映画とライフデザイン

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映画「半世界」 稲垣吾郎&阪本順治

2019-10-23 17:17:47 | 映画(日本 2019年以降主演男性)
映画「半世界」は2019年公開の阪本順治監督作品


阪本順治監督の作品に稲垣吾郎が出演するということで、上映中から気になっていた。阪本順治監督作品で田舎町が舞台だというと、原田芳雄の遺作で三国連太郎も出演する「大鹿村騒動記」が好きである。

伊勢の海辺の町を舞台に、町を離れていた男が久々に帰還して、小学校中学校で同期だった3人が再会する。その3人を取り巻く紆余曲折を描く物語である。阪本順治作品の常連石橋蓮司などの芸達者が加わり、それなりのレベルであるが、今ひとつの感がある。

伊勢の海辺の町に暮らす高村紘(稲垣吾郎)とその妻・初乃(池脇千鶴)、息子・明(杉田雷麟)の家族は、父から受け継いだ炭焼き窯で備長炭を製炭して暮らしている。中学からの旧友で、海外派遣されていた自衛隊員の沖山瑛介(長谷川博己)が突然町に帰ってくる。瑛介は妻子と別れて、一人で故郷に戻ってきた様子だった。紘は、同じく同級生で中古車販売業を営む岩井光彦(渋川清彦)も呼び、十数年振りに3人で酒を飲む。翌日、3人は廃墟同然だった瑛介の実家を掃除し、住める状態にする。


紘の息子の明は反抗期の真っ最中で、学校でいじめられているようだが、紘は気に留めていなかった。紘は光彦から、息子に関心を持っておらず、それが息子にもバレていると指摘され、ハッとする。数日後、過去を引きずったまま仕事もしていない瑛介を、紘は自分の仕事に誘う。炭材のウバメガシを伐採し、枝打ちして短く切断して窯に火を入れる。炭ができると新規の顧客を開拓しようと営業活動をする。瑛介は、紘がひとりでやってきた仕事ぶりに驚きを隠せないが。。。 (作品情報引用)

1.イジメ
主人公稲垣吾郎の息子は仲間にイジメられている。母親にはそのうわさは入っているが、父親は関心がない。イジメ集団には1人親分がいて、あとは取り巻きだ。陰湿にやられている。いじめている方はさして気にしていないけど、やられている方は最悪というのはいつもの常。でも家ではあいつらにも良いところがあると言い訳している。

久しぶりに故郷に帰ってきた長谷川博己が旧友の息子へのイジメに気づく。これまで自衛隊で格闘の実戦訓練を受けてきたので、息子に格闘のコツを教える。こういうシーンがいい感じだ。やがていじめっ子に復讐する場面が出てくるというわけだ。

同時に中古車販売業を営む光彦のところで、金銭トラブルが起きてよからぬ連中の襲撃をうける。そこにも長谷川博巳の登場だ。なかなか活躍するね。


阪本順治監督は2つ物語にしたいことがあって、それを1つにまとめたという。多分イジメがその1つなんだろう。イジメ映画も復讐場面があると生きてくる。先日観た「ドッグマン」も復讐の場面で意外にも爽快な感触を覚えた。これも同じだ。

2.伊勢備長炭
稲垣吾郎は山で木を切り、窯で備長炭を作っている。親の家業を継ぎ、1人でやっている。ただ、家計は苦しい。これまでの取引先である旅館に納入しているが、旅館の主人からは料理には合わないと言われる。そこで立ち上がるのは池脇千鶴演じる奥さん、生活が苦しくなってもこういう職人タイプの男は何もしない。奥さんが乗り込むしかないのだ。池脇千鶴はいつのまにか肝っ玉母さんの役が性に合ってくるようになった。「そこのみにて光り輝く」以降は強い女としての存在感がある役をできるようになった。


旦那には同窓会へ行くと言って旅館に乗り込む。直談判するのだ。必死である。でもその頃自宅では異変が起きていたのであるが。。。
この終わり方はなんか不自然だなあ。


コメント
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