今度の公演で感じたことの一つに、舞台裏のスタッフに女性が多いなぁ・・・
って思ったこと。
音楽の大塚先生、歌唱指導の石崎先生に始まって、
美術担当の松生さん、衣装担当の小林さんなど、半分以上が女性。
まぁ、劇団も7割がオバサンだから、女性の感性のほうが合うのかもね。
(オバサンが女性の感性を持っているかは別です)
でも、僕が感じたのはいわゆる裏方の女性の多いこと。
舞台監督は去年まで酒井さんと言う男性がやっていた。
今年は松浦さんと言う女性が担当して、通し稽古からずっと一緒にやってきた。
それと本番では、舞台の出入り口を出演者の出入りに合わせて開けたり、
舞台上の小道具を出し入れしたり、配置を替えたりする係も女性だった。
元々この二つの仕事は、出演者に転じた『平野清太郎』さん
がやっていた役を今は女性が仕切っている。
驚いたのは照明スタッフ。
塚本先生のところのお弟子さんなんだろうけれど、5人中4人が女性。
僕が舞台の仕事をしていた時代は、照明スタッフに女性なんて滅多に居なかった。
武道館等の大きな場所で仕事をする時など、専用の劇場と違って
太い電源ケーブルを3階あたりまで担いで上げたり、力仕事が多かったし、
照明の当たりの調整なんて屋根裏に上ってやるから
女性には厳しい仕事で、やり手が殆ど居なかった。
一番の理由は多分、親方と弟子の世界だったからじゃないかな?
昔の言い方では弟子ではなく兵隊と言われたくらい上下関係が厳しく、
怒鳴られながらの仕事は当たり前だったし、僕なんか最初の頃はミスをして
「金やらねえから、帰れ」っていわれた事もあった。
そこでオメオメと帰ると、二度と仕事に在りつけなかったし・・・・
そんな世界だから、一昔前の女性には辛かったんだろうな。
『男女雇用均等法』とか『男女平等参画』なんてものが無くて
まだ世の中が、女性は男性の下で働くものっていう風潮もあったしね。
時代が変わって、女性が躍進して来た代わりに、頼りない男が増えて
「草食系」なる種まで現れちゃったんだもんなぁ・・・
今の舞台は機械式のものが多いし、仕込みの様子を見ていても手際がよく
事前に十分な打ち合わせもしているのか、大声で怒鳴るシーンは見られない。
仕事の進め方も昔と違って、効率よくやるようになったのだろう。
それ以上に、今の女性は根性があるんだろうな・・・・
たとえ怒鳴られても、歯を食いしばってやっているような感じがする。
何処かの会社の若い男で、怒鳴られると帰宅してしまうような
甘ちょろい感覚の人間は、そもそも舞台の仕事では生きて行けないし・・・・
今や僕もその口で、サラリーマンほど楽な仕事は無いって思ってる。
こんな世界で身を立てようと思う女性は、世間一般の女性のような
「結婚」とか「家庭」等には価値観を持っておらず、自立した人間として
男と分け隔てなくやってゆく事に生きがいを感じてるのかもね?
なんだか、そういう女性たちを見ると嬉しくなる反面、
根性の要る仕事からどんどん男が居なくなるような気もした。
でもね・・・・実はサラリーマンだって、根性のある奴と無い奴とでは
出てくる結果も、周りの評価も違うんだよね。
要は、嫌われがちな『根性論』は何処の世界でも在るんだって思うよ。