映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

キッズオールライト  アネットベニング&ジュリアンムーア

2011-12-30 18:28:32 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「キッズオールライト」はかなり特殊な家族が生み出す奇妙な物語だ。
アネットベニング、ジュリアンムーアの主演級の女優2人がレズビアンカップルを演じる。この2人には人工授精で生まれた二人の子供がいる。今ではティーンになった2人の子どもたち。ところが、その子たちが本当の父親(精子提供者)にあいに行くという設定がなされ、小さな家族にきしみが生まれる。
ホームドラマと思しき設定だが、かなり大胆なベッドシーンもあり映画には多彩な色彩がある。


18歳の女の子ことミア・ワシコウスカには、医師である自分の母親ことアネット・ベニング、同じ父親を持つ15歳の弟、そして弟の母親ことジュリアン・ムーアの4人暮らしである。ママ二人と姉弟という特殊な家族で仲良く生活を送っている。18歳になったミアは大学進学のために一人暮らしをすることになる。
2人の子供たちはまだ会ったことのない自分たちの父親ことマーク・ラファロに興味を持ち、こっそり会いに行くことにした。レストランを経営し、気ままな独身生活をする実父に親しみを感じた二人だった。その後このことが2人の母親にわかるようになるが。。。


人工授精が日本より一般的に行われていると思われるアメリカならではの話だ。
父親については秘密を守る原則であるが、子供がどうしても会いたいという希望には答えねばならないであろう。そこで本当に父親に会いながら、子供たちは今まで欠けていた何かを求めようとする。
父親は農園を経営しながらレストランを営む経営者だ。女性遍歴も豊かでナオミキャンベルばりの美人の黒人女性が恋人だ。そんな彼も照れながら子供たちに会ううちに、次第に父親の顔を見せていく。

主演2人はレズビアン。だからと言って大胆なベッドシーンがあるわけではない。たまにはといって行為を起こそうとするときに見るのが、男性同士のプレイの映像。ちょっと変わっているなあ??
当然女性2人と父親には精子提供者と卵子を持つ女性という関係しかないが、子供という媒介を持って会うようになる。そうしていくうちに間違いも起きてしまうという構図だ。
そこで登場するのがジュリアンムーアだ。アネットが男役でジュリアンが女役といったカップルだ。その彼女がこの映画ではかなり大胆な動きをするので少々驚く。

お金をかけないでつくられた作品のようであるが、西海岸の都市特有の日差しの強いエリアのなかでグリーンをふんだんに見せながら、視覚的にも心地よい作品となっている。ワインをベースに映画をつくった「サイドウェイ」のあの感覚と同じだ。
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スクールオブロック  ジャックブラック

2011-12-30 06:24:09 | 映画(自分好みベスト100)
スクールオブロックは何度も見ている映画である。
実におもしろい。自分自身のベストでも上位に来る作品だ。リチャード・リンクレイター監督作品
コメディアンとしてのジャックブラックの才能がいかんなく発揮される。彼の恐るべきパワーに何度圧倒されたことであろうか?


主人公ことジャック・ブラックはロック・バンドのメンバーだ。人気は下降気味。観客へのダイブも誰も支えてくれない。代用教員の親友ネッドのアパートに居候しているのに家賃をずっと支払っていない。ネッドの恋人は激怒し、アパートから追い出すと宣告されるが一向に態度は変わらない。そんなジャックは破天荒な態度が問題となり自らつくったバンドをクビになった。暇になった彼が家にいると、小学校からネッドにかかってきた仕事の依頼の電話を受け取る。
ジャックブラックはネッドになりすまして、この学校の代用教員になろうとした。年間15000ドルの学費を支払う名門私立小学校だ。厳しい女校長ことジョーン・キューザックがそこにはいた。履歴書のキャリアとのギャプを感じたが、そのまま採用した。小学校5年生の担任になる。何を教えていいのかもわからないジャックは机の上に足を延ばして、いつも自習に。とまどう生徒たちだった。
ある日、ジャックは音楽室から流れてくる担任の生徒たちのクラシック演奏を聴き妙にうまいのに驚く。それぞれに役割分担を持たせると素直にやる。そこで生徒たちにロックをやらせて一緒にバンド・バトルへ出場するという計画を思いつくのであるが。。。。


ニセ教師の話である。気分を悪くする人もいるだろう。でもここは気楽にみることにしたい。
名門小学校だけにみんな素直でまじめだ。楽器ができる生徒も多い。でもそうでない生徒もいる。一番活発なクラス委員の女の子をマネジャーにして、バックコーラスや校長の見張り係などみんなに役割分担をさせる。ロックなんてみんな知らない年頃だから、ロック史を教えたりする。
普通の勉強は全く教えられないが、ロックのことなら何でもわかる。歴史のチャートをつくって説明する。おもしろい!教師ジャックブラックの真骨頂である。


この中で絶対に忘れようと思っても忘れられない名場面がある。スクールバスに生徒と一緒にのりながら、レッドツェッぺリンの「移民の歌」にのってジャックブラックが「アーアアーアー」と歌う場面だ。まさにパワーあふれるジャックブラックのしぐさに最初見た時背筋に電流が走った。中学校の時ロバートプラントが歌うこの歌を初めて聞いた時もドキッとしたが、それを上回る衝撃である。でもこういう一流どころの歌を映画内で使うのは大変なことだ。メイキングフィルムを見ると直接ダメもとでジミーペイジに頼み込んだらしい。

校長との絡みも笑える。ジョンキューザックの姉上ジョーンキューザック演じる固い眼鏡女校長を誘い出しビールを飲ませ、生徒たちの外出許可をとってしまう。釣り餌にするのは校長の大好きなロックミュージックだ。生ビールを飲ませながら、許可をとるそのやり口は参考?になる。もちろんちびっこバンドの盛り上がりもすごい。白人、黒人、アジア人と人種はまちまちなのもいかにもアメリカ映画らしい。
映画史において、この映画とブルースブラザーズの音楽的盛り上げ方は2つの大きな頂点であろう。

コメント (2)
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