映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「嗤う分身」 ジェシー・アイゼンバーグ&ミア・ワシコウスカ

2015-07-18 05:13:06 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「嗤う分身」は2014年のドストエフスキー原作を現代に当てはめた作品だ。


いつの間にか公開されていたようだけど、まったく知らなかった。大好きなミア・ワシコウスカちゃんが出演しているようだ。ジャケットの写真はかわいいので気になる。共演は映画「ソーシャル・ネットワーク」で圧倒的な早口言葉であっと言わせたジェシー・アイゼンバーグだという。これはDVD借りてみたくなる。ただし、映画の内容はちょっと変な感じ。存在感の薄い男の職場に、突如として顔が同じで性格が反対の男が現れて翻弄されるという話である。


解説に近未来とあるけど、雰囲気がいかにも60~70年代の欧州といった感じで少しレトロ、アキ・カウリマスキ監督の映画の背景に似た感じだ。そこに突如として坂本九やブル―コメッツの歌が流れる。これはなんじゃ?!

内気で要領が悪く、存在感の薄い男サイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)。会社の上司にも同僚にもバカにされ、サエない毎日を送っている。コピー係のハナ(ミア・ワシコウスカ)に恋をしているが、まともに話しかけることもできない。

そんなある日、期待の新人ジェームズが入社してくる。驚くべきことに彼は、サイモンと全く同じ容姿を持つ男だった。何一つサエないサイモンに対し、要領がよくモテ男のジェームズ。容姿は同じでも性格は正反対の2人。サイモンは次第にジェームズのペースに翻弄され、やがて思いもよらぬ事態へと飲み込まれていく・・・。(作品情報より)

暗い!!
昼間の映像を映し出していないというより自然光が入っていない。いきなり地下鉄のシーンも出てくるが野外ではない。
OA機器やCPUも一時代前の設定であるが、近未来と考えてもおかしくない場面もある。監督が意識的に時代をある場所に設定していない感じだ。


そこにジェシー・アイゼンバーグが登場するが、会社の人間に無視されてかわいそう。これじゃむしろイジメだ。ミア・ワシコウスカが唯一安らぐ存在になっているだけだ。こういうヒーリングムードの役柄はうまい。そんなうちに突然主人公と同じ顔をした別人が現れるのだ。てきぱきしていて、会社の同僚も一目置く。でもこの男が同じ顔をした人間が2人いることで悪だくみを考えるのだ。


1.60年代の日本のポップス
監督のインタビューによると、1948年から1971年までアメリカで一世を風靡した「エドサリバンショー」坂本九やジャッキー吉川とブル―コメッツが出演していてそれで知ったという。もちろん若い監督はリアルで見たわけでなくソフトで見たのであろうが、こういうファンっているんだよね。ちょっとビックリだ。この間「インヒアレント・ヴァイス」でも坂本九の「スキヤキ」が流れていて、これは日本人唯一の全米ヒットチャート一位の曲だけに不自然さは感じなかったけど、ブル―コメッツには驚いた。今聞くと昭和歌謡というジャンルに属すように言われるが、当時はバリバリのGSだった。長髪でないので紅白歌合戦に唯一出演していたなあ。

youtubeにその映像あり。英語の歌詞がちょっと不自然だけど一世一代の大舞台
司会のエドサリバンにいつもながらのふてくされたような司会で紹介されている。↓



2.ウォーレス・ショーン
冴えない男の上司役ででているのがウォーレスショーンだ。顔を見るとドキッとする。まだまだ健在だよね。my dinner with anndreという日本未公開の「死刑台のエレベーター」のルイマル監督による名作の主人公である。


ハーバード大やオックスフォード大で学んだインテリだけど、若ハゲで昔の顔はさえない。そのキャラそのままにmy dinner with anndreでアンドレグレゴリーといかにもインテリらしい対話をしているのが極めて印象的だ。「25年目の弦楽奏」にもでていたよね。若い時は冴えないけど、年をとった時の方がいいムードを醸し出す名脇役だ。


隣の住むミア・ワシコウスカを覗くシーンというのはヒッチコック「裏窓」に似た場面のようだし、レトロなムードとうらぶれたバンドに演奏させてるパターンはフィンランドのアキ・カウリマスキ監督の影響を強く感じさせる。数人の監督作品の強い影響も感じさせる。
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映画「インヒアレント・ヴァイス」 ポール・トーマス・アンダーソン&ホアキン・フェニックス

2015-07-11 22:02:50 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「インヒアレント・ヴァイス」を名画座で見てきました。
ポール・トーマス・アンダーソン監督作品は公開すぐいくべきだったが、多忙でいきそびれる。早稲田松竹でやってくれるのはたいへんありがたい。自分と同じように見そびれた連中がいるのであろう。平日なのに意外に入っている。


でも変な映画である。私立探偵の元に美女がある依頼をしてきて、探偵が不条理な陰謀に巻き込まれるというのはフイルムノワールの定跡である。「マルタの鷹」や「三つ数えろ」など1940年代から50年代に同じパターンはいくらでもある。そのルールを守りながらも、この映画何が何だかよくわからない。軽い解説がついているけど、この人味方なの?それとも敵?って見ている自分を惑わせる。ロス市警が絡んでくるので、いつもながら警察自体も正義の味方かどうかがよくわからない。

そんな感じで映画はどんどん進むが、70年代初頭のニクソン政権時代というのは厭戦ムードが残り、ヒッピーや反体制の人たちが暴れ回っていたときで、その時代背景を映像がとらえているので楽しめる。尾崎紀世彦ばりの濃いもみあげがトレードマークの主人公探偵に、訳のわからない人間を大勢からめて作者が遊んでいるようなタッチである。そのそも原作があるんだけど、有名な著者らしいが自分は知らない。

たぶん観客のみんなはいずれも「わかんねえなあ」と思いながら映画を見ていたのかもしれない。単純な1つの依頼だけでないからであろう。それでも誰も席をたたないのはアンダーソン監督「マグノイア」で突如カエルが天から降ってきたのと同じような意外性を期待したのであろう。さすがに最後に向けては手が込んでいた。


1971年、ロサンゼルスに住む私立探偵のドック(ホアキン・フェニックス)のもとに、ある日突然、かつて付き合っていたシャスタ(キャサリン・ウォーターストン)が現れる。 開口いちばん、「助けて、ドック」とシャスタ。不動産業界の顔役ミッキー・ウルフマン(エリック・ロバーツ)の愛人になったシャスタはドックに、カレの妻とその恋人が大富豪の拉致と監禁を企てていると訴え、その悪だくみを暴いてほしいと依頼する。


ドックにとってシャスタは、忘れられない女である。ドックは独自の調査を開始する。ドックは、ロサンゼルスの情報通リートおばさん(ジーニー・バーリン)に電話し、ミッキーの情報を得る。ドックは、ミッキーに会うべく、建設工事の進む新興住宅地に出向く。近くにマッサージ・パーラーがあり、ここにミッキーの用心棒のグレンがいるらしい。受付にはジェイド(ホン・チャウ)と名乗る若い女がいる。ジェイドが席を外す。ドックは店内を物色する。ところが突然ドックは何者かに殴られて気絶してしまう。気がついたときには、隣にグレンの死体が転がっている。


ビッグフット(ジョシュ・ブローリン)と呼ばれているロサンゼルス市警の警部補にドックは殺人容疑で取り調べを受ける。濡れ衣だ。仕事柄ドックはビッグフットと顔見知りである。ビッグフットから、ミッキーが行方不明と聞かされる。ドックの友人の弁護士ソンチョ(ベニチオ・デル・トロ)が、不起訴の申請にやってきて、証拠不十分でドックは釈放される。

ドックは、裏でつきあっている地方検事補のベニー(リース・ウィザースプーン)、ソンチョに、事件解明の協力を取り付け、独自の調査を進めていく。


ドックの調査が進むにつれて、麻薬組織の影が見えてくる。ロサンゼルス市警やFBIを巻き込んだ大きな陰謀も感じられるのであるが。。。


1.ポール・トーマス・アンダーソン監督
「ゼアウィルビーブラッド」の時は狂犬のようなダニエルデイルイスの演技が本当にすごいと思い、感動のあまり文章がまとまらずまだ感想が描けていない。「マスター」では新興宗教をひきいる故フィリップ・シーモア・ホフマンの演技もさることながら、映像表現が非常に美しいと感じた。今回その次の作品だが、そこまでの感動はなかった。登場人物も多すぎで、原作にある伏線を全部入れようとして失敗したという感じもする。らりっているような感覚はちょっと苦手だ。

2.ジョシュ・ブローリン
「LAギャングストーリー」でロス警察の敏腕刑事を演じた。それに引き続くものである。警察の捜査陣というのが実にキャラがよく合うし絶妙にうまい。ニックネームのビッグフットというのは玄関ドアを蹴って室内に入ってくるからつけられたあだ名という設定だ。事実映画の中でも蹴っ飛ばして入り込むシーンもある。日本料理屋で坂本九の「スキヤキ(上を向いて歩こう)」が流れた後に、ちょっとおかしな日本語をしゃべっていたのが印象的だが、何を言っているのか意味不明だった。


3.キャサリン・ウォーターストン
可憐な元恋人が出現する。美女が探偵に依頼するのはフィルムノワールの定跡通りだが、しばらくすると姿が見えなくなる。どうしたのかな?と思っていたら後半戦に向けて再登場だ。これがいい味出していた。スレンダーな体つきに形のいいバストを見せる。チラ見だけなのかと思ったら、長まわし。これが割と長くて、そのままホアキン・フェニックスと絡んで独りよがりのファックシーンを見せつける。キャサリン・ウォーターストンのヌードシーンがこの映画の一つのヤマだ。彼女の名前は初めて知ったような気がするけど、くたびれたようで全身からエロオーラを出していい感じだ。


4.冴えわたる音楽
バックに流れる音楽がよくなかったら、この映画の独特のムードは出し切れなかっただろう。ヒッピー系のじんぶつだけでなく自宅のプールでくつろぐようなブルジョアもふんだんに出演させるところもロスっぽい。70年代前半のヒットチャートものだけが次々流れるというわけでない。何せ「スキヤキ」まで流れてしまうのであるから。それなのにこの時代のロスが舞台とわかるような響きがある。。ニールヤングの歌が妙に映像にあっていた。胸にしみる。

(参考作品)
ザ・マスター
ポールトーマスアンダーソン監督が新興宗教教祖にスポットを与えた前作


ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
2000年代の世紀の大傑作。ダニエルデイルイスが凄い
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映画「マッドマックス 怒りのデスロード」 トム・ハーディ&シャーリーズ・セロン

2015-06-28 18:25:39 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「マッドマックス 怒りのデスロード」を映画館で見てきました。


メルギブソンによる最初の「マッドマックス」は大好きだ。広大な荒野を駆け抜ける車やバイクの疾走感がすばらしい。あの高揚感はなかなか得られるものではない。すばやい移動撮影の巧みさが顕著に出ている。この時代にここまでのレベルに達しているアクション映画はそんなにはない。この映画のおかげで一気にメルギブソンはスターになっていくのである。評判もよく、かなり期待して映画館に行ったが、アクションは凄いけど、正直わけがわからないというのが本音だ。

資源が底を突き荒廃した世界、愛する者も生きる望みも失い荒野をさまようマックス(トム・ハーディ)は、砂漠を牛耳る敵であるイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)の一団に捕らわれ、深い傷を負ってしまう。そんな彼の前に、ジョーの配下の女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)、全身白塗りの謎の男、そしてジョーと敵対関係にあるグループが出現。マックスは彼らと手を組み、強大なジョーの勢力に戦いを挑む。(作品情報より)

いきなり主人公が映される。そばに寄ってきたトカゲを食べてしまう。なんじゃこれは?と思ったら、追手が大量に追いかけてきて主人公がとらえられる。その後60年代のスぺクタル映画のような映像が出てきて、その後は訳もわからず闘争劇が始まる。解説がないのでどっちが敵でどっちが味方なのか?何が何だかわからない。


そもそもの「マッドマックス」一作目も近未来の設定ではあるが、実質的に現代劇である。それに対してこの映画はSF映画のような響きする持っている。主人公のトムハーディ「ダークナイトライジング」で演じた悪役と同様に顔にプロテクターをつけている。それ自体も怪物じみているが、白いドウランを塗ったような男たちや仮面の連中などいずれももっと気が狂ったような怪物にしか見えない。それが疾走する車どうしでやりあっている。


とっさにジョンフォード監督ジョンウェイン主演の名作中の名作「駅馬車」のインディアンとの対決シーンを連想した。あれも荒野の中を激走する駅馬車とそれを追うインディアンたちを映し出しているが、この映画も通じるところがある。ジョージミラー監督が少しは意識していると思う。
(1939年映画「駅馬車」 予告編 わずかだけ出る疾走シーンに着目↓)




あの映画では駅馬車に乗る9人の人生模様が語られていたが、ここではそういう背景がなく怪物同士でケンカしあうのでちょっと調子が狂う。でも駅馬車がもつ疾走感を、この映画のなかでは2時間にわたり続けていくのだけは凄い。


それにしても頭を丸刈りにして男じみた格闘を演じたシャーリーズ・セロンには脱帽としか言いようにない。
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映画「ブラックハット」 マイケルマン&クリス・ヘムズワース

2015-05-23 07:40:51 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ブラックハット」を映画館で見てきました。


夜のあやしいムードを基調にした「ヒート」「コラテラル」「マイアミバイス」といったマイケルマン監督作品は大好きだ。今回は香港が舞台になるという。エキゾティックな街を舞台にどう料理するのかが楽しみで足を運んだ。キャスト的には「ラストコーション」トニーレオンと大胆な絡みを見せたタンウェイが出演することに強く心を動かされた。


アメリカの捜査当局も加わり、ハッカーに近づいていく流れにはわかりづらい一面もあった。それでも、夜のネオンと猥雑な香港の街の相性は抜群で、その中での追跡劇はしびれる。マイケルマンがいつものように作り上げていく映像を単純に楽しむだけでも自分は満足であった。

ハッカーの遠隔操作により香港の原子力発電所がメルトダウン寸前になり、シカゴでは大豆の先物取引価格が高騰する事件が発生し、FBIと中国当局は合同捜査チームを発足した。アメリカと中国の合同捜査チームは解決の糸口を掴むことができずにいた。中国側の責任者チェン・ダーワイ(ワン・リーホン)の要求により、15年の刑に服している天才ハッカー、ニコラス・ハサウェイ(クリス・ヘムズワース)が釈放され、捜査チームに加入する。2人はマサチューセッツ工科大時代のルームメイトで、犯人はハサウェイが開発したソフトウェアをベースにした不正プログラムを使用していたのだ。

ニコラスは合同捜査チームの中国人女性パートナー(タン・ウェイ)とともに行動を開始する。ハサウェイはコードの配列に残された僅かな痕跡を辿り、犯人が想像を絶する壮大な計画を企てていることを突き止める。シカゴから香港と追跡劇が続くが。。。

天才ハッカーが別のハッカーと対決するなんて構図は非現実な設定には感じない。本当は罪人だけど、悪には悪とばかり対決する設定はよく聞く話だ。しかも中国警察当局とアメリカのFBIが協力しあうなんて構図は珍しい。ビンラディンが金融取引が好きでオプション取引に長けていて、事件を起こす前にコールオプションの売りやプットオプションの買いをかなり仕込んでいたと言われる。

今回も悪のチームの狙いは壮大な金儲けだ。そこには商品取引が介在している。儲かったら巨万の富が手に入る。でもそれだけじゃない愉快犯だ。


1.マイケルマン
それぞれのロケ地で、いつも銃撃戦を繰り広げさせる。「ヒート」でのマフィアのデニーロアルパチーノ率いる警察部隊の対決は実に迫力あるし、2人の人物像の表現もうまい傑作であった。その後も「コラテラル」「マイアミバイス」いずれも夜の撮影が中心で、ワクワクさせるものを感じさせてくれる。前作「パブリックエネミーズ」ではジョニーデップに稀代の極悪人を演じさせたけど、これもムチャクチャおもしろかった。そんな訳で非常に相性のいい監督である。でもアジアが舞台になるのは初めてじゃないかな?エキゾティックなムードに憧れていたのじゃないのかな?


2.夜の香港とジャカルタ
あれ?香港に原子力発電所なんてあったっけ?と思って家に帰って調べたら、シンセンにはあるが確かにない。単なるフィクションだ。本当にあったら笑い事じゃないよね。映画に映る原子力発電所の形もフランスの発電所によく似ている。それでも夜のムードを描くのが抜群にうまいマイケルマンは香港でやりたくて仕方なかったのであろう。猥雑な街を映すだけでなく、小型飛行機で香港の上空を何度も映す。啓徳空港がある頃はほんの数秒楽しめた光景で、これはしびれる映像だ。


シカゴと香港は映画界ではおなじみの風景であるが、マレーシア、ジャカルタというと少ない。経済発展を遂げていく都市なのでこれから露出度が高まるだろう。最後に向けてジャカルタの広場での追跡劇はなかなか面白い。賃金も安いのであろうか?大量にエキストラを雇ってお祭りを演出させ、その中で悪の親玉と主人公クリス・ヘムズワースそしてタンウェイを思いっきり動かす。周辺はいかにもエキゾティックな雰囲気を醸し出しているのでなかなかいい。

3.タンウェイ
「ラストコーション」ではトニーレオンとかなり大胆なからみをしていた。本当にやっているんじゃないだろうか?と思わせるすばらしい演技だった。ここでは主人公との絡みはあるが、それほどではない。マイケルマンの「マイアミバイス」では中国人の名優「コンリー」が同じようにヒロインを演じたが、東洋人の女優にかなり関心をもっているご様子だ。


2人の中国人捜査員は兄妹ということになっているが、もともとは恋人同士なんだろう。それをそう見せないで囚人ハッカーの主人公と交わる。でも兄??に事故が起きると泣き叫ぶ。余計なコメントはないけど、そのことで元恋人と感じさせる。
最後も観客に次の動きを予測させながら結末をはっきり言わない。そのあたりはうまい。

(参考作品)

マイアミ・バイス
マイアミの夜がエキサイティング


コラテラル
ロスの熱い夜


ラスト、コーション
タンウェイの艶演
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映画「イコライザー」 デンゼルワシントン

2015-04-17 05:53:02 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「イコライザー」は2014年公開のデンゼルワシントン主演映画だ。


元CIAのエージェントが寝た子を起こされて、派手に暴れまわるというパターンは実に多い。今回もその一つである。でも数多いそのパターンの中でも少し色合いが違うかもしれない。デンゼルワシントンが強すぎるのである。殺人機械と言ってもいいくらいだ。しかも、やる時はやるとばかりにコテンパンに相手をぶっ潰す。手加減が一切ない。これはすげえや。

昼はホームセンターで真面目に働くマッコール(デンゼル・ワシントン)。元CIAのトップエージェントであったが、現在は静かに暮らしている。眠ることができない彼は深夜、近所のカフェで読書をするのを日課としていた。ある夜、そこで娼婦のテリー(クロエ・グレース・モレッツ)と出逢う。


そして本に関する他愛のない会話を交わす内に、彼女がロシアン・マフィアに酷い仕打ちを受けていることを知る。人生に夢さえ抱けず、傷つけられるテリーを助けるため、夜、マッコールはもう一つの「仕事」を遂行する。それは人々を苦しめる悪人を葬り、どんなトラブルも完全抹消すること。しかし、この「仕事」がきっかけとなり、ロシアン・マフィアがマッコールを追い詰めて行くが……(作品情報引用)

ホームセンターで仕事をしながら、夜の読書を楽しむ姿からはいっさい変化は想像できない。


でもデンゼルワシントンの顔を見ると何かやりそうな気がしてくるんだよね。赤マル急上昇中のモレッツちゃんは「タクシードライバー」の娼婦役を連想させるような雰囲気、同情心なのかひかれていくデンゼルが相手に話をつけに行くと、そこで一気に必殺仕事人のような雰囲気になってしまうのだ。


ホームセンターで働くということがデンゼルワシントンの悪いものつぶしに関係あるとは思っていなかったが、途中から大ありとなる。
ドリルにハンマー、はたまたくぎ打ち機など工具を使いまくるのだ。これが凄い。より残酷に見えてしまう。ライバルのロシアンマフィアもまあ強い、強い!!顔も怖い。2人の接近を見ているとなんかぞくぞくする映画だった。



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映画「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」マイケルキートン

2015-04-15 18:02:44 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を映画館で見てきました。


何と言っても本年のアカデミー賞作品賞の映画を見逃すわけにはいかない。4月になって毎日のように宴席でくたくたになって映画どころではなかったけれど、体調整えてじっくり鑑賞した。初期の「バットマン」におけるマイケルキートンは好きで、迫真の演技が見れるという噂で今回は楽しみにしていた。脇を固めるエドワード・ノートンとエマストーンが期待通りに活躍し、監督とは何度もコンビを組んでいるナオミワッツもそれなりの存在感を見せる。

監督のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ「21グラム」「バベル」では時間軸を前後に揺さぶる手法をとっていたので、この映画もそうかと思っていたらちがっていた。黒澤明監督「生きる」の外国版の色彩をもつ「BIUTIFUL ビューティフル」もよかった。彼の映画には確かにハズレはない。ただ、この映画でひたすら感心したのが撮影である。当代きっての撮影監督エマニュエル・ルベツキの連続アカデミー賞受賞は当然というべき映像にうなってしまう。


かつて、ヒーロー映画「バードマン」で、大スターとなったリーガン(マイケル・キートン)は、いまや落ちぶれていた。ヒットした「バードマン」シリーズの第4作目の出演を断って以来、すでに20年が経過している。結婚はしたもののうまくいかず、離婚。一人娘のサム(エマ・ストーン)とは、うまくいっていない。サムは、薬物に手を出している様子である。


なんとか起死回生のカムバックをと、リーガンはブロードウェイの舞台に立とうと決心する。リーガンが愛読するレイモンド・カーヴァーの短編小説『愛について語るときに我々の語ること』を、リーガン自身が脚色、演出、主役までこなそうとする。

父娘の関係を修復しようと、リーガンは、サムを付け人にする。稽古をはじめて、すぐ問題が起こる。プレビュー公演を控えているのに、共演者の男性が大けがを負う。すぐに、代役を見つけなければならない。
舞台の共演者は、リーガンの現在の恋人ローラ(アンドレア・ライズブロー)、下積みが長く、やっとブロードウェイで初舞台となるレズリー(ナオミ・ワッツ)である。レズリーは代役としてレズリーの恋人である実力派舞台俳優のマイク(エドワード・ノートン)を連れてきた。芝居はうまく客の呼べる俳優だが、マイクはなにかと問題のある。それでも、舞台のプロデューサー、ジェイク(ザック・ガリフィナーキス)は、「マイクなら客は入る」と大賛成だ。


マイクは、リーガンの書いたセリフに、いちゃもんを付ける。リーガンはとりあえずマイクの提案を受け入れる。マイクは、サムにちょっかいを出す。さらに、ギャラをふっかけてくるので葛藤がうまれる。プレビュー公演にこぎつけたのに、とんでもない失態で、芝居を壊してしまう。
しかも、リーガンたちにタイムズの取材がくる。マイクは、リーガンが話したことを、さも自分が話したように、でっちあげる。リーガンは怒る。そのたびごとに、リーガンの前に「バードマン」が現れ、責め立てる幻聴に悩まされるのであるが。。。

マイケルキートン自らの人生に照らし合わせるかの如くのストーリー展開だ。まさにキャラクター「バードマン」が現れるし、影の声が聞こえまくる。でもしつこさは感じなかった。前半は緩慢な部分もあったが、エマストーンの長まわしセリフで目がパッチリしてあとはひたすら行け行けドンドンだ。

少しネタばれありで語る。

1.長まわしの映像
この映画の長まわしには驚く。ビートルズのアルバム「アビーロード」はB面の独立した数々の曲が連続して、切れまなく流れるかのようにつながっていく。見ながら連想したのはその鮮やかな流れだ。連続するだけでなく、1つ1つの場面カットにも時間をとる。セリフも長めだ。これをこなした主たる3人マイケル・キートンとエドワード・ノートンそしてエマストーンはお見事である。


印象的なシーンが2つある。まずはマイケルキートンとエドワードノートンの取っ組み合いのけんかのシーン。これはカットを挟まずに長めに続く。これってかなり難易度が高い。取っ組み合いをするだけでなく、セリフも続く。1テイクじゃできないでしょう。どのくらいの練習を積んだのか?は知りたい。

もう一つは舞台の切れ間にタバコを一服吸おうと外に出たマイケルキートンが扉がしまって中に入れなくなり、外を彷徨うシーン。これも凄い。ふと気がつくとブロードウェイの街並みを歩いていて、タイムズスクウェア前のメイン通りに出てしまう。その時はパンツ一丁の裸だ。しばらく外を彷徨い、リーガンじゃないかとみんなに騒がれながら、再度劇場に戻り、客席側からはいって演技を続けるシーンが実におもしろい!!

2.ドラムスの響き
バックでジャズ調のドラムスがずっと流れている。これが効果的に響く。ある意味精神が錯乱している状態が続く主人公リーガンの心の不安定さを示している。メキシコのドラマーであるアントニオ・サンチェスによるドラムスが抜群にいい。でもそれだけではない。途中、マーラーやチャイコフスキーの交響曲や自分が好きなラフマニノフの曲もかかる。音楽は映像のイメージを強化させる役割をもつ。常に不安に付きまとわれているリーガンの心の動きを増長させる。これもお見事だ。


3.撮影のすばらしさ
撮影監督のエマニュエル・ルベツキはこれまでも自分のブログで絶賛してきた。「ゼログラビティ」もいいけど、ビックリしたのはベンアフレック主演「トゥザワンダー」の構図の美しさだ。そこでは今回とは真逆のカット割りの多い映像であった。今回は手持ちカメラなのであろうか?ひたすら登場人物を追いかける。全編ワンカットという宣伝文句は多少言いすぎの気もするが、この映像どうやって撮ったんだろうという場面が数多くあった。やっぱり一流の人というのは何でもできるんだなあと改めて感じる。

(参考作品)
バットマン/バットマン リターンズ
マイケルキートン&ティムバートンの名コンビ


21グラム
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの出世作、ナオミワッツのしなやかなボディが印象的


トゥ・ザ・ワンダー
エマニュエル・ルベツキ撮影の映像美を楽しむ


愛について語るときに我々の語ること
村上春樹のこなれた訳を楽しむ
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映画「イミテーションゲーム エニグマと天才数学者の秘密」ベネディクト・カンバーバッチ

2015-03-15 21:23:24 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「イミテーションゲーム エニグマと天才数学者の秘密」を映画館で見てきました。久々のコメントです(忙しい!!)


以前ケイト・ウィンスレットが主演した「エニグマ」を見たことがあった。ドイツ軍の暗号解読という題材で、非常に面白い映画だった。てっきりリメイクの色彩が強いのかと思っていたが、まったく違っていた。個人的にはラッセルクロウ「ビューティフルマインド」のような天才科学者が1人もがくという題材の映画は大好きで、この映画もよかった。ドイツ軍の暗号を暴きだそうとする流れを語るというよりも1人の奇人をクローズアップした映画と言えよう。

1939年、イギリスがヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が開幕。 天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は、英国政府の機密作戦に参加し、ドイツ軍の誇る暗号エニグマ解読に挑むことになる。暗号のパターン数は、10人の人間が1日24時間働き続けても、全組合せを調べ終わるまでに2000万年かかるというのだ。

暗号解読のために集められたのは、チェスの英国チャンピオンや言語学者など6人の天才たち。MI6のもと、チームは暗号文を分析するがチューリングは一人勝手に奇妙なマシンを作り始める。子供の頃からずっと周囲から孤立してきたチューリングは、共同作業など、はなからするつもりもない。 両者の溝が深まっていく中、チューリングを救ったのは、クロスワードパズルの天才ジョーン(キーラ・ナイトレイ)だった。


彼女はチューリングの心の扉を開いていく。そして初めて仲間と心が通い合ったチューリングは、遂にエニグマを解読する。しかし、ドイツ軍にそのことが知られたら暗号の設定を変えられ、苦労が水の泡になってしまう。
解読した暗号を利用した極秘作戦が計画されるが、それはチューリングの人生はもちろん、仲間との絆さえも危険にさらすものだったのだ。さらに自分に向けられるスパイ疑惑。そしてチューリングが心の奥に隠し続け、ジョーンにすら明かせなかった、もう一つの大きな悲しい秘密があった。(作品情報引用)


完全なネタばれではないが、ちょっと核心に触れてみる。

いきなり英国軍の将校と天才数学者と言われるアラン・チューリングが面接する場面が出てくる。かみ合わない会話をしていて、ドイツ語を知らないというアランを不合格にしようとしたときにアランが「エニグマ」という言葉を発して将校が眼の色を変える。そして採用するのだ。

1.天才アラン・チューリング
ノーベル経済学賞のナッシュを題材にした「ビューティフルマインド」でも主人公のナッシュは統合失調症的幻聴や妄想に悩まされていた。ここでの主人公はそうではないが、最終的に英国の同性愛を罰する法のために男性ホルモンを注入され心のバランスを失い自殺しまう。でもこういう天才っているよなあ。


自分の知っている限りではこの手の天才はバランスを崩して早死にするケースが非常に多い。アラン・チューリングも41歳で死んでしまうのだ。自分の友人でも同じような奴がいた。天才は努力の積み重ねで生まれるとも言われるが、生まれながらに本当にすごい天才っていると思う。頭の良し悪しは関係ないという人は、そういう人にあって屈辱感を感じたことのない人だろう。圧倒されて自分の脳力に自信をなくすこともあるが、この映画の主人公同様奇行が目立つので逆にホッとする。

この映画のテーマは天才の奇行それに尽きる。

2.暗号解読
アランがその昔のコンピューターじみた機械を使って解読しようとするが、なかなかうまくいかない。内務省からは予算の遣いすぎを指摘され、どうにもやりきれない。それでもこれしかないと、元々は仲のよくなかった仲間たちがアランを弁護する。そして、ドイツ軍の通信を傍受する女性が言った言葉を聞き、アランが「エニグマ」を解読する糸口を偶然発見する。なかなかしびれる場面だ。科学者の「わかった!!」と悟りを得る瞬間っていいよね。「インターステラー」でもジェシカチャスティンが「ユーリカ」と叫ぶ場面が一番好きだった。


3.二重スパイ
アランチューリング自体が二重スパイの疑いをかけられるが、元々まったくその気はない。精鋭メンバーの中にある国のスパイがいるのだ。それをアランが理解して直接本人に言うと、もしばらすならお前の秘密をばらすぞと言われる。アランの秘密は当時の英国ではたいへんな話だった。しかし、ある国のスパイというのは知っていて、上司も採用したというのがわかった。あえてニセの情報を本国に報告させるように情報操作をしていたのだというのだ。なるほど、そういう高度な駆け引きで動いているんだなあ。「特定秘密保護法」に自分の嫌いなA新聞をはじめとして妙に反対する人いるけど、秘密って大事だよね。

(参考作品)
エニグマ アラン・チューリング伝 上
本でアランチューリングを追ってみる。


暗号解読
暗号解読にかんしてのムチャクチャ面白いサイモンシンの傑作


エニグマ
天才よりケイト・ウィンスレットがクローズアップ、でもいい映画


ビューティフル・マインド ]
暗号解読に挑む数学者を描いたアカデミー賞作品
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映画「シェフ~三ツ星フードトラック始めました(CHEF)」 ジョン・ファヴロー

2015-03-04 19:50:08 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「シェフ~三ツ星フードトラック始めました」を映画館で見てきました。


ジワジワ元気が出るグルメ映画であった。映画「アイアンマン」の監督ジョン・ファヴローが自ら監督・脚本・主演をつとめる。料理評論家に酷評され大ゲンカをしたシェフがSNSでいじめられた後、キューバサンドイッチをフードトラックで作りながら再生をはかるというストーリーだ。いきなりかかる音楽がごきげんで、そのあと2時間近く快適な気分でいれた。ロバート・ダウニー・Jr、ダスティン・ホフマン、スカーレット・ヨハンソンら超一流キャストが出演するのはジョン・ファヴローの人徳か?自分の大好きなスカーレットちゃんはここでは露出度少ない。

料理人カールキャスパー(ジョン・ファヴロー)は、ロサンゼルスの人気フレンチレストランを取りしきるシェフだった。ある日、レストランにSNSのフォロワーが多く、影響力がある有名料理ブロガーが来店することになった。オーナー(ダスティンホフマン)に言われるがままに定番メニューを振る舞ってしまうと、予想に反して酷評を受ける。カールはムカつき反論した。それを料理ブロガーがフォロワーに転送し炎上する。


そこで次の来店の時、新しいレシピで料理を作ろうとするが、オーナーは人気の定番メニューに固執しており、怒ったカールは辞表をオーナーにたたきつける。しかも、酷評されたブロガーが食事しているところへ現れ、大ケンカをしてしまう。この映像がSNSを通じて世間にばらまかれてしまい取り返しがつかない。働き口はどこにもない。

そんな彼を心配する元妻イネズ(ソフィア・ベルガラ)の提案で、カールは息子パーシーと3人で故郷のマイアミを訪れる。そこで食べたキューバサンドイッチの美味しさに驚き、フードトラックで移動販売することを思いつく。譲り受けたボロの車を息子と一緒にきれいに掃除して、店としての体裁を整えると、ロスのレストランにいた助手がやってくる。カールは、仲間たちの協力を得てマイアミから販売をスタート。ニューオリンズ、オースティン、ロサンゼルスへと車を走らせる。。。


マイアミが舞台になる映画って素敵だ。バックの風景もさることながら、たいていはラテン、キューバ系のミュージックが流れることが多い。この映画も例にもれない。色合い鮮やかなシーンの中で、ラテン音楽が流れてくるとこちらもウキウキする。後半はロードムービーとなり、マイアミからテキサス方面に車を走らせる。若干音楽の系統はかわるが、ごきげんの度合いは変わらない。


1.葛藤の構図(料理人⇔オーナー、料理人⇔グルメブロガー)
定番料理をめぐる料理人とオーナーとの葛藤は続いている。でも有名グルメブロガーがレストランに登場しなければ、ケンカ別れすることはないだろう。大多数の顧客は定番料理を楽しもうとしているのだからメニューを変えるなとオーナーは言うのでやむなくカールは従う。その結果が料理評論家の酷評だ。しかも、書き方が気に入らない。ここからがいかにも現代の映画らしい展開だ。

食べに来た影響力のあるツイート主にはとんでもない数のフォロワーがいるのだ。反論すると大勢の料理ファンのフォロワーが知ってしまう。それでも、このケンカを知って、多くの食通がレストランにやってくる。列ができるくらいだ。でも復活の料理を出す前にオーナーとケンカしてクビになる。晩回のチャンスがなくイライラするだけ、そしてグルメブロガーにタテつくとなんと、その映像はyoutubeにアップされて大騒ぎ。悪い話が直後に広がるというこの構図は昔の映画にはありえないものだ。

2.ごきげんな音楽
これが抜群だ。緩急を使い分けたというより、ずっとハイテンションで続く。ラテンの色彩も強いがそれだけではない。ジャズ系にヒップホップと、ごきげんな音楽が続きまくるこの映画をみて元気づけられるところだ。


何よりお気に入りだったのが、マーヴィンゲイの「セクシャルヒーリング(Sexual Healing) 」を息子とともにカールが歌うシーンが愛らしくていい。この歌詞はもともとかなり過激なはずだけど、ちょっと変えているのかな?
最後にPerico Hernandez「Oye Como Va 」サンタナも歌っていたこの曲でいい形で締めくくりでかける。これはいい感じだ。

同じPerico Hernandezが歌うこの曲もいい↓



3.ソフィア・ベルガラ
カールの元妻役だ。セレブ風に暮らしている。息子を介してつながりがあるが、彼女もマイアミ出身という設定だ。もともとコロンビア出身でラテン系の役柄は得意だ。


最近「マチェーテキルズ」「ジゴロインニューヨーク」と連続して彼女の出演作品を見て相性がいい。これらの映画ではSMクラブの女王みたいなキャラだけど、今回はちょっと違う天使のようないいオンナ系、これも悪くない。




それにしても最初のフレンチにしてもこれほどまで食欲を誘う映画は少ない。終わり方もさわやかでいい。
タイプはドイツ映画「ソウルキッチン」に似ているけど、こっちの方が好きだ。

(参考作品)
アイアンマン
ジョン・ファヴロー監督作品


ソウル・キッチン
ムチャクチャ楽しいグルメ映画


タンポポ
ジョン・ファヴローは伊丹十三に影響を受けたようだ
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映画「フォックス・キャッチャー」 スティーヴ・カレル&チャニング・テイタム

2015-02-26 20:40:01 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「フォックスキャッチャー」を映画館で見てきました。


こういうのを傑作というのであろう。
コクの深いスコッチウィスキーを飲んでいるような感触をもたせる重厚感のある映画だ。
題名の「フォックスキャッチャー」とは、アメリカ有数の化学会社デュポン社の御曹司がつくったレスリングチームの名前である。ロス五輪の金メダリストだった男を御曹司がスカウトして、ソウルオリンピックを目指すストーリーが基本に流れる。まずは主演3人の演技がすばらしい。格でスティーヴ・カレルがトップクレジットとなるが、チャニング・テイタムが主演と言ってもおかしくはない。
ベネット・ミラー監督による「マネーボール」「カポーティ」はいずれも自分の好きな映画だ。それぞれ俳優に迫真の演技をさせている。3人それぞれの内面に入りこみ、じっくりと描写していく。カンヌ映画祭で監督賞を受賞したのもうなずける。


マーク・シュルツ(チャニング・テイタム)は、1984年のロサンゼルス・オリンピックのレスリング82キロ級の金メダリストであり、兄のデイヴ・シュルツ(マーク・ラファロ)も74キロ級の金メダリストであった。兄弟が幼い頃に両親が離婚、親がわりの兄デイヴと苦労してきた。デイヴは結婚して妻のナンシー(シエナ・ミラー)との間にふたりの子供がいて、幸せな日々を過ごしている。しかし、マークは経済的にも精神的にも行き詰まっていた。金メダリストのマークが講演しても、ギャラは20ドルほどしかもらえず、会場は空席だらけ。そのマークに、アメリカの大企業デュポン社の創業者一族であるジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)の代理人から電話がかかってきて、ペンシルバニアの自宅に来るように話がきた。


広大な豪邸に向かうと、レスリングのトレーニングが出来る施設があり、デュポンはオリンピックを目指すチームをつくろうとしていた。
マークには年棒は2万5千ドルの提示があり、チーム「フォックスキャッチャー」参加を受諾した。デュポンは、兄デイヴも一緒に参加することを望んでいたが、妻と子供の暮らしを維持したいと申し出を断る。


チームに参加したマークは、フランスでの世界大会へ出場し、デュポンの期待に応え優勝する。マークとデュポンの関係は深まっていったが、ある日ヘリコプター内で、マークにコカイン吸引を強制する。ソウルオリンピックを目指していたマークは、その後少しづつ調子を落としていく。練習に身の入らないマークをデュポンは冷たい目で見る。兄のデイヴを誘うようにマークに告げたが、絶対無理だと要請を断る。それでも、デュポンはデイヴを口説き落とし、デイヴは妻子を連れてフォックスキャッチャーに参加することになる。それなのに、マークは引っ越してきたデイヴの出迎えに加わらないのであるが。。。

アメリカのデュポンといえば、超一流の化学会社である。アメリカの代表的株価指標であるダウ工業株30種平均の採用銘柄になんと1935年から入っている。それだけの歴史があるということだ。大学の経営学の授業でコングロマリットを学んだ時には、代表的会社としてデュポンの名前が出ていた記憶がある。そんなデュポン社であるから、一族の御曹司が殺人事件を起こしたというのは、全米ではたいへんな大騒ぎになったであろう。残念ながら自分は全く記憶がない。

ただ、その殺人事件をクローズアップさせるという映画ではない。むしろ、デュポンがつくったレスリングチームである「フォックスキャッチャー」をめぐるデュポンとシュルツ兄弟との葛藤、デュポンと母との葛藤に焦点を当てる。ベネット・ミラー監督は数多くのエピソードを通じて、この4人のキャラクターを浮き彫りにする。余計な説明はすくない。でも映像を通じて何かを我々に感じさせる。実にうまい!それなので、この映画の解釈はいかようにもできてしまうであろう。

1.母とデュポンの葛藤
スティーブカレルはコメディアンとしての彼しか知らないので、この映画での演技の巧さにうなった。デュポンの母親ジャン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は貴族的趣味であり、馬の育てることしか眼中にない。レスリングに息子がかかわるのが面白くない。ここに一つの葛藤がある。


母親がレスリング場に姿を現すことはめったにない。でも母親が現れると、選手たちを集めて見かけ上のコーチを始める。指導できるはずはないのであろうが、周りも遠慮してデュポンの話に耳を傾ける。母親はじっと見ているだけだ。往年の美人女優ヴァネッサ・レッドグレイヴが大ベテランらしい味を見せる。この親子間の会話は少ないが、異様なものを感じさせる。ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「欲望」に映るヴァネッサ・レッドグレイヴの殺人的美貌を脳裏に浮かべながら、じっと見入ってしまう。

2.弟マークとデュポンの葛藤
ロスオリンピックで金メダルを取ったにもかかわらず、生活は不遇だ。デュポンはそんなマークに目をつけ、レスリングチームにスカウトする。収入も多く得られ、抜群の環境で世界大会にも勝つ。その世界大会では、リングサイドに兄デイヴがつきアドバイスを与える。デュポンは何も言わないが、自分がセコンドに立ちたいというのがありありと見える。金銭的に何不自由のないデュポンには異様な嫉妬心のようなものがある。


世界大会で勝ち、正装のパーティにマークを連れて行き、友人のように接してきた。でもそのあとマークが乱れる。練習もきっちりやっていないので、デュポンが不満に思う、そこで兄をフォックスキャッチャーへと誘うのだ。ここで一気にデュポンへの反発心が強くなる。このマークを演じるチャニング・テイタムが抜群の演技を見せる。強い葛藤を演技で見せるのだ。うまい!

3.兄弟の葛藤
弟が最初にフォックスキャッチャーに入り、兄のほうは金銭に関心がなく、家族と幸せに暮らすことだけ考えていた。それでも好条件をデュポンが提示したのか、ソウルオリンピック寸前に兄がフォックスキャッチャーに入ってきた。自分というものがありながら、兄を誘うデュポンへの不満や思い通りにレスリングの実力が発揮できないことへのもどかしさがある。兄が弟の面倒を見ようとすると強烈に反発する。


それでも、ソウルオリンピックの国内予選に出ると1戦目に完敗してしまう。もう後がない。悔しさでホテルの部屋をめちゃくちゃにして、ルームサービスで大量の食事を頼んで食べまくる。そこに兄が現れる。
兄は弟をピンタした後で、勝たせてやると檄を飛ばす。試合まであとわずかしかないのに体重は5kgオーバーだ。強烈なトレーニングで減量をさせる。そこに心配したデュポンが来るが、オレに面倒をみさせろとばかりに懸命に鍛える。兄のカッコよさと弟思いの優しさがにじみ出る。
このシーンが映画の中で一番印象に残る。

4.兄とデュポンの葛藤
金メダリストを御曹司が射殺するという話という基本知識だけはあったが、てっきり弟を殺すのかと途中まで思っていた。
コーチとしても優秀な兄は弟を助けた後、そのままフォックスキャッチャーへ残っていた。兄とデュポンに強い葛藤があったようには見えなかった。それでも、兄が休日の時に、自宅に来て「練習をしていないのか?」と言ったりする。弟が信用できなくなった時と同様に妙に干渉するようになるのだ。統合失調症を発症していたというが、何で殺したんだろう。自分にはなれないものへの嫉妬心があったのであろうか?解釈はいか様にもできてしまう。


それぞれの葛藤をいくつかの逸話を通じて、説明口調でなく客観的な事実を映像で示す。
ホントにしびれるうまさだ。
あとはデイヴィッドボウイの「フェイム」が実に印象的だった。久々に聴いたがこころに強く残る。エンディングロールのピアノの調べも極めて美しい。

(参考作品:ベネットミラー監督)
マネーボール
科学的な野球の勝ち方


カポーティ
フィリップ・シーモア・ホフマンの声が印象的
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映画「ジゴロ・イン・ニューヨーク」 ジョン・タトゥーロ&ウディアレン

2015-02-08 07:17:47 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ジゴロ・イン・ニューヨーク」は名脇役ジョン・タトゥーロ監督による2014年の作品


ウディアレンの映画は欠かさず見るようにしている。タイミングが悪くいけなかったが、ジョン・タトゥーロ監督の作品とはいえ気になっていた。
失業した本屋の元店主と花屋でバイトする男が、ひょんなことからジゴロ稼業を始めるという話だ。ストーリー的にはどうってことないが、ニューヨークブルックリンを映す映像が色鮮やかで、アレンの映画を思わせるセンスの良い音楽が心地良い。ウディアレンもいつも通りに早口でしゃべりまくる。個性的な美女が2人をとりまくパターンまで同じで、注釈を聞かなければ、アレンの映画だと誰しもが思うだろう。傑作とまでは思わないが、気分よく映画を見れた。

ニューヨーク・ブルックリンで祖父の代から続く本屋をたたむことになったマレー(ウディ・アレン)は、友人のフィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)相手にボヤいていた。妻は働いているが、4人の子供を抱えて失業したマレーは、かかりつけの皮膚科の女医パーカー(シャロン・ストーン)からレズビアンのパートナーとのプレイに男を入れたいと相談を受け、1000ドルで紹介すると持ちかける。マレーは、定職に就かず、数日前から花屋でバイトを始めたフィオラヴァンテをおだて、ジゴロデビューさせる。


パーカーと2人だけのお試しから戻った彼は、500ドルのチップまで持ち帰ってきた。ポン引きの才能を発揮したマレーは軽快な営業トークで客層を広げ、フィオラヴァンテは女性の気持ちを理解すると言う隠れた才能で女性を惹きつけていく。

マレーは、彼と違って厳格なユダヤ教宗派の高名なラビの未亡人アヴィガル(ヴァネッサ・パラディ)に熱心な営業をしていた。若く美しい彼女がずっと喪に服しているのを見たマレーは、フィオラヴァンテの“セラピー”を受けるよう説得する。フィオラヴァンテのアパートで背中をマッサージされたアヴィガルは涙を流し、その理由を聞いたフィオラヴァンテは心を揺さぶられる。そして2人は、普通の恋人同士のようにデートするようになる。


しかし2人の恋は、ジゴロにとってはご法度、ユダヤ教徒にとっては禁忌だった。アヴィガルに想いを寄せる幼馴染のドヴィ(リーヴ・シュレイバー)の告発により、ユダヤ法の審議会にかけられるマレー。ポン引きの罪は石打ちの刑だという、まるで中世のような裁判だった。そのころ、フィオラヴァンテも自分の恋のせいで窮地に陥っていた……。(作品情報より)

ジゴロ役で役得だなと思わせる部分もあるが、ウディ演じるマレーが取り分の4割をもっていってしまうのでなんかズルイなあといった感じだ。最初は夜の腰の動きは好調そのもので、「顧客満足度」も高かったが、恋をするにつれ役に立たなくなってしまう。それでは顧客はとれない。

1.シャロン・ストーン
ニューヨークのセレブ医師の役だ。まさに適役である。レズビアンの彼女がいるのに、お金は山ほど持っているから男を含めて3pで遊びたいという願望をもつ。もう50代半ばを過ぎたのに、現役の「女」を演じられるのが凄い。「氷の微笑」での強烈な印象は20年以上たってしまった今でも脳裏に残る。久々に見てみたくなってしまった。少し股を広げ気味にソファに座る姿はあの映画のオマージュか?


2.ソフィア・ベルガラ
シャロンストーンのレズのお相手である。この女もすごい。「マチェーテ・キルズ」でのSM女王のようなふるまいには目がくぎづけになった。「蜘蛛女」のレナオリンを思わせる怪演だ。


ジョン・タトゥーロ演じるフィオラヴァンテときっちり向かい合い、そしてダンスする場面がある。この感じがいい。


3.ヴァネッサ・パラディ
割と濃い目の2人と対照的な存在だ。英語を話す映画は初めてだという。ウブな感じをあえて醸し出してコントラストをだした。
ガッツルの肉料理のあとで、薄い味付けの料理を食べるようなイメージだけど、主人公は一気に狂ってしまう。



4.ウディアレン
機関銃のようなトークはいつも通り。最近は年をとり、自ら出演するパターンが減ってきているが、「ローマにアモーレ」に次ぐ出演だ。自分がでない時でも自分の代わりにアレン調に話をさせる誰かを出演させているが、今回はしゃべりまくってすっきりしただろう。160cmと言われる彼からみると、2人の悪女風の女は好みなんじゃないかな?と思いつつ見ていた。

(参考作品)

ローマでアモーレ
ウディ風ローマでの恋模様


氷の微笑
シャロンストーンの奔放な姿


マチェーテ・キルズ
ソフィア・ベルガラのおっぱい機関銃に注目
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映画「ジャッジ 裁かれる判事」ロバート・ダウニーJR&ロバート・デュヴァル

2015-01-21 19:59:12 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ジャッジ 裁かれる判事」を映画館で見てきました。
160分の長丁場でしたが、飽きることなく楽しめました。よかったです。


金で動くやり手弁護士である主人公が、殺人の疑いをかけられている判事である父親を弁護するという話。もともと法廷ものは大好きだ。でも今回は老優ロバートデュバルの登場が気になったし、主演ロバート・ダウニーJRだけでなくヴェラ・ファーミガやビリー・ボブ・ソーントンなどの脇役たちも自分と相性がいい。
映画の脚本はかなり練ってつくられている印象をもつ。脚本ニック・シェンクイーストウッドの「グラントリノ」の脚本を担当した。単純に物事を解決に向けていくのではなく、うまくいったあとですぐに逆転させるなどの二転三転を繰り返す。それなのでダレない。予想を上回るいい作品だった。

主人公ハンク(ロバート・ダウニーJR)はシカゴで活躍する弁護士で、弁護料は高いけれども、怪しい依頼人の訴訟も勝ち取る有能な男だ。妻と娘と暮らす家庭はうまくいっていない。彼に故郷インディアナから母親が亡くなったという知らせが入る。ハンクは故郷の葬儀に駆けつけるが、兄夫婦と弟と暮らす父親(ロバート・デュヴァル)とはしばらく絶縁状態だった。


父親は地元で40年以上裁判や和解を取り仕切る現役の判事だ。地元では堅物で有名で信頼されていたが、若き日にやんちゃだったハンクとは合っていなかった。葬儀が終わり兄弟で旧交を温め、昔の彼女(ヴェラ・ファーミガ)にあった後で、シカゴに戻ろうと飛行機に乗ると、兄から電話があった。父親が保安官にひき逃げの疑いで取り調べを受けているという。


そういえば、買い物へ行くと言って夜外出した父親の車にぶつかった跡があった。父親はまったく覚えていないという。警察によれば、被害者の血痕と車のものは一致するようだ。しかも、その被害者は父親が以前裁いたことのある男だった。ハンクの手続きで保釈されたが、地元の弁護士を雇うことになる。ただ、やり手のハンクから見ると頼りない男だ。裁判所の前で嘔吐してしまうほど意気地がない。優秀なドワイト・ディッカム検察官(ビリー・ボブ・ソーントン)がつき、態勢は不利だ。結局ハンクが引き受けざるを得ない状況になった。

裁判の方針では父親と息子は常に対立している。依頼人と弁護人なのに葛藤だらけだ。父親はまったく覚えていないというが、コンビ二の防犯カメラには被害者と父親が遭遇する場面が捉えられていた。被害者は軽い刑で判決を父親からうけたあとに、重大犯罪を犯して長期刑をうけて出所したばかりである。父親は自分の判断を後悔し、被害者を恨んでいた可能性がある。結果的に、単なる事故での処理ではなくなり、第1級殺人として裁かれなければならないことにもなる。そうなると、陪審員を含めた裁判が実施されることになるが。。


ロバート・ダウニーJRは今回主役だけでなく製作にあたっている。「アイアンマン」などで相当儲けたらしい。奥様のスーザン・ダウニーと共同で製作総指揮だ。さすがにアメコミのキャラ映画には興行収入ではかなわないけど、これを機に映画製作にも積極的に取り組んでいくということだろう。
金目当ての裁判にしか取り組まないと言っている弁護士は、「シビルアクション」のトラボルタのようだ。ちがうのは親子なのでダウニーは無報酬ということだ。ダウニーのセリフ運びはテンポよくうまいけど、今回はロバートデュヴァルが良すぎたので、目立たない。

1.ロバートデュヴァル
「アウトロー」トムクルーズと共演した時、ずいぶんおじいさんになったなあと思った。彼の出ている作品は15くらいは見ているのではないか。「ゴッドファーザー」ではマーロンブランドの腹心を演じ、スター街道へ。トムクルーズ主演「デイズオブサンダー」のレーシングチームの監督、ロバートレッドフォード主演の野球映画「ナチュラル」では野球チームの監督、ジョントラボルタ主演「シビルアクション」ではトラボルタ弁護士と裁判で対決するなどこれまで40年以上活躍して、アカデミー賞主演男優賞も1983年に受賞している。

でも今回アカデミー賞助演男優賞あげたいなあ。イーストウッドと同じ年でもう84歳になる。近年の「アウトロー」と比較すると、セリフは多いし、見ようによっては実質主役と言ってもいい役柄だ。ここまでロバートがやるとは思っていなかった。さすがとしか言いようにない名演だ。映画の中で42年判事をやっていたという設定だった。そういえば「ゴッドファーザー」からちょうど42年たつなあと思い感慨にふけっていた。もしかしたら最後かもしれないが、今までお世話になっただけに贔屓してしまう。

2.脇役の活躍
ダウニー演じる主人公の元恋人役ヴェラ・ファーミガはいつもながらいい味を出している
ハイスクールの元同級生で、ダウニーの進学とともに別れ別れになってしまうが、今はレストランバーを経営している。娘がいるが、主人公がバーで意気投合してしまってべったりしてしまう。ダウニーはその子が娘とわかってビックリだ。


「マイレージマイライフ」「エスター」の好演が印象に残るが、ウクライナ系の美女で中年でまだ恋ができる役柄はピッタリだ。

ビリー・ボブ・ソーントンコーエン兄弟の「バーバー」ハルベリーがアカデミー主演女優賞をとった「チョコレート」の好演が目立った。なんせ、アンジェリーナジョリーの元夫だ。「狂っちゃいないぜ」では航空管制官の役だったが、アンジェリーナと共演しているこの映画は自分が大好きな映画だ。この映画で検察官として派手に活躍するわけではない。でも彼でよかったと思える渋い配役だ。


謎解きについては、最後まで結末がわかりづらくなっている。うまい。
ただ、それとは別として親子のもつ交情のようなものが美しく描かれている。
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映画「ゴーン・ガール」 ベンアフレック&ロザムンド・パイク

2014-12-14 06:40:24 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ゴーン・ガール」はデイヴィッド・フィンチャー監督の新作、早速映画館で見てきました。
149分の長尺だが、飽きずに見れた。実に面白かった。最後までどう展開するのか、ドキドキしながら映画の銀幕を追った。


若干ネタばれありで語りたい。
デイヴィッド・フィンチャー監督作品は必ず見るようにしている。近作の「ドラゴンタトゥの女」と「ソーシャル・ネットワーク」いずれも好きな作品だが、どちらかというと、初めて「セブン」を見た時の衝撃の方が強い。あのやるせない感触が忘れられない。今回はアカデミー賞を監督として受賞したベンアフレックが主演、相手役は英国の美人女優ロザムンドパイクである。超有名人物を並べているわけではないが、他のキャスティングも絶妙だった。

妻が失踪する物語だという先入観のみでこの映画をみた。ところが、途中からイメージが変わってくる。
気がつくと、一連の「悪女映画」に通じる作品であった。
自分的にはベンのオスカー作品「アルゴ」よりも断然おもしろかった。

アメリカ・ミズーリ州。幸せに満ちた理想的な結婚生活を送るニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)だったが、結婚5周年を迎えたその日にエイミーの姿が忽然と消える。


家には争った形跡があり、さらにキッチンからエイミーの大量の血痕が見つかった。警察は失踪と他殺の両面から捜査を進めるうちに、アリバイがあいまいなニックを疑う。美しい若妻が失踪したこの事件は注目され報道は過熱、ニックは全米から疑いの目を向けられカップルの知られざる秘密が明るみになる……。(作品情報より)

ニックはミズーリ州の田舎町で、「ザ・バー」という店を妹(キャリー・クーン)と経営している。妹とだべった後に家路につくと、誰もいない。しかも、家の中が荒らされているようだ。あわてて警察を呼ぶ。担当の女性警部が男性の助手を連れてくる。血痕が残っているようだ。ニックはそのまま警部とともに警察署へ行く、指紋を取られて取り調べを受ける。妻の情報を意外にも知らないことがいくつかあった。妻エイミーの実家へ電話して父母を呼びだす。

映像は2人の付き合いをきっかけから追っていく。パーティで知り合い、恋愛結婚をする。
この夫婦は愛し合って結ばれているということを最初は示す。これ自体軽い迷彩を与えている。この時点では悲劇的な結末もあるのかと自分は予測する。次第に夫が罠にはまり疑われてもおかしくない状況になるが、そうでもなさそうだと感じる。
しかし、夫にはピチピチの若い彼女がいることもわかってしまう。
さあどうなるのだろう。


そう思っているうちにエイミーの姿が現れる。同時並行で失踪したあとを追っていく。
そして、次第にエイミーが何かを仕掛けているのでは?と感じさせるシーンが出てくるのだ。

1.悪女映画
悪女映画といえばレナオリンの「蜘蛛女」、レベッカデモネイの「ゆりかごを揺らす女の怖さが際立つ。ある意味「エスター」もそうかもしれない。この映画はそれに加えて、「氷の微笑」のシャロンストーンの要素が入ってくる。
これはまったく予想外の展開だった。脚本のこの迷彩作りはうまい。それをうまく映像に加工するのはさすが、デイヴィッドフィンチャーである。ロザムンド・パイクは英国の名門オックスフォード大学をでた美貌のインテリ女性でこの役柄にぴったりだ。


激しい恋愛で結ばれても、男が外でつまみ食いしてしまうのはよくあること。浮気相手との激しい情事の中で、ふと離婚をにおわすことを言ってしまうことはあるかもしれない。でも余程のことでなければ、それは離婚にはつながらない。日常を変えない中で、男は火遊びの中で刺激を求めているにすぎない。でも女からすると違うだろう。ここでは証拠はあがっているし、バッチリ見てしまうのだ。

男もずいぶんと抜けているという設定だが、彼女は実に周到に準備する。「危険な情事」のグレンクローズのように単に大暴れするだけじゃない知能犯だ。警察が夫のカードを調べると、贅沢品をたくさん買っているという実績がある。本人に問い詰めると、まったく記憶がない。他にも男をはめていることがたくさんある。相当なワルに仕立てられていることがわかってくる。

いつ何時こんな目に会うかはわからない。家庭内の平和のために、一杯飲まずに早く帰るのがいちばんだよね。

2.ベンアフレックと双子の妹
映画のはじめで、お店で1人のメガネの女性と話し込んでいる。懐かしい「人生ゲーム」で遊んでいるのだ。何これ?と思っていたら、バーを共同経営する妹との会話だ。ニューヨークで暮らしていた夫婦が、夫の母親ががんと分かり、ミズーリ州に引っ越してくる。ミズーリ州は死刑容認の州だ。妻が失踪した後、家が家宅捜索にあい、実家に戻る。


そこで妹と暮らすわけだが、夫に疑いの目が向けられる。双生児でグルになっていると疑われる設定だ。妹と妻の仲は決してよくはない。まったく懲りないと言いたくもなるが、ベンアフレック演じる夫は女を妹と暮らす実家に連れ込む。おいおいよくやるよと思いながらストーリーに伏線を与える。

この妹役キャリー・クーンがいい味出していた。個人的にはロザムンド・パイクよりも好きなタイプだ。その双子の妹に疑いを持つ捜査責任者である警部役のキムディケンズという女優も良い存在感をだす。女性の犯罪責任者なんて日本にはいるのかな?と思いつつ、パフォーマンスがずっと気になる。


3.浮気相手
実家に連れ込む浮気相手を演じるのが、エミリー・ラタコウスキーという女性だ。夜中に「すぐ近くにいるよ。」とメールが来ると実家のすぐ目の前だ。まわりに捜査関係者たちがいるのでやばいとすぐ家に入れる。久々だという彼女は発情している。こんなときにヤバイと思いながら、哀しい男の性でピチピチのボディを抱いてしまうわけだが、そのボディにはビックリ。男をやる気にさせるスーパーロケットバストだ。


すごく目に焼き付きネットで調べると、すごいヌード画像が出てきた。少し興奮してしまうが、目の前で本物を見るベンアフレックの方がやばいだろう。

この映画面白かったなあ!
夫婦とは何?なんて理屈っぽく見る人もいるけど、所詮は世の中ってこの主人公のような女性は多いと思う。
さすがにここまで大胆なことをしないとは思うけど

(参考作品)
ゴーン・ガール
世紀の悪女をみる


セブン
後味が悪すぎるデイヴィッドフィンチャーの傑作


蜘蛛女
悪女と言えばレナオリンだ。
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映画「天才スピヴェット」 ジャン=ピエール・ジュネ

2014-12-12 21:59:50 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「天才スピヴェット」を映画館で見てきました。


「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督が、ユニークな映画をつくったときき見たくなった。オドレイトトゥの好演もあったが「アメリ」の独特な映像美の世界には2001年当時アッと驚きました。美術と編集のうまさはすごいと思った。今回の舞台はアメリカで10歳の天才科学者の少年がモンタナからシカゴを経由してワシントンへと全米を横断するロードムービーである。

アメリカ北西部のモンタナで牧場を営む父(カラム・キース・レニー)と昆虫博士の母(ヘレナ・ボナム=カーター)、アイドルを夢見る姉(ニーアム・ウィルソン)に囲まれ暮らすスピヴェット(カイル・キャトレット)は、10歳にして天才科学者だ。

少年には双子の弟がいたが、銃の暴発で死んでしまった。以来家族それぞれの心にぽっかり穴があいていた。

ある日、アメリカを代表する研究機関であるスミソニアン学術協会から、スピヴェットが発明した磁気車輪に対して、最も優れた発明に贈られるベアード賞を獲得したという電話連絡が次長(ジュディ・デイヴィス)から入る。ワシントンDCで開かれる授賞式に招待されたのだ。しかし、口のきけない父親が発明したととっさにウソをつき、授賞式出席を辞退する。しかし、スピヴェットはスミソニアン学術協会だったら、学校でも家庭でも孤立する自分のことをわかってくれるだろうと家出を決意。付近を走る貨物列車を信号に赤マジックをして止めてそこに飛び乗りワシントンへと向かった。


母親譲りで頭がいいんだけど、小学校では、先生に嫌われている。先生は少年が出した課題にいちゃもんをつけるが、その課題はディスカバー誌にのるくらいの内容なのだ。それなのにc+を付けられる。でも心の中で文句は言うけど、黙っている。そんな少年は天才だ。
そして、その発明がついに認められる。表彰式でスピーチをする依頼を受け、ワシントンに向かう。

それぞれの町で少年はいろんな人物に出会う。

同じように無銭旅行をしているオジサン、ホットドッグスタンドのオバサン、シカゴ警察の警察官、ヒッチハイクのトラック運転手などなど。どの映像もあったかい。
そして、ワシントンに到着すると授賞式のスピーチで一躍ヒーローになり、人気テレビショーまで出てしまうのだ。


カイル・キャトレット少年は水門を飛び越えようとしたシーンなど割と難しい演技をこなして好演と言えるだろう。

鮮明な映像は楽しかったけど、想像したほどすごい映画ではなかった。
この少年は何かとウソをつく。そういうところが、自分の気に召さなかったのかもしれない。
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映画「レイルウェイ 運命の旅路」 コリンファース

2014-11-06 05:47:17 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「レイルウェイ」はコリンファース主演の英国映画

戦争の捕虜収容所生活で、むごい拷問を受けた英国兵が、昔自分に仕打ちを与えた日本兵と再会するという話である。回想シーンとその後の話と交互に語られる。実話に基づくという。日本人として見ていて気分が悪くなる内容である。


鉄道好きな初老の男性エリック・ローマクス(コリン・ファース)は列車で美しい女性パトリシア(ニコールキッドマン)と相席となり、一目で恋をする。不器用に話をするエリックに、自分のことを素直に話すパトリシア。彼女の方もまたエリックに心惹かれる。2人の愛は一気に深まり、エリックはパトリシアへの愛を貫き結婚式を挙げる。式にはエリックの退役軍人会の仲間たちも出席していた。


エリックは若い頃に第二次世界大戦に従軍していた際の、過酷な戦争体験で負った心の傷に苛まれていたのだ。日増しに気難しくなり、自分の殻に閉じこもるようになるエリック。そんな夫をパトリシアは何とか救いたいという一心で、退役軍人会の仲間フィンレイ(ステラン・スカルスガルド)を訪ねて救いを求める。だが、フィンレイもまた戦争のトラウマから立ち直っておらず、同じ苦しみを抱えていた。


そんな中、エリックやフィンレイの悪夢のような体験に深く関わる、日本人通訳だった永瀬(真田広之)が、今も生きていることを新聞記事により知る。その記事によれば、彼は戦争体験を伝えようと寺院を建て、タイで暮らしているとのことだった。永瀬の生存に動揺を隠せないエリックの脳裏に、まるで昨日のことのようにはっきりと当時の記憶がよみがえる。

エリックは過去と決別し、パトリシアと人生を歩んでいくためにも永瀬と直接向き合うことを決意する。そして、エリックは単身でタイへと向かう。


1942年はじめに快進撃をつづけた日本軍が、シンガポールを陥落させる。それにより多数の英国兵が捕虜になる。その後、タイで鉄道を開通させるために強制労働を強いたという話である。その時に無線機をもって、本国と交信をしていた疑いをもたれる。この機械は受信専門で発信はできない。それなのに、本国に情報を漏らしていたと拷問を受けるのだ。

吐いてしまえときつい仕打ちを受けた英国兵は、そののち30年以上たってもそのトラウマから立ち直れないでいるのである。
イジメというのは、イジメたほうよりもイジメを受けた方がよく覚えているものである。自分の身になっても、遠い昔の出来事が昨日のことのようによみがえる。ましてや、むごい拷問である。忘れようと思っても忘れられないであろう。

それでも、相対した男と再会して許せないけど、許してしまう。その寛容さがテーマの映画だ。
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映画「マチェーテ・キルズ」 ダニー・トレホ

2014-11-03 11:09:13 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「マチェーテ・キルズ」はロバート・ロドリゲス監督による2013年の作品

このおっぱい機関銃が傑作だ。

バッドアスでその存在を知ることになったダニー・トレホは今年70歳、むしろ60代半ばからアクションもので有名になった妙なオヤジだ。それとロバート・ロドリゲス監督が組んだこの作品のストーリーは何か訳がわからない。出演者の顔触れはメルギブソンやアントニオ・バンデラスなどいずれも主演を張ってもおかしくないそうそうたるメンバーが揃っている。しかも、映像は見ていて楽しい。
傑作というわけではないが、末長く人気になるカルト映画の一つになるであろう。


マチェーテ(ダニー・トレホ)は、アメリカ大統領(カルロス・エステベスことチャーリー・シーン)から直々依頼を受ける。それは、メキシコのイカれた男“マッドマン”メンデス(デミアン・ビチル)を倒してほしいというものだった。マッドマンの心臓とミサイルの発射が連動しており、万一、心臓が止まれば、ミサイルがワシントンを壊滅するようになっていた。


唯一解除できるのは、世界一の武器商人ヴォズ(メル・ギブソン)だけ。ヴォズに発射装置を解除させる為には、マッドマンを生きたままアメリカに連れて行かなくてはならない。しかし、マチェーテとマッドマンを狙い懸賞金目当てに暗殺者集団やヒットマン、果ては金に目が眩んだ住人達が襲いかかってくる。


やっと武器商人のヴォズの元に辿り着いたマチェーテは、ヴォズこそがマッドマンにミサイルを売り、操っていた黒幕と知るが・・・。 (作品情報より)

ロバートロドリゲス監督曰く
「ほんとにいかれたシリーズなんだ。ルールもなにもない。だからすごくやりがいがある。たぶん、何でもありっていうのが多くの役者を惹き付けたんじゃないかな。」
確かにそうだ。人の首はちょんと飛ばしまくるし、セクシー女優にエロかっこいいしぐさをさせる。
楽しくて仕方ないだろうなあ。

何よりもセクシー女優が凄い
1.アンバーハード
ジョニーデップ「ラム・ダイアリーでその存在を知った。いい女だなあ!!とため息交じりで見ていたら、なんとジョニーデップと婚約したと報道されているではないか。ここではその充満するオーラに加えて、アクションも入る。


こんな感じで迫られて耐えられる男がいるとは思えない。


目の前で脱いでいこうとするシーンで、映画で「3Dメガネを付けろ」とテロップが流れ、その後映像がグネグネになる。
これは一種のお笑い。アンバーハードのバストが見れるのかと興奮してメガネを付けても。。。。。。


2.レディ・ガガ
予想外に色っぽいのが、レディガガである。
お尋ね者を仕留めようと、男装して現れるのだが、覆面をとるとレディガガだ。


体に密着した赤い服が色っぽいなあ

3.ソフィア・ベルガラ
このお姐さんが最高にエロい!
いかにもSMクラブの女王様のような姿だ。宮沢洋一の秘書がこれを見たら、もうブルブルものだろう。
蜘蛛女」のレナオリンと並ぶエロかっこいい姿だ。


このおっぱい機関銃には笑うしかない。


すでに42歳、熟女ぶり真っ盛りで、夜の寝技に長けている雰囲気を醸し出す
世の中年男性は一度悶絶させられたい気になってしまうのでは?

4.ミシェル・ロドリゲス

これは普通、エスパニック系の映画には欠かせない存在だからね。
女性の中では一番メジャーで格闘技大好き女だ。最後に両目が見えなくなっても戦うそのど根性がすごいなあ

(参考作品)

マチェーテ・キルズ
ロバート・ロドリゲスが遊びまくる


ラム・ダイアリー
美女アンバーハードとジョニーデップの出会い
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