映画「夜はいじわる」は1961年(昭和36年)の大映映画。名画座で見てきました。
山本富士子主演作品でもDVD化されていない作品で気になっていた。仕事を切り上げてこっそり見に行ったが、悪くない。何より山本富士子が抜群にいい。七変化のように着物をきがえるのが艶やかだ。どれもこれもいい柄でよく似合う。
妹役である水谷良重の若き日のボリューム感ある肢体をみるのもいい感じだ。
日本橋で代々続くかつお節問屋土佐久が舞台、女系家族の家系で跡取り娘桂子(山本富士子)の母親の三回忌がおこなわれている。次女(水谷良恵)は銀行員の彼氏と結婚したくてたまらず、会長である祖母(北林谷栄)に懇願する。しかし、祖母は長女(山本富士子)が先に行かないとだめだと拒絶している。
一方で社長である父親(中村鴈治郎)は化学調味料の会社に投資して、そのために振り出した約束手形の支払い期限が明日に迫っている。それを銀行員から聞き驚く祖母だ。父親は資金繰りにまわっているが、うまくいかない。そこで祖母と入り婿の父親は対立してしまい、売り言葉に買い言葉で社長は辞める。祖母は資金繰りに旧知の坂田商事の社長(東野英治郎)のもとへ行き、結局お金を借りることができる。その代わりに土佐久に坂田商事から大熊(船越英二)の出向を受け入れることになった。
その後、祖母が体調を崩し、土佐久は跡取り娘桂子が社長代行を務めることになる。番頭山中(川崎敬三)とお得意様企業へ中元品の発注を受けるべく営業活動をはじめるが、丸の内の丸菱商事に行くと課長(多々良純)がなかなかウンと言わない。そこで桂子が自らお願いに行くが、食事を付き合わされた上に夜の付き合いまでさせられてしまい、挙句の果てに言い寄られる始末で、怒った桂子はピンタしてその場を去る。おかげで注文が取れないので業績は前年比マイナスになりそう。しかし、出向してきた大熊が活躍して、その埋め合わせができる見込みがたったが、肝心な鰹節の仕入れが不足する。土佐久はこまってしまうのであるが。。。
「夜はいじわる」なんて題名からはエロティックなイメージしか浮かばないが、その手の匂いはない。
多々良純、左卜全なんてお笑いの名優も出ていてコメデイタッチではあるが、テンポのいい現代劇である。バックに映る一時代前の東京の風景がなつかしい。鰹節のセリの場面なんていうのは生まれて初めてみた。なかなか粋だ。しかも、高知に買い付けに行くシーンもあり、映像的には実に楽しめる。でもこの映画は山本富士子を見せるための映画だ。
1.山本富士子
香港映画「花様年華」でマギーチャンがチャイナドレスを10回以上着がえる。どれもこれもセンスのいい色合いだったが、この映画でも山本富士子の着物七変化も同様の色合いを感じる。他の映画でも感じるが、このころの大映映画に登場する女優さんはみんな着物が似合う。しかも、着物のデザインセンスが抜群にいい。大映衣装部のレベルの高さなのであろうか?映画の中の挿入歌は山本富士子自ら歌う。作詞佐伯孝夫、作曲吉田正の名コンビによるもの。2人の名前を見るだけで曲の中身が想像されてしまうが、まさにその通りなので笑ってしまう。
2.北林谷栄と中村鴈治郎
北林谷栄ほど長くおばあちゃん役を演じた女優もいないだろう。この映画の上映された時はまだ50歳、メイクもあるとは思うけど今どきの50でこんなに老けたおばあちゃんもいないよね。しかも、入り婿を演じる中村鴈治郎の方がこの時ははるかに年上で、こういうアンバランスもおもしろい。でもこの映画は東京日本橋が舞台なせいか、鴈治郎独特のアクの強さがかなり和らいでいる。ミスキャストなのかな?という気もするが、最後に向けて見せる父親のやさしさはこの人ならではと思ってしまう。
3.水谷良重(二代目水谷八重子)
昔はそのグラマラスな肢体をずいぶんと見せつけていたけど、母親の跡を継いで水谷八重子を名乗ってからは、新派の人というイメージが強い。そういった意味では22歳くらいの水谷良重をみれる貴重な映像と言えるだろう。この映画に出演した時はドラマーの白木秀雄と結婚していたころだし、紅白にも出ていた。最後に近いところで、仮面マスクをしたグラマラスな女性が「夜はいじわる」を歌う場面がある。特にクレジットになっていないけど、これって水谷良重じゃないかしら?ドレスで乳首がうっすら見えるのが妙にセクシーだ。
(参考作品)
山本富士子主演作品でもDVD化されていない作品で気になっていた。仕事を切り上げてこっそり見に行ったが、悪くない。何より山本富士子が抜群にいい。七変化のように着物をきがえるのが艶やかだ。どれもこれもいい柄でよく似合う。
妹役である水谷良重の若き日のボリューム感ある肢体をみるのもいい感じだ。
日本橋で代々続くかつお節問屋土佐久が舞台、女系家族の家系で跡取り娘桂子(山本富士子)の母親の三回忌がおこなわれている。次女(水谷良恵)は銀行員の彼氏と結婚したくてたまらず、会長である祖母(北林谷栄)に懇願する。しかし、祖母は長女(山本富士子)が先に行かないとだめだと拒絶している。
一方で社長である父親(中村鴈治郎)は化学調味料の会社に投資して、そのために振り出した約束手形の支払い期限が明日に迫っている。それを銀行員から聞き驚く祖母だ。父親は資金繰りにまわっているが、うまくいかない。そこで祖母と入り婿の父親は対立してしまい、売り言葉に買い言葉で社長は辞める。祖母は資金繰りに旧知の坂田商事の社長(東野英治郎)のもとへ行き、結局お金を借りることができる。その代わりに土佐久に坂田商事から大熊(船越英二)の出向を受け入れることになった。
その後、祖母が体調を崩し、土佐久は跡取り娘桂子が社長代行を務めることになる。番頭山中(川崎敬三)とお得意様企業へ中元品の発注を受けるべく営業活動をはじめるが、丸の内の丸菱商事に行くと課長(多々良純)がなかなかウンと言わない。そこで桂子が自らお願いに行くが、食事を付き合わされた上に夜の付き合いまでさせられてしまい、挙句の果てに言い寄られる始末で、怒った桂子はピンタしてその場を去る。おかげで注文が取れないので業績は前年比マイナスになりそう。しかし、出向してきた大熊が活躍して、その埋め合わせができる見込みがたったが、肝心な鰹節の仕入れが不足する。土佐久はこまってしまうのであるが。。。
「夜はいじわる」なんて題名からはエロティックなイメージしか浮かばないが、その手の匂いはない。
多々良純、左卜全なんてお笑いの名優も出ていてコメデイタッチではあるが、テンポのいい現代劇である。バックに映る一時代前の東京の風景がなつかしい。鰹節のセリの場面なんていうのは生まれて初めてみた。なかなか粋だ。しかも、高知に買い付けに行くシーンもあり、映像的には実に楽しめる。でもこの映画は山本富士子を見せるための映画だ。
1.山本富士子
香港映画「花様年華」でマギーチャンがチャイナドレスを10回以上着がえる。どれもこれもセンスのいい色合いだったが、この映画でも山本富士子の着物七変化も同様の色合いを感じる。他の映画でも感じるが、このころの大映映画に登場する女優さんはみんな着物が似合う。しかも、着物のデザインセンスが抜群にいい。大映衣装部のレベルの高さなのであろうか?映画の中の挿入歌は山本富士子自ら歌う。作詞佐伯孝夫、作曲吉田正の名コンビによるもの。2人の名前を見るだけで曲の中身が想像されてしまうが、まさにその通りなので笑ってしまう。
2.北林谷栄と中村鴈治郎
北林谷栄ほど長くおばあちゃん役を演じた女優もいないだろう。この映画の上映された時はまだ50歳、メイクもあるとは思うけど今どきの50でこんなに老けたおばあちゃんもいないよね。しかも、入り婿を演じる中村鴈治郎の方がこの時ははるかに年上で、こういうアンバランスもおもしろい。でもこの映画は東京日本橋が舞台なせいか、鴈治郎独特のアクの強さがかなり和らいでいる。ミスキャストなのかな?という気もするが、最後に向けて見せる父親のやさしさはこの人ならではと思ってしまう。
3.水谷良重(二代目水谷八重子)
昔はそのグラマラスな肢体をずいぶんと見せつけていたけど、母親の跡を継いで水谷八重子を名乗ってからは、新派の人というイメージが強い。そういった意味では22歳くらいの水谷良重をみれる貴重な映像と言えるだろう。この映画に出演した時はドラマーの白木秀雄と結婚していたころだし、紅白にも出ていた。最後に近いところで、仮面マスクをしたグラマラスな女性が「夜はいじわる」を歌う場面がある。特にクレジットになっていないけど、これって水谷良重じゃないかしら?ドレスで乳首がうっすら見えるのが妙にセクシーだ。
(参考作品)
夜の蝶 | |
美貌の銀座マダム | |