映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

それでも恋するバルセロナ  ウディ・アレン

2009-07-04 21:14:04 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)

映画館で見た。予想以上に女性でいっぱいだった。宣伝が良かったのか?ウディアレンの作品では客が埋まっている方だ。左隣に座った女性は、映画が始まると同時にずっと寝ていた?驚いた。何しにきたの?右隣のカップルは何か動きがあると、小声で語り合っていた。うるさい。不思議な上映だった。自分は途中からおかしくてたまらなかった。

ウディアレン監督の新作。スカーレットヨハンソン、バビエルバルデム、ぺネロぺクルス他の超豪華スターによる変則恋愛ストーリーをバルセロナを舞台に、スペインを意識した映像の下描いていく。楽しめる小品だ。
 スカーレットヨハンソンレベッカホールは、アメリカからバルセロナへ遊びに来ている。あるパーティーで二人は妻と別れた画家バビエルバルデムと出会う。スカーレットは彼に強い関心を持ち、二人は恋仲に陥る。そのとき、元妻ぺネロぺクルスが自殺未遂をしたという電話連絡がある。バビエルは迎えに行き、ペペロネを預かる。バビエル宅で変則的な3人の暮らしが始まる。。。。

映画の手法はいかにもウディアレンらしい展開であった。舞台をいつものニューヨークからロンドンに移して2作撮ったが、いよいよスペイン進出。お気に入りのスカーレットに美女ぺネロぺを加えてさぞかしウディはご機嫌だったであろう
早口言葉での会話のやり取りが多い脚本は、ウディらしい展開。2作撮ってなれてきたスカーレットだけでなく、ぺネロぺもその情熱的な役柄にあった激しい感情を会話の中に見せる。ラストが近づくときのバビエルとのやり取りは実にこっけいで本当に笑えた。
会話している二人を歩かせながら、カメラが引っ張り、おしゃべりを撮っていく手法がウディはすきで、「アニーホール」や「インテリア」のころから変わらない。バルセロナのいいとこ取りをしたバックの風景や美術もいい。ただし、画面の鮮明度はペドロ・アルモドバル監督の作品のようなド派手な感じにはなっていない。少しおさえている。だからか、「ボルベール」では原色まるだしでド派手に見えたペネロぺが落ち着いて見えた。ウディの老練さであろう。


女性陣も良かったが、バビエルバルデムはプレイボーイを楽しそうに演じていた。「ノーカントリー」の非情きわまる殺人鬼ぶりとは一転である。かっこいい。どうもこの映画のあと、バビエルとぺネロぺは私的に付き合っているらしい。でもそのぺネロぺの気持ちもわかるような気がする。
そんなに制作費がかけられているとは思えない映画だけど、よくもまあ豪華スターが集まったものである。もちろんイーストウッドと同じで晩年の域に達したウディの威光であろう。ウディも楽しんでいたし、それぞれの出演者がちょっと変態な役を本当に楽しんでいた気がする。単純におもしろかった。

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ぐるりのこと

2009-07-04 21:11:52 | 映画(日本 2000年以降主演女性)
子供のいない夫婦と彼らを取り巻く家族、仕事の仲間を描く。
木村多江とリリーフランキーの主役二人が好演。リリーフランキーが演じる法廷画家がおもしろい。
脇役陣が非常に豪華である。現在考えうる中で一番の日本の名脇役を揃えている。

出版社に勤める木村多江とリリーフランキー夫婦を中心にストーリーは流れる。
ぱっとしない画家リリーは友人からある仕事を教えてもらう。法廷で判決を聞くときの被告の様子をスケッチする仕事だ。二人の間に子供ができたが、生まれてすぐ死んでしまう。木村は子供ができないことで心を痛めてしまう。

法廷の描写がおもしろい。
同じ裁判物でも「それでもボクはやっていない。」では捉えていない描写がある。
裁判の内容よりも、傍聴席にいる人たちにスポットを当てる。話題の犯罪には、傍聴券を求めて行列ができる。傍聴券を取れた後、中には速報で判決を伝える人、被告の表情をスケッチする画家が傍聴席に座る。オウム裁判や宮崎ツトムを思わせる裁判が出てきて、その裁判の特徴が良くわかる。

神がかったお灸の先生倍賞美津子が木村の母親。年取ったなあ、倍賞さん。
木村の兄は不動産屋で、時代を経るにつれて落ちぶれていく姿も描いていく。
ちょっとだらだらとした印象を受ける。裁判例も多すぎるのでは?もう少し簡潔に編集できたのではないかな?いろんな題材を選びすぎていて、焦点がはっきりしない気もする。悪い作品ではないが傑作とまでは。。。。
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