映画「ブラックハット」を映画館で見てきました。
夜のあやしいムードを基調にした「ヒート」「コラテラル」「マイアミバイス」といったマイケルマン監督作品は大好きだ。今回は香港が舞台になるという。エキゾティックな街を舞台にどう料理するのかが楽しみで足を運んだ。キャスト的には「ラストコーション」でトニーレオンと大胆な絡みを見せたタンウェイが出演することに強く心を動かされた。
アメリカの捜査当局も加わり、ハッカーに近づいていく流れにはわかりづらい一面もあった。それでも、夜のネオンと猥雑な香港の街の相性は抜群で、その中での追跡劇はしびれる。マイケルマンがいつものように作り上げていく映像を単純に楽しむだけでも自分は満足であった。
ハッカーの遠隔操作により香港の原子力発電所がメルトダウン寸前になり、シカゴでは大豆の先物取引価格が高騰する事件が発生し、FBIと中国当局は合同捜査チームを発足した。アメリカと中国の合同捜査チームは解決の糸口を掴むことができずにいた。中国側の責任者チェン・ダーワイ(ワン・リーホン)の要求により、15年の刑に服している天才ハッカー、ニコラス・ハサウェイ(クリス・ヘムズワース)が釈放され、捜査チームに加入する。2人はマサチューセッツ工科大時代のルームメイトで、犯人はハサウェイが開発したソフトウェアをベースにした不正プログラムを使用していたのだ。
ニコラスは合同捜査チームの中国人女性パートナー(タン・ウェイ)とともに行動を開始する。ハサウェイはコードの配列に残された僅かな痕跡を辿り、犯人が想像を絶する壮大な計画を企てていることを突き止める。シカゴから香港と追跡劇が続くが。。。
天才ハッカーが別のハッカーと対決するなんて構図は非現実な設定には感じない。本当は罪人だけど、悪には悪とばかり対決する設定はよく聞く話だ。しかも中国警察当局とアメリカのFBIが協力しあうなんて構図は珍しい。ビンラディンが金融取引が好きでオプション取引に長けていて、事件を起こす前にコールオプションの売りやプットオプションの買いをかなり仕込んでいたと言われる。
今回も悪のチームの狙いは壮大な金儲けだ。そこには商品取引が介在している。儲かったら巨万の富が手に入る。でもそれだけじゃない愉快犯だ。
1.マイケルマン
それぞれのロケ地で、いつも銃撃戦を繰り広げさせる。「ヒート」でのマフィアのデニーロとアルパチーノ率いる警察部隊の対決は実に迫力あるし、2人の人物像の表現もうまい傑作であった。その後も「コラテラル」「マイアミバイス」いずれも夜の撮影が中心で、ワクワクさせるものを感じさせてくれる。前作「パブリックエネミーズ」ではジョニーデップに稀代の極悪人を演じさせたけど、これもムチャクチャおもしろかった。そんな訳で非常に相性のいい監督である。でもアジアが舞台になるのは初めてじゃないかな?エキゾティックなムードに憧れていたのじゃないのかな?
2.夜の香港とジャカルタ
あれ?香港に原子力発電所なんてあったっけ?と思って家に帰って調べたら、シンセンにはあるが確かにない。単なるフィクションだ。本当にあったら笑い事じゃないよね。映画に映る原子力発電所の形もフランスの発電所によく似ている。それでも夜のムードを描くのが抜群にうまいマイケルマンは香港でやりたくて仕方なかったのであろう。猥雑な街を映すだけでなく、小型飛行機で香港の上空を何度も映す。啓徳空港がある頃はほんの数秒楽しめた光景で、これはしびれる映像だ。
シカゴと香港は映画界ではおなじみの風景であるが、マレーシア、ジャカルタというと少ない。経済発展を遂げていく都市なのでこれから露出度が高まるだろう。最後に向けてジャカルタの広場での追跡劇はなかなか面白い。賃金も安いのであろうか?大量にエキストラを雇ってお祭りを演出させ、その中で悪の親玉と主人公クリス・ヘムズワースそしてタンウェイを思いっきり動かす。周辺はいかにもエキゾティックな雰囲気を醸し出しているのでなかなかいい。
3.タンウェイ
「ラストコーション」ではトニーレオンとかなり大胆なからみをしていた。本当にやっているんじゃないだろうか?と思わせるすばらしい演技だった。ここでは主人公との絡みはあるが、それほどではない。マイケルマンの「マイアミバイス」では中国人の名優「コンリー」が同じようにヒロインを演じたが、東洋人の女優にかなり関心をもっているご様子だ。
2人の中国人捜査員は兄妹ということになっているが、もともとは恋人同士なんだろう。それをそう見せないで囚人ハッカーの主人公と交わる。でも兄??に事故が起きると泣き叫ぶ。余計なコメントはないけど、そのことで元恋人と感じさせる。
最後も観客に次の動きを予測させながら結末をはっきり言わない。そのあたりはうまい。
(参考作品)
夜のあやしいムードを基調にした「ヒート」「コラテラル」「マイアミバイス」といったマイケルマン監督作品は大好きだ。今回は香港が舞台になるという。エキゾティックな街を舞台にどう料理するのかが楽しみで足を運んだ。キャスト的には「ラストコーション」でトニーレオンと大胆な絡みを見せたタンウェイが出演することに強く心を動かされた。
アメリカの捜査当局も加わり、ハッカーに近づいていく流れにはわかりづらい一面もあった。それでも、夜のネオンと猥雑な香港の街の相性は抜群で、その中での追跡劇はしびれる。マイケルマンがいつものように作り上げていく映像を単純に楽しむだけでも自分は満足であった。
ハッカーの遠隔操作により香港の原子力発電所がメルトダウン寸前になり、シカゴでは大豆の先物取引価格が高騰する事件が発生し、FBIと中国当局は合同捜査チームを発足した。アメリカと中国の合同捜査チームは解決の糸口を掴むことができずにいた。中国側の責任者チェン・ダーワイ(ワン・リーホン)の要求により、15年の刑に服している天才ハッカー、ニコラス・ハサウェイ(クリス・ヘムズワース)が釈放され、捜査チームに加入する。2人はマサチューセッツ工科大時代のルームメイトで、犯人はハサウェイが開発したソフトウェアをベースにした不正プログラムを使用していたのだ。
ニコラスは合同捜査チームの中国人女性パートナー(タン・ウェイ)とともに行動を開始する。ハサウェイはコードの配列に残された僅かな痕跡を辿り、犯人が想像を絶する壮大な計画を企てていることを突き止める。シカゴから香港と追跡劇が続くが。。。
天才ハッカーが別のハッカーと対決するなんて構図は非現実な設定には感じない。本当は罪人だけど、悪には悪とばかり対決する設定はよく聞く話だ。しかも中国警察当局とアメリカのFBIが協力しあうなんて構図は珍しい。ビンラディンが金融取引が好きでオプション取引に長けていて、事件を起こす前にコールオプションの売りやプットオプションの買いをかなり仕込んでいたと言われる。
今回も悪のチームの狙いは壮大な金儲けだ。そこには商品取引が介在している。儲かったら巨万の富が手に入る。でもそれだけじゃない愉快犯だ。
1.マイケルマン
それぞれのロケ地で、いつも銃撃戦を繰り広げさせる。「ヒート」でのマフィアのデニーロとアルパチーノ率いる警察部隊の対決は実に迫力あるし、2人の人物像の表現もうまい傑作であった。その後も「コラテラル」「マイアミバイス」いずれも夜の撮影が中心で、ワクワクさせるものを感じさせてくれる。前作「パブリックエネミーズ」ではジョニーデップに稀代の極悪人を演じさせたけど、これもムチャクチャおもしろかった。そんな訳で非常に相性のいい監督である。でもアジアが舞台になるのは初めてじゃないかな?エキゾティックなムードに憧れていたのじゃないのかな?
2.夜の香港とジャカルタ
あれ?香港に原子力発電所なんてあったっけ?と思って家に帰って調べたら、シンセンにはあるが確かにない。単なるフィクションだ。本当にあったら笑い事じゃないよね。映画に映る原子力発電所の形もフランスの発電所によく似ている。それでも夜のムードを描くのが抜群にうまいマイケルマンは香港でやりたくて仕方なかったのであろう。猥雑な街を映すだけでなく、小型飛行機で香港の上空を何度も映す。啓徳空港がある頃はほんの数秒楽しめた光景で、これはしびれる映像だ。
シカゴと香港は映画界ではおなじみの風景であるが、マレーシア、ジャカルタというと少ない。経済発展を遂げていく都市なのでこれから露出度が高まるだろう。最後に向けてジャカルタの広場での追跡劇はなかなか面白い。賃金も安いのであろうか?大量にエキストラを雇ってお祭りを演出させ、その中で悪の親玉と主人公クリス・ヘムズワースそしてタンウェイを思いっきり動かす。周辺はいかにもエキゾティックな雰囲気を醸し出しているのでなかなかいい。
3.タンウェイ
「ラストコーション」ではトニーレオンとかなり大胆なからみをしていた。本当にやっているんじゃないだろうか?と思わせるすばらしい演技だった。ここでは主人公との絡みはあるが、それほどではない。マイケルマンの「マイアミバイス」では中国人の名優「コンリー」が同じようにヒロインを演じたが、東洋人の女優にかなり関心をもっているご様子だ。
2人の中国人捜査員は兄妹ということになっているが、もともとは恋人同士なんだろう。それをそう見せないで囚人ハッカーの主人公と交わる。でも兄??に事故が起きると泣き叫ぶ。余計なコメントはないけど、そのことで元恋人と感じさせる。
最後も観客に次の動きを予測させながら結末をはっきり言わない。そのあたりはうまい。
(参考作品)
マイアミ・バイス | |
マイアミの夜がエキサイティング | |
コラテラル | |
ロスの熱い夜 | |
ラスト、コーション | |
タンウェイの艶演 | |