映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「WIN WIN 」 ポールジアマッティ

2012-10-16 05:48:33 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「WIN WIN」は「扉をたたく人」トーマス・マッカーシー監督が、ポール・ジアマッティを主演に迎え、ダメな中年男が成功へのチャンスをつかむも、厳しい現実に直面する姿を描いたドラマ。

妻と幼子2人の家庭を守る弁護士のマイク(ポール・ジアマッティ)が主人公だ。
高齢者を対象に弁護士事務所をやるが、不況で仕事がない。コピーの修理もできないくらいだ。高校のレスリング部のコーチでお小遣い稼ぎする。そのマイクは金策のために依頼人で認知症老人レオの後見人になる。そんな時、オハイオに住むレオの孫の少年カイルがドラッグ中毒の母親の元から家出してきて、レオの家の前にいる。母親は薬物中毒患者の施設にいるという。戸惑いながらもカイルを預かるマイクだった。

しかし、カイルはなんとレスリングの天才だった。オハイオの大会で2位になったこともあるという。こちらの大会でも強さを発揮する。同居の妻や子供もカイルになついてくる。ところが、そんな2人の前にドラッグ中毒のカイルの母が現れるが。。。。

ポール・ジアマッティが大好きだ。
「サイドウェイ」の中年国語教師の役、「シンデレラマン」のボクシングのコーチ役、「アメリカン・スプレンダー」で見せたオタク男どれもこれもみんな楽しい。アメリカ映画が二枚目だけでなく構成されているのがよくわかる。彼の出ている映画に外れがない。「スーパーチューズデイ」にもライバル選挙陣営の男として出演していた。

コメディアン的な色彩を持ち、冴えない男を演じさせると天下一品だ。でも、彼の父親はアイビーリーグの名門イエール大学の学長を務めた名門の出身で、彼自身もイエール大出身だ。インテリの役もできるけど、それだけでないから役が次から次へとまわってくる。いい奴だ。

ここでは弁護士役だ。高齢者専門で決して金もうけのために仕事はやらないとつぶやいているが、懐は厳しい。世の中にはこういう奴が多い。高尚なことを言っていても、それだけではだめだ。友人に仕事を頼んでもまわってくる仕事すらない。それであるボケ老人の後見人を引き受ける。本来は公共に任せる話を強引に自分のプライベートの収入にしてしまう。判事までびっくりだ。
ありうる話かもしれない。

そこで登場するのが老人の孫の少年だ。髪型が70年代前半に活躍した名子役マークレスターを思わせる。しかもレスリングうまいと思ったら、実際にやっていたみたいだ。この少年の起用はあたりだ。途中から見せる主人公の妻との掛け合いがおもしろい。

この2人のおかげで少しは楽しめた。でも終盤にかけての詰めは甘いかな?
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スーパーチューズデー ジョージ・クルーニー

2012-10-03 19:30:59 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「スーパーチューズデー」はジョージクルーニー自ら監督した今年公開された作品だ。
大統領選挙の裏側に焦点をあてた政治ドラマだ。
豪華な出演者がそろい、演技を競い合う。

アメリカ合衆国大統領の座をめざし、マイク・モリス(ジョージ・クルーニー)は民主党予備選に出馬した。州知事であるモリスは、ライバル候補のプルマン上院議員と争っていた。
オハイオ州予備選に勝利すれば、その勢いに乗って共和党候補をも打ち破り、大統領となることはほぼ確実と言われる。いよいよ一週間後に迫ったスーパー・チューズデーの決戦に全米の注目が集まっていた。モリスを支えるのは、ベテランのキャンペーン・マネージャー、ポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と、広報官スティーヴン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)。

ある日、スティーヴンのもとに、プルマン陣営の選挙参謀トム・ダフィ(ポール・ジアマッティ)が電話をかけてくる。極秘の面会を求められ、一度は拒んだスティーヴンだが、ダフィの言葉巧みな誘いに負けて会ってしまう。ダフィは、スティーヴンを自陣営に引き抜くことだが、その申し出を即座に拒絶。その夜、スティーヴンは選挙スタッフのインターンである女性モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とホテルで親密な一夜を過ごす。翌日、スティーヴンはダフィとの密会の件をポールに打ち明け、謝罪するが、何より忠誠心を重んじるポールの怒りは想像以上だった。二人の間には亀裂が生じてしまうが。。。。


映画を見始めてすぐは登場人物の関係がよくつかめない。少しづつ理解できて途中で選挙にからむスキャンダルの話とわかってきた。内部の内輪もめ話だと思ったら、意外な事実がわかってくる。トップシークレット話をゆすりネタにしていく。
ウディアレンの「人生万歳」でその美しい姿が印象的だったエヴァン・レイチェル・ウッドがここでもキーの存在になってくる。彼女きれいだなあ

ライバルの立場にある側から引き抜きされた時、それを上司に報告するのが正しいかどうか?自分なら黙っているかな?と思うけれど、分からない。主人公は報告してしまう。どこかからばれてしまったら、その方が問題と考えるのもわかる。それがきっかけに関係がぎくしゃくして、主人公は転落してしまうのであるが、そう簡単には引き下がれない。この映画はそこからがスタートであった。

でも映画としては普通かな



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幸せの行方 ライアン・ゴズリング

2012-09-26 19:16:04 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「幸せの行方」はライアン・ゴズリングとキルスティンダンストの若手人気俳優による2010年の作品だ。ジャケットからはラブストーリーを想像させたが、実際にあった失踪事件に基づくサスペンス物だった。

法廷で老いた主人公が尋問を受けるシーンに、回想シーンが重ね合わせられる展開だ。
主人公デイビッド(ライアン・ゴズリング)への尋問でニューヨークで不動産業を営む富豪の御曹司であることがわかる。タイムズスクウェアの周辺を所有しているらしい。その主人公は父(フランク・ランジェラ)の反対を押し切り、平凡な家庭の女性ケイティ(キルスティン・ダンスト)と恋に落ちる。2人は結婚し、ニューヨークを離れて、幸せな生活を送っていた。しかし、子供を欲しがる妻に反して、夫は拒絶する。そして、父親はそんな息子をニューヨークへと連れ戻し、父の仕事を手伝うことになる。そのころからデイビッドは、次第に奇妙な行動が目立ち始めていく。。。

法廷尋問の中で主人公は母親のことを聞かれる。7歳の時にむごい死に方をしたようだ。そのことでトラウマが残っている。心を病んでいたのである。

普通そうに見えるのに、実は凶暴性のある二面性を持っているというパターンはよくある。この映画は実話に基づくという。しかも、当本人がまだ存命だという。日本で言えば三浦和義事件のようだ。これもすごい話だ。
途中までは普通のラブコメと大きく変わらない。その昔はやったディスコミュージックなど時代に合わせた音楽の選択もいい。途中からはともかく暗い。終盤にかけその暗さを増していく。結婚相手へのDVも極端になると見ていられないくらいだ。しかも主人公は変質者の様相を呈する。ライアン・ゴズリングは「ドライヴ」で影のある男を演じた。キャラにあってうまかった。精神が錯乱している姿を演じて、ここでもうまいんだけど、この役は酷だなあ。
変な映画見ちゃった。
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デンジャラス・ラン デンゼルワシントン

2012-09-09 21:29:27 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「デンジャラス・ラン」を劇場で見た。
黒人オスカー俳優デンゼル・ワシントンと若手有望株ライアンレイノルズの共演である。

「グローリー」「トレーニング デイ」で2度アカデミー賞を獲得したデンゼル・ワシントンが、世界中で指名手配されている元CIAエージェントを演じたスリリングなアクション映画だ。アクション映画といえば、今年に入って映画「ドライブ」を見た。鋭いカーアクションが売り物のスピード感あふれる傑作であった。しかし、これはその作品をスピード感で上回る凄まじいアクション映画だ。末梢神経にもグイグイ触れていくシーンが続き、2時間を全速力で駆け抜ける。
日本では絶対に制作不能の凄い映画だ。

CIAが世界中に設置している、重要情報保持者の身柄を確保して尋問するための隠れ家がある。それを「SAFE HOUSE」という。それが原題だ。
南アフリカのケープタウンが舞台だ。
映像は一人のCIA職員マット(ライアンレイノルズ)を映す。彼はケープタウンで一人その「SAFE HOUSE」の管理を任されていた。普段は仕事がなく、恋人と遊び呆けていた。
そのケープタウンの米国領事館に、一人の男が出頭した。

敵国に機密情報を流したとされる、36ヶ国で指名手配を受けた世界的犯罪者トビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)だ。彼はかつてCIAの中でも屈指の腕を持つ伝説のエージェントであった。天才的な頭脳を持ち話術に長け、暗殺の腕も超一流という。
その彼がCIAの隠れ家にゲストとして連行され、取り調べの拷問がはじまった途端、鉄壁のはずの隠れ家が重装備の何者かにより襲撃される。味方が次々殺される中、隠れ家を管理している新米CIAのマットは、フロストから選択を迫られ、やむなく隠れ家から一緒に脱出する。

こうしてマットは危険すぎる男フロストの身柄を守るために彼とともに逃走を繰り広げる。

迫力あるカーチェイスもさることながら、格闘シーンも出演者が大けがをしてしまうのではと心配するくらい強烈な激しさだ。途中で味方と敵の境目がわからなくなる。それにつれ登場人物の精神が錯乱する。それでも、デンゼルの頭脳が先を読む。わけのわからない敵に加えて、CIAの本部も攻撃のミッションを出し続ける中、息もつかせない緊迫の心理戦も見どころだ。アクション映画といいながら、脚本のうまさも絶妙だ。

オスカー受賞作品「トレーニングデイ」のデンゼルワシントンはロス警察の悪徳警官を演じた。あのときも交通係からまわった新米刑事イーサンホンクとのコンビであった。そのパターンは一緒だが、今回先輩後輩といってもデンゼルワシントンはCIAに追われる身だ。それでも新鋭ライアンレイノルズをずっと引っ張り続ける。プロと新米の対比は「リーサルウェポン」や黒澤明の「野良犬」同様警察アクションの定番に近いが全くイコールでないのがミソだ。裏にはCIAの汚職問題が顕在する。

この監督ダニエル・エスピノーサの手腕は凄い。それに加えて「ボーン」シリーズの撮影監督オリバー・ウッドと編集リチャード・ピアソンが加わる。この両者がスタッフとしているのが大きい。
この仕事はまさにプロ集団の結晶だ。
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戦火の馬 スピルバーグ

2012-08-19 20:15:59 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「戦火の馬」はスピルバーグ監督によるハートフルドラマだ。
第一次大戦の戦場を舞台に、戦馬として戦いを生き抜いた馬の物語だ。動物と人間の触れ合いというテーマがいかにもスピルバーグ監督らしい設定だ。

第一次世界大戦前夜のイギリスの農村が舞台だ。村で馬のセリがある。貧しい農家の主人が1頭の美しい馬を競り落とす。地主もセリに参加していいてさんざん皮肉を言われる。この家の少年アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)は馬に一目ぼれ、“ジョーイ”と名付けられたその馬とかけがえのない友情を結ぶ。
しかし第一次大戦が始まる。ジョーイは英国軍の軍馬として無理やり連れて行かれ、フランスの戦地に送られる。アルバートはジョーイを探すため、徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、最前線フランスに向かう。ジョーイは死と隣り合わせの過酷な日々のなか、軍馬を誰よりも大切にするイギリス人将校、ドイツ軍を脱走した少年兵の幼い兄弟

両親を失ったフランスの少女らと巡り合う。過酷な運命に立ち向かう人々との出会いと別れを繰り返すのであるが。。。

雄大な光景が美しい。スピルバーグなので当然音楽はジョンウィリアムスのスケールの大きな音楽が高らかに奏でられる。英国の大地の広がりや清澄な空気を感じさせる。その中で優雅に馬が走る場面があり、戦火の中を本能のまま走るシーンもある。ここではCGに頼らず実写で勝負する。
この映画では主人公である馬「ジョーイ」の演技に驚く。緩急つけた走りもさることながら、足を痛めた馬の代わりに、自分が荷車をひくとばかりに訴え、替わるときに見せる目の演技には驚いた。
絶えず馬を見ていくべき映画であろう。

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アベンジャーズ 

2012-08-16 20:21:01 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「アベンジャーズ」を早速劇場で見た。

アメコミヒーロー勢ぞろいという触れ文句と驚異的な興行収入というのが気にはなっていた。
このヒーローの勢ぞろいは、ウルトラマンとマグマ大使と鉄人28号がそろったようなものなのか?いや違う。そんなにジャンボなヒーローではない。若干大きめの超人ハルクを除いては人間並みの大きさだから、鉄腕アトムと仮面ライダーとエイトマンが勢ぞろいで宇宙からの敵に立ち向かうという感覚なんだろう。


もう少し子供のころだったらドキドキしたかもしれない。格闘場面は確かに楽しめた。
「ダークナイト」を除き、ここしばらく初老のおばさんたち好みの作品ばかり劇場で見てきたので、観客に若者特に若い青年が多いのは新鮮だった。

まずは宇宙から地球略奪を目指す宇宙人の姿を映す。
地球滅亡の危機の通達を受け、地球防衛組織の司令官ニック・フューリー(サミュエルジャクソン)から召集されたヒーローたち6人がそろう。
億万長者にして天才発明家トニー・スタークことアイアンマン、70年の眠りから覚めた伝説の戦士キャプテン・アメリカ、神々の国から追放された雷神・マイティソー、怒りによって巨人に姿を変える科学者・ハルク、魔性のロシア系女スパイ、ブラック・ウィドウ、そしてエリート・エージェントにして弓の名手、ホークアイ。決して相容れるはずのない彼らが、司令官の指揮の下、一つのチームとして戦うこととなるという話だ。


単純そうに見えるが、映画がはじまってしばらくセリフの字幕を見ていてもよくストーリーが理解できない。このヒーローたちの映画すべてを見ているわけではないので、彼らの真実の気質がわからないと意味不明になるのではないかなあ。オタクの連中はすべて理解しているんだろうけど、このオールスター戦よくわからない。ふと気がつくと不意にウトウト寝てしまった。おっといけない。


しかも、ヒーローたちが正義の味方として早い段階から志を同じくすればいいんだけれど、なかなか仲良くならない。そういう迷彩がかなりかくされているので、映画を見る人は予習をした方がわかりやすいんじゃないかと感じた。

戦う相手の宇宙人って、ここしばらくの映画を見ると大体同じような風貌に見えてくる。アップし損ねた「カウボーイ&エイリアン」や「スーパーエイト」の宇宙人を連想してしまった。メインになる怪獣じみた生きものはアメリカ版「ゴジラ」の映画を連想した。日本の怪獣は日本版ゴジラが基本になっているんだけど、アメリカの怪獣は爬虫類のトカゲ系の形をしていることが多い。竜とトカゲを足して二で割ってエイリアンの要素を強くした感じだ。

こういうヒーロー、怪獣ものは日本の特撮技術が大きく世界をリードした映画の分野であった。でもこれを見てしまうと、映画予算をあまりかけられない日本ではこのレベルに達する映画って作れないんだろうなあと感じた。

最後にこの映画エンディングクレジット始まってからもう一度映像を映すと聞いていたので、終わってからも席でじっとしていた。早速に帰る人も多かったけど、情報通り映像が流れた。未見の方は帰られないように注意したい。


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映画「ダークナイトライジング」 クリスチャンべール

2012-07-29 17:16:16 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「ダークナイトライジング」を劇場で見た。
前作の素晴らしい出来からして、今回も公開早々いくしかない。
前2作を超える衝撃という宣伝文句は確かにその通り、ちょっとびっくりするくらいだ。
160分を超える大作であるが、時間の長さを全く感じさせない。

基本的に前作の延長でつくられている。モーガンフリーマン、ゲイリーオールドマンといったいつものレギュラーメンバーに加えてアンハサウェイ演じるキャットウーマンと極悪テロリスト的で総合格闘技の猛者みたいな悪党が登場する。正統派の善人が見当たらない。みんな悪党ばかりだ。
映画って次にどうなる?と見ているものに感じさせるが一番重要だと思う。映画の最中次の展開どうなるのだろうとずっと考えていた。ドキドキしながらだ。それなので長く感じないのであろう。意外性のあるストーリー展開と迫力ある映像を含めてさすがと思える出来である。

悪の巣ゴッサムシティもジョーカーが立ち去ってから8年たっていた。
殉死したデイト検事(アーロンエッカート)の追悼集会が行われているシーンからスタートする。本当はジョーカーのせいで悪党になっていた検事の殉死の責任がバットマンということになり、富豪ブルースウェイン(クリスチャンべイル)も人前には姿を現さなくなっていた。実際格闘続きで身体もガタガタになっていた。犯罪も減り警察本部長(ゲイリーオールドマン)の役割も少なくなっていた。しかし、事件から8年たち殉死の真実をスピーチしようと本部長は準備していた。

警察本部長が悪党集団にとらえられる。悪党集団には異様なマスクをした男ベイン(トム・ハーディ)がからんでいた。本部長は懸命に逃げる。この悪党集団は核融合にからんだウェイン社のライバル企業にもつながっている。ウェイン社をなんとか陥れようとするライバル企業と悪党集団は女盗賊キャットウーマン(アンハサウェイ)をひっそりとウェインの自宅のメイドとしてしのばせ、ウェインの指紋を取りだそうとするのだ。

キャットウーマンが自分の母親のネックレスを盗み出したのに気付き、妙な動きを察したブルースウェインはバットマンとして8年ぶりに復活しようとする。しかし、執事は反対する。そんな中悪党集団は証券取引所に乱入する。取引をぐちゃぐちゃにする。同時にウェインの指紋を盗んだことにより取引成立させたオプション取引でウェインを大損させ、破産させてしまうのであるが。。。

このあと主人公の転落がはじまる。想像もしないようなシーンが続くが。。。

(脚本)ウォール街デモ、格差社会への反発といった現代の世相をずいぶんと反映した脚本になっている。某左翼系新聞の読者が好きそうな題材だ。主人公バットマンことブルースウェインも富豪なので、格好の攻撃対象になる。テロ的社会の成立なんて、60年代に学生運動したクズ連中と同じような発想である。反原発デモ参加している現実性のないバカどももこの映画をみて別のことを考えるかもしれない。映画を見ていてこう来るか?!と思ったものだ。あえて一般大衆に合わせるような展開にもみえる。テロ攻撃、核開発などの話も出てくる。題材がこれでもかと思うくらい盛りだくさんだ。でもクリストファーノーランの言いたいことは某左翼系の奴らとは違うことだと思いますが。。。。

(配役)主人公クリスチャンべールはボクシング映画「ファイター」で強烈に減量でやせた姿を見せた。あの役作りは凄かった。ここでもほぼ同様なやつれた姿をみせる場面がある。しかも今度の悪党は強い。今までみたいな不死身ではない。今までより人間臭い汚れ役をこなす。これこそ本物の役者だ。
あとは2人のヒロインがなかなか巧みだ。

アンハサウェイがかっこよすぎる。バットマンのマシンに乗って走る姿は華麗だ。撮影が映す彼女のショットも光の使い方に変化をつけていた。ラブコメ常連の彼女が違った一面を見せた。つい先日ウディアレンの「ミッドナイトインパリ」で30年代のパリの美女を演じたマリオンコティヤールもいい味出していた。クリスファーノーランもうまい使い方をしたものだ。

音楽、特撮、アクションはいずれも絶妙で、映画を見たという実感がわき出る傑作である。
ゴッサムシティは前作のシカゴと違い、明らかに今回はニューヨークだ。鉄橋のシーンといい、街中のシーンといいCGもあるが実写も多い。爆破シーンも多く、映画への寛容性が高い国だと改めて感じる。

(一つ気になること)ウェイン社の破綻への流れが、字幕の訳からだけと?と感じる部分がある。オプションの売りで失敗となっているが、プットとコールオプションはっきりすればいいと思うんだけどね。証拠金がないと出来ない取引だけど、指紋認証したからといって破産するくらいの大きな取引ならば、売りポジション持つかどうかは普通は確認すると思うんだけどなあ?オサマビンラディンもオプション先物持ち玉をテロの前にずいぶんと持っていたみたいだ。まあどうでもいいことだけど。。。

前作を見ていない人は見てから鑑賞されることを勧めます。
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ものすごくうるさくてありえないほど近い 

2012-07-06 05:45:28 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「ものすごくうるさくてありえないほど近い」は2011年の作品だ。

911テロで父親を亡くした10歳の男の子の物語だ。
トムハンクス、サンドラブロックの2人のオスカー俳優がメインに出ているが、実際には少年を一人称にしたストーリーだ。公募で選ばれた新人の主役の少年が大活躍、ものすごい才能を見せつける。

少年を一人称にする。
父(トムハンクス)母(サンドラブロック)と3人でニューヨークに暮らす少年オスカーが主人公だ。オスカーはアスペルガー症候群と疑われるくらい頭の回転が速く異様に知識がある。父親もその息子の才能を生かすべく、ニューヨークの中での調査探求ゲームをやったりしていた。
楽しい家族3人の生活に悲劇が訪れた。9.11同時多発テロである。当日仕事の所用で父親はビルの105階にいた。ビルは飛行機の襲撃を受けたが、直接ではなく消防隊の救助を待っていた。父親は何度も自宅の電話に連絡した。留守電にその都度入れて自分の心境を報告した。ところがあえなくビルは崩壊する。
最愛の父トーマスを亡くした少年オスカーはカラの棺桶で葬儀をすることには抵抗があった。
その死に納得できないまま一年が経ったある日、父のクローゼットを整理していたら、見覚えのない瓶をみつけた。取り出そうとしたら割れてしまう。その中に小さい袋に一本の鍵が入っていた。その小さい袋にはblackと書いてあった。それは人の名前ではないかと予測をたてて、ニューヨーク中のblackさんを訪ねて、その鍵で開けるべき鍵穴を探す計画を立てるが。。。

(911テロ)この映画を見ると、テロで家族を失った人たちの喪失感が痛いほどわかる。遺体がない家族も多い。ビルからまっさかさまに墜落した人も多いのだ。非常につらい話だ。
自分は翌日から香港に行くことになっていて、普段見慣れないテレビをつけていた。そこへのニューヨークからの第一報である。ビックリした。最初はビルが単なる火災を起こしているだけだと思った。そうしたらなんと2機目の飛行機が突入して真相をつかんだ。しばらくしてビルが崩壊する場面を見た時にはこの世の終わりかと思った。日本でいる自分ですら、そういう思いになるわけなんだから、リアルで見て感じているニューヨーク市民の衝撃は想像を絶する。むごい話だ。無宗教国家日本に生まれてよかった。

(主人公オスカー)リュックサックにカメラやノートや万一に備えての毒マスクをつめてblackさんの元へ出発する。手には心を落ち着かせるためのタンバリンを持つ。公共交通機関は怖いので使わない。訪れた先でそれぞれの生活を聞く。カメラにあった人の写真をとってそれをノートに貼り付ける。大人以上の取材術である。
生意気なガキだなあと思う人も多いであろう。見ているものを不愉快にさせている場面があまりにも多い。しかし、この子供恐ろしいほどの才能を見せる。早口言葉で自分のことを話させる時、脚本があるとはいえ機関銃のように言葉を発する。「これはいつ起きたの?」と問いかければ即座に秒単位で○時間△分■秒と答える。彼にそういう才能が備わっているかがごとくの答え方をする。
自閉症に関する映画は少しづつ増えている。一番有名なのは「レインマン」ダスティンホフマンは迫真の演技をする。歴史上の出来事の日や曜日を一瞬にして答えたり、落ちたマッチの数を一瞬にして数えたりする。それに通じるものである。自閉症の子供を描いた映画については記憶にあまりない。
日本はずいぶんとジャリタレをクローズアップするけど、全米の中で選ばれただけあって彼は能力が違う。難易度の高い役を平然とこなす末恐ろしい子役である。
彼の才能を引き出す映画「リトルダンサー」の監督スティーブン・ダルトリーの手腕もすごい。



トムハンクス、サンドラブロックはここでは普通。サンドラブロックは最初はあれ!彼女なの?と思わせるくらい違って見えた。途中から彼女の出てくる場面が増えるが、そのシーンがちょっと余計に見えた。
主人公に同行する祖母の同居人の老人がなかなかいい味を出している。彼とともに主人公がニューヨークをまわる場面では自分もニューヨークに行ったような錯覚を持つ。映画自体を見ていて、子供の気持ちに同化してくる要素をもつ。編集も実にうまく完成度は高い映画だ。
でも謎が一回解けた後の話はちょっと余計なんじゃないかな?もう少し短くまとめた方がすっきりした気がするんだけど。。。
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アメイジング・スパイダーマン アンドリュー・ガーフィールド

2012-07-04 08:12:36 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「アメイジングスパイダーマン」を劇場で3Dメガネをつけてみた。
配役、監督を一新して制作された新シリーズだ。なんとアメリカに先駆けて公開されている。これもすごい。
ハイスクールに通う科学好きの少年が、研究施設でクモに刺されてスパイダーの能力を得る。そのあたりの基本は同じだ。ナイーブな印象を与える新しいヒーローも映画の主旨にあっている。ジェームズ・ホーナーの音楽が高らかに鳴り響く中、娯楽として楽しめた。

幼少時に両親と離ればなれとなった高校生のピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)は、伯父夫婦(マーティン・シーンとサリー・フィールド)に育てられてきた。

科学好きの少年だが、学校では運動部系の身体のでかい生徒たちにいじめられる場面も多い。ある日、隠すように置かれていた父のカバンを発見する。カバンの隠しポケットにある研究ノートを見つける。科学者だった父親が残した叔父にその件を尋ねながら、父の研究パートナーの存在を知る。

コナーズ博士(リース・イーヴァンズ)をネットで調べて、研究室のある会社を訪れる。課外学習できていた他の学校の生徒のふりをして中に侵入する。そこには同級生のグウェン・ステイシー(エマ・ストーン)もインターンで来ていた。主人公は彼女に密かに思いを寄せていた。


主人公は、その研究所の中をこっそりのぞきまわる。そこで遺伝子の研究に使われている特殊なクモに噛まれた。そこで身体に異変が起こる。気がつくと不思議なパワーを発揮するようになった。

自分でマスクをつくり、町の中で起こる犯罪に対して立ち向かうようになる。しかし、ニューヨーク市警はスパイダーマンの仕業が問題と考えていたが。。。。

スパイダーマンは3Dがはえる映画だと思っていた。
いつものように自らが空を飛んだような気分になれる期待感もあった。当然その気分は満たされた。
ジェームズ・ホーナーの音楽が意識してその躍動感を盛り上げている。
ときおりメガネをはずして画面を見直したりして見たけど、もともとの映像作りがうまいんで、2Dでも十分楽しめるような気もする。

今回は主人公のルーツについてずいぶんと追及する。本人もその秘密を知ろうとする。
主人公はけっして万能ではない。ドジを踏むことも多い。そしていつものようにヒロインに恋をする。
前シリーズではスパイダーマンは自分がスパイダーマンであることをしばらく隠していた。今回は違う。
割とあっさりと告白する。誰とは言えないが重要人物が割とあっさり死んでしまうのも特徴だ。
いいのかなあ?と思うけど考えがあるのであろう。

アンドリュー・ガーフィールドは20代後半にもかかわらず、ハイスクールの学生役である。でも不自然さはまったくなかった。「ソーシャルネットワーク」同様、現代の学生らしい風貌なんだろう。年下のエマ・ストーンの方がむしろ大人っぽい。女の子の方がおませということなのかな?
彼女の父親役の存在がこの映画では大きなターニングポイントをつくる。父親役と主人公がスパイダーマンをめぐって言い合いをする。ここがおもしろい。いったいどうなるのかと思ったが、少しづつ2人を接近させる。
そのあたりはうまいと思う。


でも満点をあげるほどの感動はなかったなあ。
自分の理解度が悪いのかもしれないが、コナーズ博士に関する話で、よく理解できない場面が数多くあった。意味がわからない間にテンポがよく進むのでどういうことなのかなあ?と考えてしまった。単純にスパイダーマンの映像を追いかけているだけならいいけどね。

そういえば、エンディングロールがはじまりもう終わりかと思って帰りかけたら、突如映像がはじまる。重要人物が出てきて次回がいかにもありそうな話をする。まだまだ続きそうだ。
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リミットレス  ブラッドリークーパー

2012-06-28 05:11:34 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「リミットレス」はラブコメの帝王ブラッドリークーパーがSF的ドラマに取り組んだ作品だ。

落ちぶれた作家が脳を100%活性化させる薬を手に入れ、一気に逆転していく話だ。ただし、この薬を飲んで死にいたった人が多数出ているし、手に入れようとさまってくる男たちとのやり取りも語られる。
SF的作品であるが、ありえなくはない気もしてくる。


ニューヨークが舞台だ。
作家である主人公(ブラッドリークーパー)は酒びたりで冴えない毎日を過ごしていて、恋人からも見放されている。主人公が離婚した元妻の弟とマンハッタンの街中で偶然出くわす。冴えない日々が続いているのが表情にも出ていたので、製薬のコンサルタントだという元義弟からある薬をもらった。普通20%の能力しか使われていない脳を100%能力発揮させる薬だという。
家に戻ると、家賃滞納で中国人の家主が取り立てに来ているところだった。家に着く前に疑心暗鬼で飲んでいた。飲むといきなり効き目が来た。頭が冴えて家主の気になっていることをすぐ解決。筆が進まずにいた原稿もものすごいスピードで書ける。すたれきっている家の中をあっという間に整理するなど信じられない効果が出てくる。翌朝になったら、その能力は落ちていた。追加をもらおうと弟の所へいくと、弟は誰かになぐられて顔が傷になっている。この顔では外に出れないと買い物を主人公が頼まれる。用をすませて戻ると殺されていた。
あわてて警察を呼んだが、薬のありかを懸命に探す。誰かに荒らされている跡がある。しかし、見つからない。そんな時とっさにオーヴンの中を見て間一髪見つける。警察の事情徴収を受けたが、元妻の弟であることと事情を話して無事釈放された。

再度効能を試した。ピアノは3日で弾けるし、長編小説を4日で書き終わる。外国語もあっという間に習得できる。デイトレーディングではすぐ利益を出す。小説を書くだけではもったいないと、ウォール街への進出を考える。種銭が必要なので裏のルートから10万$を調達した。そこでも飲む量を増やして、すぐさま200万$に資金を増やす。そこに注目した著名な実業家(ロバートデニーロ)がでてきたが。。。


ニューヨークの中をものすごいスピードで駆け抜ける。でも住処は中華街の中のボロイアパートのままだ。以前よりもニューヨークの中華街が映画に出てくる場面が増えている気がする。

こんな薬があるなら欲しいくらいだ。頭の中にある全記憶が利用できるようになってくる。単に雑誌や新聞で読んだことや古い記憶も鮮明になる。外国語は一瞬にして習得する。ものすごい回転でいろんなことが頭に入っていく。ネタが浮かばず書けずにいた小説を一瞬にして書く。依頼主はびっくりだ。そして、ウォール街からも注目を浴びることに。しかし、副作用のない薬はない。主人公にもすぐ副作用が現れるのだ。
こういうこと近未来ではありえそうな気がする。
インプットしなければ、アウトプットはない。でもインプットしておけば、すべてが使えるということならば凄いことが起きる気もする。この薬は意欲も高める。

(株式投資の考え方)脳が活性化したなら、金儲けへと考えるのは当然だ。主人公は株式投資に目を向ける。ここで彼の言うコメントがいい。自分は業績には興味はない。人間の心理が相場を決する。それを投資に利用できるアルゴリズムを開発したという。経済学の泰斗ケインズ的考えだ。ケインズはかの名著「雇用・利子および貨幣の一般理論」の中で「美人投票の考え方」を論じている。彼はあくまで大衆の熱狂で相場が変わることを読んでいる。この本は難解と言われるが、この説明の章は金融投資に関する最高の参考書だ。ケインズ伝を読むと、彼自身若い頃は大失敗もしたが、結果的に大儲けして財産を残している。彼が相場を張ったのが大恐慌時代と考えるなら驚異としか言いようにない。
大衆の相場観は何か?とかなりの数のブログを分析して投資の技術をつくるという話は日経新聞で読んだことがある。主人公の考えはいい線いっている。

脳の能力増強をどうするべきなのかを考えさせられる映画だ。
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永遠の僕たち ミア・ワシコウスカ

2012-06-08 05:07:58 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「永遠の僕たち」はガスヴァンサント監督による人間ドラマだ。
青春ものの色彩も強い。

ガスヴァンサント監督といえば、「グッドウィルハンティング」が一番大好きな作品、マットデイモン演じる精神が破壊した数学の天才をメインにした傑作だ。
ショーンペンがオスカーを獲った「ミルク」もゲイ物だけに好き嫌いがあるがいい味出していた。
そんな監督の新作だから当然見る。

死や霊をめぐる話なので、好き嫌いあるかもしれないが、自分にはよく見えた。
日本の特攻隊の精霊を加瀬亮が演じる。これはこれで悪くない。
何よりミア・ワシコウスカのかわいさがいいムードだ。


主人公(ヘンリーホッパー)は高校を退学になってブラブラしている青年だ。彼は葬式めぐりを日課にしていた。自分に関係のない人の葬儀に参列するのだ。ある葬式で参列の一人の女の子(ミア・ワシコウスカ)と知り合いになった。
葬儀屋に声をかけられた。「ここ1ヶ月で君を三回見たけれど、どういうことなんだ」と
そのとき彼女が横から「わたしは故人の姪で、彼は私のボーイフレンドだ」と助け舟を出してくれた。
そこを出て2人は歩いて語り合った。主人公は父母の墓に向かいながら自分の身の上を話した。
自分は大きな交通事故にあった。そのとき父母がなくなり叔母と一緒に暮らしている。
自分もそのとき3分間死んだ状態になったと。
そういう臨死状態をしたせいで、主人公は日本軍の神風特攻隊の精霊ヒロシ(加瀬亮)と会話ができるようになった。いつも一人でいる主人公は特攻隊の戦士の精霊とゲームをしたりして遊んでいる。
彼女は重い病気にかかっていた。MRIの検査をしたら、余命はあと3ヶ月だといわれる。
でも主人公は3ヶ月あればたくさん一緒に遊べるよと二人はデートするようになる。
病院の霊安室でデートしたり、ハローウィンのときに主人公が日本軍の戦闘服を着て、彼女が日本の着物を着てデートしたり楽しい日々を過ごすのであるが。。。。

なんとビートルズの「TWO OF US」で映画はスタートする。映画「LET IT BE」のシーンが懐かしい。
後期では珍しいジョンとポールがマイクを一つにしたアコースティックギターがやさしいセッションだ。
クレジットを見ると音楽はダニエル・エルフマンだ。ご存知ティムバートン映画の派手な映画音楽をかき鳴らす作曲家だ。
でもここではおとなしい。アコースティックギターをベースに優しい音楽が流れる。70年代初頭のCSN&Yやアメリカを思わせる。ダニエルにはきわめて珍しいパターンだ。
シンプルなフランス語の歌なんかはいい感じだ。

その優しさムードは主演女優のミア・ワシコウスカの持っているなんともいえない優しい姿とあっている。
設定はダーウィンの本を読む、動物が好きでそのスケッチを楽しむ女の子だ。
ここでの彼女は実に素敵だ。ショートカットは初期のグゥイネスパルトロウや60年代に一世を風靡したツィギーを思わせる。
名前からして東欧系なのか色白美人だ。

「アリスインワンダーランド」「キッドオールライト」や今度公開の映画にも出てくる。キッズオールライトは別として時代物なので髪の結い方が違う。今回本質的な素材のよさが表面に出ている。

本当にかわいい。
こういう女の子とデートしてみたいなあと感じさせる良い雰囲気を出している。
主人公はバドミントン、ボート、スケッチ、フェンシングいろんなデートを楽しむ。楽しそうだなあ。
神楽坂恵の爆乳が炸裂するワイルドな映画を見た後で、あっさり系でよかった。
濃い目のデミグラスソースのビーフシチューを食べた後に、あっさりとした白身魚の生ものを食べるような感覚だ。

この映画は彼女に尽きる。
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ファミリーツリー  ジョージクルーニー

2012-06-03 12:08:24 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「ファミリーツリー」を劇場で見た。

「サイドウェイ」での人間模様の描き方の巧みさが印象的なアレクサンダーペイン監督が久々にメガホンをとる。ハワイを舞台にした人間ドラマである。名監督の新作とそれなりに良い評判をみて見に行ったが、正直うまくまとまってはいるけれど。。。という印象だ。

ハワイオアフ島で主人公(ジョージクルーニー)は弁護士、もともとはハワイの先住王族の血を引くかなりの財産家であるが、資産に手をつけないでつつましく生活してきた。その主人公の妻がモーターボートで事故に遭い意識不明の昏睡状態となった。医者からはもう二度と意識は戻らないといわれて、安楽死を勧められる。17歳の娘(シャイリーン・ウッドリー)と10歳の次女の二人の娘がいた。
10歳の娘は屈託のない子で、17歳の姉貴は反抗期に入っていて扱いが難しい。今は全寮制の私立学校に通っていた。その長女に母親が意識が戻らないということで、生命維持装置を外すことになるとの話をした。ショックを受けた彼女は落胆する。そしてそのあとに母親が浮気をしている場面に遭遇したことがあったという告白を主人公にする。
驚いたのは主人公だ。夫婦共通の知人に真相を確認したうえで、浮気相手を探し出そうとする。しかも主人公はカウアイ島にある先祖代々受け継がれてきた広大な土地を売却するかどうかという問題も抱えていた。浮気現場を見た娘を連れだしていくうちに、浮気相手の勤め先を確認することができたのであるが。。。


ハワイが舞台なので、アコースティックギターでアロハスタイルの音を奏でさせて心地のいいバックのもと、ストーリーを進めていく。服装もアロハシャツや軽装で涼しそうだ。主人公やその友人たちが住む家はアメリカンスタイルのきれいな家で映像的には楽しめる。
そこでのストーリーの起伏は大したことはない。むしろ日常の延長的な感覚で静かに進めていく。


この映画での監督のうまさを感じたのが、登場人物のキャラクター設定だ。
まずは10歳の娘、いきなりジョージパパが日系人と思しき母娘にイジメのクレームを受ける。真相は友人の女の子が早熟であそこの毛が生えてきたのをジョージの娘がクラスのみんなにばらしちゃったという他愛のない話だ。若干向こうの方が早熟なんだろうか?ビキニに砂を入れてバストの豊満さを見せようとしたり、エロビデオを見たがったりするキャラは面白い。
村上春樹の「1Q84」の主人公2人が初めて手をつないだのが10歳だ。本来は純粋なキャラの設定で描くべき年齢だ。10歳って小説でも映画でも性的要素が入ってくる手前の存在だ。その女の子にわずかながら性的要素を加える。アレクサンダーペインはそのあたりはよく承知しているはずだ。この女の子の存在が最後まで映画にいいスパイスを与えている。
次に2人の娘とともに浮気相手探しに同行する長女の友人の少年、世間のTPOが全く分かっていなくて、ボケているジョージの妻の母親の振る舞いを笑ったりして、妻の父親になぐられたりしている奴だ。うっとうしい奴なんだけどなぜか憎めない面白い存在を中間点に挿入する。彼がいることで起きる化学反応もアレクサンダーペイン監督のうまさだろう。
そして妻の父親だ。頑固じじいを地で行ったキャラだ。頑固ぶりを前面に出したオヤジだけど、先立つ娘への愛情を上手に表現している。映画の中で唯一ジーンとくる場面だ。

この3人と浮気相手夫婦の存在により、この映画は普通の映画じゃない味わいが持てるようになっている気がする。長女役はきれいだし、ジョージクルーニーはうまいけど、脇役の巧みさがなく彼だけの存在であればこの映画はもっと凡作になったであろう。
ウディアレンとペドロ・アルモドバルの凄すぎる2本を見てしまった後だけに少し物足りない気もした。


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私が、生きる肌  ペドロ・アルモドバル

2012-05-31 21:00:55 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「私が、生きる肌」を劇場で見た。

スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の新作である。鋭い色彩感覚と意外性のあるストーリー展開、ちょっと常識外れの映像をいつもたのしませてくれる。今回は評論家の評価が極端に分かれる。逆に怖いもの見たさの気分にさせてくれる。衝撃的な予告をみてドキドキしながら新作を見たが、期待を裏切らない作品だった。

形成外科医ロベル(アントニオ・バンデラス)は、画期的な人工皮膚の開発に没頭していた。皮膚移植の事例を学会で発表するシーンからスタートする。大豪邸の屋敷に帰るとそこには一人のメイドが待っていた。そして部屋から見るモニターテレビに映るのはタイツを全身に着用した一人の女性(エレナ・アナヤ)だった。彼女は大きな部屋で一人でヨガをしながらたたずんでいた。

大豪邸の地下には、手術が可能な大きな診察室がある。主人公はそこで人工皮膚を移植していた。そしてもうすぐ完成しようとしていた。物語はある人物の来訪で動く。虎のコスチュームに身をまとった一人の男だ。TVインターホンに映る男はお尻にあるあざを見せてメイドを呼び出す。彼はメイドの息子だったのだ。メイドは玄関先で対応するが、強引に家にあがりこんできた。テレビの画面には街で銀行強盗があったニュースが映り、犯人として虎男が映っていた。あわてるメイド、拳銃を向けるが逆に虎男に縛られてしまう。そのとき虎男は画面をもう一度見て、そこに女性がいるのに気づく。

虎男は懸命に広い家の中を探し回る。扉を次から次へと開け、ようやくたどり着く。女の顔には見覚えがあった。虎男はまさに飢えた野獣のように個室のタイツ女を求める。虎男が女の上で暴れまわっているころ、主人公が家に戻ってきた。主人公はピストルをもって女の個室へ向かう。そして男に拳銃を向けたのだ。。。

話は10年前に戻る。主人公は妻と娘と暮らしていた。妻はやけどをしてしまう。その時この虎男も一緒にいた。彼女は全身やけどの瀕死の重傷であったが、虎男は逃げた。主人公は懸命の看病をするが、自分の姿を見てショックで妻は自身の命を絶つ。そして娘も大きなショックを受けるという過去があったが。。。。

重層構造のストーリーで、もう少し先まで語りたいがこのくらいにしておこう。

映画を見始めると、全身タイツの奇妙な女性が映る。何だろう?妻なのか、単なる監禁されている女性なのかまだわからない。そうしていくと突如虎のコスチュームの男が来る。こういうぬいぐるみを着た男が出てくるのはデイヴィッドリンチ監督の映画によくあるパターンだ。怪奇ものなのか?いや違う。理解に苦しむ。音楽が緊迫感を高める。ドキドキしてくる。
その後2度ほどタイムスリップしてようやくある程度ストーリーが読めてくる。それまでずいぶんと時間がかかる。心因性ショック、監禁、強姦、皮膚移植と題材自体はどきつい。変態マンガの世界ともとれるが、そんなに不自然な話ではない。でも伏線をいたる所に散らせたかなり手の込んだ作りかただ。
先を読ませぬ脚本は類推がしづらい。最後まで予測困難であった。


主役を演じるアントニオバンデラスはまさに適役といえよう。整髪料で固めた髪をびしっと決めたうえ、細いセンスの良いネクタイをしめたスーツ姿はなかなかスタイリッシュだ。タキシードの着こなしもかっこいい。タイツ姿の女もなかなかの好演だ。肌をさらし、ワイルドな男たちの愛撫にも耐える。
彼が住む豪邸が想像を絶する屋敷だ。これは凄い。そこに掛った絵画も素晴らしく、美術の見事さもいつも通りだが、原色のトーンが若干抑えられているのがセンス良く見える。。

賛否両論の意味はわかった。
自分は素晴らしい作品だと思う。
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ラブアゲイン スティーブ・カレル

2012-05-23 10:06:33 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「ラブアゲイン」は妻に離婚を突き付けられたさえない中年男性の姿を描いたラブコメディだ。

ダメ中年を演じたら天下一品のスティーブ・カレル演じる主人公を中心にして、モテ男ライアン・ゴズリングに手ほどきを受ける姿がおもしろい。


映画はある夫婦の妻(ジュリアン・ムーア)が旦那(スティーブ・カレル)に離婚の申し出をする場面からスタートする。
キョトンとする夫は何もいえない。追い討ちをするが如く、妻はある男デイヴィッド(ケビンベーコン)の名前を出して、すでにその男とできていると告白する。夫はそんな話は聞きたくないとばかりに、車の扉を開けて逃げ出す。夫婦には3人の子供がいた。長女は一人暮らしで13歳の長男と幼い次女と暮らしていた。結局子供は母親の元に残る。

仕方なく一人暮らしを始めた夫であるが、バーで愚痴を言うばかりだ。そんな彼の独り言を聞いていたプレイボーイ風の一人の男(ライアン・ゴズリング)が近寄ってくる。彼は事情を聞き、女性を口説く手ほどきを教授する。洋服を新調したり、髪型から何まで変身した彼は、バーで女性を口説くようになる。
手馴れてくると、次から次へとうまく行くようになるのであるが。。。。

ジュリアン・ムーア演じる主人公の妻は見ようによっては嫌な女である。普通の亭主である主人公を見捨てて別の男に走ろうとする。内田樹の「映画の構造分析」という本で「アメリカ映画が、その全史を通じて強烈な女性嫌悪にドライブされている。」そう書いてあったが、なるほどと思わせるようなこの映画である。
日本ではラブコメはカップル以外は男性の姿を見つめるのが難しい。でもアメリカではそうでないのかもしれない。女性嫌悪が語られるので、女性の身勝手さに手を焼いている男性のうっぷんが晴らされるのかもしれない。そんな映画を日本で見る大多数が女性なのが笑える。



登場人物は多い。13歳の思春期の長男をクローズアップさせ、子守に来ている17歳の女性への思いを語らせる。思春期の年上への憧れを語る。割りと多人数が絡む映画であれど、比較的単純な恋の話なのでわけがわからなくなるなんてことはない。途中意外性のある場面をいくつも持ってきているので話の展開で飽きることはない。笑いが思わずこぼれる場面も多い。


ライアン・ゴズリングはかっこいい。先日ロードショーで「ドライブ」を見たばかりである。男前の代名詞のようになってきた。スティーブ・カレルとの対照でうまい使い方だ。また、ケヴィンベーコン、マリサトメイ両ベテランが特製スパイスのような役を演じて、映画にアクセントを添える。

普通のラブコメディの色彩、ほのぼのとしていいが、まあ退屈なときに見る映画かな。
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テイカーズ マットディロン

2012-05-21 05:25:36 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「テイカーズ」はロスを舞台にした2010年の犯罪アクション映画だ。
「takers」のtakeは意味の多い単語だ。映画の中では「奪う」と訳していた。まあ強盗団ということなのであろう。


ロスアンゼルスが場面に映り、白人黒人入り混じった5人のプロの盗人集団(イドリス・エルバ、ポール・ウォーカー、ヘイデン・クリステンセン、マイケル・イーリー、クリス・ブラウン)が銀行強盗に入る話からスタートする。完ぺきなシナリオ通りに無事に200万$ゲットする仕事を終える場面だ。彼らは仕立てのいいスーツに身を包み、優雅な生活をしていた。そんな彼らの前に5年前にコンビを組んだ男が刑務所から出所してきた。以前の分け前が欲しいということもあったが、刑務所で知った2000万$を運ぶ現金輸送車の情報を持ってきた。この盗人集団は一度仕事を成功させると1年は何もしない方針であった。今回は金額につられて元の相棒と一緒に取り組むことにした。
一方ロス市警の警部(マットディロン)は銀行強盗事件を追っていた。休みの日も娘を連れて犯人を追いかけるワーカーホリックな刑事だ。今回も少ない情報から犯人たちの手掛かりを得ようとするのであるが。。。


ロスの映画は、夜のシーンがきれいだ。今回は盗人たちが優雅に美女たちをはべらかしながら、遊びまくるシーンが出てくる。「プレイボーイ」社のへフナーみたいな豪遊生活といった感じを見せる。一方で犯人たちと警官の人間模様を間にはさむ。薬漬けの身内やいつも通りのロス市警の汚職の話が入る。
逃走劇をしつこく活劇のように見せるシーンはなかなか凄い。ロスのビルの谷間を刑事と犯人が追いかけまわるのはなかなかスリリングだ。他にも激しい弾が飛び交う銃撃戦もあり、アクション映画としてはいくつもの見せ場は用意しているようには見える。


しかし、どうも不自然な設定と思える部分が多い。
いきなり銀行強盗してヘリで逃げるけど、これって普通だったら空中で追いかけっこもするであろうし、レーダーでヘリの到着先も探知できるような気がする。それとこの盗賊さんたち高級外車に高級マンションでの優雅な生活をしているけど、これってずいぶんと目がつく動きのような気がするんだけれどなあ。普通日本だと高級外車を買った時点で税務署にもチェックされて、金の出所を綿密に調べられてしまう気がする。IT社会アメリカ警察が日本より遅れているような感じはしないんだけど。。。
見ているうちに、こんな疑問を常に感じていた。

映画は普通かな
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