映画とライフデザイン

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映画「青春の蹉跌」 萩原健一&桃井かおり&檀ふみ

2019-09-01 18:05:08 | 映画(日本 昭和49~63年)
映画「青春の蹉跌」を映画館で観てきました。


昭和49年の神代辰巳監督の作品、石川達三の本は高校、大学時代にかなり読んでいる。当然「青春の蹉跌」の内容は鮮明に覚えている。石川達三得意の色恋沙汰だ。ただ、映画館にいっていない。しかも、最近はDVDが発売されたようだが、レンタルにもなかったので初めて見る。

萩原健一、桃井かおり、檀ふみ3人の若き日の姿が懐かしい。司法試験受験生の青年が家庭教師をしていた娘とねんごろになる。お世話になっている富豪のご令嬢に路線変更しようとするが、娘が妊娠してしまってあたふたするという話。途中ここまで長回しでなくてもという緩慢な流れも続き、若干だれるが、人気キャストの腕力で映画をもたせる。

昭和49年の歩行者天国でにぎわう新宿が映る。年初から小坂明子の「あなた」が大ヒットした。その曲もかかるし、全米ヒットチャート1位で日本でも流行ったバリーホワイトの「愛のテーマ」をパクったようなバックミュージックが繰り返し流れる。いずれも時代を感じさせる。メイデーのシーンで社会党の成田委員長がデモをやっている広場で演説するシーンが映る。さすがに今であればありえない映像だ。映画では森本レオが過激な左翼用語を連発しており、ゲバ棒学生の夜襲を受けるシーンがある。まだ大学紛争の色合いが残っている。

1.萩原健一
萩原健一は「傷だらけの天使」同様にメンズビギのジャケットをさっそうと着こなす。実にかっこいい。「約束」岸恵子と共演した時と比較すると、顔もあか抜けている。公開は昭和49年6月なので、「傷だらけの天使」は始まっていない。神代辰巳監督のコンビはこれが初めてだ。高校紛争にのめりこみ、司法試験受験するってインテリのイメージとは違うが、いいキャスティングだと思う。


2.桃井かおり
桃井かおりが独特のけだるい感じをにじませる。最初は萩原健一が家庭教師をやるという設定だ。当時23歳で高校生というとずうすうしい気もするが、まあいっか。中島葵演じる継母が別の男とつきあっていて少しひねている役柄。日活ポルノで名をなす神代辰巳の強烈演出はここでも活かされる。当然バストトップはあらわになり、からみのシーンも多い。かなり大胆だ。雪の中で交わるのは寒いだろう。この映画の後、「前略おふくろ様」などで萩原健一とは名コンビとなる。


3.檀ふみ
檀ふみは当時の教育大付属高から一浪して慶応経済に入学したばかり、映画にも出られるようになったのであろう。かなり清楚な感じである。この役には適任だ。


ヨットに乗船しながら、赤いセパレートの水着で泳ぐシーンがある。色づいたボリューム感はない。檀ふみは大学には6年いたので、年下の自分も学校で何回か見たことがある。同時に六本木の居酒屋で深夜まじめそうな男性とツーショットの場面に偶然出くわしたこともある。結局独身、これだけは運がなかったのかもしれない。
コメント (2)
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