今日も昨日と同じ「ダイヤビル」での稽古。
昨日に続き、振り付けの河岡先生が熱心な指導をしてくれる。
それと、一番大好きな先生、ボイストレーナーの石崎知穂先生。
先生の言葉は、いつも心に入り込んでくる。
そして、先生は僕らの心の中まで全て読んでいる。
先生の言葉は何だかいつも、その気にさせられてしまう。
例えば、唄の終わりがきちんと出来ていない時の心理状態の分析。
『誰かが唄ってるから、一人ぐらい良いや・・・・って思ってない?』
実際、そう指摘されて個々が意識すると見違えるように唄が変わる。
前日の稽古で、唄を見てもらった。
目の前に壁があるので反響して声が大きく聞こえるので、
いつもに比べて少しだけ声量を落とした。ほんの少しだけ・・・
でも、この先生には、ばれちゃうんだな・・・
『もっと、出ますよね?』って、やんわりと手抜きを指摘される。
しかし、どうして手抜きや心の状態まで、全て判ってしまうのか?
プロのボイストレーナーって、みんなこうなのだろうか?
今日も稽古で、先生に唄を聴いてもらった。
上手く唄おう、格好よく唄って見せよう、ミスの無いようにしよう・・・
こんな意識がどこかにあって、唄ったんだけどそれも見透かされる。
上手く唄おうとしているから、何処か身体に力が入る。
格好よく見せようとするから、顔が何処か引きつる。
ミスが無いようにとするから、身体がリラックスしない。
そして、そういう事全てを先生に見透かされ、指摘される。
『あなたは笑顔が売りなんだから、笑顔で唄わなくちゃ』
考えてみれば、確かにその通り。
笑っていない顔で、優しく唄っても優しさは伝わらないよな・・・
昨日も書いたけど、隣に居るパートナーに伝わらないメッセージを
どうやってお客さんに伝えるの?・・・・
という先生の言葉が、また頭に浮かぶ。
そこで、先生のアドバイス。
『周りが全部アウェイでも、あなたたちが纏まっていれば、お客さんには伝わる』
何だか、この言葉に勇気付けられる。
まるで、魔法にかかったように、その気になってしまうから不思議・・・。
そして、いつも最後に言われるのは、
『皆、自分の生活のなかで、多かれ少なかれ問題を抱えているはずだけど
それでも、お芝居を一生懸命やって、頑張っている所を見せて、
お客さんへ、その元気を分けてあげるのが、この劇団の存在価値』
この言葉を聞くと、いつもジーンと来るんだよな・・・・。
これもきっと魔法に違いない・・・
この先生に指導を受けたら、皆上手くなるんだろうな・・・・って、思う。
音楽学校で魔法にかけられて、先生の授業を受けている人が、
本当にうらやましく思うのです。
何だか、自宅で水晶玉でも使って、生徒や我々の行動を
いつもこっそり、見ているんじゃないかって思う。
はっきり言って石崎先生、多分・・・・『魔女』だわ・・・・