映画とライフデザイン

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映画「牝猫たち」白石和彌

2017-08-12 18:12:35 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「牝猫たち」は2017年公開の日活ポルノ映画である。


久々の日活ポルノがようやくDVDとなる。その昔は各種雑誌に日活ポルノの女優さんたちのヌードが出まくって、女優の名前もすぐ覚えたものだ。今回は監督の白石和彌「凶悪」や「日本で一番悪い奴ら」で知っているが、3人の名前は知らない。他の助演群もざっと名前を追っても知らない人だらけである。低予算という流れは変わらない。

1972年に日活ポルノで「牝猫たちの夜」という田中登監督作品があった。これは新宿で働く3人のトルコ嬢をクローズアップした映画で、玄人筋の評判がいい作品である。1972年8月号の「映画芸術」日活ポルノベスト10でトップになっている。でもここで出演している女優たちは見おぼえない。ある意味、「牝猫たち」も同じように無名女優たちで作られた作品といえよう。

現代の世相に合わせて、3人の風俗嬢のキャラクターはつくられている。ストーリーらしきものはあり、それ自体に不自然は感じないが、男女の絡み合いがその昔に比較するとさみしい感じはする。


池袋の風俗店「極楽若奥様」で働く3人の“牝猫たち”。彼女たちは不思議と気が合って寄り添うが、互いを店の名前で呼び合うだけで本名も、ここで働く理由も知らない。雅子(井端珠里)の今日の客は、引きこもりの男・高田(郭智博)。常連さんだ。ネットで世間を眺めている客に体を提供し、自分も仕事が終われば、寝床としているネットカフェへ帰っていく。


ベビーシッターに子どもを預けて出勤している結依(真上さつき)は、サービスが得意でなく常連がつかない。店長の野中(音尾琢磨)へ、客を回してくれないなら店を変えると愚痴っていると、「男はただ抜けばいい訳じゃないの。本気で惚れたように感じさせたりとか、恋人みたいな気持ちに興奮するんだから。」と説教される始末。


主婦の里枝(美知枝)は、毎回指名をしてくる独居老人の金田(吉澤健)から体を求められることはなく、ただ一緒に過ごすだけ。いつもと同じように呼び出された里枝は、突然金田から大金を見せられ、店とは関係なく会えないかと懇願される…。


ある日、雅子は高田から動画サイトに投稿された盗撮映像を見せられる。仕事の送迎車の中で、運転手の堀切(吉村界人)から嫌な客のことなどを根掘り葉掘り尋ねられ、苛立った雅子が思わず発した「こっちはこれから好きでもない男のアレしゃぶんなきゃなんないんだよ!」という言葉がクローズアップされていた。動画のタイトルは「薄汚い娼婦3号」。高田は、堀切をこらしてめてやると言い出す。あっという間にネットで炎上し、堀切の顔写真、住所までが流出。そんな中「極楽若奥様」には、雅子を指名する予約が殺到するようになるが…。
(作品情報引用)

店長がゴマをすり、女の子たちを働かせようとしている。
一人はネットカフェ難民で家の中でパソコンオタクになっている引きこもり男の指名を受けHをされるわけもなく長時間の相手をさせられている。一人は子持ちで子供を男性ベビーシッターに預けているが、子供は母親の虐待にあっている。一人は夫はいるけれど、妻を亡くしたばかりの男に常に指名されて情を求められている。そんな3人が池袋の出張デリヘルでお客に呼ばれるのを待っている。


いたるところで盗撮が行われて、それを動画でアップして男性の従業員同士の恨みつらみをはらしている。動画にだすことで炎上させてしまうという行為自体ひと時代前にはなかったこと。いかにも現代流で日活ポルノができている。

3人いるんだけど、いずれもボリューム感のあるボディではない。いざとなったら抜くぞと思わせるような色気もあるわけではない。それでも、非現実感はない。もしかしたらこんな女いるんじゃないかというリアルな感じが残る。




牝猫たち
池袋の風俗で働く3人の人間模様



牝猫たちの夜
1972年の日活ポルノの名作

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