上下逆にしたような蔓状の飾りは時々目にするオーソドックスなタイプ。 見張り台はキッチリしたつくり。



踊り場 床面に3本の方杖を突いている。手すりを付けた登り口。ブレースを設置することができないので山形鋼の方杖で補強している。




 


「砂の器」

2019-04-13 | E 週末には映画を観よう



■ 映画「砂の器」をレンタルDVDで観た。007シリーズ全24作品をすべて観終え、次はまずこの作品(1974年(昭和49年)公開)を観ようと思っていた。

『砂の器』/松本清張は中学生の時に読んだが、この推理小説が読書好きになるきっかけになった。

決して知られたくない過去を知る人物、会ってはならない人物との再会がもたらす悲劇を扱った作品。ちなみに『ゼロの焦点』も同じモチーフ。

映画では「東北弁とカメダ」という事件のカギを追うベテラン刑事の今西を丹波哲郎が演じ、今西と事件を追う若手刑事の吉村を森田健作が演じている。殺人をしてまで自分の過去を隠し続けようとした主人公の作曲家・ピアニスト、和賀英良を加藤 剛が演じ、和賀の過去を知る元駐在所の警察官は尾形 拳。過去ログ

逃れようにも決して逃れることのできない親と子の「宿命」が映画のテーマ。映画の後半では和賀作曲のピアノ協奏曲「宿命」の初演がハンセン病(映画ではらい病と呼称している)を発症した父(加藤 嘉)と子が村を離れて放浪の旅を続けるシーンに効果的に重なる。この放浪の旅のシーンに昨晩(12日)も涙した。ここにさらに今西刑事が事件の全容を語る捜査会議のシーンも重なる。優れた演出だ。

「砂の器」はいつかもう一度観たい作品だ。


 


「オリンピックと東京改造」

2019-04-12 | A 読書日記



■ 昨日(11日)の朝カフェ読書で読み始めた『オリンピックと東京改造 交通インフラから読み解く』川辺謙一/光文社新書

本書の内容についてカバー(光文社新書のカバーデザインはとても好い)折り返しに**1964年の東京五輪に向けて進められたインフラ整備は、「都市改造」や「交通革命」とも呼べるほど大規模なものだった。五輪の大会経費(約295億円)の約32倍にあたる約9579億円が「五輪関連事業」としてインフラ整備に投じられた。(中略)インフラ整備を進める口実として、五輪が「利用」されたのだ。**というはじめにの文章が載っている。

では、来年2020年の東京オリンピックはどうだろう、気になって本書を買い求めた。


この週末も忙しい。暇を持て余すようでは困るが・・・。