映画とライフデザイン

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映画「緑の夜」 ファン・ビンビン&イ・ジュヨン

2024-01-22 19:38:02 | 映画(アジア)
映画「緑の夜」を映画館で観てきました。


映画「緑の夜」は韓国を舞台にした香港映画。脱税で摘発された中国の美人女優ファンビンビンの復帰作だ。「ベイビーブローカー」では刑事役で、「野球少女」では主役を張った韓国女優イ・ジュヨンの共演だ。予告編を観て、緑の髪のイジュヨンの雰囲気があやしいのが気になる。中国の女性監督ハン・シュアイの脚本監督作品だ。

中国から韓国に渡り仁川空港の保安検査員をやっているジン(ファン・ビンビン)が緑色の髪の女(イ・ジュヨン)を検査している。靴に探知器反応があり、摘発しようとするが、女は渡航をやめる。ところが、空港の外で緑の髪の女が再度接近してくる。ジンは配偶者ビザで韓国にきたが、今のままだと居られない。緑の髪の女は運び屋だ。気がつくと、2人は夜を一緒に彷徨うことになる。


怪しいムードがずっとただよう。
アジアの妖しい夜を体感した経験のある人にとっては、このムードに浸ると一種の快感を覚えるのではないか。

ストーリーはあるにはあるが、尋常じゃない2人と裏稼業の連中とが関わる妙な話が続く。ファンビンビン演じる中国人女性も、訳ありで韓国に来ている。韓国人の夫は強烈なDVだ。その男に暴力を振るわれながら仕方なく暮らす。永住権ビザを得るには3500万ウォン必要だ。イジュヨン演じる韓国人運び屋もまともじゃない。彼氏が元締めのようだ。そんな2人が彷徨う夜の韓国はあやしいムード満載だ。ボーリング場まであやしく見える。絶対こんなところ行きたくないと思うようなエリアを映し出す。

保安検査員の上司が、運び屋と通じていたり、警察沙汰の事件が何もなかったように処理されるシーンがある。この辺りは韓国の裏社会の世界に通じるのであろう。


映画を観ているときに,連想した作品は「薄氷の殺人」「鵞鳥湖の夜」やジャジャンクー監督の「罪の手ざわり」などの中国の怪しい夜の雰囲気である。映画が終わって解説を見て中国人女性監督の監督脚本と知り、しかも香港製作だという。なるほどと思った。中国に行くと、街を軽く外れると真っ暗な夜に遭遇する時がある。そんな雰囲気をこの映画で体感した。この感覚は映画館でないと得られない。手持ちカメラと普通のカメラを巧みに使い分けたカメラワークも良かった。

コメント
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