映画「初恋」は2006年の三億円事件犯人がテーマになる映画作品だ。
犯人をなんと宮崎あおいが演じる。
1968年の三億円強奪事件は未解決事件として、長らくマスコミの話題になった。いろんな推理がされたが、結局は時効を迎える。真犯人に関する説は数多くあったが、この映画化はそれらとは全く違う犯人像である。60年代後半の学園紛争時代の世相を巧みに描きながら事件と結び付ける。
宮崎あおいの好演に魅かれる。
1966年の東京を映す。
高校生のみすず(宮崎あおい)は、親と別れ親族に預けられていた。学校の同級生とはなじめない。家に帰っても引き取られた叔母家族ともなじんでいない。みすずの母親は幼い頃、兄を連れていなくなったきりだった。
ある日、みすずは新宿の繁華街にあるジャズ喫茶Bに足を踏み入れた。数日前、母が家を出てから会うことのなかった兄が突然現われ、手渡したマッチがこの店のものだったのだ。暗闇にジャズが店中に響き渡り、音楽に酔いしれる客がいる。フロアの奥に常連の兄の仲間がいた。そこには、女にもてて人望も厚い兄の亮(宮崎将)、亮を慕うアングラ劇団の看板女優ユカ、作家志望で積極的にデモに参加している浪人生のタケシ、ケンカっぱやい肉体派のテツ、お調子者でムードメイカーのヤス。そして、他とは違う雰囲気でひとりランボーの詩集を読む東大生の岸(小出恵介)がいた。みすずは彼らの仲間に加わり、少しずつ生活が変化してゆく。Bで過ごす時間が多くなり、いつの間にかみすずにとって、Bはかけがえのない場所になりつつあった。
ある日、岸はみすずに驚くべき計画を持ちかける。現金輸送車の強奪計画だった。みすずは驚いたが、岸の役に立ちたい一心で、この壮大な計画にのめりこむが。。。
当時の新宿のジャズ喫茶の風景が懐かしい。今ではずいぶんと減った。
自分が中学に上がったのは70年代前半だ。最初ビートルズから入って、当時ニューロックと呼ばれた世界にはまった。ヒットチャートマニアでもあった。ニューロックの中にはシカゴやブラッドスウェット&ティアーズがあり、その延長でジャズを聴くようになった。最初は何が何だかわからなかったが、次第にはまっていった。中学3年になり、高校受験の講習会で渋谷に行くようになったころ、おそるおそる1人で新宿のジャズ喫茶を覗くようになっていた。この映画では描かれているような若者たちが大勢いた。
自分は学園紛争時代の少し後の世代である。他大学に行くと、プラカードの前で演説する闘士たちを見たものだが、母校にはそういう奴らをバカにするムードがあった。実際にまわりにもいなかった。ああいう人間のクズたちと別の世界にいれてよかったと思う。ここではそういう60年代後半の若者をクローズアップする。この映画でジャズ喫茶でたむろった仲間たちが、新宿の騒乱で機動隊にボコボコに殴られる場面を見てバカな奴らだなあと笑ってしまった。
そういう場に高校生ながら「自分の居場所」を見つけた一人の少女の物語だ。
三億円事件が起きたのは年末だった。子供心ながら当時は大騒ぎだったと記憶している。自分が通う小学校でも話題が集中していた。でもこの時、自分の家では家長である祖父のがんが発覚したところであった。それどころではなかった。結局祖父は翌年4月に亡くなる。そのため、この事件に関心を強くもつようになるのは、高校生になって事件の時効がマスコミの話題になってからかもしれない。
沢田研二が三億円事件の犯人を演じたテレビドラマ「悪魔のようなあいつ」は名曲「時の過ぎゆくままに」が劇中で流れていたので有名だ。ジュリーが一番妖艶なころだ。荒井(松任谷)由美の歌でのちに石川ひとみが歌って大ヒットした「まちぶせ」を最初に歌ったのはこの番組で主役に絡む少女を演じた三木聖子だ。瀟洒な彼女の印象が強い。そんな訳でこの番組をやる日は勉強がまったく手につかなかった。
そして三億円犯人に関する情報を収集した。今のようにネットがあるわけでない。本屋や図書館で情報を得た。一人の少年が直後に自殺していて、それが一番有力そうに見えるが、この事件一人で完結するには難しいものがある。この映画のようにコンビで組んでやらないと出来そうもない気がする。
宮崎あおいがいい。新宿のタバコの煙がムンムンとするジャズ喫茶に一人おそるおそる入っていく姿や、初めてバイクを運転する場面の初々しさが実にかわいい。白バイに乗って黒のセドリックに向かう場面はドキドキしてしまう。年上の男性に憧れる少女の恋心を身体全体でうまく表現していた。
予想よりはおもしろく見れた。
犯人をなんと宮崎あおいが演じる。
1968年の三億円強奪事件は未解決事件として、長らくマスコミの話題になった。いろんな推理がされたが、結局は時効を迎える。真犯人に関する説は数多くあったが、この映画化はそれらとは全く違う犯人像である。60年代後半の学園紛争時代の世相を巧みに描きながら事件と結び付ける。
宮崎あおいの好演に魅かれる。
1966年の東京を映す。
高校生のみすず(宮崎あおい)は、親と別れ親族に預けられていた。学校の同級生とはなじめない。家に帰っても引き取られた叔母家族ともなじんでいない。みすずの母親は幼い頃、兄を連れていなくなったきりだった。
ある日、みすずは新宿の繁華街にあるジャズ喫茶Bに足を踏み入れた。数日前、母が家を出てから会うことのなかった兄が突然現われ、手渡したマッチがこの店のものだったのだ。暗闇にジャズが店中に響き渡り、音楽に酔いしれる客がいる。フロアの奥に常連の兄の仲間がいた。そこには、女にもてて人望も厚い兄の亮(宮崎将)、亮を慕うアングラ劇団の看板女優ユカ、作家志望で積極的にデモに参加している浪人生のタケシ、ケンカっぱやい肉体派のテツ、お調子者でムードメイカーのヤス。そして、他とは違う雰囲気でひとりランボーの詩集を読む東大生の岸(小出恵介)がいた。みすずは彼らの仲間に加わり、少しずつ生活が変化してゆく。Bで過ごす時間が多くなり、いつの間にかみすずにとって、Bはかけがえのない場所になりつつあった。
ある日、岸はみすずに驚くべき計画を持ちかける。現金輸送車の強奪計画だった。みすずは驚いたが、岸の役に立ちたい一心で、この壮大な計画にのめりこむが。。。
当時の新宿のジャズ喫茶の風景が懐かしい。今ではずいぶんと減った。
自分が中学に上がったのは70年代前半だ。最初ビートルズから入って、当時ニューロックと呼ばれた世界にはまった。ヒットチャートマニアでもあった。ニューロックの中にはシカゴやブラッドスウェット&ティアーズがあり、その延長でジャズを聴くようになった。最初は何が何だかわからなかったが、次第にはまっていった。中学3年になり、高校受験の講習会で渋谷に行くようになったころ、おそるおそる1人で新宿のジャズ喫茶を覗くようになっていた。この映画では描かれているような若者たちが大勢いた。
自分は学園紛争時代の少し後の世代である。他大学に行くと、プラカードの前で演説する闘士たちを見たものだが、母校にはそういう奴らをバカにするムードがあった。実際にまわりにもいなかった。ああいう人間のクズたちと別の世界にいれてよかったと思う。ここではそういう60年代後半の若者をクローズアップする。この映画でジャズ喫茶でたむろった仲間たちが、新宿の騒乱で機動隊にボコボコに殴られる場面を見てバカな奴らだなあと笑ってしまった。
そういう場に高校生ながら「自分の居場所」を見つけた一人の少女の物語だ。
三億円事件が起きたのは年末だった。子供心ながら当時は大騒ぎだったと記憶している。自分が通う小学校でも話題が集中していた。でもこの時、自分の家では家長である祖父のがんが発覚したところであった。それどころではなかった。結局祖父は翌年4月に亡くなる。そのため、この事件に関心を強くもつようになるのは、高校生になって事件の時効がマスコミの話題になってからかもしれない。
沢田研二が三億円事件の犯人を演じたテレビドラマ「悪魔のようなあいつ」は名曲「時の過ぎゆくままに」が劇中で流れていたので有名だ。ジュリーが一番妖艶なころだ。荒井(松任谷)由美の歌でのちに石川ひとみが歌って大ヒットした「まちぶせ」を最初に歌ったのはこの番組で主役に絡む少女を演じた三木聖子だ。瀟洒な彼女の印象が強い。そんな訳でこの番組をやる日は勉強がまったく手につかなかった。
そして三億円犯人に関する情報を収集した。今のようにネットがあるわけでない。本屋や図書館で情報を得た。一人の少年が直後に自殺していて、それが一番有力そうに見えるが、この事件一人で完結するには難しいものがある。この映画のようにコンビで組んでやらないと出来そうもない気がする。
宮崎あおいがいい。新宿のタバコの煙がムンムンとするジャズ喫茶に一人おそるおそる入っていく姿や、初めてバイクを運転する場面の初々しさが実にかわいい。白バイに乗って黒のセドリックに向かう場面はドキドキしてしまう。年上の男性に憧れる少女の恋心を身体全体でうまく表現していた。
予想よりはおもしろく見れた。